【家庭菜園】 トマトに追肥するタイミングは?肥料の与え方や注意点について
トマトは家庭菜園で取り組みやすい野菜のひとつです。収穫できる期間が長く、順調にいけばたくさんの実を食べられるメリットもあります。
トマト栽培を長く続けるためには、肥料についても配慮することが大切です。今回は、トマトの追肥についてのさまざまな知識や注意点、基本的な栽培方法などをご紹介します。
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【家庭菜園】トマトの実が出来た時こそ要注意!〜農家さんのトマト栽培マル秘テクニックも、野菜の液肥と粒状肥料の使い分け方法も全部大公開!〜
追肥に関する基礎知識
作物を育てるうえで欠かせないのが追肥です。まずは、追肥の特徴や適している肥料などについて解説します。
追肥とは
肥料は、与えるタイミングで呼び方が異なります。追肥とは、生育途中に肥料を与えることです。野菜や花、果実などの生長に必要な栄養を施します。収穫や開花などのタイミングに合わせて追肥をすることもあります。
植えつけの前に与えるものは元肥と呼びます。生育初期段階の生長を助けることが目的です。
追肥に向いている肥料とは
肥料は植物の状態に応じて使い分けることが基本とされます。追肥の場合は、すぐに効果を得られる速効性肥料を使うケースが多く見られます。速効性肥料にはいくつかの種類がありますが、液体肥料(液肥)が一般的です。
また、じっくりと効果を得たい場合は緩効性肥料を使うこともあります。粒状やタブレット型などの固形肥料が多く見られます。
加えて、肥料を施す植物に合った成分が入っているかどうかも考慮しておきましょう。トマトの場合は、肥料の三要素であるチッソ・リン酸・カリがバランスよく配合されており、カルシウムやマグネシウムなども含まれているものが適しています。トマトの生育に適した専用肥料を利用するのもおすすめです。
液肥を追肥として使用する場合『ハイポネックス原液』を、緩効性肥料を使用する場合は、『今日から野菜 野菜の肥料』がおすすめです。
また、野菜(特にトマト)は、カルシウム不足に気を付ける必要があります。お尻部分が黒くなっているトマトを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは、カルシウム不足による尻腐れ症の症状です。
特に大玉トマトを育てられるとカルシウム不足になりやすいので、尻腐れ症の予防に植物用活力液『リキダス』を併用するとよいでしょう。肥料の吸収を高めるので植物がより大きく元気に育ちます。
トマト栽培における追肥のタイミングや方法
トマトの追肥は、適切なタイミングを見計らって行うことが大切です。適当に与えていると、病気や害虫被害の原因になることもあります。基本的な施肥のやり方を押さえておきましょう。
トマトの追肥のタイミング
液肥『ハイポネックス原液』トマトの追肥は収穫までに複数回行います。1回目は、ひとつめの実がピンポン玉程度の大きさになったタイミングです。ただし、株が元気良く育っていればあえて与えずに様子を見ると良いでしょう。とくに地植えの場合は肥料成分がとどまりやすいため、過剰に与えすぎないよう注意が必要です。
以降は、だいたい2週間おきに水やりのついでに施肥を行いましょう。ただし、使用する肥料や栽培環境などによって、適した施肥の頻度は変わります。
例えば、プランター栽培の場合は畑で栽培しているときより早めに肥料が切れてしまいます。株をよく観察して、施肥のタイミングを見極めることも重要です。トマトに元気がなく、葉が薄い色に変化してきた場合は、その都度少しだけ施肥しましょう。
緩効性肥料『今日から野菜 野菜の肥料』を使用する場合は、詳細は裏面に記載していますが、1,2回追肥として与えれば十分です。
後述しておりますが、施肥のタイミングの見極めポイントとしては、葉が下側に大きく巻き、葉の緑が濃くなっている場合、肥料が効きすぎている、と考えられます(つるぼけ)。
この状態のときは、肥料を控えましょう。反対に、葉が上の方に反り返り、葉の緑が薄い状態のときは、「肥料が切れている」ので、肥料を与えてください。なお、理想は、葉がほぼ平行になっているか、やや下に巻いている状態です。
長雨、日照不足等の天候不順、気温の変化によってトマトが肥料を必要とするタイミングが異なります。液肥の場合、2週間に1回の施肥を目安にしつつ、葉の状態を見ながら管理してあげてください。
トマトの追肥の方法
固形肥料『今日から野菜 野菜の肥料』の場合は、土に肥料を置く、混ぜるといった方法で施します。根に肥料が直接触れないように注意が必要です。
液体肥料『ハイポネックス原液』の場合は水やりがわりに施すことが基本です。希釈した肥料を土に注ぎます。
ただし、使用する肥料によっては与え方が異なるケースがあります。いずれの場合も、購入した肥料の説明書をよく読んで、決まりを守って与えることが大切です。
トマトの育て方やお手入れ方法
