【家庭菜園】【ピーマンの育て方】 はじめての方でもたくさん収穫できる栽培のコツをご紹介します!
独特の苦みと香りが魅力のピーマンは、ご自宅でも気軽に育てられる夏野菜です。ピーマンがお好きな方は、ぜひ家庭菜園を始めてみましょう。今回は、ピーマンの特徴や種類、基本的な育て方、栽培のポイントなど、さまざまな情報をご紹介します。
- 目次
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- 動画でわかりやすく!【PlantiaQ&A】植物の育て方をQ&A形式でご紹介
- ピーマンの基礎知識
- 栄養豊富なピーマン
- 一株からたくさん収穫できるピーマン
- ピーマンの種類
- 緑ピーマン
- 赤ピーマン(カラーピーマン)
- パプリカ
- フルーツピーマン
- バナナピーマン
- ピーマンの育て方|栽培する上での注意点
- 連作障害
- ピーマンが好む栽培環境
- ピーマンの育て方|種まき・育苗について
- ピーマンの育て方|苗の植えつけについて
- ピーマンの苗の選び方
- 地植え方法
- 鉢植え方法
- ピーマンの育て方|水やり・追肥・誘引について
- 水やり
- 追肥
- 誘引
- ピーマンの育て方|摘果・整枝について
- 摘果
- 整枝
- ピーマンの育て方|収穫について
- ピーマンの収穫時期
- ピーマン収穫のタイミングの目安
- ピーマン収穫の注意点
- ピーマンの収穫方法
- ピーマン収穫後の保存方法
- ピーマンの育て方|肥料の過不足を見分けるサイン
- ピーマンの育て方|病害虫や生理障害について
- モザイク病
- アブラムシ
- 黄化えそ病
- ミナミキイロアザミウマ
- 青枯病
- ピーマン疫病
- 尻腐れ病
- おわりに
- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
動画でわかりやすく!【PlantiaQ&A】植物の育て方をQ&A形式でご紹介
ピーマンの基礎知識
ピーマンは栄養豊富な実をたくさんつける野菜です。まずは、ピーマンの基礎知識をご紹介します。
栄養豊富なピーマン
ピーマンにはビタミンCやβカロテンといった栄養が豊富に含まれています。ビタミンEやカリウム、食物繊維なども多く含まれているため、ぜひさまざまな料理で摂取することがおすすめです。
一株からたくさん収穫できるピーマン
ピーマンの収穫時期は6月から10月と長めです。苗の植えつけ後は、早い段階で花が咲きます。開花後、早ければ2週間~20日程度で収穫を始められます。
ピーマンは一株からいくつもの実が収穫できる野菜です。品種によるものの、だいたい50~60個は収穫できるでしょう。うまく育てれば100個以上の収穫を目指すことも可能です。ピーマンがお好きな方は、ぜひ家庭菜園で育ててたくさんの実を収穫しましょう。
ピーマンの種類
ピーマンはナス科に分類される植物で、トウガラシを品種改良して生まれました。英語では「green pepper」または単に「pepper」といいます。日本語のピーマンはフランス語の「piment」からきています。
日本で出回っているピーマンは明治初期にアメリカから渡来したイスパニア種を品種改良したものといわれています。トウガラシの変種になりますが、カプサイシンが含まれていないため辛くありません。また、緑色なのは未成熟な状態で収穫した果実であるためです。成熟させると赤や黄色に色づきます。
ピーマンは元々が品種改良種であり、成熟の度合いで食味が変わります。ここでは、ピーマンの主な種類をご紹介します。
緑ピーマン
もっともよく見かけるピーマンです。7cm前後の大きさで緑色をしており、果肉はやや薄め。少し苦く、青臭さが残る味が特徴です。
赤ピーマン(カラーピーマン)
緑ピーマンが完熟すると赤ピーマンになります。緑ピーマンと比べると甘く、青臭さが少なく、皮が柔らかいことが特徴です。この状態のピーマンは「カラーピーマン」という商品名で流通していることもあります。また、緑ピーマンと比較すると、赤ピーマンのほうがビタミンCやβカロテン、ビタミンEなどの含有量が多くなります。
パプリカ
ピーマンは、シシ型やベル型などの種類に大別できます。それぞれ、形や果肉の厚みなどに違いが見られます。
一般的な緑ピーマンや赤ピーマンはシシ型というタイプに分けられます。対して、パプリカはベル型という品種に該当します。ベル型はシシ型と比べて苦みが少なく、果肉が厚い点が特徴です。
