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カキツバタの育て方|基本の栽培方法や花の魅力、増やし方

カキツバタの育て方|基本の栽培方法や花の魅力、増やし方

カキツバタは、初夏に鮮やかな紫色の花を咲かせる水生植物です。

原産地は日本で、日本画や古典文学作品などにも登場することから、カキツバタが咲く水辺の風景にどこか親しみを感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、カキツバタの育て方を解説します。基本の栽培方法や増やし方のほかに、花の魅力やよく似た花との違いといった情報もお伝えするため、ぜひ参考にしてみてください。

カキツバタの育て方|花の魅力やよく似た花との違い

「カキツバタ(杜若)」は、アヤメ科の多年草です。水深5cm~15cm程度の浅い水中で生育する水生植物であり、5月~6月頃に鮮やかな紫・青・白の花を咲かせます。

ただし、一部は秋に開花するものも見られるようです。真っすぐに伸びた茎の先に優美な花を咲かせる姿は、見る人に凛とした美しさを感じさせます。

カキツバタの原産地は日本・朝鮮半島・東シベリアなどで、国内でも古くから水辺の植物として親しまれてきました。

江戸時代から品種改良が行われてきたため、豊富な品種があるのも魅力です。

国内に愛好家が多い植物で、昔からさまざまな作品の題材とされてきた歴史があります。

たとえば、日本最古の和歌集である『万葉集』には、カキツバタを詠んだ和歌が複数収録されています。

日本画の中では、群生するカキツバタが屏風に描かれた、尾形光琳の『燕子花図』が有名です。

このように、カキツバタは日本の文化とも深い関わりがあります。

カキツバタとよく似た花との違い

カキツバタとよく似た植物として、「アヤメ」「花菖蒲」「ジャーマンアイリス」などが挙げられます。

いずれも見た目が似ているため混同されやすい植物ですが、カキツバタとは生育する場所や花びらの色や形などに違いがあります。

それぞれの植物の特徴を比較してみましょう。

  • カキツバタ:浅い水中で生育する。花びらの根元から白い線が伸びている。
  • アヤメ:草地で生育する。花びらの根元に黄色い部分がある。
  • 花菖蒲:湿地で生育する。花びらの根元に黄色い網目状の線が入っている。
  • ジャーマンアイリス:草地で生育する。花びらにフリルが入っている。花びらの上下で色が異なる品種もある。

上記のように、カキツバタとその他の植物にはさまざまな違いが見られます。見分け方に迷ったら、花びらの色や模様、自生地の環境などをチェックしてみましょう。

カキツバタの育て方|栽培のコツや注意点

カキツバタは通常、水辺に自生している植物です。ご自宅で栽培する場合は、カキツバタが好む栽培環境を整えることがポイントとなります。

ここでは、カキツバタの育て方と注意点を解説します。

カキツバタの好む栽培環境

カキツバタは常に水のある場所で育つ水生植物であるため、栽培する際も湿潤な環境を保つことが大切です。

地植え・鉢植えのいずれの場合も、水をためて栽培するとともに、水位の管理が必要となります。

目安として根元から5cm程度の位置まで水を張るようにし、水位が下がらないように水をつぎ足しながら管理しましょう。

また、夏場は水温の上がりすぎに注意が必要です。

カキツバタは基本的に日当たりと風通しの良い場所が栽培に適していますが、夏場は水温の上昇を避けるため、7月~8月は半日陰で栽培するのが望ましいといえます。

適度な日当たりを確保しながらも、直射日光を避けられる場所を探してみましょう。

土づくり

カキツバタの栽培には、赤玉土が適しています。このほかに、一般的な植物の栽培と同様に市販の草花用培養土を使えます。

また、カキツバタを植えつけるときは、肥料分が少なめのほうが良いといわれています。

用土を準備する際は、肥料が含まれていないか、配合されている肥料分が『マグァンプK』のようなく溶性肥料を選ぶと良いでしょう。

『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』は、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているのでおすすめです。

