松葉牡丹(マツバボタン)の育て方|夏に咲く花の栽培のコツや増やし方
松葉牡丹(マツバボタン)は耐暑性が強く、夏真っ盛りの時期でも花を咲かせてくれます。開花期間も長いため、たくさん花を楽しみたい方にもおすすめです。
ぜひご自宅で松葉牡丹を育ててみましょう。
今回は、松葉牡丹の特徴や魅力、基本の栽培方法、増やし方などをご紹介します。
松葉牡丹(マツバボタン)の育て方|花の特徴
松葉牡丹はスベリヒユ科の植物です。本来は多年草ですが耐寒性が弱く、一年草として扱われることが基本となります。開花時期は6月~9月にかけてです。花の色がとてもカラフルなことが特徴で、白やピンク、赤、オレンジ、黄などの花を咲かせます。一重咲きのほか、八重咲きや万重咲きなど、咲き方のバリエーションもあります。
一株からたくさんの花を咲かせることも魅力のひとつです。一日花のため咲いたらその日にはしぼんでしまいますが、次の花が続々と開花します。葉は細く肉厚で、枝分かれしてたくさん茂ります。牡丹のようなふんわりとした花と、松葉に似た葉から「松葉牡丹」という名がついたそうです。
また、松葉牡丹は日差しや乾燥に強く、「日照り草」の別名で呼ばれることもあります。耐暑性が強く、真夏にも元気に花を咲かせてくれます。夏の花壇の彩りとして、ぜひ植えて育ててみることがおすすめです。
松葉牡丹(マツバボタン)の育て方|基本的な栽培方法
松葉牡丹は丈夫な性質を持ち、病害虫被害を受けにくいこともメリットです。ガーデニング初心者にもおすすめできます。こちらでは、松葉牡丹の基本的な育て方をご紹介します。
松葉牡丹(マツバボタン)の好む栽培環境
松葉牡丹の花をたくさん咲かせるためには日当たりの良い場所で育てることが大切です。強い日差しにも強く、夏の直射日光が当たる場所でも元気に花を咲かせてくれます。ずっと日陰になるような場所ではうまく育たないことがあるため気をつけましょう。
乾燥に強い一方で多湿に弱いため、風通しや水はけの良さも重要です。蒸れやすい環境だと根腐れしやすくなってしまうため注意しましょう。
土づくり
松葉牡丹は水はけの良い土を好みます。地植えの場合、植えつけ場所の水はけが悪い場合は排水性を高める工夫を行いましょう。植えつけ前には腐葉土や苦土石灰、緩効性肥料などを加えてよく耕しておきます。15~20cmほど土を盛ったところに植えつけることがおすすめです。
『土を豊かにする肥料』は堆肥と肥料成分がペレット状になっているので、肥料効果と同時に土の中の微生物の働きをうながしますので、土づくりに最適です。
鉢植えの場合は赤玉土と腐葉土、川砂を5:4:1で混ぜたものなどがおすすめです。市販されている草花用培養土を使うと土づくりの手間を軽減できます。
『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』は、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているため元肥を混ぜる手間がなく鉢栽培、プランター栽培に最適な培養土です。
軽石や鹿沼土などを少々混ぜておくと、より排水性を高められるでしょう。鉢底穴が多めの植木鉢やプランターを使う、鉢底石を通常より多めに敷くといった方法でも水はけが良くなります。
種まき
松葉牡丹は種からでも簡単に育てることができます。種まき適期は4月中旬~6月にかけてです。発芽適温は20℃~25℃程度で、寒いと発芽しなくなります。十分に暖かくなり、遅霜の心配がなくなってから種まきしましょう。
種まきの際は育苗ポットを使うか、鉢や花壇などに直接まきます。松葉牡丹の種はとても小さく細かいため、風で飛んでいかないように気をつけましょう。風よけ・雨よけのためにビニールトンネルをかぶせることもひとつの方法です。
土は事前に湿らせておき、種を数粒ずつまいていきます。好光性種子のため、土はごく薄くかぶせましょう。発芽したら本葉が2枚~3枚つく頃に間引いて一本立ちにします。
植えつけ
本葉が6枚~8枚つく頃になれば植えつけ可能です。松葉牡丹の茎は地面に広がるように伸びていくため、複数の株を植える場合は株間を20cmほど設けておきましょう。株同士の間隔が近いと蒸れやすくなる点にも注意が必要です。