フルーツピーマン
品種改良により糖度を増して甘くした品種で、別名フルーツパプリカともいいます。ひとつの品種というよりも、糖度が高く色がさまざまで生食やサラダにしやすい品種をまとめた総称となります。
たとえば、「セニョリータ」という品種はサイズが小さいトマトのような形をしていますが、「ぱぷ丸」は普通のピーマンのように細長い形をしています。大きさは一般的なパプリカの半分程度です。
また、ロシア原産の「アナスタシア」のように紫や黒といった色をしているものもあります。
バナナピーマン
黄緑色で細長い円錐形をしている品種です。色と形状からバナナピーマンと呼ばれます。果肉は甘く柔らかさがあり、緑ピーマンの苦みや青臭さは感じられません。成熟するとオレンジ色から赤色へと変わっていき、甘みが増していきます。
ピーマンの育て方|栽培する上での注意点
ピーマンは育てやすい野菜のひとつですが、植えつける場所によって連作障害が生じることがあります。また、植えつける場所の日当たりや風通しといった環境にも配慮しましょう。以下では、ピーマン栽培を始める前に知っておきたい注意点をご紹介します。
連作障害
ピーマンはナス科の野菜との連作障害があります。
連作障害とは、同じ科の野菜を同じ場所で植え続けることで生じる生育障害です。ナス科のピーマンの場合、トマトやジャガイモ、ナスなどの同じナス科植物を植えた場所に植えることで、連作障害が起こることがあります。
同じ科の植物は、土から吸収する栄養素や植物に棲み着く生物がほとんど同じになります。そのため、同じものを植えていると、だんだん土の栄養などのバランスが崩れてくるのです。
連作障害の種類は、主に以下の3つに分けられます。
土壌の病害
土壌の中に、病原となる細菌やカビやウイルスが多くなりすぎてしまうことがあります。これによりさまざまな病気が生じやすくなるため注意が必要です。
生理障害
土壌の中にある植物の生育に必要な栄養素が少なすぎる、もしくは多すぎる場合に生じることがあります。窒素過剰やカルシウム欠乏、マグネシウム欠乏なども発生することがあります。
虫による被害
根腐れを起こすセンチュウなどの、土壌の中にいる特定の虫が増えすぎることによって起こる障害です。
一度使用した土や畑を再利用すると、上記のような連作障害を起こしてしまう可能性があります。過去3〜4年の間にナス科の植物を育てた土や畑は使わないようにしましょう。
ピーマンが好む栽培環境
ピーマンの生育に向いた温度は22℃から30℃と、高温に強いことが特徴です。夏の暑さに負けず、ぐんぐん生長してくれるでしょう。一方で低温には弱い点には注意が必要です。早植えは避け、十分に暖かくなってから栽培を始めましょう。日当たりの良い場所を選んで植えることもポイントです。
また、ピーマンは根を浅く張る植物です。なるべく深いところまで根を伸ばせるよう、土を深く耕しておきましょう。土は水はけの良いものを使います。風通しの良い環境も好みますが、室外機の風がつねに当たるような場所は避けることが大切です。
ピーマンの育て方|種まき・育苗について
ピーマンの種まき時期は2月中旬頃です。お住まいの地域や品種によって適した時期は異なります。購入した種の説明書きを参考にしましょう。
種から育てる場合は、育苗箱やポットなどに種をまきます。用土は赤玉土などを用いましょう。
育苗箱を使う場合、深さ1cm程度の溝を掘って5mm程度の間隔で種をまいていきます。条間は10cmほどあけましょう。土を被せたら霧吹きなどで水を与えます。育苗ポットに種まきする場合は、ひとつあたり4粒ほどまくのが目安です。
ピーマンは地温30℃程度で発芽します。種をまいたら容器を新聞紙で覆って、25℃〜30℃ぐらいで保温しましょう。トンネルやホットキャップなどを被せると温度が下がるのを防ぎやすくなります。発芽するまでは土が乾かないようにこまめに水やりを続けましょう。
本葉が2枚〜4枚になったら生育の良いものを育苗ポットに1株ずつ植え替え、本葉が10枚ほどになったら定植します。種まきから植えつけできるようになるまでは80日程度かかることを想定しておきましょう。
ピーマンの育て方|苗の植えつけについて
ご紹介した通り、ピーマンの育苗は時間がかかるほか、保温できる環境を整える必要があります。初心者の方は市販の苗を利用することがおすすめです。こちらでは、ピーマンの苗の選び方や、鉢植え・地植えの植えつけ方法についてご紹介します。
ピーマンの苗の選び方
