【観葉植物】オモト(万年青)の育て方|縁起がよいといわれる理由や枯れる原因をご紹介
引越し祝いの贈り物として広く知られているオモトは、江戸時代のころから縁起がよいといわれる植物です。
オモトの葉は一年をとおして青々としていることから、漢字で「万年青」と書いてオモトと読みます。
日本が原産のオモト(万年青)は日本の環境で育てやすく、育て方のポイントをおさえれば初心者でもかんたんに育てられる観葉植物です。
家に飾ると運気がよくなるといわれる、オモト(万年青)の栽培にぜひチャレンジしてみてください。
- 目次
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- 動画でわかりやすく!|【Selection 観葉植物おススメ28選】
- オモト(万年青)とは
- オモト(万年青)の概要
- オモト(万年青)の特徴
- オモト(万年青)の花
- オモト(万年青)の花言葉
- オモト(万年青)は縁起がよい植物?
- オモト(万年青)の種類
- 大葉系
- 中葉系
- 小葉系(羅紗系)
- オモト(万年青)の育て方のポイント
- 日当たりと置き場所
- 栽培温度
- オモト(万年青)の水やり
- 春と秋の水やりのポイント
- 夏と冬の水やりのポイント
- 葉水は毎日与える
- オモト(万年青)栽培に適した用土
- オモト(万年青)の肥料
- オモト(万年青)の植えつけ
- 植えつけのやり方
- オモト(万年青)の植えかえ
- 植えかえのやり方
- オモト(万年青)の剪定
- オモト(万年青)の増やし方
- 株分け(割り子)のやり方
- オモト(万年青)が枯れる原因
- オモト(万年青)栽培中に起こりやすいトラブル
- 根腐れ
- 葉焼け
- 根詰まり
- オモト(万年青)の病害虫
- ハダニ
- カイガラムシ
- まとめ
- この記事に関連する商品について
動画でわかりやすく!|【Selection 観葉植物おススメ28選】
オモト(万年青)とは
オモト(万年青)は日本原産の多年草で、葉が一年中青々としていることから漢字で「万年青」と書きます。土から弧を描くように伸びる葉が特徴で、品種によって葉の形がねじれていたりシワがあったりなど、バラエティに富んでいるのがオモト(万年青)のおもしろさです。
オモト(万年青)は江戸時代の頃から400年以上にわたって品種改良が重ねられ、今では1000種を超える種類が存在するといいます。
また、オモト(万年青)は縁起のよい植物として広く知られていて、昔から引越し祝いにオモト(万年青)を贈る習慣があるほどです。自宅にオモト(万年青)を飾ると運気がアップするという逸話もあり、縁起物としても観葉植物としても人気があります。
オモト(万年青)の概要
キジカクシ科オモト属の植物で、しばしばユリ科に分類されることもあります。日本原産のオモト(万年青)は本州や四国、九州に自生していて、多年草のため季節が変わっても枯れることはありません。
耐暑性と耐寒性はやや強く、日本の気候で栽培がしやすいですが直射日光が苦手な植物です。育て方は難しくありませんが、季節に応じて置き場所を変えるなどの管理は必要になります。
一方で、オモト(万年青)は枯れにくく葉が落ちにくいので、剪定や切り戻しといったお手入れはほとんど必要ありません。落ちた葉を片づける手間も少なく、初心者でも比較的育てやすい植物といえるでしょう。
オモト(万年青)の特徴
オモト(万年青)の最大の特徴は、品種ごとに異なる葉の形状です。葉がねじれているものや葉に斑が入っているものなどがあり、特徴的な葉の形や柄は「葉芸(はげい)」と呼ばれています。葉芸は葉の大きさや形、模様などで細かく品種が分類されており、おおまかに「大葉系」「中葉系」「小葉系(羅紗系)」の3つに区別されることが多いです。
葉芸はオモト(万年青)が生長するにつれて変化していくもので、どんな葉芸に育っていくか観察する楽しみもあります。オモト(万年青)は日本原産の植物ということもあり、和風の植木鉢やインテリアにマッチしやすいのも特徴の一つです。
オモト(万年青)の花
4月から6月ごろになると、淡い黄緑色の花を咲かせます。オモト(万年青)の花は、小さな花が円筒状に密集してなる穂状花序(すいじょうかじょ)です。花が咲いたあとは艶やかな赤い実がなり美しい姿になります。
しかし、オモト(万年青)の実にはサポニンという成分が含まれており、食べると嘔吐や頭痛、呼吸循環器系の障害が起きることがあります。最悪死にいたる可能性があるため、十分注意してください。サポニンは薬の成分として用いられ煎じて飲まれることもありますが、家庭で用いることは禁忌とされています。
オモト(万年青)の花言葉
オモト(万年青)は花を咲かせたあと、葉の合間に赤い実をつけます。その姿は母親が子どもを抱く様子を連想させることから「母性の愛」という花言葉がつけられました。
「引越しオモト(万年青)」といわれるように引越し祝いとして贈られることの多いオモト(万年青)ですが、結婚や出産のお祝いに贈るのもおすすめです。ほかにも「長寿」や「長命」、「崇高な精神」などの花言葉があるので、長寿のお祝いにオモト(万年青)を贈ってみてはいかがでしょうか。
オモト(万年青)は縁起がよい植物?
