【アガパンサスの育て方】|花の特徴や栽培方法、増やし方
夏のはじめ頃から清涼感のある花を咲かせるアガパンサス。白や青紫など涼しげな印象の色が多く、優雅な雰囲気もあることから、この時期に人気がある植物のひとつです。
お手入れの手間が少なく丈夫なことでも知られており、園芸が初めての方も栽培にチャレンジしやすい花といえます。今回は、アガパンサスの花の特徴から栽培方法、増やし方までお伝えします。
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アガパンサスの特徴
アガパンサスは、ヒガンバナ科ムラサキクンシラン属(アガパンサス属)の、南アフリカ原産の植物です。まっすぐに伸びた長い茎の先に、多数の花を咲かせます。優雅な佇まいから人気が高く、世界中で広く栽培されています。
アガパンサスの開花時期は、5月下旬から8月上旬にかけてです。代表的な花の色は白・青紫・青など。暑さが始まる初夏の頃から、涼しげで爽やかな色の花を咲かせ始めます。
また、ジューンブライド(6月の花嫁)の時期に咲くことから、切り花はブライダルブーケやフラワーアレンジメントなどにも人気です。
アガパンサスには常緑の品種もあれば、落葉する品種もあります。常緑の品種は、年間を通して緑色の葉を楽しめるため、グランドカバーにも適している植物です。温暖な地域で育てるのに向いています。
一方、落葉する品種は冬期に葉が枯れて休眠に入りますが、耐寒性が強く、寒冷地でも育てやすいのが特徴です。
アガパンサスの基本的な育て方
アガパンサスは、公共の花壇や公園などでもよく見られる丈夫な植物です。植えっぱなしでも育てやすいので、初心者の方にもおすすめできます。こちらでは、アガパンサスの基本的な育て方をお伝えします。
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アガパンサスの好む栽培環境
アガパンサスは、地植えと鉢植えのどちらでも育てられます。比較的どのような環境でも育てやすい植物ですが、日当たりと水はけの良い環境を好みます。乾燥しやすい場所や、日陰になりやすい場所でも育てることは可能です。
ただし、花つきを良くしたいなら、アガパンサスの好む環境を確保すると良いでしょう。
土づくり
アガパンサスは、水はけの良さと保水性を兼ね備えた土でよく育ちます。市販の土を購入する際は、基本的に一般的な草花用の培養土を選んで問題ありません。
『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』は、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されたプランター栽培に最適な培養土です。
土を自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたものなどがおすすめです。水はけを良くするために、少量の軽石や鹿沼土を混ぜても良いでしょう。
植えつけ
アガパンサスの植えつけは、3月~4月に行うのがおすすめです。地植えの場合、十分な生育スペースがあれば、5~10年ほど植えっぱなしでもかまいません。
鉢植えの場合は、根詰まりを避けるためにも3~4年ごとに株分け(=生長した株を複数に分ける作業)をするのが望ましいといえます。品種ごとの草丈や株張りを確認したうえで、余裕をもった大きさの鉢を用意し、冬には防寒対策を行いましょう。
水やり
地植えのアガパンサスは、基本的に水やりをする必要はありません。土に水がたまると根が傷みやすいため、やや乾燥しているほうが好ましいといえます。
ただし、しばらく雨が降らない時期や、雨が当たりにくい場所で育てているケースでは、土の状態をチェックしながら必要に応じて水やりを行ってください。
鉢植えのアガパンサスは、土が乾燥したらたっぷりと水やりを行うのがポイントです。また、アガパンサスは春に生長するため、この時期には多めに水をやるよう意識しましょう。
肥料
アガパンサスは丈夫な植物であるため、栄養分の少ない土でも育ちます。地植えの場合、腐葉土や堆肥などを混ぜた土に元肥として、肥料期間が約2年間持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みます。
花つきを良くしたいときは、春や秋に追肥を施します。
追肥にはバラまくだけで肥料効果が約2~3カ月間持続する『プランティア花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。
鉢植えの場合、4月~6月・9~10月に追肥を行います。
液体肥料で管理する場合は1週間~10日に1回の頻度で『ハイポネックス原液』をあたえます。
より手軽に管理されたい方は、置くだけで肥料効果が約2カ月間持続する緩効性肥料『プロミックいろいろな植物用』がおすすめです。
アブラムシ対策
アガパンサスの害虫として注意したいのはアブラムシです。とくに、柔らかい蕾の部分には虫がつきやすく、そのまま放置すると増加するおそれがあります。
そのため、アブラムシ予防ができる薬剤を使用して、花が咲く前から虫がつくのを防ぐことが大切です。発生した場合は速やかに駆除を行いましょう。
『虫を予防するマグァンプD』は肥料やり+害虫の予防・退治が同時にできるのでおすすめです。
花茎切り
アガパンサスの花が終わったら莢(さや)ができ、種がつくられ始めます。
開花後は早めに花茎をカットすることで、種に養分を取られるのを防げます。株の消耗を避けることで翌年に多くの花をつけやすくなるため、必要に応じて花茎切りを行いましょう。
まだ花が咲いているうちに花茎切りを兼ねてカットし、切り花として観賞するのもおすすめです。
アガパンサスの増やし方
アガパンサスを庭にさらにたくさん咲かせたいときは、株分けや種まきなどの方法で増やせます。こちらでは、それぞれの方法やポイントなどを解説します。
アガパンサスの株分け
アガパンサスを確実に増やしたいなら、株分けをするのがおすすめです。株を分割することによって、植物を増やすとともに大きくなりすぎた根を整理できるため、花をより長く楽しめるようになるでしょう。
アガパンサスの株分けは、3月~4月の春、または9月~10月の秋に行います。その際は、塊になった根を、やや大きめに分けるのがポイントです。
アガパンサスの種の採取
アガパンサスの花が枯れた後、花茎を切り取らずにおくと緑色の莢(さや)ができます。莢が熟したら、そこから黒い種を採取できます。アガパンサスを種から増やしたいなら、花茎を切らずに残しておくのがおすすめです。
採取した種は、そのまますぐにまく「とりまき」を行いましょう。種からアガパンサスを育てる場合、開花までにかかる期間は目安として3~5年です。やや時間と手間がかかりますが、植物を一から育てる楽しみを味わいたい方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
おわりに
アガパンサスはお手入れの手間がかかりにくく、基本的に植えっぱなしでも問題なく育つ丈夫な植物です。優雅で美しい花をつけるだけでなく、初心者でも安心して育てやすいのも魅力のひとつでしょう。
地植えでも鉢植えでも長年にわたり花を咲かせるため、毎年の開花を楽しみに育てられます。初夏の庭にアガパンサスで涼を添えてみてはいかがでしょうか。
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