更新日:2024.08.12
エアプランツのおすすめ9選 | 迷ったときの選び方や特徴、育てやすさを紹介
「エアプランツを育ててみたいけれど、どのような種類を選べばよいのかわからない」、「上手に育てられるか不安」という方はいませんか。
そこで今回は、エアプランツの種類や選び方、育て方のポイントを紹介します。
初心者の方はこの記事を参考にして、ぜひエアプランツの生育を楽しんでください。
- 目次
-
- エアプランツの魅力とは?
- エアプランツの種類
- エアプランツのおすすめ9選
- チランジア・イオナンタ
- チランジア・ウスネオイデス
- チランジア・カプトメデューサ
- チランジア・コットンキャンディ
- チランジア・ストリクタ
- チランジア・ストレプトフィラ
- チランジア・キセログラフィカ
- チランジア・フックシー
- チランジア・テクトラム
- エアプランツの選び方
- 飾るスペースにあわせたサイズを選ぶ
- 葉先の状態のよさで選ぶ
- 飾りやすさで選ぶ
- 花が咲くかで選ぶ
- 子株の出やすさで選ぶ
- エアプランツの育て方とポイント
- 水やり:週に2~3回、霧吹きをする
- 月に1度「ソーキング」を!
- 置き場所:風通しのよい日陰で
- 温度:20~30℃が適温
- 肥料、活力剤の使用方法
- 剪定方法:枯れた葉は取り除く
- エアプランツのおしゃれな飾り方を紹介
- ハンギングで空間を活かした飾り方を
- 流木を使ってナチュラルに
- ガラスポットでスタイリッシュな印象に
- まとめ
エアプランツの魅力とは?
エアプランツは、パイナップル科チランジア属に属する植物です。エアプランツの最大の魅力は、なんといっても土や植木鉢がなくても生育することでしょう。多くの品種は葉の表面から水分を吸収し、岩や樹木に垂れ下がりながら生長します。
このように空気(エア)中の水分で育つことから、「エアプランツ」と呼ばれるようになりました。根を空気中に放出し、必要な水分と栄養を吸収するユニークな生態が、植物愛好家の間で人気を集めています。
土や植木鉢がなくても育つため、病気や虫の心配をせず気軽に室内に飾れます。また、飾る場所や飾り方の選択肢も多いため、おしゃれなインテリアにも活用できます。カーテンレールなどにつるせば場所も取らないので、限られたスペースでも楽しめるでしょう。
なかには花が咲く種類もあるため、好みの品種を育てる楽しみが味わえます。水やりは霧吹きでOKなど、管理方法も簡単で忙しい人でも育てやすい植物です。
エアプランツの種類
エアプランツには、700以上の種類が存在します。そのなかでも、チランジア属の種類は500以上あるといわれており、形状やサイズ、色などのバリエーションが豊富です。
エアプランツはおおむね2種類にわけられており、葉の色が銀色のものが銀葉種、緑色のものが緑葉種と呼ばれています。銀葉種は、葉の表面が「トリコーム」という銀色に光る毛で覆われているのが特徴です。
トリコームは葉の表面の水分を吸収したり、水分を保持したりするのに役立っています。そのため、銀葉種は、比較的乾燥に強い特性を持っています。
一方、緑葉種にはトリコームがなく、乾燥に弱いため適度な湿度を保つことが重要です。緑葉種は葉の表面にワックスがかかっているような見た目をしており、ツルツルした触感をしています。
エアプランツのおすすめ9選
エアプランツには、いくつかのおすすめの品種があります。
- チランジア・イオナンタ
- チランジア・ウスネオイデス
- チランジア・カプトメデューサ
- チランジア・コットンキャンディ
- チランジア・ストリクタ
- チランジア・ストレプトフィラ
- チランジア・キセログラフィカ
- チランジア・フックシー
- チランジア・テクトラム
ここからは、それぞれの品種の特徴や育て方のポイントを解説しましょう。
チランジア・イオナンタ
チランジア・イオナンタは、メキシコおよびグァテマラが原産のエアプランツです。グァテマラ産のものはメキシコ産のものよりも葉が細く、大きくなりやすいのが特徴です。
また、変種が多い品種で、葉がピンク色に染まるピーチや、葉が黄色く染まって白い花を咲かせるアルバやドゥルイドなど、変わった魅力が楽しめます。強健で生長が早いため、チランジア生育の入門編にぴったりです。
チランジア・イオナンタは春と秋、および冬は日光にしっかり当てることがポイントです。夏は、明るい日陰に置くようにしましょう。葉先が赤や黄色に染まってきたら、開花のサインです。葉と花の美しいコントラストを楽しみましょう。
チランジア・ウスネオイデス