オモト(万年青)が縁起のよい植物といわれるようになったのは、江戸幕府の将軍徳川家康のエピソードが由来です。徳川家康が江戸城に移る際、家臣から贈られたオモト(万年青)を床の間に飾ったといいます。徳川家はその後、260年あまり15代にわたって繁栄し日本の統治を行ったのです。
このエピソードから日本では縁起物として引越し祝いにオモト(万年青)が贈られるようになり、現代にも続いています。オモト(万年青)は風水的にも縁起がよいといわれているので、インテリアとして飾ると運気がよくなるかもしれません。
オモト(万年青)の種類
江戸時代の頃から品種改良が行われてきたオモト(万年青)は、現在1000を超える品種が存在するといわれています。品種は葉の模様や葉芸で分類されており、「大葉系」「中葉系」「小葉系(羅紗系)」の3つに区別されることが多いです。
大葉系
葉の長さが30cmを超えるオモト(万年青)は、大葉系に分類されます。大型のオモト(万年青)は班模様を楽しむのに適しており、栽培する人のなかにはいかにきれいな斑を出せるかを楽しむ方もいるようです。
大葉系のオモト(万年青)は原種に近く、地植えにも適しているといわれています。「五大州」「家宝都の図」「東天光」「大雪山」などが、大葉系に代表される品種です。
中葉系
葉の長さが15cm〜20cmのオモト(万年青)を中葉系とし、さらに葉の特徴により「薄葉系」「獅子系」「縞甲系」に分類します。中葉系のオモト(万年青)は葉の形状がユニークなものが多く、葉の先端がくるくるしているものなど葉芸に富んでいるのが特徴です。
中葉系に代表される品種は、「四君子」「一文字」「金剛丸」「千代田の松」などがあります。
小葉系(羅紗系)
葉の長さが15cm以下のオモト(万年青)は、小葉系(羅紗系)に分類されます。小葉系のオモト(万年青)の葉は多肉植物のように肉厚で、葉の形を楽しむのに適している種類です。
葉の表面にシワがあるものなど、葉芸もバラエティに富んでいます。「新生殿」「天光冠」「吉祥」「天元」などが、小葉系の代表的なオモト(万年青)です。
オモト(万年青)の育て方のポイント
直射日光を嫌い、多湿と乾燥の両方に弱いオモト(万年青)は栽培環境を適切に保つことが育て方のポイントです。季節や天候に応じてオモト(万年青)を移動できるよう、鉢植えで育てるのがよいでしょう。
栽培に適した環境や温度など、オモト(万年青)の育て方のポイントをご紹介します。
日当たりと置き場所
オモト(万年青)は日当たりのよい場所を好む一方で、直射日光を苦手とします。夏の強い日差しなどに当たると葉焼けを起こすこともあるため、屋外で栽培する場合は半日陰の環境が望ましいです。
半日陰とは、1日の半分程度日光が当たる環境を指します。午前だけ日光が当たる場所や、日陰と日なたが入り混じる木陰などで育てるのがおすすめです。
オモト(万年青)はもともと木陰で自生する植物なので、耐陰性があります。そのため、室内での栽培に向いていますが、日光がまったく入らない暗い場所ではうまく育ちません。室内で育てる場合は、直射日光の当たらないカーテン越しの窓際などに置くのがおすすめです。
オモト(万年青)は屋外でも室内でも育てられる植物ですが、外に出したり入れたりすると紫外線量が変化して育ちにくくなります。屋外もしくは室内のどちらか一方に決めて、環境を大きく変えないようにしましょう。
栽培温度
オモト(万年青)の栽培は−5℃〜35℃の気温であれば可能ですが、10℃〜25℃の範囲がもっとも栽培に適しているといわれています。日本原産のオモト(万年青)は日本の気候で栽培しやすく、冬の寒さや夏の暑さにも比較的強い植物です。
しかし、−5℃を下回る環境下では生育が悪くなるため、寒冷地では地植えを避け室内で育てるのがよいでしょう。
ただし、冬場は室内であっても窓際や玄関などは外気と変わらないくらい冷え込みます。暖房の風が直接当たらない、部屋の中心など温かい場所で管理するのがおすすめです。
・夏越しのポイント
オモト(万年青)は夏の強い日差しに当たると葉焼けを起こしやすくなるため、屋外で育てている場合は寒冷紗などで日差しを避けてあげましょう。
