【桜の育て方】サクラは自宅でも育てられる! 育て方のポイントは?
日本全国で春になると咲き誇るサクラ。毎年開花宣言を待ち望んでいるという方も多いのではないでしょうか。サクラはお花見に出かけて観賞するものというイメージの強い花ですが、ご自宅で育てることも可能です。
今回は、サクラの基本的な情報や育て方などについてご紹介します。
☘172:桜の育て方|剪定方法や注意点は?水やりや肥料などの管理方法もご紹介
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自宅の庭にサクラを植えて、春を満喫!
サクラにはソメイヨシノやカンザクラ、フゲンソウ、カワヅザクラなど多数の種類が存在します。早咲きのものは2月ごろから開花しはじめますが、多くの品種は3月~4月にかけて見頃を迎えるのが特徴です。青森や東北・北海道のように寒い土地であれば、5月以降に花をつけるものもあります。
品種によってサクラの花色は異なり、白・薄紅色・濃桃色・薄黄色などさまざまな色がみられます。花びらには一重・半八重・八重などがあり、花弁の形も細いものから丸みを帯びたものまで多くの種類があります。
【庭にサクラを植えるとき、注意したいことは?】
サクラは意外と栽培難易度が低く、初心者でもチャレンジしやすい木といわれています。春になって美しい花を咲かせるのを楽しみに、大切に育てている方も多いようです。ただ、サクラを植えるにあたって、いくつか注意したい点があります。
・大木になる品種がある
有名なソメイヨシノをはじめ、サクラには大きく育つ品種が多くみられます。大木になる品種は数年間で高さ5m以上になり、年を経るごとに大きく成長していきます。庭の広さが十分でなければ、せっかく育ったサクラの木を切らなければならないということもあるかもしれません。狭い庭に植える場合は、あまり大きくならない品種を選ぶのがおすすめです。
・根が大きく張る
サクラは、広い範囲に大きく根を張ります。歩道の近くにサクラを植えると、上がってきた根っこが舗装を押し上げてしまうこともあります。また、植える場所が隣家に近すぎると、根が隣の敷地まではみ出してしまうケースも考えられます。サクラを植える際は、周囲に十分なスペースを確保するようにしましょう。
・鉢植えや盆栽としても育てられる
サクラの品種の中には鉢植えや盆栽で育てられるものもあります。代表的なものが「旭山桜」です。背丈が低いものの、ほかのサクラと同様に美しい花をつけます。屋外に十分なスペースを確保できない方でサクラを楽しみたい方におすすめの品種です。
土づくりや植えつけなどで気をつけることは?
サクラの苗は、ホームセンターや園芸店、通販などで入手できます。土づくりや植えつけなどを行い、サクラが育ちやすい環境を整えてあげましょう。
・土づくり
サクラの木は水持ちが良く、栄養が豊富に含まれている土を好みます。赤玉土(中粒や小粒)・鹿沼土(小粒)・川砂・腐葉土・黒土などを混ぜて土をつくるのがおすすめです。鉢植えの場合は底に赤玉土(中粒)を敷きます。市販されている庭木用の土もあるので、そちらを活用すると作業が簡単になるでしょう。
・植えつけ方法
サクラの植えつけは、厳寒期を避けた11月・12月上旬・2月下旬・3月中旬に行います。基本的には落葉している間に植えつけするのがおすすめです。苗木よりも少し大きめに穴を掘り、植えつけましょう。最初のうちは幹が細いため、根付くまでは支柱を添えて支えてあげましょう。
鉢植えの場合は、大きめの鉢に植え替えると管理がしやすくなります。2~3年に1回は必ず植え替えるように心がけてください。また、根が鉢の底から出てくるようになったときも植え替えのタイミングです。
地植えの場合、鉢植えの場合も植えつけの際には元肥が必要です。元肥には約2年間肥料効果が持続する『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みましょう。
日当たりのよい場所でたくさん水をあげよう
サクラの木は日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます。ただし、風が強すぎると花や葉がすぐに落ちてしまうため、強風は避けて植えることがポイントです。鉢植えの場合は、室内だけでなく屋外にも出して育ててあげましょう。
・日々の水やり
水やりは、庭に植えている場合は基本的に必要ありません。ただ、乾燥しやすい夏場に2週間くらいの雨が降らないようでしたら様子をみて水を与えます。朝の早い時間帯が良いでしょう。
鉢植えの場合は、庭木よりも頻繁に水を与えるのが基本です。土の表面が乾いていたら、たっぷりと水をあげてください。特に植えつけからしばらくの間はまだ根付いていないため、土が乾燥しないよう気を付けましょう。
夏場は、朝に水やりをした場合でも夕方には土が乾いていることがあります。そのときは再度水やりを行っても問題ありません。
・肥料で栄養分を与えよう(追肥)
サクラは栄養の豊富な土を好むため、肥料は定期的に与えましょう。タイミングは植えつけ時と落葉期の2~3月、花が終わった5~6月です。追肥にはまくだけで約3~4ヶ月肥料効果が持続する『「Plantia」花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。
肥料は根元から離れた場所に与えるようにしましよう。
・剪定の方法は?
サクラの木は、不用意に切ってしまうと切り口から腐ってしまうことがあります。剪定する際は、しっかりと方法を調べた上でハサミを入れましょう。
枝を切るのは落葉した11月から2月ごろが基本です。大きく育った枝を切ってしまうと、花が長い間咲かなくなってしまう可能性があるので注意が必要です。剪定したら切り口から菌が入らないよう、保護剤を塗布します。
・さし木
サクラはさし木や接ぎ木で増やせます。さし木は、花が咲く前の2月ごろや花が終わった6月~7月に行います。2月ごろにさし木をするときは新芽のついた枝を、6月~7月に行うときは新しく伸びた枝を使用しましょう。
さし穂の長さは10cm~15cmに調整してください。親株から切ったら水に2~3時間つけて水を吸わせます。赤玉土や鹿沼土などを入れた育苗ポットや鉢に植え、根付くまでは土が乾燥しすぎないように気を付けましょう。
・接ぎ木
園芸品種なら、さし木よりも接ぎ木のほうが増やしやすいかもしれません。1月~2月にかけて切り取っておいた枝を2月下旬~3月中旬に接ぎ木します。穂木は新芽のついたものにしましょう。台木は株本から4cm~5cmの箇所を水平に切り、切り込みを入れておきます。穂木の下の部分の皮を3cmほど剥いだら、台木の切り込みにさします。しっかりと活着するまで接ぎ木テープを巻いておきましょう。
サクラは人気が高く、老若男女問わず幅広い方々から愛されている植物です。
育成の難易度は低いものの、毎年きれいな花を咲かせるためには日々のお手入れが欠かせません。肥料を与える頻度や剪定の方法などはしっかりと調べておきましょう。
公開:2019年4月10日
更新:2022年3月30日