【フクシアの育て方】栽培のポイントや増やし方、花の特徴は?
フクシアは鉢植えでコンパクトに育てることもできる、かわいらしい花木です。
ゆらゆらと揺れる下向きの花がとてもエレガントで、華やかで上品な雰囲気も演出できます。ぜひお好きな品種を選んで育ててみましょう。
今回は、フクシアの特徴や基本的な育て方、増やし方などをご紹介します。
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フクシア
学名 Fuchsia 科名 アカバナ科 別名 ホクシャ、ツリウキソウ 原産地 主に中南米と西インド諸島。ニュージーランドとタヒチ島にもわずかに分布 分類 常緑低木 耐寒性 弱 耐暑性 弱 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月開花時期植えつけ・植えかえ施肥
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フクシアの基礎知識
フクシアはアカバナ科フクシア属の低木です。ひとつの木に、下を向いたたくさんの花をつけます。優雅に揺れる花の姿から「貴婦人のイヤリング」と呼ばれることもあります。
花の色は、ピンクや赤、白、オレンジ、紫など多彩です。複色の花を咲かせるものもよく見られます。開花時期は品種によりますが、4月~7月、10月~11月が基本です。
フクシアは花木ですが、樹高30cm程度の小さな品種もあり、鉢植えで楽しむのにも向いています。小さなお庭やベランダなど、限られたスペースで育てることもできます。
また、フクシアには枝がまっすぐ伸びるタイプもありますが、ゆるやかに垂れてハンギング仕立てやリング仕立てなどにできるものもあります。お好きな品種を見つけてフクシアの栽培を楽しんでみましょう。
フクシアの基本的な育て方
フクシアの優美な花の姿を観賞したいときは、ぜひご自宅のお庭やベランダで育ててみることがおすすめです。こちらでは、フクシアの基本的な育て方や管理のポイントなどをご紹介します。
フクシアの好む栽培環境
フクシアの花をきれいに咲かせるためには、しっかりと日光に当てることが大切です。とくに生育期にあたる春と秋は日当たりの良い場所で管理しましょう。
また、フクシアの原産地は中南米や西インド諸島などです。亜熱帯地域が原産の植物ですが、耐暑性はそれほど強くありません。高温多湿の日本の夏を越すには、しっかりと暑さ対策をすることがポイントです。そのため、夏は日差しを避け、半日陰の涼しい場所で管理しましょう。
さらに、フクシアは耐寒性も弱いため、冬は霜や凍結を避けることも重要です。気温が下がってきたら暖かい室内へ取り込むことが望ましいでしょう。
このように、フクシアは季節ごとに配置する場所を移動することがおすすめです。管理の手間を考えると、基本的に鉢植えで育てたほうが良いでしょう。
土づくり
フクシアを水はけの悪い土で育てると、根腐れして弱ってしまうことがあります。市販の草花用培養土に、小粒の日向土やパーライトなどを混ぜて排水性を高めた用土を準備しましょう。
『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』は、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されたプランター栽培に最適な培養土です。
植えつけ
フクシアの植えつけ適期は4月~6月、9月頃です。鉢底に軽石などを敷いて水はけを良くしてから用土を入れ、苗を植えつけましょう。
植えつけ後は根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。
水やり
鉢植えのフクシアには、土が乾いてからたっぷりと水を与えます。過湿に弱いものの、水切れしても枯れてしまうことがあるため、忘れずに水やりすることが重要です。
夏や冬は生育が停滞するため、水やりの頻度も少なくします。このときも乾かし過ぎないよう注意が必要です。
また、夏は気温の高い日中に水やりするのは避けましょう。水やりは午前中のうちに済ませておくことがおすすめです。夕方になったら葉水を与え、鉢周辺に打ち水をしておくと涼しい状態を保ちやすくなります。
肥料
植えつけの際は、肥料期間が約2年間持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』を元肥として土に混ぜ込みます。
春や秋は生育が旺盛になるため、この期間に追肥を行いましょう。
速効性の液体肥料『ハイポネックス原液』を1週間~10日に1回の頻度であたえます。
より手軽に管理されたい方は、置くだけで肥料効果が約2カ月間持続する緩効性肥料『プロミックいろいろな植物用』がおすすめです。
生育が停滞する夏冬は施肥を控えましょう。
切り戻し
フクシアの花は春から開花し始めます。梅雨頃になり、ある程度開花が落ち着いてきたら、だんだん株の姿が乱れてくることがあります。
夏が来る前に切り戻しをしておくと良いでしょう。葉を数節ほど残し、株の半分程度まで切り詰めてしまって問題ありません。こうしておくことで風通しを改善できるほか、夏場の過度な蒸散を防ぎやすくなります。
花がら摘み
フクシアの花は、咲き終わると自然と落ちてきます。ただ、ずっとそのままにしておくと、果実をつくり始めることがあります。
次の開花に向けてのエネルギーが取られてしまうため、適宜花がら摘みを行いましょう。花と枝をつなぐ花梗(かこう)の部分から摘み取ることで、実をつくるのを防げます。
また、自然と落ちた花がらや葉なども取り除いて掃除しておくことが大切です。放置していると病害虫の原因になることもあるため、お手入れしてきれいな状態を保ちましょう。
植えかえ
鉢植えのフクシアは、ずっと同じ鉢で育てていると根詰まりしてしまうことがあります。水はけが悪くなってきたと感じたときや、根がぐんぐん伸びてきた場合などは、新しい用土に植えかえましょう。
適期は4月~6月、9月です。同じ大きさの鉢を使い続ける場合は、根鉢を少し崩してから植えかえます。大きく育てたい場合は、一回り大きな鉢へ植えかえましょう。
植えかえの際も元肥として肥料期間が約2年間持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』を忘れずに土に混ぜ込みましょう。
フクシアの増やし方
フクシアは挿し木で増やすことができます。栽培中のフクシアをもっと楽しみたいと思ったときは、挿し木にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。こちらでは、フクシアの増やし方について解説します。
挿し木とは
挿し木とは、植物の枝や茎などを切り、土に挿して発根させ、新しい株をつくる増やし方のことです。切り取った枝や茎などは「挿し穂」と呼ばれます。
種から増やしにくい植物も、挿し木なら増やせることがあります。また、挿し木で増やした株は親となる株と同じ性質を持つことも特徴です。
フクシアの挿し木の方法
フクシアの挿し木に適した時期は5月頃です。まだ若い枝を切って挿し穂をつくりましょう。
挿し穂の下についている葉は取り除き、1時間ほど吸水させます。その後、準備しておいた挿し木用土へ挿しましょう。用土は肥料が含まれていない清潔なものを使います。ご自宅にある赤玉土やパーライトなどのほか、市販されている挿し木用土を使うこともできます。
挿し木が済んだら、土を乾かさないようにしながら発根するまで日陰で管理します。その後は鉢に植えかえて、水やりや施肥などを行いながら大きく育てていきましょう。
おわりに
フクシアはイヤリングのように揺れる優美な花をたくさん咲かせます。花の色や形はもちろん、樹形も品種によって違うため、多様な姿を楽しむことができます。ぜひご自宅でフクシアを育てて、華やかなお庭を演出しましょう。
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