直射日光を避けるために日陰に置く方法もありますが、あまり日光を避けすぎてもオモト(万年青)の生育は弱まってしまいます。
オモト(万年青)を日陰で管理する場合は、オモト(万年青)に元気がなければ葉焼けを起こさない程度に日光に当てるなど工夫をしてみてください。
また、夏場は室内で育てていても、窓際などに置いておくと直射日光に当たることがあります。窓際などにオモト(万年青)を置く場合は、レースカーテン越しに置いて直射日光を遮りましょう。
・冬越しのポイント
オモト(万年青)は比較的寒さに強い植物ですが、気温が10℃を下回ると生育が鈍くなります。オモト(万年青)を屋外で育てている場合は、寒冷紗などをかけて防寒対策を行いましょう。
また、オモト(万年青)は葉が凍ったり霜に当たったりすると、葉の色が悪くなってしまいます。オモト(万年青)を移動できるようであれば、室内に移動するか霜の当たらない場所に移動するのがベストです。室内で管理する場合は室温が低くなりやすい窓際や玄関を避け、暖房の風が直接当たらない場所で管理しましょう。
オモト(万年青)の水やり
オモト(万年青)は一般的な観葉植物と違い、冬だけでなく夏も生育が鈍くなる特徴があります。そのため、生育が盛んな春・秋と、生育が鈍る夏・冬で水の与え方を変えて管理するのがポイントです。
春と秋の水やりのポイント
生育が盛んになる春と秋は、土の表面が乾いたタイミングで水やりを行います。鉢植えで育てている場合は、鉢底から水が流れてくるまでしっかりと水を与えましょう。
注意点として、オモト(万年青)は他の観葉植物と同じように、根腐れを起こしやすいことがあげられます。生育期であっても、水の与えすぎに注意してください。
夏と冬の水やりのポイント
オモト(万年青)の生育が鈍る夏と冬は、根腐れを防ぐため乾燥気味に管理するのがポイントです。夏と冬のどちらも、土の表面が乾いてから2〜3日後に水やりをしましょう。
特に梅雨の季節は高温多湿になりやすいため、やや控えめに水やりをします。鉢の受け皿に水が溜まっていたら、こまめに水を捨てて多湿を避けてください。
冬の水やりは夏と同様ですが、冬は凍傷を防ぐために水やりを少なくするという意味もあります。水やりを控えて乾燥気味に管理し、植物の体内に含まれる水分量を減らすことが大切です。
葉水は毎日与える
季節に関わらず葉水は毎日与えましょう。葉水を毎日与えることで、乾燥と害虫の発生を防ぐ効果が期待できます。
葉水とは、霧吹きなどで葉の表面に水を吹きかける水の与え方です。植物は根だけでなく葉の部分からも水分を吸収できるので、乾燥による枯れを防げます。葉水を与えると葉の表面についたホコリも取れるので、葉をきれいに保てて一石二鳥です。
また、葉水で水分を与えると、植物の周囲の湿度が上がり害虫対策にもなります。毎日葉の裏や茎をチェックしながら葉水を与えれば、害虫の付着にいち早く気づくことができるでしょう。
オモト(万年青)栽培に適した用土
根腐れを起こしやすいオモト(万年青)は、水はけのよさと保水性を兼ね備えている用土が適しています。水はけのよい用土とは、排水性と保水性、通気性に優れた土のことです。
オモト(万年青)の栽培には、ホームセンターなどで販売されている、観葉植物専用の用土や東洋ラン用の培養土などを使用するとよいでしょう。
自分で用土をブレンドする場合は、赤玉土と腐葉土と川砂を6:2:2の割合で混ぜて使用するのがおすすめです。
オモト(万年青)の肥料
生育期にあたる春(3月〜4月ごろ)と秋(9月〜10月ごろ)に少量肥料を与えます。使用する肥料は水溶性肥料の場合、肥料成分が温度や水によって、いっきに溶出してしまう場合がありますので、緩効性肥料や有機肥料を選ぶと失敗しづらいです。
肥料を与える頻度は、植えかえのときに効果がじっくり長続きする緩効性肥料『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込んでおくと良いでしょう。
『マグァンプK大粒』は、安定した肥料効果が約2年間持続する緩効性肥料です。
生育期の春と秋は追肥として、液体肥料『ハイポネックス原液』を1,000~2,000倍に希釈して、1週間~10日に1回程度の頻度で与えることでより丈夫な株に生長します。
