♪第5回 万能ハーブ ジャーマンカモミール
今までお伝えしたミントやバジル、ローズマリーはシソ科のハーブでした。
料理などに活用しやすいハーブがシソ科に多い印象もあるのですが、他の科にも耳にしたことのあるハーブはあります。
みなさん、「カモミール」という名前は聞いたことがありませんか。「カミツレ」という和名で聞いたことがある方もいるかもしれません。
このカモミール、「万能ハーブ」と言われるほど!穏やかではありますが、いろいろな作用があるのです。
カモミールには「ジャーマンカモミール」「ローマンカモミール」と大きく分けて2種類。
今回はジャーマンカモミールについてお話します。
カモミール、どんなハーブ?
カモミールはキク科の一年草ハーブで、小さな白い花の部分を使います。
「カミツレ」とも呼ばれ、聞いた事がある人も多いのではないでしょうか。
「chamomilla」と言う学名はリンゴを意味するのですが、その名の通り花からはほんのりリンゴの香りがします。
開花時期は5月~7月です。
こぼれ種で翌年も芽が出ることが多いので、増やすこともそれほど難しくありません。
万能ハーブと言われる所以
イギリスの童話「ピーターラビット」ではピーターのお母さんがおなかを壊したピーターにカモミールティーを淹れてあげるシーンがあります。
このように、古くから世界に広く親しまれているのがわかりますね。
ジャーマンカモミールはハーブティーとして利用される事がポピュラーだと思います。
カモミールティーには安眠やリラックスに優れているので、睡眠前に飲むと効果的ですね。もちろんノンカフェインです。
比較的クセの少ないハーブティーだと思いますが、香りが苦手な方にはミルクティーにしてみてはいかがでしょう。はちみつを入れて甘さをプラスするのもいいですね。
日本には江戸時代にオランダやポルトガルから伝わったとされているジャーマンカモミール。
少し専門的な話になりますが、カマズレンやマトリシンという成分が消炎作用を、フラボノイドのアビゲニンという成分が鎮痙作用や鎮静作用を持っています。
胸焼けや胃炎にも作用しますが、よく耳にするのは婦人科系の症状に対する作用ではないでしょうか。冷え性や生理痛などに緩やかに作用します。
鎮静作用もあるので、不眠の時にもおすすめです。
このように、様々な症状に穏やかに作用するので万能ハーブと呼ばれているのですね。
作用が穏やかでカフェインもゼロなので、ご年配の方からお子様まで安心して使えるハーブですが、妊婦さんは摂取を控えたほうが良いでしょう。
カモミールの栽培、難しい?簡単?
花を摘んで乾燥させれば自宅でも簡単にカモミールティーが作れるので、栽培もしてみたい方は多いのではないでしょうか。
ジャーマンカモミールは一年草です。プランターでも比較的育てやすいと言えるでしょう。
こぼれ種で増えますが年々香りは薄くなるので、香りが弱くなったら根から抜いたほうがいいですね。
初めての栽培の方は苗を買ってくることをお勧めします。種から蒔く場合は秋、もしくは3月頃に蒔きましょう。
詳しくはこちらをご覧くださいね。
植物の育て方 ジャーマンカモミール
この記事で紹介された植物について
カモミール