【芝桜(シバザクラ)の育て方】おすすめ品種やお手入れのコツ、増やし方!
芝桜(シバザクラ)は、桜に似た可憐な花を咲かせます。ピンクや白、紫など、花色も豊富です。背丈は低いものの、芝のように広がりながら、野原を覆うように育っていきます。
かわいらしい芝桜は、植物を育てるのが初めての方にもおすすめできる、育てやすい花です。
今回は、芝桜の花の特徴や名所、花言葉、おすすめ品種などの豆知識のほか、ご自宅での育て方、増やし方などをご紹介します。
- 目次
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- 芝桜の特徴や魅力とは?
- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- 芝桜の主な品種は?
- オータムローズ
- キャンディーストライプ(多摩の流れ)
- リトルドット
- スカーレットフレーム
- オーキントンブルーアイ
- 芝桜の花言葉は?
- 圧巻の芝桜を堪能できる! 日本各地の名所を紹介
- 富士芝桜まつり
- 八王子山公園
- 芝ざくら滝上公園
- ひがしもこと芝桜公園
- 【芝桜の育て方】基本的な栽培方法
- 育てる場所
- 土づくり
- 植えつけ
- 水やり
- 肥料
- 【芝桜の育て方】お手入れ方法や注意点
- 草取り
- 刈り込み
- 目土
- 夏越し・冬越し
- 【芝桜の育て方】挿し芽や株分けによる増やし方
- 芝桜の挿し芽の適期
- 芝桜の挿し芽の方法
- 芝桜の株分けの適期
- 芝桜の株分けの方法
- おわりに
芝桜の特徴や魅力とは?
芝桜は北アメリカ原産の多年草です。「桜」の名がついていることが示すように、花の形や色などはサクラに似ています。
ただ、サクラはバラ科であるのに対し、芝桜はハナシノブ科の植物である点が異なります。開花時期は4月から5月にかけて。北海道のように寒いところでは5月から6月頃までが見頃です。
草丈は10cm~20cm程度と低めですが、茎を這うように伸ばして生長することが特徴です。なかには1mほど伸びるものもあり、複数株を植えると地面を覆う芝桜の花畑ができるでしょう。
グランドカバーにもぴったりですが、花壇の縁取りとして植えるのもおすすめです。名前に「芝」とつきますが、芝生のように踏まれると傷んでしまうことがあるため、人に踏まれない場所で栽培しましょう。
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
芝桜の主な品種は?
芝桜といえばピンク色の花を思い浮かべる方も多いかもしれません。ただ、品種によっては白色や紫色、青色の花を咲かせるものもあります。こちらでは芝桜の主な品種をご紹介するので、お好みの品種を見つけてみましょう。
オータムローズ
濃いピンク色の花を咲かせる品種です。ほんのりと甘い香りを漂わせることも特徴のひとつ。ゆっくり茎を伸ばして生長し、環境によっては冬でも緑の葉を見ることができます。
キャンディーストライプ(多摩の流れ)
白地の花びらの中央にピンク色の筋が入る品種です。名前の通りキャンディーのようにかわいらしいので、キュートな印象の花壇をつくりたいときにもぴったり。
耐寒性はありますが、冬に積雪のある地域では葉が落ちることがあります。
リトルドット
真っ白な花を咲かせる品種です。鮮やかな緑色の葉と純白の花のコントラストを楽しむことができます。
お庭や花壇を覆うように植えて、雪原のような花畑をつくるのもおすすめです。
スカーレットフレーム
赤みの強いピンク色の花を咲かせる品種です。
ほかの品種と比べると花びらが細めで、花の数も少なめであるため、満開の時期でも葉の色との対比を楽しみやすいことが特徴です。
オーキントンブルーアイ
涼しげな青紫色の花を咲かせる品種です。ほかの品種よりも花びらの先端の切れ込みが深く、開花期間が長めなことが特徴。
また、草丈がやや高くなるため、ボリューム感のある花壇にしたいときにもぴったりです。
芝桜の花言葉は?