また、植物の生育に必要な養分の吸収を高めるコリン、フルボ酸、アミノ酸、各種ミネラルを配合した植物用活力液『リキダス』もおすすめです。
ただし、もともと肥料をあまり必要としないオモト(万年青)は、肥料の与えすぎはかえって根を傷める原因になります。特に生育が鈍くなる夏と冬は、肥料を与える必要はありません。油粕等を置き肥として施している場合は、用土から取り除いておきましょう。
オモト(万年青)の植えつけ
オモト(万年青)は種からの育て方が難しいため、苗から育てるのが一般的です。苗の植えつけを行う時期は、生長期の3〜4月、9〜10月頃に行いましょう。鉢植えも地植えも可能ですが、地植えについては冬に−5℃を下回らない地域に限ります。
オモト(万年青)は寒さに強い植物ではありますが、気温が10℃を下回ると成長が鈍くなってしまいます。そのため、寒さの厳しい寒冷地では、なるべく気温が10℃を下回らない環境を選んで育てるのが安心です。
植えつけのやり方
- ポットからオモト(万年青)の苗を取り出し、根鉢を軽くほぐします。
- 鉢植えする場合は鉢に用土を1/3ほど入れ、中心に苗を置いて周りから土を入れていきます。
- 地植えの場合は用土に根鉢の大きさよりひと回り大きい穴を掘り、元肥として約2年間肥料効果が持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みます。
- 穴に苗を置いて用土を入れていきます。
- 用土を株元まで入れたら土の表面を軽く手で抑え、用土と根を密着させます。
- 最後に水をたっぷり与えましょう。鉢植えなら鉢底から水が流れてくるくらい水を与えてください。
オモト(万年青)の植えかえ
オモト(万年青)を鉢植えで育てている場合は、1〜2年に1度植えかえを行いましょう。3〜4年植えかえをしないでいると、根詰まりを起こして葉の色が悪くなったり生育が悪くなったりする可能性があります。
根詰まりとは、鉢の中で根がいっぱいになった状態のことです。根詰まりを放っておくと鉢にヒビが入ることもあるため、根詰まりを防ぐために定期的に植えかえを行います。
植えかえを行う適期は、オモト(万年青)が生長期にある3月〜4月と9月〜10月ごろです。夏と冬は生長が鈍く根を張りづらいため、できるだけ避けましょう。
植えかえを行うポイントは、株の大きさに合わせて鉢の大きさを変えることです。
株が大きくなっていたらひと回り大きい鉢に変え、株を大きくしたくない場合は今までの鉢を使用します。また、植えかえをするときは用土を新しいものに取り替えましょう。
植えかえのやり方
- オモト(万年青)を鉢から取り出し、古い土を落として水洗いします。
- 古くなった根や傷んだ根をハサミなどでカットします。
- 鉢植えに新しい用土を1/3ほど入れ、元肥として約2年間肥料効果が持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みます。
- 中心に株を置きます。
- 株の周りから用土を入れていき、土の表面を軽く手で押して根と用土を密着させます。
- 最後に鉢底から水が流れてくるくらい、たっぷり水を与えましょう。
オモト(万年青)の剪定
オモトは葉が枯れることの少ない植物です。そのため、剪定を行う必要はあまりなく、傷んだ下葉を取り除く程度で問題ありません。剪定を行う場合は、オモト(万年青)が生長期にある3〜4月か10月〜11月がおすすめです。
オモト(万年青)の増やし方
オモト(万年青)は3〜4年ほど育てると、親株の横から子株が出てきます。オモト(万年青)が増えすぎてしまったときや、植えかえのタイミングで子株を見つけたら、株分けをして増やすことが可能です。オモト(万年青)の株分けは子株を親株から割って育てることから、「割り子」とも呼ばれます。
オモト(万年青)を株分けするときは、子株から根が3本以上出ているか確認してから行いましょう。根が出ていない子株だと、育つ準備ができておらずうまく根を張らない可能性があります。また、生長が鈍る夏と冬は根を張りづらいため、生長期になる3〜4月または10月11月に行うのが適期です。
株分け(割り子)のやり方
