【ハーブ】【タイムの育て方】基本の栽培方法や管理のポイント、増やし方
シソ科のハーブであるタイムは、爽やかさのある香りが特徴です。ひとつ植えておけば、好きなときに摘んで料理にも活用できます。
タイムには豊富な品種があり、それぞれ香りや花の形などが異なります。お好きな種類を選んで、タイム栽培を始めてみましょう。
今回は、タイムの基礎知識や基本的な育て方、お手入れ方法、増やし方についてご紹介します。
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タイム
学名 Thymus 科名 シソ科 別名 コモンタイム 原産地 ヨーロッパ南部 分類 常緑小低木 耐寒性 強 耐暑性 中 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月開花時期開花収穫時期収穫種まき・植えつけ・植えかえ施肥
タイムの基礎知識
タイムはシソ科のハーブです。料理の風味付けで使われることが多く、肉や魚はもちろん、卵や野菜など幅広い料理で利用されています。
爽やかな香りや独特のほろ苦さなどが特徴で、ハーブティーやブーケガルニなどの材料としても活躍します。一株植えておけば、好きなタイミングで摘み取って使うことができるでしょう。
また、タイムにはいくつもの種類があります。食用したい場合は食用向きの種や苗を選びましょう。
品種によって香りは異なるため、栽培時には好みの芳香するものを選ぶこともおすすめです。
タイムの主な種類
こちらでは、タイムの主な種類をいくつかご紹介します。お好きなものを見つけて栽培しましょう。
コモンタイム
よく見られる種類のひとつがコモンタイムです。爽やかな香りが強く、肉や魚の臭み消しとしても親しまれています。立ち性で草丈は20cm~40cmになります。初夏から夏にかけて可愛らしいピンク色の花を咲かせるため、観賞用としても人気です。
クリーピングタイム
クリーピングタイムはほふく性のタイムで、這うように生育します。草丈は5cm~10cmほどですが、横に大きく広がるためグラウンドカバーとしても使いやすいでしょう。春から初夏にはピンク色の花をたくさんつけます。
レモンタイム
その名の通り、レモンに似た香りを放つ品種です。レモンの代わりに香りづけに使われることもあります。上に向かって伸びる立ち性で、開花時期は春から初夏です。
フレンチタイム
タイムのなかでも、とくに香りが良いとされるのがフレンチタイムです。コモンタイムと比較すると花はやや大きく、花房は丸みを帯びています。スパイシーな中に甘さも感じられる香りが魅力で、料理でもよく用いられています。
動画でわかりやすく!!!植物の育て方を紹介する【PlantiaQ&A】
【タイムの育て方】栽培を始めるときのポイント
タイムがお好きな方や、気軽に使えるハーブが欲しい方は、ぜひ栽培にチャレンジしてみましょう。
こちらでは、タイムの種まきや植えつけなど、栽培を始めるときのポイントを解説します。
タイムの好む栽培環境
タイムは暑さには強いものの多湿を苦手とし、やや乾燥した状態で元気に育ちます。
湿気のこもりやすい場所は避け、水はけや風通し、日当たりの良い場所を選んで植えつけましょう。
土づくり
タイムはそれほど用土を選ばず育ちますが、なるべく排水性の良い土を準備することがおすすめです。基本的には、市販されている草花用培養土で問題ありません。
湿気の多い場所や雨がかかる場所などでは、より水はけの良い山野草向けの用土を使うと良いでしょう。
種まき
タイムの種まき適期は3月~5月、9月~10月の春と秋です。育苗ポットやトレーなどにばらまきしたら、土を薄くかぶせましょう。
種はとても小さいため、水で流されたり風で飛ばされたりしないよう気をつけましょう。水やりは霧吹きで行うことがおすすめです。
発芽するまでは土がカラカラに乾いてしまわないように管理しましょう。発芽後、本葉が3枚程度つく頃に元気なものを残して間引きます。
植えつけ
タイムの育苗には時間がかかります。とくにガーデニング初心者の場合は苗を購入して植えたほうが良いかもしれません。
苗を入手したらすぐに植えつけましょう。真夏と真冬を避ければ、いつでも植えつけは可能です。
種から育てた場合、草丈2cm~5cm程度になったら植えつけられます。鉢植えにする場合は5号~6号鉢に一株が目安です。
プランターなどに複数株を植える場合、株間は20cmほどあけましょう。
花壇などに地植えする場合、水はけを良くするために高さ10cm程度の畝を立ててから植えることがおすすめです。
植えつけ後、根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に水にうすめて、与えましょう。
【タイムの育て方】日々の管理や収穫のコツ
