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【果樹栽培】桃の育て方| 栽培のコツなど失敗しない育て方についてご紹介します!

【果樹栽培】桃の育て方| 栽培のコツなど失敗しない育て方についてご紹介します!

桃は桃栗3年柿8年と言われるように幼苗から3年目から収穫をすることができる比較的生育の早い果樹です。

おいしい果実を収穫するためには病害虫の対策や、摘果・袋かけなどのこまめなお手入れが必要です。

今回はおいしい桃を収穫するための栽培のコツについて紹介します。

桃の基本情報

まずは桃の基本情報を紹介します。

桃の概要

桃はバラ科モモ属の果樹で、学名「Amygdalus persica(Prunus persica)」、英名「Peach blossom」、和名をモモ(桃)といいます。

原産地は中国で、耐寒性や耐暑性にも優れています。

桃の特徴

桃の実がつくまでには3年ほどはかかりますが、生育スピードも早く数年で成木になり、鉢植えで育てる場合は生育が少し早まる可能性があります。

また、1本の木に対して500個ほどの実をつけるため、剪定や摘蕾などで生育させる実を調整するこまめなお手入れが必要です。

病害虫が多いため、薬剤の散布や袋かけなどの対策も必要です。簡単に育てられる果樹とはいえないものの、手間をかけて育ておいしい桃が収穫できた際は喜びもひとしおでしょう。

 

桃の栽培スケジュール

桃の基本的な栽培スケジュールです。

開花時期:4月上旬

収穫時期:6月上旬~9月上旬

植えつけ:12月上旬~3月下旬

肥料(地植え):2月・10月

肥料(鉢植え):2月・5月・10月

剪定:12月上旬~2月下旬、7月下旬~8月下旬

おいしい桃を育てるコツ

桃はきれいな花を咲かせてくれるため観賞用としても育て甲斐がありますが、やはり桃の実の収穫が醍醐味ではないでしょうか。

おいしい桃の実を育てるポイントを紹介します。

桃の品種選び

桃は病害虫に弱くデリケートな果樹であるため、初心者の方には病害虫にかかりにくく、育てやすい品種を選ぶことがポイントになります。

初心者におすすめの品種は、「早生(わせ)品種」です。早生品種の特徴は開花から収穫までが短期間なことで、「晩生(おくて)品種」に比べると栽培のしやすさがあります。

晩生品種の特徴は、梅雨明けから成熟していき味のよさが特徴ですが、病害虫の被害に遭いやすいため、袋かけなどのこまめな管理が必要となり難易度は高くなります。

桃をはじめて育てる場合、育てやすい品種を選んで失敗するリスクを減らせるとよいでしょう。

すでに果樹の栽培をされている方や、こまめなお手入れが行える場合は、早生品種よりも実が大きく甘みも強い晩生品種を選んでみるとよいでしょう。

自家結実性

桃は品種によって自家結実の強弱があるため、品種選びの際には注意が必要です。

自家結実性とは1本でも実がなるもののことで、受粉しにくい品種の場合は異なる品種を一緒に植えつけするなどの対策が必要です。

桃の場合は異なる品種を植えつけるか、接ぎ木すると実がつきやすくなります。スペースの関係で1本の苗で栽培される方は自家結実性のある品種を選びましょう。

日当たりが重要

桃は日光を好むため、地植えでも鉢植えでも日当たりのよい場所を選びます。とくに夏場はしっかりと日に当てると、実がつきやすくなります。

桃の種類

桃にはたくさんの品種があり、品種によって収穫時期が異なります。極早生の品種の場合は6月上旬ごろ、極晩生の品種の場合は9月上旬ごろに実がなります。

早生品種は一般的に小ぶりなサイズで品質も晩生のほうがよい傾向にありますが、晩生すぎる品種も早生と同じように品種が劣る傾向があるようです。

そのため、おいしいとされる品種は収穫時期が7月下旬から8月中旬くらいに迎えるものが多い傾向にあります。

育てやすさや味のよさに影響するため、品種の特性を確認してから選びましょう。

ひめこなつ

ひめこなつは極早生品種で、市販されている一般的な桃よりも小さいサイズの桃です。結実性があり、梅雨前には収穫ができるため袋かけも不要で栽培が簡単な品種です。

日川白鳳(ひかわはくほう)