チランジア・ウスネオイデスは、長く垂れ下がったふわふわしたシルバーリーフが特徴的なエアプランツです。葉の表面にはトリコームが生えているため、乾燥に強いとされています。
チランジア・ウスネオイデスは風通しのよい日陰を好むため、室内で育てる場合はレースカーテン越し程度の明るさがある場所に置いてあげましょう。屋外で育てる場合は、明るい日陰に置いてください。直射日光や西日は、葉焼けの原因になるので注意しましょう。
風通しにも、注意が必要です。水やり後は風通しのよい場所に置くか、サーキュレーターを設置するなどしてください。
チランジア・カプトメデューサ
ギリシャ神話に出てくる怪物「メデューサ」にちなんで名付けられたエアプランツで、その名のとおり、メデューサの髪の毛のようにうねりながら伸びる葉が特徴です。
株が成熟すると、花序が上がって開花します。花序は、最初は緑色をしていますが開花が近づくにつれ赤く色づき、最終的には紫色の筒状の花が下から順に咲いていきます。
丈夫で管理がしやすいチランジア・カプトメデューサは、初心者が育てるのにおすすめです。最初は小さな個体でも、上手に育てれば20㎝以上に生長するでしょう。
春から秋にかけては、室内ではなく屋外で管理するのがおすすめです。室内から外に出す場合は葉が強い光に慣れていないため、徐々に慣らしてあげましょう。直射日光に当てると、葉焼けしてしまうため注意してください。
また、最低気温が10℃を下回る冬場は室内で育てましょう。
チランジア・コットンキャンディ
チランジア・コットンキャンディは、ストリクタとレクルヴィフォリアの交配種です。最大の特徴は可愛らしいピンクの花包と白い花で、その美しさに魅了される人も少なくありません。
また、チランジア・コットンキャンディは丈夫で育てやすい品種です。適切に育てれば、一年に一度は花を咲かせるでしょう。適度に肥料を与えれば、より豪華な花を咲かせます。
花が終わり花序まで茶色く枯れてきたら、ハサミなどで切り落としましょう。
高温多湿が苦手な品種のため、直射日光を避け、風通しのよい場所に置くようにします。30%~50%程度遮光するのがおすすめです。
チランジア・ストリクタ
チランジア・ストリクタは、可愛いピンクの花を咲かせるエアプランツです。花付きがよいのが特徴で、開花前後に出る子株はすぐに成熟するため、上手に育てれば毎年花を咲かせてくれるでしょう。
チランジア・ストリクタのような葉が細く柔らかい、緑色のチランジアは乾燥に弱い傾向にあります。そのため、4~10月の生育期は週に3回程度、真冬の休眠期でも週に1回程度はたっぷりと水やりをしてください。
風通しが確保できる明るい環境で育てている場合は、毎日水やりをしても問題ありません。
暖かい季節は気孔が開く夕方以降に水やりするとよい、とされています。冬場は株を冷やさないように、昼間に水やりをしましょう。
チランジア・ストレプトフィラ
チランジア・ストレプトフィラは団子のような丸い形をした、つぼ型のチランジアの代表格です。生長が早く、暑さや寒さ、乾燥にも強いので初心者にもおすすめのエアプランツです。
チランジア・ストレプトフィラは乾燥すると葉が縮んでカールし、水をやると葉をぴんと伸ばす珍しい品種です。株の水分量で葉の形態が変わる姿がとても魅力的なので、「エアプランツの女王」とも呼ばれています。
また花序が複数に分岐して、紫色をした筒状の花を咲かせるのも特徴です。
水が大好きな品種のため、生長期は週に2~3回水やりをしましょう。基本的に葉に水を溜めて育てるほうが調子はよくなるでしょう。
ただし、風通しの悪い場所だと腐れや蒸れの危険があるため、水やり後は葉に溜まった水を切ってあげると安心です。外で管理ができる暖かい季節は、雨に当ててあげるとよいでしょう。
チランジア・キセログラフィカ
「チランジアの王様」とも称される銀葉がとても美しいチランジアです。葉と葉のあいだに、水を溜める性質があります。
高さが最大30㎝、直径最大60㎝程度まで育つため、大型のエアプランツを探している人におすすめです。屋外にて遮光した日光を当ててやると生長が早く、葉色も美しくなります。
チランジア・キセログラフィカは中南米産の品種ですが、暑さにはそれほど強くないうえに寒さにも弱いため、20~30℃の温度で生育するのがおすすめです。冬場も、最低5℃以上はキープしておきましょう。
また、風がないとすぐに蒸れて腐ってしまうため、風通しが確保できない場合はサーキュレーターが必要です。
チランジア・キセログラフィカは水を好むため、4〜10月の生育期は週2〜3回、真冬の休眠期は週1回、たっぷりと霧吹きで水やりをしましょう。
