アンズの育て方|栽培方法や収穫のコツ、剪定のポイント
春にはきれいな花をたくさん咲かせて、夏には可愛い実を収穫できるアンズの木。美味しい実を味わえるのはもちろん、美しい姿を楽しめることも魅力の果樹です。
お好きな方はぜひご自宅に植えて、アンズ栽培にチャレンジしてみましょう。今回は、アンズの特徴や基本的な栽培方法、収穫までのお手入れのコツ、剪定のポイントなどをご紹介します。
アンズの育て方|花や果実の魅力
アンズはバラ科の果樹です。花はウメやサクラなどに似ており、開花時期の3月~4月には美しい姿を観賞できます。その後、6月~7月には実を収穫可能です。
アプリコット色の実がたくさんなる姿も可愛らしく、目でも楽しめるのが魅力といえます。
中高木のため地植えすると2mを超えることもありますが、鉢植えでコンパクトに栽培することもできます。お庭の広いスペースを活かして育てるのはもちろん、ベランダでも栽培可能です。
収穫できる果実は基本的に酸味が強く、シロップ漬けやジャムなどで加工して味わうことが多くなります。ただし、「ハーコット」や「ニコニコット」といった生食に向いている品種もあります。
ご自宅に植える際は、どんな実を収穫したいかで品種を選んでも良いでしょう。
アンズの育て方|基本の栽培方法
アンズのような果樹は栽培が難しく、園芸初心者にはハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
花も実も楽しむためには、お手入れのコツを確かめて実践することが大切です。こちらでは、アンズの基本的な育て方や注意点をご紹介します。
アンズの好む栽培環境
アンズの花をたくさん咲かせて実をつけるためには、日光にしっかりと当てる必要があります。日当たりの良い場所を選んで植えつけましょう。
耐寒性は強いものの耐暑性はそれほど強くないため、できるだけ涼しい場所に植えることもポイントです。鉢植えの場合は季節に応じて場所を移すと良いでしょう。
苗木選び
アンズの実を収穫したい場合、受粉樹も一緒に植えましょう。2品種以上を近くに植えることで実ができやすくなります。
あまり多くの木を植えるスペースがない場合、自家結実しやすい品種を選ぶのがおすすめです。ただし、確実に収穫したい場合は2品種以上を植えたほうが良いでしょう。
苗木から育て始めると、基本的に3年~4年で収穫できるようになります。ご自分で栽培したアンズを味わうのを楽しみに、気長に育てていきましょう。
土づくり
アンズは排水性と保水性を兼ね備えていれば、それほど土を選びません。地植えの場合、植えつけ予定地を掘り返して堆肥や腐葉土を混ぜて耕しておきましょう。
鉢植えの場合、小粒の赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたものや、市販の 『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』を活用しましょう。
植えつけ
アンズの植えつけ適期は落葉中の12月~3月にかけてです。ただし、寒冷地では厳寒期の作業を避けましょう。
植えつけ時には根を傷めないように丁寧に扱うことが大切です。植えつけ終えたらたっぷりと水を与えます。
しっかりと根づくまでは倒れないように支柱を立てておくと良いでしょう。
水やり
地植えの場合、アンズが根づいた後は水やりをせず雨に任せて問題ありません。乾燥した日が続いた夏場などは水をあげましょう。
鉢植えの場合は土の表面が乾いてからたっぷりと水やりします。落葉期間の冬場は土が乾きにくいため、水やり頻度を控えめにしましょう。
肥料
植えつけの際には元肥として緩効性肥料『マグァンプK大粒』を施しておきます。
2月には寒肥として『土を豊かにする肥料』を与え、収穫後の10月にはお礼肥として『土を豊かにする肥料』を与えましょう。
また、鉢植えの場合は果実が肥大する5月頃に追肥として『Plantia花と野菜と果実の肥料』を与えます。
病害虫対策
