【果樹栽培】 レモンに最適な肥料やあげ方のコツ、お手入れ時の注意点は?
果樹栽培でも人気の高いレモン。栽培しやすさに加え、見た目が良く、多くの実を収穫できることも魅力です。レモンを元気良く育てるために、適した肥料の施し方を確かめておきましょう。こちらでは、レモンの育て方や、肥料に関する知識などをご紹介します。
レモンの特徴
爽やかな酸味と香りが特徴のレモン。10月~4月にかけて、紡錘型の実をつけます。花は四季咲き性で、5月~10月の間、3回開花します。
レモンをはじめとするかんきつ類は病害虫の被害を受けにくく、栽培しやすいことが魅力です。ライムやシトロンなども同じような方法で育てることができます。
また、レモンは一株にたくさんの花を咲かせることが特徴です。その分、多くの実をつけ、長期間にわたって収穫を楽しめます。うまくいけば、200個以上取れることも。
そのためご家庭でレモンを育てていれば、料理やお菓子づくりなどに新鮮なレモンを使えるようになります。
レモンをふんだんに使ったレシピを楽しみたい方は、ぜひベランダやお庭で栽培してみましょう。
レモンに最適な肥料とは
レモンに適した肥料を見極めたいときは、チッソ(N)・リンサン(P)・カリ(K)に着目しましょう。
チッソは葉肥とも呼ばれ、葉や茎の生育を促進します。リンサンは実肥、カリは根肥と呼ばれ、それぞれ花や実、根などの生長に影響を与えるとされています。いずれもレモンを丈夫に育て、収穫量を増やすために必要です。
レモンの栽培では、三要素がバランスよく含まれた肥料を使いましょう。かんきつ類専用の肥料を購入するとN・P・K以外の微量要素もバランスよく配合されているため、手間をかけすに実つきを良くすることができます。
『錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用』は、N・P・Kのほかに、マグネシウム、マンガン、ホウ素、カルシウム、有機、そして微量要素が配合されており、かんきつ類が大きくなるように設計されております。
また、置肥タイプですので、株元少し離れたところに置くだけでよいですので、とても簡単です。
レモン栽培の流れと肥料を与えるタイミング
レモンを丈夫に育てるには、レモンの好む用土をつくり、適した方法でお手入れすることが大切です。こちらでは、レモン栽培の流れや肥料を与えるタイミングをご紹介します。
土づくり
レモンはそれほど土を選ばずに育てられるといわれています。赤玉土と腐葉土を7:3程度で混ぜたものや、市販の培養土などを使いましょう。地植えの場合は、掘り上げた土に堆肥や苦土石灰などを混ぜて耕しておきます。
元肥
植えつけの前に元肥を加えます。ゆっくりと長く効果を発揮する緩効性肥料『マグァンプK大粒』がおすすめです。
土にあらかじめ混ぜ込むとよいですが、もし混ぜ込むことが難しく土の上にばらまく場合、レモンの根や幹に直接肥料が触れないように気をつけて施しましょう。
植えつけ
レモンの植えつけは3月~4月にかけてです。寒い時期は株が弱りやすいため、霜の心配がなくなってから植えつけを行いましょう。
地植えの場合、根鉢よりも大きな植え穴を掘って植えつけます。直径と深さは50cm程度が目安です。
鉢植えの場合は、鉢の中に軽石を敷き、3分の1ほどまで培養土を入れたら、苗を置きます。隙間を埋めるように土をかぶせていき、しっかりと固定しましょう。
追肥
レモンの植えつけ後は、定期的に追肥を行います。2~3カ月に1回の頻度で、緩効性肥料『錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用』の肥料をあげましょう。
収穫
レモンの収穫は、10月から4月にかけてです。ただし、真冬の時期は休眠となります。
秋のレモンはまだ熟しておらず緑色をしていますが、グリーンレモンとして収穫することも可能です。11月頃になると、黄色いレモンを収穫できるようになります。
寒肥
2~3月頃に肥料を与えます。このときに施すのは緩効性肥料です。
地植えの場合は、土壌改良も兼ねて有機肥料を施します『BrilliantGarden(ブリリアントガーデン) バラの有機肥料』がおすすめです。
鉢栽培の場合は、再び生育が活発になる春に備え、『錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用』を与えてください。