『マグァンプK』は、主に水に溶けない成分(=く溶性:根から出る酸や微生物の働きで溶ける有効成分)が含まれています。

このしくみにより、直接根にふれても肥料やけの心配も少なく、与えすぎの害もほとんどありません。

植えつけ

カキツバタの植えつけは、一般的に3月~6月頃が適していますが、真夏と真冬を避けた幅広い時期に行えます。

地植えする場合は、水辺の水深の浅い場所へ植えつけます。

鉢植えする場合は、まず鉢に植えた上で、水を張った大きめの容器に鉢ごと浸すと良いでしょう。

このとき、株元まで水に浸る状態にするのがポイントです。

容器を選ぶ際は、基本的には陶器からバケツまで幅広い入れ物を使えますが、色の黒い容器は夏場に水温が高くなりやすい点に気をつけましょう。

また、カキツバタを植えつけるときは、あまり深く植え過ぎないようにすることも大切です。

水やり

カキツバタは常に水を張った状態で栽培します。そのため、水やりは容器の水が減ったときのみ行えば問題ありません。

水位が下がったら水をつぎ足して、株元まで水に浸った状態を保ちましょう。

ただし、鉢植えにする場合は、1カ月に1回を目安に水の入れ替えを行うのが望ましいとされています。

容器の水が汚れて栽培環境が悪化しないよう、様子を見ながら入れ替えを行いましょう。

肥料

カキツバタは少ない肥料で育つ植物です。そのため、植えつけ時に元肥として、肥料期間が約2年間持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みか、

植えつけ後にしっかりと根づいてから緩効性肥料で追肥を行いましょう。時期は3月と9月で、半年に1回程度の頻度が目安です。

とくに秋は、次の年の生育に必要なエネルギーを蓄える時期となります。この時期にしっかりと肥料を施してあげましょう。

追肥には肥料効果が約2~3カ月間持続する『プランティア花と野菜と果実の肥料』を株元にまきます。

植えかえ

カキツバタの植えかえは、2年~3年に1度のタイミングで行うと良いでしょう。植えっぱなしにすると根詰まりを起こしてしまうおそれがあります。

植えかえを行う時期は、5月~7月頃が目安です。花が咲いた後に、株を掘り出して古い土を落としてから、新しい土への植えかえを行いましょう。

花がら摘み

カキツバタは、開花が終わった後に花がら摘みをすることで、見た目の美しさを保てます。基本的には、花が咲いた後の花がらを摘み取って処分します。

ただし、開花後に種を収穫したい場合は、花がら摘みを行わないようにしましょう。

また、同時に古くなった葉も摘み取っておくことがおすすめです。そのままにしておくと水に浸かったままになり、腐ってしまうことがあるため気をつけましょう。

カキツバタの育て方|増やし方や注意点

ご自宅でカキツバタを増やして楽しみたいときは、株分けによって増やす方法があります。

最後に、カキツバタの増やし方や注意点をお伝えします。

カキツバタの株分けの重要性

カキツバタは病害虫に強い傾向にあり、丈夫で初心者でも育てやすい植物とされています。

ただし、長年にわたり植えっぱなしにすると、生育不良になったり花つきに影響が出たりする可能性があります。

2年~3年ごとに植えかえを兼ねて株分けすることで、再び元気よく育てていくことができるでしょう。

株分けの方法や注意点

株分けを行うタイミングは、2年~3年に1度が目安です。植えかえと併せて株分けを行うこともできるため、定期的にお手入れすると良いでしょう。

株分けをする際は、まず株を掘り出して、根についた土を落とします。その後、株を真ん中で分けます。

最後に、株の葉と根をそれぞれハサミで半分くらいに切って、植えつけたら完了です。

おわりに

カキツバタは初夏に優雅な花を咲かせる水生植物です。

初心者にも育てやすい植物ですが、地植え・鉢植えのいずれの場合も、カキツバタの自生地である水辺と似たような環境を整えてあげることが大切になります。

根元が水に浸かるように保ち、水位の管理を行うことが大事なポイントです。

カキツバタの性質に合った方法でお手入れを続け、美しい花を咲かせましょう。

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