【チェッカーベリーの育て方】植えつけや日々の管理のコツ、増やし方
秋が深まり、冬が近づいてくると実をつけるチェッカーベリー。小さな株にたくさんの赤い実がなる姿はとても可愛らしく、クリスマスや正月飾りとしても人気があります。
チェッカーベリーは病害虫被害にも遭いにくく、管理しやすい花のひとつです。今回は、ガーデニング初心者にもおすすめのチェッカーベリーの基礎知識や、基本的な育て方、増やし方などをご紹介します。
チェッカーベリーの基礎知識
ツツジ科のチェッカーベリーは、北アメリカ原産とされる低木です。樹高は10cmから20cm程度と低く、鉢植えでコンパクトに育てることができます。耐陰性があり、たくさん植えてグラウンドカバーにすることも可能です。基本的に常緑ですが、寒さに当たると紅葉することもあります。
チェッカーベリーの大きな特徴といえるのが、11月~3月になる赤い実です。可愛らしい実がたくさんなる姿は、クリスマスやお正月の雰囲気にもよく似合います。ただし、食用には向かないため食べるのは避けましょう。
初夏には白く小さな花をたくさんつけます。開花時期には、釣り鐘型の可愛らしい花の観賞も楽しめるでしょう。
【チェッカーベリーの育て方】土づくりや植えつけ
チェッカーベリーは丈夫で育てやすい植物のひとつです。コンパクトなため、スペースの限られたベランダなどでも気軽に育てることができます。こちらでは、チェッカーベリーの土づくりや植えつけなどの方法を解説します。
チェッカーベリーの好む栽培環境
チェッカーベリーは耐寒性が強く、高温多湿の環境を嫌います。とくに、真夏の強い日差しは避けられる場所で育てましょう。ただし、まったく日の当たらない場所では花つき・実つきが悪くなってしまうことがあります。半日陰程度の場所を選ぶことがおすすめです。冬は屋外で問題なく管理できますが、乾燥した寒風に当てることは避けましょう。
また、実が鳥に食べられてしまうこともあるため、鳥害を防ぐ工夫をすることもポイントです。鳥が近寄りにくい場所に植える、防鳥ネット、防鳥糸を張るなどの方法で対策しましょう。
土づくり
チェッカーベリーは弱酸性で排水性の良い用土を好みます。地植えする場合は植えつけ前に腐葉土やピートモス、堆肥などを混ぜて耕しておきましょう。
鉢植えの場合は赤玉土と鹿沼土、ピートモスを4:4:2で配合したものなどがおすすめです。また、市販されている培養土を使うと、より手軽に土を準備できます。肥料が入っている製品を選べば、追加で元肥を加える必要もありません。
植えつけの際は元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込みます。
植えつけ
チェッカーベリーの植えつけ適期は3月~5月、10月~11月頃です。冬場に実のついた苗を購入した場合は、春になるまで待ってから植えかえましょう。
地植えの場合は、根鉢より一回り大きい植え穴を掘ります。苗を入れたら土をかぶせ、しっかりとなじませましょう。
鉢植えの場合は、鉢底石を敷いた上に土を少し入れ、その上に苗を置きます。ウォータースペースができる程度の高さに調整し、土を入れていきましょう。
植えつけ後は、根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。
根づくまでは倒れやすいため、支柱を立てておくこともおすすめです。
【チェッカーベリーの育て方】管理のポイント
チェッカーベリーを植えつけたら、水やりや施肥などを行ってお手入れしていきましょう。こちらでは、チェッカーベリーの管理についてご紹介します。
水やり
チェッカーベリーは根を浅く張り、乾燥を嫌う植物です。水切れすると花つきや実つきが悪くなるため、完全に乾燥させないよう気をつけて管理しましょう。
基本的には土の表面が乾いたタイミングで水を与えます。夏は土が乾きやすいため、場合によっては1日に2回の水やりが必要になることもあります。早朝や夕方以降の時間帯に水をあげましょう。暑さの厳しい日中に水やりすると、根が傷んでしまうこともあるため注意が必要です。冬は土が乾きにくいため、夏と比べると水やりの回数は少なめになります。
