トケイソウの育て方|栽培方法やお手入れのコツ、増やし方
名前の通り、時計の文字盤に似た個性的な花を咲かせるトケイソウ。白やピンク、赤、紫、黄など、品種によって多彩な色の花をつけます。
熱帯の風情を感じさせるトケイソウをご自宅に植え、毎年咲く花の観賞を楽しみましょう。
今回は、トケイソウの魅力や基本の栽培方法、お手入れ方法、増やし方をご紹介します。
トケイソウの育て方|個性的な花の魅力
トケイソウはトケイソウ科の草花で、熱帯アメリカやアジア、オーストラリアなどに500種類が分布しているといわれています。
その名の通り、時計のような形を咲かせるのが最大の特徴です。色や形が大変豊富で、副花冠や雄しべ・雌しべも独特の形状をしています。
自分好みの品種を探す楽しみがあるのもトケイソウの魅力といえます。
トケイソウの一種であるパッションフルーツ
一般的に「パッションフルーツ」として流通しているのは「クダモノトケイ」とも呼ばれる品種で、トケイソウの一種です。果実が紫色のタイプや黄色のタイプが見られます。
日本でも栽培可能であり、果実を収穫することもできます。お好きな方はぜひ育てて収穫し、ジュースやシャーベットなどをつくって味わってみてはいかがでしょうか。
トケイソウのグリーンカーテン
基本的につる性であり、長くつるを伸ばす品種が多く栽培されています。トケイソウを利用して、夏にぴったりの緑のカーテンをつくることも可能です。
ご自宅の窓の前などに支柱やネットを張ってつるを這わせ、涼しげなカーテンをつくってみるのも良いでしょう。
トケイソウの育て方|土づくりや植えつけ
トケイソウはご自宅でも手軽に育てやすい植物です。ぜひお好きな品種を見つけて栽培してみましょう。ここでは、トケイソウの栽培環境や苗選び、植えつけなどについてご紹介します。
トケイソウの好む栽培環境
トケイソウは基本的に日当たりの良い場所に植えつけます。ただし、真夏の直射日光に当たり続けると弱ってしまうこともあるため注意が必要です。
品種によって耐寒性が異なりますが、寒さに強いものであれば地植えで冬越しさせられるケースもあります。しかし、苗が小さなうちは鉢植えで育て、冬は室内で冬越しさせると安心です。
耐寒性の弱い品種は鉢植えにして、屋内に取り込んで冬越しさせましょう。冬の間もしっかりと日光の当たる場所で管理することがポイントです。
苗選び
トケイソウは苗を入手して植えつけるのが一般的です。園芸店やホームセンターなどで販売されています。
苗を選ぶ際は病害虫被害の痕跡がなく、茎ががっしりとして太いものを探しましょう。株の勢いが弱々しいものや、ひょろひょろと間延びしているものなどは避けたほうが無難です。
土づくり
トケイソウは過湿を嫌うため、水はけの良い土を準備しましょう。地植えの場合は腐葉土を混ぜてしっかりと耕しておきます。
鉢植えの場合は小粒の赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたものなどがおすすめです。市販されている『ハイポネックス培養土鉢・プランター用』でも問題ありません。
元肥に『マグァンプK中粒』が入っているため、肥料を加えずにそのまま植えつけに使えます。
植えつけ
トケイソウの植えつけ適期は4月~6月頃です。枯れる原因になるため、深植えは避けましょう。
地植えの場合は根鉢より一回り大きな植え穴を掘ってから植えつけます。鉢植えの場合は鉢底石を敷いて排水性を高めたうえで用土を入れましょう。
植えつけ後にはたっぷりと水を与え、支柱を立てます。フェンスやオベリスクなどの近くに植えて這わせるのもおすすめです。グリーンカーテンをつくる場合は、この段階でネットを張っておきましょう。
トケイソウの育て方|お手入れのポイント