日川白鳳は早生品種の代表格であり、収穫は梅雨ごろです。気候によっては袋かけせず育てられる場合もあり、結実性のある品種です。

あかつき

あかつきの収穫時期は7月中旬~下旬、梅雨が明けたころです。結実性もあり糖度も高く、比較的育てやすい品種です。

川中島白桃(かわなかじまはくとう)

川中島白桃は晩生品種で、実のかたさが特徴のとてもおいしい桃です。同じ白桃系の品種と一緒に植えなければならず、袋かけや農薬散布の対策も必要です。

桃の基本的な育て方

桃の栽培環境や基本的なお手入れ方法を紹介します。

桃栽培に最適な地域

桃は鉢植えでも育てられます。実のサイズは小ぶりになりますが、栽培エリアが限られている場合にも十分に楽しめます。

また、桃は耐寒性に優れているため、鉢植えにすれば軒下等に移動することができるので全国で栽培が可能です。

しかし、地植えにする場合は東北地方の南部から南側が適しています。

桃に適した用土

桃の用土は、排水性と保水性のバランスのよいものが適しています。鉢植えにする場合、赤玉土(小粒)7~8割:腐葉土2~3割を混ぜ合わせます。

市販されている果樹用培養土を使っても問題ありません。

『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』は、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合された鉢栽培、プランター栽培に最適な培養土です。

桃に必要な日当たり

桃の木は日当たりのよい場所で育てるのが栽培のコツです。

桃の水やり

桃はやや乾燥気味を好みます。実の成熟期はとくに水分を控えることで甘さが増します。夏場の水やりは朝早くか夕方にします。

【鉢植えの場合】

土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れるくらいを目安にたっぷりと水やりをします。

【地植えの場合】
水やりの必要がなく、基本的に降雨のみで生育してくれます。桃の根が地中によく伸びるため、土に含まれた降雨を吸収できます。

ただし、夏場に日照りが何日も続いている場合には水やりしてください。土の状態を観察して乾燥しているのを目安に水やりします。1㎡につき20~30Lほどを与えます。

桃の肥料

鉢植えの場合は2月・5月・10月の年3回、『錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用』を鉢の縁に沿って土の上に置きます。

『錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用』は、果樹に必要な肥料成分と、鉄などの微量要素を配合していますので、丈夫な株をつくり、味の良い果実がたくさん実ります。

地植えの場合には5月・10月の年2回、バラまくだけで、肥料効果が約2~3カ月間持続する『Plantia (プランティア)花と野菜と果実の肥料』を与えます。

『Plantia (プランティア)花と野菜と果実の肥料』は、元肥・追肥に使用することができ、植物の生育に必要な成分をバランス良く配合した有機入り緩効性肥料です。

桃の植えつけ

桃の栽培は苗木からスタートさせましょう。植えつけの方法をご紹介します。

桃の苗木

販売されている桃の苗は接ぎ木苗で、園芸店などで購入できます。

桃の苗を選ぶ際は病害虫がないかを確認し、幹の太さがしっかりしているものを選びます。植えつける前に苗を水に浸けておきます。

植えつけの時期

桃の休眠期である12月~3月が適しています。温暖な地域では年内に植えつけし、冬場氷点下を下回る寒い地域では3月ごろの植えつけがよいでしょう。

鉢植えの場合の植えつけ

桃の生育は早いため、鉢植えのサイズは10号が適しています。

  1. 鉢底に鉢底石を敷き詰めます。
  2. 鉢の半分くらいの高さまで土を入れます。
  3. 元肥として緩効性肥料『Plantia (プランティア)花と野菜と果実の肥料』を土に混ぜ込みます。
  4. 苗の根が広がるように植えつけし、上から土を被せます。
  5. 植えつけ後はたっぷりと水やりします。その際に根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。
  6. 植えつけた際に枝の高さを整えます。
  7. 支柱をして苗木が倒れないように管理します。