また、開花時期や実がつく時期は水をたくさん必要とします。この時期も水切れに気をつけながらお手入れしましょう。
肥料
植えつけの際は、肥料期間が約2年間持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』を元肥として土に混ぜ込みます。
4月~5月にかけての時期は生育が旺盛になるため、追肥を行って生育を促します。追肥にはバラまくだけで肥料効果が約2~3カ月間持続する『プランティア花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。
または、速効性の液体肥料『ハイポネックス 原液』を1週間から10日に1回程度の頻度で与えましょう。
きれいな実を観賞するため、秋にも追肥を行いましょう。
剪定
チェッカーベリーの枝が伸びるスピードはそれほど早くありません。こまめな剪定をしなくて良いのもチェッカーベリーの魅力といえます。枝が混雑してきたと思ったら、その都度カットすると良いでしょう。古くなった枝や内向きに生えている枝などを切っておくと、風通しが良くなります。また、見頃の過ぎた実は摘み取っておくと良いでしょう。
植えかえ
チェッカーベリーは根をよく伸ばします。鉢植えの場合、そのままにしておくと鉢の中がいっぱいになり、根詰まりしてしまうことがあります。1年~2年に1回は植えかえることがおすすめです。根詰まりすると土に水がうまくしみこまなくなったり、肥料の効きが悪くなったりします。生育が停滞して葉がしおれ、いずれは枯れてしまう原因にもなるため気をつけましょう。
チェッカーベリーの植えかえ適期は3月~4月となります。古い土は落とし、根鉢を崩してから新しい用土へ植えましょう。
植えかえの際も、肥料期間が約2年間持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』を元肥として土に混ぜ込みます。
【チェッカーベリーの育て方】増やす方法
チェッカーベリーは、株分けや挿し木などの方法で増やすことができます。栽培中の株を増やしたいときは、以下のやり方を参考にしてみましょう。こちらでは、チェッカーベリーの増やし方を解説します。
株分け
チェッカーベリーは地下茎を伸ばして生長します。掘り上げて株分けすることで、新しい株を増やせるでしょう。
株分けとは、親株を複数に分割することで新しい株を増やす方法です。チェッカーベリーの株分け適期は春と秋になります。鉢植えの場合は植えかえ作業のついでに行うと効率的でしょう。
株分けの際はあまり小さく分けず、一株を半分に分ける程度にすることがおすすめです。小さく分けるとうまく育たなかったり、育つのに時間がかかったりするため気をつけましょう。
挿し木
チェッカーベリーは挿し木(挿し芽)で増やすこともできます。挿し木とは、枝や茎など、親株の一部を切って土に挿し、発根させることで新しい株を増やす方法です。
挿し木を行う場合は植物の生育が旺盛になる時期を狙うことがポイントです。チェッカーベリーの場合、6月頃に行うと良いでしょう。元気の良い枝を選んでカットし、挿し穂として使います。切り口は斜めにして、下のほうについている葉は取り除きましょう。残しておく葉も半分ほどの大きさにカットします。すべての葉を残してしまうと、蒸散によって抜けていく水分が多くなりすぎるためです。
挿し穂を1時間ほど吸水させたら挿し木用土に挿します。挿し木用土は、肥料の入っていない清潔な土を使いましょう。
その後は、土が乾燥しないように気をつけながら明るい日陰で管理します。順調にいけば1カ月程度で発根します。ある程度大きくなったら鉢や花壇などへ植えかえ、親株と同じように育てていきましょう。
おわりに
チェッカーベリーは可愛い花や実の観賞を行える低木です。コンパクトで管理しやすく、丈夫なことも魅力となります。
初めて花木を育てる方にもおすすめです。ぜひご自宅のお庭やベランダで栽培し、毎年の観賞を楽しみましょう。