トケイソウは適切な環境に植えつければ長く育てていくこともできます。毎年花を観賞するために、管理のコツを確かめておきましょう。ここでは、トケイソウのお手入れ方法を解説します。
水やり
トケイソウが過湿になると枯れることもあるため、水の管理には気を配りましょう。地植えの場合は雨が降るのに任せ、乾燥した日が続いてしおれそうになったら水を与えます。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水をあげましょう。ただし、生育が停滞する冬の間は水を控えめにあげるのがコツです。
肥料
植えつけ時には元肥として緩効性肥料の『マグァンプK中粒』を加えておきます。その後は、春から秋にかけて緩効性肥料『Plantia花と野菜と果実の肥料』を追肥してあげましょう。
葉の色が薄くなってきたら肥料切れの可能性があるため、速効性肥料『ハイポネックス原液』を与えるのもおすすめです。
病害虫対策
トケイソウ栽培で気をつけたいもののひとつがアブラムシです。とくに、新芽に付着して株を弱らせることがあります。すぐに増殖するので、見つけたらすぐに駆除しましょう。
アブラムシは日当たりや風通しの悪い場所で発生しやすくなるといわれています。株を植えつける場所にも注意して、アブラムシの発生をなるべく予防することも大切です。
また、防除の可能な薬剤を使うのもひとつの方法です。大切なトケイソウを病害虫から守るために対策しましょう。
植えかえ
鉢植えのトケイソウは定期的に植えかえることで根詰まりを防ぎます。1年~2年に1回の頻度を目安に植えかえましょう。
基本的には4月~6月がおすすめですが、根を切らずに鉢増しするのであれば9月頃まで作業を行えます。
摘心
つるが伸びて絡まるようになったら、一度先端を摘み取っておくと良いでしょう。そうすることで脇芽が伸び、花数を増やすことにつながります。
誘引、剪定
トケイソウが生育期に入ると、つるをぐんぐん伸ばします。お好きな形に仕立てられるよう、誘引を行いましょう。
その際、伸びすぎた部分があれば剪定しておきます。とくに5月~9月頃は旺盛に伸びるため、こまめに作業を行いましょう。
冬越し
耐寒性が弱いタイプの場合は、10月中旬を過ぎて気温が下がってきたら鉢を室内へ移します。50cm~1mほどに切り戻しておくと扱いやすいでしょう。
耐寒性が強いタイプを屋外で冬越しさせる場合は、寒さ対策を行います。切り戻したうえで、霜が降りるような日には不織布をかぶせたり、敷き藁を敷いたりして対処しましょう。
トケイソウの育て方|増やし方やコツ
トケイソウは挿し木で増やすことができます。冬越しができるか心配な場合や、もっと多くのトケイソウを楽しみたい場合は、ぜひ挑戦してみましょう。
ここでは、トケイソウを挿し木で増やす方法をご紹介します。
挿し木の適期や準備するもの
適期は5月~7月頃となります。よく切れる園芸用のハサミや挿し木用の用土、鉢などを準備しておきましょう。切り口から雑菌が入らないよう、ハサミは消毒しておきます。
用土は清潔で、肥料の含まれていないものを選びましょう。市販されている挿し木用土や、余っている赤玉土などを使うのがおすすめです。
挿し木の方法やポイント
元気の良い茎を選んでカットし、挿し穂をつくります。先端から2節~3節の位置で切り取りましょう。葉は上部に2枚ほど残し、あとは取り除いておきます。葉が大きい場合は半分程度にカットしておきましょう。
準備していた鉢に用土を入れたら水で湿らせ、挿し穂を挿します。水切れしないように注意しながら発根するまで日陰で管理しましょう。順調にいけば2週間程度で発根するはずです。
おわりに
独特な魅力を持つトケイソウは、品種によって多彩な色や形を持ちます。冬の寒さ対策には気をつけて管理すれば、長く育てていくことも可能です。
ぜひお気に入りの品種を見つけてご自宅に植え、ユニークな花の姿を楽しみましょう。