芝桜の花全体の花言葉は「一致」や「合意」、「温和」、「協調」などです。どれも芝桜が集まって咲くことにちなんでいます。
ほかには、「忍耐」や「誠実な愛」といった花言葉もあります。どんな土地でもけなげに咲く芝桜の姿から連想されたようです。
また、芝桜には色ごとに違った花言葉があります。濃いピンクの芝桜は「私を拒否しないで」という花言葉が、薄いピンクの芝桜には「臆病な心」という花言葉がつけられています。
同系色の花びらを持ちながら、花言葉は対照的です。
白色や青みがかった色の芝桜には、「燃える恋」、「きらめく愛」といった花言葉がつけられています。
風に揺れる芝桜の姿が、静かに燃える炎のような、ひそかな情熱を思わせるためです。
圧巻の芝桜を堪能できる! 日本各地の名所を紹介
芝桜は4月から5月にかけて咲き始めます。ここでは、ゴールデンウィークのお出かけにもぴったりの芝桜の名所をご紹介します。
富士芝桜まつり
80万株の芝桜が鑑賞できる、日本有数の芝桜まつりです。毎年4月から5月にかけて、「富士本栖湖リゾート」にて開催されています。
色とりどりの芝桜越しに望む富士山は、まさに絶景。気球遊覧や食フェス、限定お土産品の販売など、花見以外のイベントも楽しめます。
八王子山公園
群馬県太田市の「八王子山公園」には、50万株の芝桜が植えられています。
見晴らしの良い丘の上で芝桜を眺めながら、家族でお散歩するのも楽しそうです。ゴールデンウィーク期間中にはマルシェやステージイベントなども開催されます。
芝ざくら滝上公園
北海道の滝上町にある公園です。10haにわたってさまざまな色の芝桜が咲き誇ります。
毎年5月下旬に開催される「たきのうえ芝ざくらまつり」では、有料でヘリコプターの遊覧飛行も体験できます。
上空から見えるピンク色の絨毯は壮観です。
ひがしもこと芝桜公園
もうひとつの北海道の芝桜の名所がこちらです。こちらも10haの丘に植えられた芝桜を楽しめます。
北海道の芝桜の野開花時期は本州よりも遅く、5月上旬から6月上旬です。連休が終わってからのお出かけにもおすすめです。
【芝桜の育て方】基本的な栽培方法
芝桜は耐暑性・耐寒性ともに優れている丈夫な花です。ガーデニング初心者の方にも、芝桜であれば無理なく育てられます。
ここからは、ご自宅での芝桜の育て方をご紹介します。
育てる場所
芝桜は北アメリカの乾燥した冷涼な地域が原産です。そのため、湿気が少なく涼しい場所を好みます。斜面や石垣のように乾燥しやすい場所でも元気に育てられます。
また、日陰に植えると生育が悪くなり、花の数も少なくなってしまいます。日当たりが良いほうが花も咲きやすくなるため、日陰になる場所は避けて植えましょう。
土づくり
芝桜は水はけの良い土を好みます。地植えの際は水がたまりにくい場所に植えましょう。雑草の影響で芝桜の生育を悪くすることがあるので、見つけたら丁寧に抜いておきます。
ご自宅の花壇の水はけが悪い場合は、掘り返して川砂や赤玉土や腐葉土などを混ぜ込み、耕して水はけを改善する必要があります。
鉢植えの場合は『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』がおすすめです。
植えつけ
芝桜の植えつけは、3月~5月、もしくは9月~11月に行われます。気温の変化の穏やかな時期のほうが、根腐れを起こしにくいためです。
ただし、秋に植えつけを行う場合、根づく前に寒さが深まると枯れてしまう可能性があります。気温に注意しながら、早めに植えつけを済ませましょう。
地面や広い花壇などに植える際は、間隔を20~30cm空けましょう。
プランターでも最低15cmは株間(株どうしの間)を空けます。植えつけの際には、元肥として肥効期間が約1年間持続する『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込みます。
植えつけが終了したら植物用活力液『リキダス』を1,000倍に水にうすめて、たっぷりとあげましょう。
水やり
植えつけしてから根付くまでの1~2週間は土が乾かないように水を与えます。
株の周辺にたっぷりと水をそそぎましょう。
ただ、芝桜は水やりしすぎると根腐れを起こすことがあるので注意が必要です。
地植えの場合、根づいたら水やりはほとんど必要ありません。鉢植えは土が乾いたら水をあげるようにします。
肥料
芝桜は根がデリケートなため、肥料を与えすぎても弱ってしまいます。
植えつけ時に元肥として肥料やけの心配がすくない『マグァンプK中粒』を加えるようにしましょう。
開花前の2月~3月頃と、花が終わってから1カ月後のタイミングに、液体肥料『ハイポネックス原液』500倍に希釈して与えましょう。
【芝桜の育て方】お手入れ方法や注意点
芝桜は丈夫で育てやすい植物ですが、長く楽しむためには時期に合わせたお手入れが必要です。
どういったお世話が必要なのかを確かめておきましょう。
こちらでは、芝桜のお手入れのコツや注意点を解説します。
草取り
芝桜は植えつけから株が大きく育つまで、雑草が生え続けます。そのままにしておくと芝桜に必要な栄養をとられてしまい生育が悪くなってしまいます。こまめに除草することが大切です。
特に植えつけからしばらくの間は頻繁に雑草を抜いてあげましょう。芝桜がある程度大きくなり、土を覆うようになれば雑草も生えにくくなってきます。
刈り込み
