【バラの育て方・栽培】 1月はバラの休眠期!やっておきたいお手入れや注意点は?
1月はバラが休眠期に入る時期です。
春の開花に向けて寒い季節に植え替えや剪定など適切に準備することがとても重要です。
- 目次
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- 1月のバラ栽培:株の状態をチェックしよう
- バラの枝をチェックするときのポイント
- バラの根をチェックするときのポイント
- 動画でわかりやすく!【高木店長のバラ栽培は面白い!! 】
- 1月のバラ栽培:鉢植えは植え替えよう
- バラの鉢植えの土づくり
- バラの鉢植えの植え替え手順
- 1月のバラ栽培:肥料(寒肥)を施そう
- 1月のバラ栽培:必要に応じて水やりしよう
- 1月のバラ栽培:つるバラの誘引・剪定を済ませよう
- つるバラの剪定
- つるバラの誘引
- 1月のバラ栽培:大苗を植えつけよう
- バラの大苗の植えつけ方法
- 大苗の植えつけ後の注意点
- 1月のバラ栽培:木立ち性バラの冬剪定を済ませよう
- 木立ち性バラの剪定の基本
- 木立ち性バラの冬剪定の方法
- 木立ち性バラの冬剪定で残したい芽
- 木立ち性バラの冬剪定の注意点
- おわりに
- 🌹金子慎吾さんのバラ栽培の基本
- この記事で紹介された植物について
- この記事に関連する商品について
寒さが厳しい1月は、バラの休眠期にあたります。開花が終わって葉が落ちている場合もあり、寂しい印象を持つ方も多いのではないでしょうか。ただ、この時期にだからこそやっておきたいお手入れはたくさんあります。バラを長く育てて毎年の開花を楽しむために、1月の間もしっかりとお世話を続けていきましょう。今回は、バラの状態をチェックするときのポイントや、鉢植えの植え替え方法、寒肥の与え方、剪定のコツなど、さまざまなお手入れについてご紹介します。
1月のバラ栽培:株の状態をチェックしよう
1月頃のバラは葉が落ち、枝のみの状態になっていても問題ありません。枝がむき出しになっているタイミングは、株の様子を観察する絶好の機会ともいえます。ぜひバラの状態を確かめてみましょう。
バラの枝をチェックするときのポイント
まずは、枝の色に注目してみましょう。赤みを帯びた枝が多いバラは健康な状態といえます。ただ、品種によっては枝が赤くならないこともあります。品種の特性を調べておきましょう。
緑色の枝が多い場合は、比較的元気な状態といえます。冬の間、たくさん日光に当てることを心がけましょう。
黄色っぽい枝が多い場合は、何か問題が起こっているかもしれません。日当たりや水はけが悪くはないか、病害虫被害を受けていないかなどを確かめてみましょう。また、株の回復を優先させるため、春の開花はあきらめることも選択肢のひとつです。枝をバッサリと切り詰めて休ませてみましょう。
バラの根をチェックするときのポイント
バラの鉢植えを育てる際、気をつけたいのが根詰まりです。鉢に根が回ってしまうと、さまざまなトラブルが生じ、株が弱る原因になってしまうこともあります。定期的に根詰まりしていないかをチェックしましょう。
まずは、割りばしなどの適当な棒を用意し、鉢土の表面に挿してみましょう。すんなりと棒が入る場合は、根詰まりのない健全な状態であると判断できます。反対に、棒が土に入っていきにくい場合は、根詰まりしているかもしれません。
また、鉢底穴を見て、根が飛び出している場合は注意が必要です。根詰まりしているため、すぐに植え替えたほうが良いでしょう。
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1月のバラ栽培:鉢植えは植え替えよう
鉢植えのバラは、定期的に植え替えて土を交換することが大切です。何年も植えっぱなしにしていると、根が水や肥料を吸収しにくくなってしまいます。小型の鉢なら1年から2年に1回、大型の鉢なら2年から3年に1回の頻度で植え替えてあげましょう。
植え替えにおすすめの時期が冬の休眠期間中です。地域によりますが、1月頃を目安に作業を行いましょう。
バラの鉢植えの土づくり
植え替えの際も、基本的に植えつけ時と同じ用土を使います。配合する場合は、小粒の赤玉土と堆肥を7:3程度で混ぜたものが基本です。市販されているバラ専用培養土なら、混ぜることなくそのまま使えます。BrilliantGardenバラの培養土は排水性、通気性、保肥性にすぐれ、元肥として緩効性肥料を配合しています。
鉢はちょうど良い大きさのものを用意しましょう。根鉢よりも大きすぎる鉢に植えると、保水性が高くなりすぎてしまい、根腐れしやすくなるためです。
バラの鉢植えの植え替え手順
バラの株元を持って引っ張り上げ、鉢から取り出します。抜けない場合は無理に引っ張らず、鉢を横倒しにしてトントンと叩いてみましょう。