- 株を鉢から取り出し、子株から根が3本以上出ているか確認します。
- 根が出ていたら子株を手でやさしく割ります。
- 植えつけの方法と同様に、新しい用土に植えつけましょう。
オモト(万年青)が枯れる原因
日本に自生しているオモト(万年青)は日本の気候で育てやすく、枯れる心配が少ない植物です。しかし、水の与えすぎや肥料の与えすぎで根を傷めてしまうと、丈夫なオモト(万年青)でも枯れることがあります。
オモト(万年青)は多湿の環境が苦手で、土が常に湿っていると根腐れを起こしやすい植物です。生長期であっても水やりは土が乾いたタイミングで行い、水の与えすぎに注意しましょう。葉水は毎日与えても問題ありません。
また、もともと肥料をあまり必要としないオモト(万年青)は、肥料を与えすぎるとかえって肥料焼けを起こして枯れてしまうことがあります。肥料を与えるのは生長期の春と秋のみ、一般的な観葉植物よりも少なめの量に留めておきましょう。
オモト(万年青)栽培中に起こりやすいトラブル
オモト(万年青)は比較的丈夫な性質を持つ植物ですが、お手入れ方法を誤るとトラブルが起きることもあります。栽培中に起こりやすいトラブルについて解説します。
根腐れ
根腐れとは、常に土が湿っていることで土中の根が呼吸できなくなり、根が傷んでしまう状態のことです。多湿を嫌うオモト(万年青)は根腐れを起こしやすく、水を与えすぎるとすぐに弱ってしまいます。
オモト(万年青)の葉が黄色く変色したり、水やりの後に土がなかなか乾かなかったりするときは根腐れを起こしているかもしれません。根腐れを起こした場合は傷んだ根をハサミでカットし、水はけのよい用土に植えかえをしましょう。
葉焼け
直射日光を嫌うオモト(万年青)は、夏の強い日差しなどに当たると葉焼けを起こす恐れがあります。葉焼けの症状は、葉に色が抜けたような斑点が現れたり、葉全体の色が白っぽくなったりするなどです。葉焼けを起こしていたら、すぐに直射日光の当たらない場所に移動させましょう。
根詰まり
根詰まりとは、鉢植えの中が根でいっぱいになり、根が伸びるスペースがなくなっている状態のことです。根詰まりを起こすと用土の水はけが悪くなり、株に栄養が届かず成長に悪影響を及ぼします。
葉の色が黄色く変色したり、鉢底から根が出てきていたりしたら根詰まりを起こしているサインです。根詰まりは植えかえをすることでほとんど解消できるトラブルですので、1〜2年に1回程度定期的に植えかえを行いましょう。
オモト(万年青)の病害虫
オモト(万年青)を屋外で管理する場合は、病害虫が付着しないよう対策を行いましょう。オモト(万年青)に発生しやすい病害虫と、その対策方法をご紹介します。
ハダニ
ハダニは植物の葉の裏などに寄生し、吸汁加害を加える病害虫です。体長わずか0.3mm〜0.8mmと非常に小さい病害虫ですが、繁殖力が強くあっという間に大量発生する恐れがあります。
ハダニは非常に小さく肉眼で見えづらいですが、ハダニの被害にあうと葉に白い斑点が残るのですぐにわかります。ハダニを見つけたら、すぐに殺虫剤などを散布して駆除しましょう。ハダニは水分を嫌うため、毎日オモト(万年青)に葉水をかけることで発生をある程度予防することができます。
カイガラムシ
カイガラムシはオモト(万年青)の葉に発生しやすく、吸汁加害を加えて生育に悪影響を与える病害虫です。カイガラムシの厄介な点は、カイガラムシの排泄物に含まれる糖分によって「すす病」が発生する恐れがあることです。
さらに、アリやアブラムシなどほかの病害虫を呼ぶ原因になるため、カイガラムシを見つけたらすぐに駆除しましょう。甲羅に覆われているカイガラムシは殺虫剤が効きづらいため、ブラシなどでこすり取るようにして取り除いてください。
まとめ
日本が原産のオモト(万年青)は日本の環境で栽培しやすく、育て方も比較的かんたんな観葉植物です。江戸時代の頃から縁起のよい植物として親しまれており、家に飾っておくと運気がよくなるともいわれています。
オモト(万年青)はこれまでに何度も品種改良が重ねられ、品種ごとに個性豊かな葉芸を持つのも魅力です。和風・洋風問わずインテリアとの相性もよいので、おしゃれな植木鉢で育ててインテリアとして飾ってみてはいかがでしょうか。