【コリウスの育て方】基本の栽培方法や仕立て方のポイント
コリウスは鮮やかな色の葉を持つカラーリーフです。
現在は多くの園芸品種があり、多彩な色のバリエーションからお好きなものを選ぶことができます。
丈夫で育てやすいコリウスをご自宅に植えて、お庭を華やかに彩りましょう。
今回は、コリウスの基礎知識や育て方、仕立て方、増やし方などをご紹介します。
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コリウス
学名 Coleus 科名 シソ科 別名 ニシキジソ、キンランジソ 原産地 東南アジア 分類 一年草、多年草 耐寒性 弱 耐暑性 中 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月観賞時期植えつけ・植えかえ施肥
【コリウスの育て方】特徴や魅力
コリウスは東南アジア原産とされるシソ科の植物です。本来は多年草ですが耐寒性が弱く、日本の冬を越えられないケースが少なくありません。そのため、基本的には一年草として扱われています。
コリウスの鮮やかな葉
コリウスの最大の魅力は、バリエーション豊富な葉の色です。美しい葉を持つことから、金襴紫蘇(キンランジソ)や錦紫蘇(ニシキジソ)などの和名もあります。
品種によって葉の色は異なります。斑入り品種が多く、緑色と赤色、紫色とピンク色、黄緑色と黒色など、多彩な組み合わせの葉の色を楽しむことができます。
さまざまな品種を一緒に植えることで、カラフルな花壇をつくれるでしょう。初夏の植えつけから秋まで鮮やかな色を保つため、長期間観賞できることもメリットのひとつです。
葉の大きさや形は品種ごとに違います。シソに似たギザギザの葉やフリルのように波打つ葉、切れ込みの入った葉などさまざまです。
コリウスの草丈
草丈は20cm程度とコンパクトなものもありますが、1m近く育つ品種も見られます。
以前は実生で増やした小型の品種が多く見られましたが、現在は挿し木で増やした大きめの栄養系品種が増え、人気を集めています。大株に育ったコリウスは、一株でも十分な存在感を放つでしょう。
コリウスの花
コリウスを育てていると花芽が伸びてくることがあります。花は穂ジソに似た形をしており、葉と比べるとそれほど目立ちませんが、素朴な可愛らしさがあります。
花の観賞を楽しんでも良いですが、そのままにしていると栄養が奪われてしまい、株が弱っていきます。カラフルな葉をできるだけ長く観賞するなら、花芽ができたら摘み取ったほうが良いでしょう。
コリウスの寄せ植え
花壇やコンテナで、季節の草花とコリウスを合わせて植えることもおすすめです。コリウスには幅広いカラーがあるため、花との組み合わせを考えるのも楽しめます。
「赤やピンクで統一した花壇にしてみたい」「秋はハロウィンをテーマにした寄せ植えをつくりたい」など、さまざまなコンセプトに合わせて寄せ植えするものを選んでみましょう。
【コリウスの育て方】栽培のポイント
コリウスを育てるときは、どのようなお世話を行えば良いのでしょうか。基本的な栽培方法を確かめていきましょう。
コリウスの好む栽培環境
コリウスの葉の色を綺麗に出すためには、ある程度の日光に当てる必要があります。ただし、強すぎる日差しはコリウスを弱らせてしまうほか、葉焼けしてしまうことがあります。午前中は日なた、午後は日陰になるような場所が向いているでしょう。
土づくり
コリウスは排水性と保水性、通気性を兼ね備えた用土を好みます。ご自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土、堆肥を6:3:1で混ぜたものがおすすめです。
市販の草花用培養土でも問題ありません。肥料が含まれている培養土を使えば、購入してそのまま使うことができます。
『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』は、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているため元肥を混ぜる手間がなく鉢栽培、プランター栽培に最適な培養土です。
種まき、育苗
コリウスは種から育てることができます。発芽適温は20℃~30℃のため、十分に暖かくなった5月以降を目安に種まきしましょう。
コリウスの種はとても細かいため、育苗ポットやセルトレーなどを使うと安心です。培養土をよく湿らせてから、ひとつのまき穴に3粒~4粒まきましょう。好光性種子のため、土は薄くかぶせる程度にします。
発芽するまでは土を乾かさないように管理しましょう。勢いよく水やりすると種が流れてしまうため注意が必要です。また、強い直射日光を当てるのは避け、半日陰の場所に置いておきます。
順調にいけば1週間前後で発芽します。本葉が2枚~3枚つくまでに間引き、一本立ちにしましょう。
苗選び
育てたい数が少ない場合や、育苗期間を省きたい場合は、苗から育てることがおすすめです。園芸店やホームセンターなどでお好きなものを探してみましょう。
できるだけ元気な苗を選ぶことで、その後の管理も行いやすくなります。下葉が枯れていないか、葉がしおれていないか確認しましょう。株元がぐらぐらとしているものや、ひょろひょろと細長いものも避けたほうが無難です。
病害虫被害の跡がないか、葉の裏などに虫がついていないかなどもチェックしましょう。よく枝分かれしており、こんもりとした見た目のものがおすすめです。
植えつけ
苗を入手したら、お好きな鉢へ植えつけましょう。育苗した場合、本葉が4枚~6枚ついた頃に植えつけられます。