ピーマンの苗を購入する際は、一番花がついているものを探してみましょう。基本的に苗の下側についているはずです。
一番花が咲いている苗ならすぐに植えつけられます。若い苗が売られていることも多いですが、その場合は購入後しばらく育苗し、一番花が咲いてから植えつけても良いでしょう。
苗を全体的に見て、ひょろひょろとしていたり、節と節の間が間延びしていたりするものは避けたほうが無難です。枝ががっしりとして太いものが良いでしょう。
葉の色が鮮やかな緑色で、きれいに広がっているものは元気な苗といえます。子葉(双葉)がついているか、病害虫の被害を受けていないかなどもチェックしましょう。
地植え方法
ピーマンは過湿にも乾燥にも弱いため、高畝にして水はけを良くしてから植えつけます。堆肥などのほか、元肥として『今日から野菜 野菜の肥料』を混ぜ込んで土づくりをしましょう。畝は高さ20cm〜30cm、幅60cmほどを目安につくります。
株同士の間隔を50cmほどあけて苗を植えていきます。根についた土は崩さず、浅植えにしましょう。寒さを防ぐために、根づくまでは黒ポリマルチをしておくことがおすすめです。支柱を立てて誘引し、水をあげましょう。とくに根づくまでの1週間は土が乾燥しないように毎日たっぷり水をやります。
鉢植え方法
ピーマンを鉢植えで育てる場合、大きくて深い鉢やプランターを選びます。鉢なら10号以上、プランターなら20L以上の深型プランターが目安です。
鉢底にはネットを敷き、鉢底石を敷き詰め、鉢の縁から2cmほど下まで用土を入れます。赤玉土や腐葉土を配合して土づくりしても良いですが、市販の野菜用培養土を使うと手軽です。
複数株を植える場合、株同士の間隔は20cm以上あけましょう。10号の鉢なら1株、20Lの深型プランターなら2株が目安です。
苗を植えつけるときは土を落とさないようにして、植えつけた後はたっぷり水をやります。気温が低いときは藁などを敷いておきましょう。泥の跳ね返りによる病気や害虫の被害を防ぐためにも、マルチングをしておくことがおすすめです。
根づくまでの1週間は土が乾燥しないように毎日たっぷり水をやりましょう。
ピーマンの育て方|水やり・追肥・誘引について
ピーマンを植えつけたら、水やりや施肥、誘引などのお手入れをしながら育てていきます。こちらでは、ピーマン栽培における日頃のお手入れ方法をご紹介します。
水やり
ピーマンの水やりは、用土の表面が乾いたときにたっぷりと与えることが基本です。とくに梅雨明け後の夏場の高温乾燥期は、土が乾きやすいため気をつけましょう。
ただ、ピーマンは過湿にも弱く、湿度の高い環境では根腐れを起こしてしまいます。用土が乾燥していなければ水やりは必要ありません。土の状態を確認して、必要に応じて朝と夕方の2回水やりをします。1回の水やりでたっぷりと水をあげるようにしましょう。
また、水やりをしたときに泥の跳ね返りがあると青枯病などの病害の発生原因となります。跳ね返りや乾燥防止のためにも藁でマルチングしておくと良いでしょう。
追肥
ピーマンは多肥性の野菜です。6月〜10月の長期間の収穫期間に次々に実がなるので、株が消耗しないように肥料をたっぷりと与えるようにします。
植えつけの1カ月後から、『今日から野菜 野菜の肥料』を追肥していきます。液体肥料で管理する場合は、『専用液肥 -野菜-』を500倍に希釈して週に1回ほど与えましょう。
地植えの場合、マルチの裾を上げて畝の両側の肩に固形肥料をまきます。土と軽く混ぜるように耕してからマルチを戻しましょう。鉢植えの場合は鉢のふちに沿って施し、土と軽く混ぜ合わしてやります。液体肥料は水やりのときに一緒に施すようにします。
誘引
ピーマンは茎が弱く折れやすい点に注意が必要です。着果数が多くなると果実の重みに耐えきれなくなることがあります。支柱を立てて枝が折れないように支えてあげましょう。
草丈が40cm〜50cmになったら株の脇に支柱を1本立てて誘引します。側枝が伸びてきたら2本の支柱を交差させて設置し、側枝を結びましょう。
ピーマンの育て方|摘果・整枝について
ピーマンの剪定については決まった考え方がなく、育てる人によっていろいろな意見があります。一番果は若どりしてしまうほうがいいという人もいれば、そうする必要はないという人もいます。また、主枝1本と脇枝2本の3本仕立てに整枝すべきという人もいれば、放任で育つという人も。
ピーマンの株の生長度合いを見て、最適と思う方法を選びましょう。こちらでは、ピーマン栽培で知っておきたい摘果や整枝などについて解説します。