接ぎ木を植えつける場合は、接続部分が埋まってしまわないように位置を調整します。

苗を植えつけたら、枝の高さを整えるのがポイントです。春になって生育期になれば、ぐんぐん枝を伸ばします。

地植えの場合の植えつけ

植えつけの1か月前に土を掘り、堆肥又は、『土を豊かにする肥料』を混ぜて土づくりをおこないます。

  1. 幅70cm・深さ50cmほどの穴を掘ります。
  2. 堆肥・石灰・『土を豊かにする肥料』を混ぜて土を戻し、1か月ほど寝かせます。
  3. 植穴をあけ元肥として『Plantia (プランティア)花と野菜と果実の肥料』を土に混ぜ込みます。
  4. 苗の根が広がるようにして浅めに植えつけます。
  5. 鉢植えのときと同じく枝を整えておきます。
  6. 植えつけ後はたっぷりと水やりします。その際に根の活着促進のため植物用活力液リキダスを1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。

桃の植えかえ

鉢植えで育てている場合、根詰まりを防ぎ通気性をよくするために植えかえが必要です。桃はよく成長するため、鉢植えの場合には根が詰まりやすくなります。

植えかえの頻度

桃は生育の具合にもよりますが、2~3年ほどに1回を目安に植えかえします。

植えかえの時期

桃の植えかえは、植えつけと同じ時期である、12月~3月ごろが適しています。

植え替かえのポイント

1周り大きな鉢植えに移し替えるのがポイントです。植えかえの方法は、植えつけと同様に行います。

桃の増やし方

桃は接ぎ木で増やせます。接ぎ木とは異なる株をひとつにつなぎ合わせる方法です。土台となる部分を台木、生育させる部分を穂木といいます。

【桃を接ぎ木する方法】

  1. 穂木にする枝を10~15cmほどの長さに切り落とす。
  2. 枝の切り口は斜めになるようにカットします。
  3. 台木の接続面に8cmほど斜めに切り込みを入れます。
  4. 台木の切込み部分に斜めにカットした部分を合わせ、接ぎ木テープなどで固定します。

桃の剪定方法

桃の剪定は12月上旬~2月下旬、7月下旬~8月下旬に行います。

桃の剪定方法

冬場は日当たりと風通しをよくするために剪定します。

桃の木は前年に伸びた枝葉のつけ根のすぐ上に花芽をつけて生育するため、若い枝を残し古い枝や枝の先端を切り落とすのがポイントです。

夏場は、桃の枝が最も生育するシーズンです。翌年に実がなる枝を残して間引き剪定をします。徒長した枝などを剪定しましょう。

剪定のポイント

桃の剪定は、樹形がYの字になるように仕立てるのが基本です。桃の木が生育して高くなったら主幹を途中で切り戻します。

こうすることで側枝が伸び低い樹形を保てるため、家庭菜園におすすめです。

ただし、剪定したところから病原菌が入る恐れがあります。そのため太い枝を剪定した場合は、切り口に癒合促進剤を塗っておきましょう。

 

 

【桃を栽培するコツ1】授粉

桃は、自家結実性の品種とそうでない品種があります。そのため、花粉が少ない品種の場合、実がなるように人工授粉してあげる必要があります。

また、毎年実がなかなかつかない場合にも人工授粉してあげると実つきがよくなる可能性があります。とくに鉢植えで育てている場合は花粉が少ないため、人工授粉がおすすめです。