ポット苗の場合は5号鉢に一株が目安です。根鉢は崩さないようにして植えましょう。その後は生育に応じて鉢増ししていきます。
プランターや花壇などに複数株を植える場合は株間を20cm~25cmほどあけます。土をかぶせる際は深植えにならないように気をつけましょう。
水やり
コリウスを元気に育てるためには、適切な頻度で水やりすることが求められます。乾燥させすぎてしまうと、せっかくの綺麗な葉がしおれてしまうため気をつけましょう。
地植えの場合、植えつけ直後にたっぷりと水やりした後は、基本的に降雨に任せましょう。ただし、夏は土が乾燥しやすくなるため、土の表面が乾いていたら水を与えます。
鉢植えの場合、鉢土の表面が乾いていたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりとあげましょう。小さな鉢で育てているときや、大株に育った場合などは、とくに水切れに注意が必要です。
肥料
コリウスは生育旺盛な植物ですが、適量を守って施すことが重要です。株の状態を見て施肥の頻度を調整しましょう。
植えつけの際は元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込みます。
植えつけ後、2~3週間後から追肥しましょう。生育期は、2~3カ月に1回程度の頻度で緩効性肥料『プランティア花と野菜と果実の肥料』を追肥するか、1週間~10日に1回の頻度で速効性の液体肥料『ハイポネックス原液』を500倍に希釈してあたえます。
摘心
コリウスが生長すると、草丈がどんどん伸びてきます。こんもりとした形に仕立てたい場合は摘心をして、脇芽を伸ばしましょう。
本葉が10枚ついた頃をめどに最初の摘心を行います。摘み取るのは頂点の芽です。節のすぐ上の部分をカットしましょう。摘心が済んだら、節の部分から新しい芽が伸びてきます。
脇芽が育ったらそちらも摘心を行います。このように摘心を繰り返すと、バランスの良い姿に仕立てられるでしょう。
冬越し
上記の通り、コリウスは日本の冬の寒さに耐えられず枯れてしまうことがあります。室内に取り込み、暖かい環境で管理すれば冬越しさせることも可能です。霜が降りてくる前に鉢を移動させましょう。
冬越し中は10℃以上を保てる部屋に置いておきます。日当たりの良さを確保することも大切です。
また、挿し木(挿し芽)などで増やし、株を更新して冬越しすることもひとつの方法です。枯らしてしまう心配がある場合は、挿し木も行っておくと良いでしょう。
【コリウスの育て方】仕立て方のポイント
コリウスは摘心する方法によって、さまざまな形に仕立てることができます。庭木では好みの形に仕上がるまで時間がかかりますが、生育がはやいコリウスなら数カ月で希望の形を実現できるでしょう。
ここでは、コリウスの主な仕立て方の種類や、仕立てる際のポイントを解説します。
スタンダード仕立て
スタンダード仕立てとは、植物の幹をまっすぐに伸ばし、上部のほうにのみ枝葉を残す仕立て方です。とくにバラでよく見られる方法となります。
下についている枝や葉を落とすことで、残ったものに栄養が行き渡りやすく、風通しも良くなることがメリットです。上に残す枝葉は丸くこんもりとした形にすることが一般的です。
コリウスをスタンダード仕立てにする場合、まずは何度か摘心を行って枝を増やします。葉が十分に茂ったら、地際から約15cmほどの箇所までにある葉をすべて取り除きましょう。
残った2本~3本の太い茎をまとめたら、テグスやビニール紐などで束ねておきます。そのまましばらく育てていきましょう。
次第に茎が伸び、葉も大きく育ってきます。上に残した葉がバランスの良い形になるよう、摘心を繰り返しましょう。
下部が寂しいと思ったら、株元に矮性の草花や別のコリウスを植えることもおすすめです。根元から伸びてきた芽を育て、二段仕立てにする方法もあります。
ツリー仕立て
クリスマスツリーのような円錐形に仕立てる方法です。下に向かって広がる形のため、安定感のある印象を与えられます。
ツリー仕立てにする際は下葉を取らず、太い茎を1本残して育てていきます。水不足になると下葉から落ちてしまうため、管理に気を配りましょう。
株の高さを出せるよう、頂点の芽は摘心せずに伸ばしていきます。草丈が高くなったら支柱を立てておくと安心です。
十分に大きくなったら、最終的に理想の形になることをイメージしながら頂点以外の枝先を摘心していきます。ある程度形ができた後も、適宜摘心を行って整えていくと良いでしょう。
【コリウスの育て方】増やして楽しむ方法
コリウスは種まきや挿し木などで増やすことができます。種を採る場合は、10月頃には花芽の摘み取りをやめ、種ができるのを待ちましょう。採取した種は保管しておき、翌年の種まき適期になったらまきます。
ただし、種まきをして育てた苗は親株と同じ色や模様にならないことがあります。お気に入りのコリウスの葉を翌年も楽しみたい場合は、挿し木で増やすことがおすすめです。
挿し木をする際は、2節ほどの長さで切り取って挿し穂をつくります。葉は半分にカットしておきましょう。1時間ほど吸水させてから清潔な挿し木用土に挿します。
2週間程度で発根し、1カ月以内には鉢上げできるでしょう。冬越しさせる場合は、挿し木苗も室内に取り込んで管理することが大切です。暖かくなったら屋外へ移しましょう。
おわりに
カラフルな葉色を持つコリウスは、お庭のアクセントとしても活躍する存在です。摘心を繰り返すことでお好みの形に仕立てることもできます。
水切れには注意が必要ですが、基本的に丈夫であり、ガーデニング初心者でも気軽に栽培にチャレンジできます。お好きな色のコリウスを見つけたら、ぜひご自宅で育てていきましょう。