2018年5月23日
杏美のキノコ旅日誌1
杏美のキノコ旅日誌2
杏美のキノコ旅日誌3
杏美のキノコ旅日誌4
杏美のキノコ旅日誌5
今日はあいにくの雨模様。分厚い灰色の雲は空一面に広がっていました。窓越しで見る景色は世界が暗くなっているように私の気分も優れない感じがありました。この日は、近くの喫茶店でこれまでの〝キノコ旅〟の振り返りをしようと考えました。
四国に入り、約3週間。まるで菌糸が広がるようにいろいろな人たちと出会い、一緒にキノコ観察をしてきました。
そんな中で、久々に再開した同級生。お互い趣味も変わらず、そして会うのは中学生以来……。この日は明日の日付に変わる頃まで話をしていました。そして5月17日、同級生と徳島県にある〝祖谷のかずら橋〟を見に出かけました。観光地でもあり、この場所は多くの人で賑わっていました。みんな行く先はかずら橋。しかし、私たちは生き物観察をしながら目的地に向かいました。
最近ではすっかり見かけなくなった、公衆電話、懐かしい思いを感じながら電話ボックスに近づいて見ると、そこには、はっきりとした黒い目、触覚は櫛の歯状に規則正しくつき、体は綿毛のように白くふわふわし、羽が薄浅葱色の蛾の仲間がそこにいました。
「オオミズアオだ!」
外は少し肌寒かったためかオオミズアオはじっとしたままでしたが、友達は初めて見たオオミズアオにとても感動していました。
かずら橋を渡る時、足元は微かに川が流れている景色が見られ、大勢の人が通っていたからか橋は揺れ、恐怖心が増すばかりの怖い場所でした。渡り終えて後ろを振り返ると、かずら橋のカズラ(シラクチカズラ)は私の腕よりも太く頑丈でした。今回は、観光が主になってしまったけれど友達と行ったプチ旅行は忘れられない思い出となりました。
思い出を記した白い紙はあっという間に文字が入らなくなりました。そして気がつけば外は雨が止みあたりは夜を迎えようとしています。ホテルに戻り明日に備えます。明日は〝剣山〟に登ります。
2018年5月24日
明るくなりだした頃、今日の目的地〝剣山〟に向かって進みだしました。進みだして数秒もしないうちに、コケ植物たちが顔を見せてくれました。植生は、一見伊予富士と変わりはないのですが、こちらはコケ植物や地衣類が多く見られました。なんだか、いろんなキノコに出会えそうな予感がします。一度、剣山と一ノ森を制覇した後下山をしながらキノコを探してみました。
ブナの木が主として広がる森の中は地面にコケたちが広がり、とても清々しく気持ちがいいものでした。そんなコケ植物の間に小さなコミヤマカタバミがちらり。そして小さなキノコたちがちらり……。
森の中では小人たちが勢ぞろいしていました。登山も一日かけて楽しみ、明日は香川県に行くために今日は帰ることにしました。徳島県は3日間と短めながらここで旅は終わりです。次に訪れる香川県では、知人が紹介してくれた〝冬虫夏草〟の専門家に会う予定です。どんな出会いと学びがあるのかとても楽しみです。