根鉢の土は軽く崩していきます。根が固まってしまっているところは、下から上に向かってほぐしましょう。根鉢の底に十字の切り込みを入れると崩しやすくなります。半分から3分の1程度を目安に、全体を優しくほぐしていきましょう。鉢底から出ているような伸びすぎた根や、傷んでしまった根などはカットします。
鉢にはネットや鉢底石などを敷き、用意しておいた土を入れていきます。植えつけ、植え替えの際は、肥料期間が約2年間持続する緩効性肥料マグァンプK大粒 を元肥として土に混ぜ込みます。
鉢の中央に根を広げたバラを置きましょう。その後、用土を鉢へ詰めていきます。たまに鉢をゆすって、根と根の間にも土が入るようにしましょう。
植えつけ後は、根の活着促進のため植物用活力液リキダスを1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。
1月のバラ栽培:肥料(寒肥)を施そう
地植えのバラには、冬の間に寒肥を施します。寒肥とは、文字通り寒い時期に与える肥料のことです。冬越しする果樹や庭木などに与えるケースが一般的です。冬に休眠している樹木に肥料を与えておくことで、春からの芽吹きに備えることができます。
肥料は緩効性肥料や牛糞堆肥を混ぜたものなどがおすすめです。株の周りに2~3カ所の穴を掘り、肥料を埋めていきましょう。穴の位置は枝の先端の真下あたりが目安です。または、株周辺を囲むように溝を掘り、肥料を施していく方法もあります。寒肥として、『BrilliantGardenバラの有機肥料』を施すことで「肥料」「土壌改良」の二つのすぐれた効果を発揮します。
また、『土を豊かにする肥料』は堆肥と肥料成分がひとつになっており、ペレット状で作業性も良く、土壌改良成分(有機物)配合しているので寒肥として最適です。
1月のバラ栽培:必要に応じて水やりしよう
1月のバラには、あまり水を与えすぎないように管理していきます。完全に乾燥させると枯れてしまうこともあるため、土の様子をチェックしながら水やりすることが大切です。
鉢植えの場合は、土が乾いていたらしっかりと水やりしましょう。地植えの場合、ほとんど与えなくても問題ありません。土の表面を軽く掘り返してみて、中まで乾燥しているようであれば水をあげましょう。
水やりの時間帯は朝がおすすめです。毎日少しずつ与えるのではなく、土が乾いたときにたっぷりと水やりするのが基本となります。
1月のバラ栽培:つるバラの誘引・剪定を済ませよう
つるバラの誘引や剪定は12月中に済ませておくことがおすすめです。適期を過ぎてから誘引すると、枝が固くなるため折ってしまったり、新芽を傷つけてしまったりすることがあります。年内に終わらなかった場合は、遅くとも1月中旬までには終わらせておきましょう。こちらでは、つるバラの誘引や剪定の方法を簡単にご紹介します。
つるバラの剪定
つるバラの誘引を始める前に、一通りの剪定を済ませておきます。葉が残っていたらすべて落としておきましょう。アブラムシやハダニといった病害虫が付着している可能性もあるためです。弱ってしまった細い枝や込み入った枝などは根元から切り、元気な太い枝を残していきます。
また、品種によって枝の太さが異なるため、どの程度の細さであれば切り落として良いか判断に迷うこともあるでしょう。大輪タイプの場合は鉛筆よりも細い枝、中輪タイプの場合は割りばしよりも細い枝、小輪タイプの場合は竹串よりも細い枝を切るのが目安です。
残す予定の枝は、先端から20cm~30cmの位置をカットしていきましょう。側枝は10cmほど残して切り落とします。
シュートがたくさん出てきている場合は、いくつか切り落としてもかまいません。全体的に枝が少ない場合は残しておく方法もあります。
つるバラの誘引
つるバラの枝は、基本的に地面と水平、もしくはやや斜め上の向きになるよう調整します。誘引をせずに枝が上方向へ伸びるのに任せていると、先端付近にしか花が咲かなくなってしまうためです。枝を水平にすることで、付け根のほうにまでたくさんの花がつきやすくなります。すべての枝に日光が当たりやすくなるように位置を決め、誘引紐やビニタイで結んで固定しましょう。
つるバラは、太く元気な枝から優先して誘引します。枝同士の間は、5cm~10cmはあけておきましょう。花が咲いたときの状態をイメージしながら誘引することがコツです。開花時に美しく見えるような配置を目指しましょう。
1月のバラ栽培:大苗を植えつけよう
大苗の植えつけは11月頃から始められます。休眠期間中に植えることが望ましいため、できるだけ2月までに作業を済ませておきたいところです。大苗を購入して1月に届いた場合は、すぐに植えつけておきましょう。こちらでは、植えつけ方法や注意点をご紹介します。
バラの大苗の植えつけ方法
最近は流通量が減りましたが鉢に入っておらず、土もほとんど落としてある裸苗は、根が乾燥しやすいため注意が必要です。乾いている場合は水を張った容器に根をつけて、30分から1時間ほど吸水させても良いでしょう。