植えつけの際は元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込みます。
その後、ポットから苗を優しく取り出し花壇やプランターに植えつけます。ただ、松葉牡丹は発根しやすいため、植えつけ時に根が切れてしまってもほとんど問題ないでしょう。植えつけ後は、根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。
水やり
松葉牡丹は乾かし気味に管理することがコツです。水を過剰に与えてしまうと根腐れすることもあるため気をつけましょう。地植えの場合、根づいてからはほとんど水やりする必要がありません。
鉢植えの場合は土が乾いてから水を与えるようにします。つねに湿った状態になると根腐れしやすくなるほか、根張りも悪くなるため、乾いてからの水やりを心がけましょう。
肥料
松葉牡丹は肥料をあげすぎると葉ばかりが茂ってしまうため、適量を意識して施すことが大切です。植えつけの際には元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込みます。
その後は5月~9月に追肥を行いましょう。2~3ヶ月に1回の頻度で緩効性肥料『プランティア花と野菜と果実の肥料』を追肥するか、1週間~10日に1回の頻度で速効性の液体肥料『ハイポネックス原液』を500倍に希釈してあたえます。
花がら摘み
松葉牡丹の開花期間中、花が次々と咲いてはしぼんでいきます。咲き終わった花を放置していると種をつくりはじめ、次の開花のエネルギーが取られてしまいます。株が弱ってしまうことにもつながるため、長く花を楽しみたい場合は花がら摘みを行いましょう。
摘心
松葉牡丹を育てていると、だんだん茎が長く伸び上がり、株全体のバランスが悪くなってくることがあります。必要に応じて摘心を行うことで側枝が増え、バランスの良い姿を保ちやすくなるでしょう。
適期は7月中旬から下旬頃です。先端をカットすると脇芽が伸び、結果として花数も増やすことができます。見た目もより華やかになるでしょう。
松葉牡丹(マツバボタン)の育て方|増やして楽しむ方法
松葉牡丹は種の採取や挿し芽などで増やすことができます。栽培に慣れてきたら、増やして楽しむこともおすすめです。最後に、マツバボタンの増やし方をご紹介します。
種の採取
松葉牡丹は種を採ってまくことで増やすことができます。ただし、品種によっては種ができにくいことがあります。親株と同じ花を咲かせないケースもある点に留意しておきましょう。
松葉牡丹はこぼれ種でも増えることがあり、放っておいても春になると新しい芽が出てくるケースがあります。ただ、確実に翌シーズンの花を咲かせたい場合は、種を採取して保管しておくことがおすすめです。
種を採る場合は、開花を一通り楽しんだ後に花がら摘みをせず放置しておきます。花が枯れ、茶色くなるまで待ってから種を取り出すことがポイントです。次の種まき時期が来るまで保管しておき、暖かくなってからまきましょう。
挿し芽
松葉牡丹は挿し芽で増やすこともできます。種の採取が難しい場合も、挿し芽で増やすと良いでしょう。
松葉牡丹の挿し芽の適期は6月~8月の時期です。葉が3枚~4枚ほどつくように茎をカットして挿し穂をつくりましょう。挿し穂の下部についている葉は取り除いておきます。30分ほど吸水させた後、肥料分の含まれていない土に挿しましょう。もしくは、同じ花壇やプランターなどに挿しても問題ありません。
挿した後は、水切れしないように管理していきましょう。順調にいけば、3週間程度で鉢や花壇などへ植えつけることができます。親株と同様に日に当て、水や肥料をあげながら管理していきましょう。
おわりに
松葉牡丹は病害虫被害も受けにくく、丈夫で育てやすい花です。生育旺盛であり、開花期間中は続々と花を咲かせてくれます。暑さや乾燥に強いため、真夏に咲く花をお探しの方にもおすすめです。夏のお庭やベランダを彩る存在として、ぜひご自宅に植えて育ててみましょう。