タイムを長く育てていくためには、適切な方法でお手入れすることが大切です。水やりや施肥、剪定などのポイントを押さえておきましょう。
また、タイムがある程度大きくなったら収穫して使うこともできます。ここでは、タイム栽培における管理のコツや収穫についてご紹介します。
水やり
タイムは多湿に注意しながら管理することがポイントです。地植えの場合、根づいたらほとんど水やりせずに降雨に任せます。
雨が降らずに乾燥した日が続いたら水を与えましょう。
鉢植えの場合は土が乾いたらたくさん水をあげましょう。冬の時期はタイムの生育が停滞するため、土の表面が乾燥した1日~2日後に与える程度で問題ありません。
肥料
植えつけの際には元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を加えておきます。
また、タイムの花つきを良くして、生育を助けるためには追肥も必要です。
春と秋の生育期に1回~2回ずつ追肥として様子を見ながら1,000倍に希釈した液体肥料『ハイポネックス原液』を施しましょう。
アブラムシ対策
タイムは病害虫被害が少ない植物ですが、アブラムシの被害を受けることがあります。
アブラムシはやわらかい芽や葉などに付き、汁を吸って植物を弱らせてしまいます。すぐに大量に増えてしまうため、見つけたらすぐに対処しましょう。
また、アブラムシがつかないように日当たりや風通しの良い場所で栽培することも大切です。タイムを害虫被害から守るためにも、適した環境へ植えてあげましょう。
剪定
タイムは生育旺盛なため、枝をぐんぐん伸ばして生育していきます。混雑して蒸れやすくなってくるため、定期的に剪定して風通しを良くすることが大切です。
下のほうについた芽を残し、短くカットしてしまいましょう。春や花後、夏、秋など、年に3回~4回は剪定することがおすすめです。
とくに多湿になりやすい夏前には刈り込んでおくと良いでしょう。
また、タイムの茎は、根元部分から徐々に木質化していきます。株が小さなうちは、木質化した部分まで刈り込むことで枯れる可能性があるため気をつけましょう。
植えかえ
鉢植えのタイムは1年に1回は植えかえをすることがおすすめです。放置していると根が生育し、根詰まりを起こしてしまうことがあります。
適期は春もしくは秋です。地植えの場合は3年~4年に1回は掘り上げて株分けをしたほうが良いでしょう。
植えかえ時は剪定を行い、株を刈り込んでから掘り上げます。根が固まっているところはほぐし、傷んだものがあれば取り除いておきましょう。
収穫
タイムは基本的に1年を通して収穫することができます。料理などで使いたいときは、必要な分を摘み取りましょう。
ただし、1回で大量に収穫してしまうと株の生育に影響が出てしまうことがあります。多くても株の3分の1程度までにとどめたほうが良いでしょう。
【タイムの育て方】挿し木や株分けで増やす方法
タイムは挿し木や株分けなどで手軽に増やせることが特徴です。
もっとタイムの栽培を楽しみたいと思ったら、ぜひチャレンジしてみましょう。こちらでは、タイムの増やし方をご紹介します。
挿し木
挿し木のメリットは、親株と同じ性質を持つ植物を増やせることです。種を採取してまく方法でも増やせますが、同じ香りや花の色などを持つ株に育つとは限りません。
タイムの挿し木は真夏と真冬を避ければ、1年を通していつでも行えます。
新しく伸びた元気な枝を選んで先端から5cm~10cmの位置で切り取り、挿し穂としましょう。切り口を斜めにしておくことで吸水させやすくなります。
挿し穂を1時間ほど水につけたら挿し木用土へ挿していきます。下のほうについている葉は取り除いておきましょう。
挿し木用土は清潔で肥料が配合されていないものを使うことがおすすめです。
挿し木が終わったら水をたっぷりと与え、発根するまで直射日光を避けて管理します。新しく葉が伸びてきたらお好きな鉢や花壇などへ植えつけてあげましょう。
株分け
挿し木と同様、株分けでも親株と同じ性質を持つ株を増やせます。植えかえのついでに株分けを行うと良いでしょう。
鉢の大きさを変えずに植えかえたい場合は、株分けでサイズを小さくすることもひとつの方法です。
株分けの際はあまり細かく分けず、2~3個程度に大きく分けることがポイントです。小さくしすぎると生育するのに時間がかかってしまいます。
また、根を割るときは手で割るか、スコップや刃物などを使ってカットします。土が乾いているほうが作業しやすいため、晴れが続いた日を選んで株分けすると良いでしょう。
おわりに
タイムは香りが良く、可愛らしい花の姿の観賞も楽しめるハーブです。
食用向きの品種を一株育てておけば、好きなタイミングで料理に活用することもできます。お好きな方は、ぜひご自宅での栽培にチャレンジしましょう。