アンズ栽培で注意したいもののひとつがアブラムシです。ごく小さな虫であり、葉や枝に付着して吸汁し、植物を弱らせてしまいます。病気の原因になることもあるため注意が必要です。
アブラムシを見つけ次第、すぐに駆除しなければどんどん増えてしまう可能性があります。必要に応じて薬剤を活用し、すみやかに対処しましょう。
また、アブラムシの発生を防ぐためには日当たりと風通しの良い状態を保つことや、適切な肥料を与えることなどが大切です。植えつけ場所には注意しておきましょう。
枝や葉が茂りすぎて風通しが悪い場合は剪定を行って整えます。肥料は必要な成分がバランスよく含まれたものを利用しましょう。
植えかえ
鉢植えの場合、根詰まりを予防するためにも定期的な植えかえを行いましょう。頻度は2年~3年に1回が目安です。
新しい用土へ交換してあげましょう。適期は植えつけと同じ12月~3月にかけてです。
アンズの育て方|収穫までの作業や保存方法
アンズの実を収穫するためには、人工授粉や摘果などの作業が必要になる場合があります。収穫のタイミングや保存方法なども確かめておきましょう。
こちらでは、アンズの収穫までのお手入れや保存のポイントなどを解説します。
人工授粉
アンズの場合、昆虫や風などが花粉を運び、自然と受粉します。
しかし、環境によっては受粉しにくくなり、実つきが悪くなってしまうこともあるでしょう。確実に結実させるためには人工授粉をすることがおすすめです。
人工授粉を行う場合は花が咲いたらひとつ摘み取り、その他の花の柱頭へ花粉をこすりつけます。1輪の花で10輪以上の花に花粉をつけられるでしょう。
数が多い場合は乾いた筆を使って花粉をつけていく方法もおすすめです。
また、人工授粉は晴れた日が続いたときに行いましょう。雨で濡れた状態では、花粉がうまく付きません。
摘果
実つきが多すぎる場合は、摘果して適切な数に減らしましょう。品種によって違いはありますが、基本的に結果枝の10cm~15cmにつき1個の実がなる程度に間引いていきます。
もしくは、ひとつの果実につき葉が20枚程度になるのを目安に調整しましょう。
収穫
実が十分に色づいたら収穫を行えます。生食用の品種であれば、果肉がやわらかくなるまで待ってから収穫します。加工用の場合は、まだ果肉がかたいうちに収穫しましょう。
完熟した状態で放置していると傷んでしまうため、採り頃を見逃さないように摘み取るのが大切です。
保存
収穫したアンズはなるべく早めに味わうことがおすすめです。とくに、やわらかい実は傷むのも早いため、すぐに食べましょう。難しい場合はできるだけ長持ちできるように保存しておきます。
やわらかく熟した実はポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室へ入れておきます。できるだけ積み重ねないように平たくした状態で保管しましょう。
かたいアンズはすぐにジャムやシロップ漬けなどに加工することがおすすめです。保存しておきたい場合は新聞紙に包み、ポリ袋に入れてから冷蔵庫で保管しましょう。
アンズの育て方|剪定時期や方法
アンズの剪定適期は冬と夏です。冬の剪定は12月~2月にかけての時期に行います。
基本的に短い枝は残し、長くなりすぎた枝や混雑した部分を間引きます。長い枝の先端は4分の1~5分の1ほど切り戻すと良いでしょう。
3年以上たって古くなった枝は根元から落とし、若い枝へ更新します。
7月~8月の夏の剪定では、勢いよく伸びすぎた枝を整理しておきます。株の状態によっては冬の剪定のみでも問題ない場合があります。
また、アンズの花芽は前年の夏に形成されます。剪定時は、せっかくついている花芽を切り落としてしまわないように気をつけましょう。
おわりに
アンズは花も実も可愛らしい果樹で、果実を収穫して味わうこともできます。実つきが悪い場合は人工授粉を行い、水や肥料などを適切に与えることが大切です。
ご自宅に植えたアンズを大切に育て、花の観賞や実の収穫を楽しみましょう。
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