授粉のタイミング

3~4月ごろが目安、桃の花が6~7割ほど咲いたころが適期です。摘蕾を先に済ませてから行うと、花の数が少なくなります。

授粉の方法

雄花を摘み取り、雄しべの花粉をむき出しにして雌花に優しくつけます。綿棒などを使ってもよいでしょう。

【桃を栽培するコツ2】摘蕾と摘果

桃の実はたくさんつきますが、そのままにしているとひとつひとつが小さく甘みの少ない桃になってしまいます。

そのため、果実を減らすための摘蕾と摘果の作業が必要です。摘蕾と摘果によって桃の実を厳選することで、おいしい桃を育てられます。

摘蕾

蕾を間引く作業を摘蕾(てきらい)といいます。

摘蕾のタイミング

摘蕾のタイミングは2月下旬~4月中旬ごろ、桃の花が咲き始める前に行うのがタイミングです。

摘蕾の方法

摘み取る蕾は、短い枝や細い枝についているもの、上に向いているもの、1節に2つ以上ついているもの、枝の先端のほうについているものを摘みます。

手でもぎるか、ハサミでカットしましょう。

摘果

実を間引く作業を摘果(てきか)といいます。実が多くついた場合、摘果も必要です。

摘果のタイミング

5~7月ごろですが、開花後、20~30日後と40~50日後の2回に分けて行います。一度に大量に行うと、実が変形したり割れたりする可能性があり注意が必要です。

摘果の方法

15~20cmほどの短い枝には1つ、30~40cmほどの長さの枝には2つを目安として摘果します。枝が5~10cmほどと短い場合には、3本に1つを目安にするとよいでしょう。

【桃を栽培するコツ3】袋かけ

桃の品種によっては袋かけが必要ないものもありますが、摘果が終わったら袋かけをして病害虫から守る必要があります。

袋かけ

桃の実を病害虫から守るために袋をかけます。園芸店などで専用の袋が販売されているため購入するか、新聞紙などで自作することも可能です。

袋かけのタイミング

5~7月ごろ、摘果が終わったタイミングで袋かけをします。

実が乾いているのを確認する

袋かけは、実が乾燥していることを確認して行います。降雨などのあとで実が濡れたまま袋かけすると、病気が発生しやすくなるため注意が必要です。

口はしっかりと閉じる

袋の口から虫が入ったり雨が入ったりすると、病気の原因となってしまいます。しっかりと袋の口を閉じておきましょう。

桃の収穫

桃の栽培の醍醐味といえば、収穫です。桃は完熟する直前に甘みが増します。桃の収穫時期を見極めなければ、甘みが少なく柔らかくない実となってしまいます。

桃の収穫時期

桃の収穫時期は6月上旬~9月上旬ごろ、品種によって異なります。

桃を収穫する目安

桃は完熟するのを待ってから収穫するのがポイントです。袋の中をチェックして少し赤くなってきたら、袋を外して1週間ほどを目安に日に当てます。

こうすることで桃の色づきがよくなります。緑色の部分がなくなり赤く熟したもの、実を触ってみて表面が耳たぶくらいの弾力であれば、収穫のサインです。

表面にうぶ毛があり、芳香が出ている桃がおいしい桃です。

桃の保存

かたさが残る桃は、常温保存すると柔らかくなります。風通しのよい場所に保存しておくとよいでしょう。

食べるときは2時間ほど前に冷蔵庫で冷やすとおいしくいただけます。長時間冷やし過ぎると甘さが落ちてしまうため気をつけましょう

桃の病害虫

桃は、病害虫の被害に遭いやすい果樹です。とくに晩生品種は梅雨時期から実が成熟するため、病害虫への注意が必要です。

主な病気には、灰星病・せん孔細菌病などがあり予防が必要です。灰星病は実の表面が褐色に変色して、発症後2~3日で全体に広まる病気です。

そのため病気になった部分はすぐに取り除き、拡大しないよう薬剤を散布します。収穫時期の数週間前に発生しやすいため、注意してみておきます。

せん孔細菌病は、実や葉、枝に斑点模様がつき、葉の部分は斑点状に穴が空く病気です。梅雨時期に発生しやすいため、春先の生育初期と9~10月ごろに薬剤を散布して予防します。

桃につきやすい主な害虫には、アブラムシ類、カイガラムシ類、シンクイムシ、モモチョッキリがあります。

アブラムシやカイガラムシは枝から吸汁し、シンクイムシは実につきやすい害虫です。また、モモチョッキリはついた実を落下させてしまう害虫です。

見つけたらすぐに対処します。対策として袋かけの前に薬剤を散布しておくと、害虫の予防につながります。

育てがいのある桃にチャレンジ!

桃は品種選びに注意しておけば、基本的な栽培環境やお手入れは実は難しいものではありません。

たくさん実がつくため剪定や摘果などの作業や、病害虫から守るための対策や袋かけといったこまめなお手入れが必要になるものの、コツさえつかめばおいしい桃の収穫が期待できます。

お庭などのエリアが限られていても、剪定で樹形を整えて低く保てます。ぜひおいしい桃の収穫を目指して、栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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