屋外なら、ジョウロで水やりしても構いません。風通しのよい環境なら、株元に水が溜まっているほうが早く大きくなるでしょう。
チランジア・フックシー
現在流通しているチランジア・フックシーは、「フックシー・グラシリス」と呼ばれる種類がほとんどです。日本語で繊細を意味するグラリスシスという名前のとおり、1㎜ほどの繊細な葉が特徴です。細い葉が四方に伸びる姿は美しく、線香花火を彷彿とさせます。
もともと砂漠などの乾燥地帯に生育していたチランジア・フックシーは、空気から水分を吸収するため、育てる手間がかかりません。ただし、低温には弱いため室内での生育がおすすめです。上手に育てられれば、真ん中から濃いピンクと紫の小さな花が連なって咲くでしょう。
また、極端な乾燥にも弱いため、半日陰か遮光した屋内で育てるのがおすすめです。春から秋にかけては屋外栽培が可能ですが、乾燥させすぎないように注意しましょう。
チランジア・テクトラム
トリコームが長く、ふわふわとした姿が特徴的な品種です。砂漠に自生しているため、暑さと強い日差し、乾燥には強いですが、真夏の直射日光は避けましょう。また、寒さには弱いので、冬は室内で育てます。
チランジア・テクトラムは水をやりすぎたり、風通しの悪い環境や暗い場所に置いていたりすると、トリコームがはげてみための美しさが損なわれてしまいます。
そのため、水やりの頻度は一般的なチランジアよりも少なめにしましょう。4〜10月は生育期なので週1〜2回を目安に、真冬の休眠期は週1回以上を目安にたっぷりと水やりをしてすぐに乾かします。
肥料は基本的に不要ですが、適度に与えると大きく育てられるでしょう。じっくり育てると、全長が1m以上になることもあります。
エアプランツの選び方
エアプランツを選ぶ際には、いくつかのチェックポイントがあります。それぞれ詳しく解説しましょう。
飾るスペースにあわせたサイズを選ぶ
エアプランツは、置き場所に適したサイズ感のものを選びましょう。
たとえば、デスク周りにおくのなら、小型の種類がおすすめです。スペースがあるからとりあえず置いてみよう、とあまりサイズ感を考えずに購入してしまうと圧迫感を感じたり、スペースが余り過ぎたりしてしまいます。
飾るスペースの上下左右の余白を考えたサイズのエアプランツを選びましょう。
葉先の状態のよさで選ぶ
エアプランツを選ぶ際は、葉先が茶色くなっていないかどうかを必ずチェックしましょう。葉先が茶色くなっているものは乾燥しすぎているか、直射日光が当たりすぎていることが考えられます。
なかには、正しく育てているにも関わらず葉先が茶色くなっているものもありますが、素人には見極めが難しいでしょう。そのため、初めてエアプランツを育てる方は葉先が緑色になっている新鮮な種類を選ぶと安心です。
飾りやすさで選ぶ
エアプランツをつるして飾る「ハンギングディスプレイ」に挑戦したい、と思っている方も多いでしょう。そのような方はつるしやすいタイプを選ぶのがポイントです。
具体的には、軽いエアプランツを選ぶようにしましょう。反対に床に置いてディスプレイしたい方は、少々のことでは倒れにくい重い種類を選ぶのがおすすめです。
花が咲くかで選ぶ
花を楽しみたい方は、花が咲きやすい種類を選びましょう。初心者でも比較的花を咲かせやすい種類が、コットンキャンディ、ストリクタなどです。まずはこうした品種から育ててみて、慣れてきたらさまざまな品種にトライしてみましょう。
子株の出やすさで選ぶ
エアプランツを増やしていきたいと思っている方は、子株の出やすい種類を選ぶとよいでしょう。子株が出やすい品種はコットンキャンディ、イオナンタなどがあります。購入する際は、これらの品種を選びましょう。
エアプランツの育て方とポイント
エアプランツは、初心者の方でも比較的育てやすい植物です。しかし、適切に育てないと枯れたり腐ったりしてしまいます。ここからは、エアプランツを元気に育てるためのポイントを紹介しましょう。
水やり:週に2~3回、霧吹きをする
エアプランツは水やりをしなくても育つと思っている方もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。適切に水やりをしないと枯れてしまうので注意しましょう。
春~秋にかけては週に2~3回、朝夕の涼しい時間帯に霧吹きでしっかりと水やりしましょう。明るい日中に水やりをしても、酸素や水分を吸収する「気孔」が十分に開いていない状態なので、あまり効果がありません。
気温が10℃を下回ったら、水やりの頻度を週に1回程度に減らしましょう。
月に1度「ソーキング」を!