レモンの肥料過多が起こすトラブル
レモン栽培では肥料が必要とされますが、過剰に与えるのも株に悪影響を及ぼします。こちらでは、肥料過多によって生じるトラブルについてご紹介します。
肥料焼け
肥料焼けとは、肥料をあげすぎることによって植物が傷んでしまうことです。
根が傷んで水分をうまく吸収できなくなるほか、葉がしなびたり、変色したりといった変化が現れます。生育不良の原因となるため、早めに対処しましょう。特に液体肥料等の速効性肥料を与えている場合、肥料やけが問題になるケースがあります。
もし肥料やけが疑わしい場合は、土の上に残っている肥料を取り除きましょう。また土に残っている肥料分を流してしまうことがおすすめです。数日間だけ水やりの量を増やしてみましょう。
『錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用』の場合、施肥量は裏面に記載しています。しっかり規定量を守って与えていれば基本的に肥料やけの心配ありません。
実がならない
土に栄養がありすぎる場合、レモンの実がならないことがあります。肥料の説明書を読み、規定量が守られているか確かめましょう。
また、レモンの苗木を購入した場合は、すでに肥料が十分に施されている場合があります。追加で元肥を加えると、かえって弱ってしまうかもしれません。
『マグァンプK 大粒』は多少多く肥料が入りすぎても、肥料やけがしにくいのが特長ですが、入れすぎには注意してくださいね。
レモン栽培の注意点
レモンを育てる際は、病害虫被害や冬の寒さなどに備えておきましょう。その他、気をつけておきたいレモン栽培の注意点をご紹介します。
アブラムシ対策
春の芽吹きに合わせるように増えてくるのがアブラムシです。大変小さな虫ですが、たくさん集まって植物の汁を吸い、弱らせてしまいます。
排泄物でほかの虫を引き寄せたり、病気を媒介したりといったトラブルの原因にもなるため注意が必要です。まずはアブラムシが発生しないように予防しましょう。
アブラムシは蒸れやすい環境を好むため、レモンの植えつけ場所、管理する場所は風通しと日当たりの良い場所を選ぶことが大切です。
また、アブラムシをはじめとする害虫は、チッソ肥料を過剰に与えることで軟弱に生育してしまうことがあります。適切な肥料を、必要な分だけ施すことも、アブラムシ対策となるでしょう。
アブラムシが発生したら、すぐに駆除します。数が少ないうちは指で取り除けますが、増えてきたら殺虫剤を使うことがおすすめです。専用薬剤を活用して防除しましょう。
冬越し
レモンは耐寒性がそこまで強い植物ではありません。
冬に-3℃以下となる地域では、地植えでの冬越しは難しいといわれています。鉢植えで栽培し、寒さが厳しくなってきたら室内へ移動させるのもおすすめです。
地植えで冬越しする場合は、寒冷紗で株全体を覆います。特に木が幼いうちは、しっかりと防寒してあげましょう。寒冷地であれば、敷き藁を使って地面を保温することも大切です。
いずれの場合も、肥料は与えず、水やりは控えめにすることが重要です。冬越しまでに肥料が過剰に残らないよう、追肥のタイミングも調整しましょう。上記のように、10月~11月に施肥してさえおけば、さらに冬の間に追肥する必要はありません。
また、本格的に冬越しを始めるまでに、実はすべて収穫しておきましょう。休眠中に実を残したままだと、株の栄養分が実にとられてしまい、春から新しく出る芽にエネルギーが回らないことがあるためです。
剪定
レモンの木はこまめな剪定を必要としませんが、不必要な枝があればカットしてあげることが大切です。
適期は3月~4月です。軟弱な枝や下を向いて伸びている枝、周囲に干渉している枝などは切り落とします。前年に伸びて実がついた枝は、翌年に実がなりにくいため、カットしてかまいません。
内側にもできるだけ日光が当たり、風通しが良くなるように透かし剪定を行いましょう。
おわりに
育てやすい果樹として人気の高いレモンの木。多くの花を咲かせるレモンは、肥料のあげ方に気をつけることで、より充実した実を収穫することができます。
肥料の配合成分や必要な量、適切な施肥のタイミングなどを調べ、レモン栽培に取り組んでみましょう。
公開: 2022年7月13日
更新: 2023年10月30日