接ぎ木テープが付いている場合は植えつけ前に外しておきます。地植えにする場合は、直径と深さがともに40cm程度の植え穴を掘りましょう。掘り上げた土は少しだけ戻し、元肥を混ぜておきます。その後、接ぎ木部分が地表よりも上に来るように調整しながら、大苗を植えていきましょう。このとき、根が肥料に直接触れてしまわないように気をつけます。マグァンプK大粒は、根の肥料やけの心配が少ないので、元肥として安心して土に混ぜ込むことができます。
鉢植えの場合は、鉢底石やネットなどを敷いた上に用土を入れ、苗を植えていきます。地植えと同様、接ぎ木部分が埋まらないように気をつけましょう。土の表面は、鉢の縁部分から5cm程度の位置に来るように調整します。水やりの際に、一時的に水をためられるウォータースペースをつくるためです。最後に、根の隙間に土が入るようにしっかり植えつけます。
植えつけが終わったら根の活着促進のため植物用活力液リキダスを1,000倍に希釈して鉢底から流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。
大苗の植えつけ後の注意点
1月は寒さが厳しくなるタイミングです。植えつけ後の苗を守るため、防寒対策を実施しましょう。
寒風や霜、低温などから守るためには、囲いをつくっておくことがおすすめです。不織布で覆っておくと良いでしょう。ビニールは通気性が悪く蒸れてしまうため、使用を避けたほうが無難です。
鉢植えの場合は寒風を防げる日なたに移動させます。暖房がきいた屋内に移すのは避けましょう。
1月のバラ栽培:木立ち性バラの冬剪定を済ませよう
木立ち性バラは、主に夏と冬の2回にわたって剪定を行います。元気なバラを育てるために欠かせないお手入れのため、しっかりと時期や方法をチェックしておくことが大切です。最後に、木立ち性バラの冬剪定について解説します。
木立ち性バラの剪定の基本
木立ち性バラの夏剪定の時期は9月上旬頃です。秋の開花を控えた四季咲き性のバラに行います。冬剪定は、休眠期の1月~2月に行うのが基本です。
剪定することで株を充実させやすくなり、たくさんの花をきれいに咲かせることが可能となります。春の開花に備え、しっかりと剪定を済ませておきましょう。
ちなみに、深く切ると開花時期が早めになり、花数が多くなる傾向にあります。対して、浅く切った場合は開花時期が遅めになり、花数は少なくなりがちです。ただし、一つひとつの花は大きくなります。
木立ち性バラの冬剪定の方法
剪定の1週間から2週間前までに、残っている葉を落としておきます。枝色をチェックして、株の状態を確認しておきましょう。
剪定の際、枯れた枝や病気や害虫の被害を受けた枝、細く弱々しい枝、込み合った枝などは、根元から切り落としましょう。太く元気な枝は優先的に残します。つるバラと同様、大輪系の場合は鉛筆より細い枝を、中輪系の場合は割りばしより細い枝をカットしましょう。
残す枝にもハサミを入れ、最終的に株の高さが2分の1から3分の1になるまでカットします。
木立ち性バラの冬剪定で残したい芽
残す枝をカットする際、基本的に外側を向いた芽の5mmほど上を切りましょう。この位置で切ることによって、外へ向かって生長する新芽が残り、枝が広がるような形になります。内側に向いた芽ばかりを残してしまうと、枝が込み合いやすくなるため注意が必要です。
また、カットする前に芽の状態もチェックしてみましょう。大きくて丸みのある芽は元気が良いため、優先的に残します。
木立ち性バラの冬剪定の注意点
枝をカットする際は、切り口を斜めにすることがポイントです。水平に切ると、切り口に雨などの水滴が溜まりやすくなってしまいます。水滴が付いたままだと病気の原因になるため気をつけましょう。
剪定に使うハサミを事前に消毒しておくことも大切です。切り口から雑菌が入らないように予防しましょう。
また、ハサミの切れ味が悪く、切り口が乱れてしまった場合も雑菌が入りやすくなってしまいます。切り口が平らになるよう、刃を研いでおくと良いでしょう。
おわりに
1月はバラの休眠期であるものの、春へ向けて済ませておきたいお手入れがたくさんあります。暖かくなってからは芽が動き出してしまうため、寒いうちに剪定や誘引などを行いましょう。
休眠期間に適切なお手入れをしておけば、春の開花時期にきれいな花を咲かせることができます。一つひとつのバラの状態に合わせて、丁寧にお世話していきましょう。
公開:2022年12月30日
更新:2024年1月2日
🌹金子慎吾さんのバラ栽培の基本
この記事で紹介された植物について
バラ
気品あふれるその華やかな姿から、花の女王とも呼ばれるバラ。花の色形のバリエーションは豊富で、ツル性や木立性、一季咲きから四季咲きなどいろいろなタイプあります。比較的病害虫がつきやすい傾向がありますが、樹木なので枯死することはあまりありません。