月に1回程度、ソーキングを行いましょう。ソーキングとは、エアプランツを水に浸す方法です。ソーキングは非常に簡単で、水を溜めたバケツなどにエアプランツを4~6時間浸すだけです。
ソーキングも夕方や夜間の気孔が開いているときに行いましょう。
水分が多量に残っていると腐る原因になるため、ソーキングの後はエアプランツを逆さにするなどして自然乾燥させましょう。
置き場所:風通しのよい日陰で
エアプランツは、風通しのよい日陰に置くようにしましょう。日陰は日差しのまったく当たらない暗い場所ではなく、木漏れ日が差し込む程度の日陰です。
室内で育てる場合は、レースカーテン越し程度の明るさがある場所、屋外なら直射日光に当たらない所で育てましょう。強い直射日光は、枯れる原因となるので注意してください。
風通しが悪い場所に置くと、水やりの後に蒸れが続き根元が腐る原因になります。窓を開けられない場合はサーキュレーターを活用するなどして、風が通りやすい環境を作りましょう。
温度:20~30℃が適温
エアプランツは暑さと寒さに弱い植物で、生育に適している温度は20~30℃です。10℃以下になると生育が止まり、5℃以下になると枯れる恐れがあります。
屋外で育てる場合は、10℃以下になったら室内に移動させてください。
室内でも窓際は、朝夕には屋外と同じくらい冷え込むため、温度変化の少ない部屋の中央に置きましょう。
肥料、活力剤の使用方法
基本的に、エアプランツは肥料をあまり必要としません。しかし、生育期にあたる3~5月や10~11月に液体肥料『ハイポネックス原液 』をあげれば、葉に艶がある大きな株になるでしょう。
ただし、草花のように500倍の薄め方ではエアプラしンツには濃すぎるため、通常よりもさらに薄めに2,000倍に希釈して使用してください。
エアプランツの体力が消耗している真夏には、活力剤を使用するとよいでしょう。おすすめは、コリン、フルボ酸、アミノ酸、各種ミネラルを配合した植物用活力液『リキダス』です。
エアプランツに元気がなくなったな、と思ったタイミングで植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈した液でソーキングするとよいでしょう。
剪定方法:枯れた葉は取り除く
エアプランツは、春と秋の生育期に新芽を出し大きくなります。それに伴い外側の葉が古くなって枯れていくため、枯れた葉を根元から優しく取り除きましょう。
枯れた葉をそのままにしておくと風通しが悪くなったり、水が溜まって根元が腐ったりする原因になります。手で取り除けない場合は、ピンセットを使うとよいでしょう。
エアプランツのおしゃれな飾り方を紹介
ディスプレイの選択肢が多いエアプランツは、さまざまな飾り方が楽しめます。しかし、どのように飾ってよいのかわからないという方もいるでしょう。そこでここからは、エアプランツのオシャレなディスプレイ方法を紹介します。
ハンギングで空間を活かした飾り方を
エアプランツはハンギングに適しているため、ワイヤーや麻ひもを通してカーテンレールやフックからつるすのもおすすめです。ヒンメリと呼ばれる多面体のモービルを使ってつるすのもおしゃれです。
小さなエアプランツを、カーテンレールに複数つるすのもよいでしょう。窓から近い場所につるせば、日当たりも確保できます。ただし、大型のエアプランツは落下の恐れがあるため、ハンギングには適していません。小型のモノを選ぶようにしましょう。
流木を使ってナチュラルに
ナチュラルテイストなインテリアが好み、という方は流木を使ったディスプレイに挑戦してみてはいかがでしょうか。針金を使って流木にエアプランツをぐるりと巻きつけるだけで、ナチュラルなインテリアに変身します。流木にエアプランツを着生させることで、根が出やすくなり生育が安定するというメリットもあります。
ガラスポットでスタイリッシュな印象に
透明なガラスポットにエアプランツを飾るだけでも、スタイリッシュなインテリアになります。
ガラス容器の中にゼオライトやバークチップを敷けば、テラリウムとしても楽しめるでしょう。透明なガラスポットなら中の状態が常に確認できるので、初心者の方におすすめです。
風通しがよくなるように、なるべく口が大きな容器を選びましょう。また、水やりの際は容器から取り出し、しっかり乾かしてから戻してください。
まとめ
エアプランツは育てやすく、インテリアにもなるので初心者の方にもおすすめの観葉植物です。
とはいえ、暑さや寒さ、乾燥には弱いため、適切な温度と水やりを忘れないようにしましょう。
さまざまなディスプレイも楽しめるので、上手に育ててお部屋のアクセントに活用してください。