芝桜はうまく育てれば何年も咲いてくれる多年草です。花が散った後は、刈り込みをして来年に備えましょう。
刈り込みする部分は、花がらが変色して茶色になったところです。少々花が残っていても剪定してしまいましょう。
そのままにしておくと株が育って密集してしまいます。
そうなると湿気の強い梅雨や夏場に蒸れてしまい結局枯れてしまいます。
ただ、刈り込みをする際は、根本から一気に切り取ってしまわないようにしましょう。
大胆に剪定しすぎると、新芽が生えてこなくなります。
適切に刈り込みができれば翌年以降にかけて枝が増え、より多くの花が咲くはずです。
また、株全体の刈り込みが済んだら、剪定バサミで古い茎などを適宜カットすると良いでしょう。
目土
芝桜は生長すると茎から新たに根を生やし、土に広がっていきます。
ただ、新しく生えた根は完全に埋まっておらず、土からはみ出ている部分があります。
浮き上がった根を覆うため、1年に1回~2回の頻度で土をかぶせる「目土(めつち)」を行いましょう。目土をすることで新たな芽や根の生長を促すことができます。
目土には水はけの良い砂などを活用します。市販されている芝生の目土用の土を使ってもかまいません。
むき出しになった根元の部分を覆うように土をかけましょう。
夏越し・冬越し
芝桜は耐暑性・耐寒性ともに強い植物ですが、夏は高温多湿で、冬は霜によって弱りやすくなることがあります。季節に合わせたお手入れを心がけましょう。
夏は開花が一段落し、葉だけの状態になっているはずです。
この時期に茎や葉が茂りすぎていると内側から蒸れやすくなってしまうため、梅雨前には刈り込みや剪定を済ませておきましょう。
夏の水やりは日中に行わないように注意します。涼しい早朝や夕方以降に水をあげましょう。
冬が近くなると芝桜が茶色くなり、枯れたように見えてしまうことがあります。
元気な株であれば、気温が上がってくると再び緑色の葉をつけて花を咲かせてくれるでしょう。
また、霜の降りる地域の場合は、冬場の霜対策をしておくことがおすすめです。
寒冷紗をかけて霜の被害を防ぎましょう。
【芝桜の育て方】挿し芽や株分けによる増やし方
一般的に流通している芝桜は種をつけないものが多く見られます。ご自宅の芝桜を増やしたいときは、挿し芽や株分けを行うのがおすすめです。
最後に、芝桜を増やす方法について解説します。
芝桜の挿し芽の適期
挿し芽(挿し木)とは、植物の一部を切り取って土に挿し、発根させて新しい株をつくる方法です。
芝桜の挿し芽は9月下旬~10月下旬に行うと良いでしょう。
秋に挿し芽をしておくと、春に植えつけ作業が行えます。
春に挿し芽をして秋に植えつけることも可能ですが、苗の夏越しに少々手間がかかります。
気温が高くなると発根しにくくなってくるのも難点です。慣れないうちは秋に挿し芽をしたほうが良いでしょう。
芝桜の挿し芽の方法
挿し芽の際は、挿し穂をカットする清潔な刃物や、挿し床にする容器、清潔な土などが必要です。用土は肥料の含まれていないものを使いましょう。
芝桜の元気な茎を選び、先端を5cm~10cmカットして挿し穂とします。下のほうについている葉は落としましょう。
しばらく吸水させた後、土に挿します。3号ポットに3本~5本を挿すのが目安です。
発根するまでは半日陰程度の場所で管理します。土を完全に乾かさないように注意し、しっかりと水をあげましょう。
順調にいけば2週間~3週間で発根するため、その後は土の表面が乾いてから水やりするよう切り替えます。ある程度育ったら鉢や花壇へ植えつけて育てていきましょう。
芝桜の株分けの適期
株分けは、植物の株を複数に分けることで増やす方法です。挿し芽のほうがたくさんの株を増やすことができますが、株分けのほうが失敗しにくいといわれています。
芝桜の株分けの適期は花後です。大きく育った株を整理したいときも株分けをすると良いでしょう。
芝桜の株分けの方法
株分けをする芝桜は、根っこごと掘り出します。根をちぎってしまわないように気をつけながらスコップで掘り上げましょう。
掘り上げたら土を落とし、株を分けていきます。あまり細かく分けると育つのに時間がかかってしまうため、大まかに分けたほうが良いでしょう。3号ポットに一株おさまる程度の大きさが目安です。
ポットに土を半分入れたら、株分けした芝桜を入れ、残りの土をかぶせていきます。根に隙間ができないように土を入れることがポイントです。終わったらたっぷりと水をあげましょう。
根づくまでには2週間~3週間かかります。水切れを起こさないように気をつけて管理しましょう。その後はお好きな鉢や花壇へ植えつけて育てていくことができます。
おわりに
かわいらしい芝桜の花には、ピンク色や白色、青色などさまざまな色があります。名所は全国各地にあるため、お近くの花畑を観賞してみましょう。
名所を堪能して花が気に入ったら、ぜひご自宅でも芝桜を育ててみてください。
芝桜は寒冷地でも育つ丈夫な花のため、これからガーデニングをはじめたい方にもおすすめです。
草取りや刈り込み、目土などを行いながら育てていくと、春にたくさんの花を咲かせてくれるはず。
より多くの花を楽しみたい場合は挿し芽や株分けなどにチャレンジすることもひとつの方法です。
ぜひ芝桜を栽培して、ご自宅の庭に、お花の絨毯(じゅうたん)を再現しましょう。
公開:2019年5月10日
更新:2023年10月27日