トマトを育てるときは、追肥はもちろん、用土の準備やわき芽の処理など、さまざまな部分に気をつけることが大切です。こちらでは、トマトの基本的な栽培方法や、管理方法などをご紹介します。
土づくり
美味しいトマトを育てるためには、定植前に土壌を整えておくことが大切です。良い環境で育てると、より良いものが出来やすくなるだけでなく、管理も楽になります。
是非、土にこだわってみてください。地植えの場合は植えつけ2週間前に苦土石灰を混ぜておきましょう。1週間前になったら元肥『マグァンプK中粒』もしくは『今日から野菜 野菜の肥料』を加えます。
ご自宅にある用土を使う場合は、連作障害に注意しましょう。3年以内にナス科を植えた土は避けて植えることがおすすめです。
種まき、育苗
トマトの発芽には20℃~30℃が必要です。暖地の場合、2月から種まきできることがあります。寒冷地の場合は3月下旬まで待つと良いでしょう。育苗中は低温にさらされないように注意が必要です。管理が難しい場合は苗から育てるのもおすすめです。
育苗ポットにまく場合は、ひとつのポットにつき3~4粒が目安です。発芽したら順次間引いて一本立ちにしましょう。
植えつけ
家庭菜園で少量を育てる場合は、種から育てるよりも苗を買って植えたほうが手軽です。植えつけ適期は5月頃ですが、地域によって前後します。複数株を植える際、株間は50cm程度設けましょう。
植えつけが完了したら、水をたくさん与えましょう。植物用活力液『リキダス』をこのタイミングで希釈して与えると、根張りが良くなります。継続的に使用することで、肥料の吸収をよくし、尻腐れ症予防にも効果を示します。
また、植えつけ場所には日当たりの良い場所を選ぶこともポイントです。日照不足になると病害虫被害を受けやすくなるため注意しましょう。
水やり
トマト栽培では、水を少なめに与えることで、甘い実がつきやすくなると聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。こういった方法は「水切り栽培」と呼ばれ、甘いフルーツトマトなどをつくる際に行われます。
ただし、水の量を加減するのは難しく、初心者の場合は水不足を起こしてしまう可能性もあります。尻腐れ症や着果不良、割果、裂果などの生育不良が発生する原因になることも。トマト栽培に慣れないうちは、水切れしないように配慮したほうが良いでしょう。
基本的に、土の表面が乾いたら鉢底から水があふれるまでたくさん水やりするのがコツです。
根も呼吸しているので、水を沢山あたえることで土のなかの古い空気、汚れ、二酸化炭素を外に押し出し、新鮮な空気を中に送り込みます。曇りの日などは水が乾きにくいため、水やりの量を減らすと良いでしょう。できるだけ朝の早いうちに水を与え、日中の生育を助けましょう。
芽かき、誘引
トマトは生長するにつれてわき芽を伸ばしていきます。わき芽が増えすぎると実が生長するために必要な栄養が取られてしまうため、早めにかき取ることがおすすめです。本葉の付け根に出てきたわき芽は、すべて摘み取っていきましょう。
加えて、茎を誘引して支柱に結ぶ作業も必要です。支柱を立ててあげなければ、生長すると倒れてしまうこともあるため気をつけましょう。茎を結びつけるときは、きつく締め付けないように注意します。紐を8の字にかけて結ぶことが基本です。
収穫
トマトの品種や環境によって収穫適期は異なりますが、一般的には植えつけから60日程度経つと順次収穫できるようになります。
実がほとんど色づいて、咢(ヘタ)の部分が反り返ってきたら収穫適期です。朝の早いうちに摘み取りましょう。ミニトマトであれば手でもぎ取っても良いですが、大玉の場合は軸の部分をハサミでカットする方法がおすすめです。
トマトの追肥に関する注意点
トマト栽培は肥料を与えすぎて失敗するケースが多く見られます。肥料過多になると、葉や茎ばかりが茂り、実つきが悪くなることも。
とくに、チッソ過多には気をつけましょう。チッソが過剰になっているかどうかは、葉の色や向きで見分けることが可能です。葉の色が濃くなっており、内向きに巻いている場合はチッソ過多の可能性があります。
反対に、葉が色あせて上向きに巻いている際はチッソ不足かもしれません。チッソが過剰になっていると判断できたら、一度追肥を見送って様子を見ましょう。
肥料が不足すると、実がしっかりと肥大しなかったり、葉の色が抜けたりといったトラブルが生じることがあります。とくに、カルシウム不足になると尻腐れ症になる可能性があります。肥料とともに植物用活力液『リキダス』を併用し、尻腐れ症を防ぎましょう。
ただし、尻腐れ症はチッソ過剰の状態でも生じやすいといわれています。チッソの影響でカルシウムの吸収が阻害されるためです。できるだけ栄養の過不足が生じないよう、肥料の説明書をよく読んで、適切な量を与えることが大切です。
おわりに
トマト栽培では追肥のタイミングや、肥料成分などに気をつけることが大切です。状況によっては、肥料の量や施肥の頻度などを調整することが求められます。株の様子を見ながら肥料を与え、大きな実の収穫を目指しましょう。
公開:2022年6月4日
更新:2023年6月24日