摘果
一番果とは、その株で最初になった実のことです。栽培期間の長いピーマンの栽培では、一番果を摘み取ったほうが良い場合があります。
ピーマンの一番果は早い段階でつくため、まだ株が十分に育っていないことがあります。この時点で実が熟してしまうと、幼い株に負担がかかってしまうことも。そうなると株が弱り、結果的に収穫できる量が少なくなってしまう可能性があります。
株の力が弱めのときは一番果を早めに摘み取り、その株の持つエネルギーを枝の生長に回したほうが良いでしょう。ただし、すでに力強い株のときは一番果を成熟させて「成り癖」をつけることもひとつの方法です。
整枝
整枝については、3本仕立てにすることがおすすめです。最初の花が咲いたら、その下の脇芽はすべて摘み取り、花より上の茎のうち生育の良いものを左右に1本ずつ残します。一番果より下は間引いて、株の上部を放任するというやり方もあります。
整枝の目的のひとつは、害虫が発生するのを防ぐことです。葉が茂って込み合っていると風通しが悪くなり、病害虫被害が生じやすくなることがあります。
加えて、生長のために葉にまんべんなく日光を当てることも目的です。枝をどの程度間引けば良いかは、葉のつき方や株間の距離などによっても変わります。実際の葉の様子を見て枝を間引くかどうかを考えれば良いでしょう。
ピーマンの育て方|収穫について
花が咲き、実が大きくなってきたらいよいよ収穫です。こちらでは、ピーマンの収穫時期や方法、注意点などをご紹介します。
ピーマンの収穫時期
ピーマンの収穫時期は6月~10月です。肥料と水をしっかり与えてやると、6月中旬から霜が降りるまでの長い間収穫できます。
品種によりますが、ピーマンの実の大きさが6〜7cm程度の頃が収穫のタイミングです。苗の植えつけからしばらくたつとピーマンの花がたくさん咲き、それぞれ結実して小さな実がつき始めます。品種によって異なりますが、基本的に開花から15日〜20日程度を目安に収穫できるでしょう。
ピーマン収穫のタイミングの目安
収穫期間を長くし収穫量を多くするには、肥料と水をたっぷり与えるだけではなく、戦略的に収穫することが大事です。果実の小さい未熟果のうちに収穫し、株の消耗を抑えてやることで、長期間大量の収穫を行えます。
一般的にピーマンと言って思い浮かべる緑色の実(緑ピーマン)は、ピーマンの未熟果です。赤ピーマンまたはカラーピーマンと言っているものは、緑ピーマンを完熟させたものになります。未熟果として食用になるものは開花から15日〜20日以降のもので、完熟するのは開花後40日〜60日ぐらいになります。
なお、パプリカの場合は完熟させてから収穫します。開花から収穫までは40日〜50日ぐらいです。その間に雨が降ると腐って実が落ちやすくなることがあるため、雨よけをしてあげましょう。
ピーマン収穫の注意点
ピーマンは6月中旬頃から実がなり始めますが、最初の頃の実を40日以上かけて完熟させてしまうと、株のエネルギーが実を熟させるほうに使われてしまいます。
株が疲れて生長が弱まってしまうため、この頃の実は早めに収穫して、エネルギーを株の生育に回してやることもおすすめです。そうすることでその株から長期間収穫ができるようになります。樹勢の強いときは完熟させて収穫するようにしても良いでしょう。
ピーマンの収穫方法
ピーマンの収穫は、ヘタの部分をハサミで切って行います。ピーマンの枝は折れやすいため、手でもぎ取らずに刃物を使いましょう。無理に手で収穫しようとすると枝が引っ張られて、折れてしまうことがあるためです。
ピーマン収穫後の保存方法
ピーマンの収穫時期になると、次々と実がなってきます。ときには食べきれないほどの量が収穫できることもあるでしょう。その場合、調理するまで保存しておく必要があります。
すぐに食べる場合は常温保存で問題ありませんが、長めに保存したい場合は冷蔵庫の野菜室へ入れておきましょう。ただ、そのまま入れておくと、いつの間にかしわしわになってしまうこともあります。
キッチンペーパーで1個ずつ包んでからポリ袋に入れておくことで、きれいな状態を保ちやすくなります。袋の口はかたく縛らず、空気が通る程度にゆるく締めておきましょう。
また、水滴がついた状態だと、実が腐りやすくなる点にも気をつけましょう。水気を拭き取ったうえで保存することがポイントです。
ピーマンの育て方|肥料の過不足を見分けるサイン
ピーマンの栽培期間中は、定期的に施肥することが求められます。ただ、与えすぎても不足しすぎても生育に影響が出てしまうことがあります。肥料の説明書を読んで適量を心がけることが大切です。
加えて、肥料の過不足を見極めるサインについても確かめておくと良いでしょう。
ピーマンの場合はめしべとおしべの長さを見ることで肥料不足がわかりやすいといわれています。健康なピーマンの花は、めしべのほうが長く、おしべのほうが短いことが特徴です。肥料が不足している場合はめしべが短くなって、おしべに隠れてしまうことがあります。
ほかにも、小さい花しかつかなくなったり、葉の色が薄くなりすぎたりした場合も、肥料不足を疑ってみましょう。
反対に、肥料過多の場合は葉の色が濃くなりすぎたり、茂りすぎたりすることがあります。また、肥料が多すぎても少なすぎても花つき・実つきが悪くなってしまいます。
肥料が少なすぎると判断したら速効性の液体肥料『ハイポネックス原液』を施してみることがおすすめです。『ハイポネックス原液』は、植物の健全な生育に必要な15種類の栄養素をバランス良く配合しています。
肥料が多すぎると判断したらしばらく施肥を控えましょう。
ピーマンの育て方|病害虫や生理障害について
美味しいピーマンを収穫するためには、病害虫や生理障害の対策もしっかりと行うことが大切です。こちらでは、ピーマンの病害虫・生理障害について解説します。
モザイク病
ピーマンの病気で発生しやすいもののひとつはモザイク病です。
モザイク病にかかると葉に濃淡のモザイク模様が現れ、縮れて奇形化し、株全体が萎縮することがあります。かかってしまった葉は治療できないため患部を切り落とし、薬剤を散布して拡大を防ぎます。
アブラムシ
アブラムシは、体長1mm〜4mmの小さな虫です。集団で棲み着き、吸汁加害します。また、モザイク病の原因となるウイルスはアブラムシが媒介します。病気を防ぐためにもアブラムシを駆除することが大切です。
葉が黄色くなっているときは、その葉の裏に棲み着いている可能性が高いといえます。早期に発見し、殺虫剤を散布して駆除しましょう。『虫を予防するマグァンプD』は肥料やり+害虫の予防・退治が同時にできるのでおすすめです。
黄化えそ病
黄化えそ病もピーマンで発生しやすい病気です。葉が黄化してえそ斑点を生じ、被害が大きいと株全体が枯れます。原因となるウイルスをミナミキイロアザミウマが媒介します。
ミナミキイロアザミウマ
ミナミキイロアザミウマは体長1.2mmの小さな虫で、新芽や新葉の隙間に寄生して吸汁加害します。殺虫剤の効きにくい虫で駆除は困難ですが、さまざまな植物につくので、地植えの場合は周囲の雑草を刈るなどして予防します。
青枯病
青枯病は葉が青いまま株が枯れてしまう病気で、元気だった株が急にしおれて枯れてしまいます。スポット的に数株だけかかってしまうこともあるため注意が必要です。
細菌が原因となる病気で、土壌の中のバクテリアが侵入することにより生じることがあります。侵入箇所はセンチュウなどの食害の跡であることが多いので、センチュウも原因のひとつだといえます。
センチュウは連作障害によって発生しやすくなる害虫です。そのため、連作を避けることが予防につながるでしょう。
ピーマン疫病
水やりや降雨で泥がはねて葉につき、その泥の中にいる糸状菌が葉について、疫病が発生することがあります。疫病にかかると葉に水がしみたような暗褐色の斑点が現れ、葉の裏には白いカビが生えます。泥はねを防ぐために、藁などでマルチングしましょう。
また、これも連作障害の一種となります。連作を避けて予防しましょう。
尻腐れ病
尻腐れ病はピーマンの先端や地面の近くの外葉が黒褐色になって腐ってしまう病気です。カルシウムの吸収が阻害されることによって起こります。カルシウム阻害の原因は、夏の高温や乾燥、窒素肥料のやりすぎなどです。生育環境を整えると同時に、適切な肥料を施すことで対策しましょう。
おわりに
ピーマンは実がなるタイプの野菜としては比較的栽培が簡単なため、お子様と一緒に育てるのにもぴったりです。苗づくりは少々難しいため、ご家庭で栽培する場合は苗を購入して育てたほうが良いでしょう。
また、ピーマンはひとつの株から数十個、多ければ100個以上の実を収穫することもできます。たくさん収穫して、さまざまな料理で味わいましょう。美味しいピーマンの収穫を目指して、ぜひ夏の家庭菜園にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
公開: 2020年6月23日
更新: 2023年8月14日