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つるむらさきの育て方|収穫の時期や栽培のコツについて紹介

つるむらさきの育て方|収穫の時期や栽培のコツについて紹介

暑い時期に簡単に育てられる野菜を育ててみたいと考える方で、「つるむらさき」という野菜の名前を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

つるむらさきはほうれん草以上に栄養豊富な野菜ともいわれており、さらに家庭菜園でもあまり手間がかからず育てられる野菜です。

野菜の種類が減りがちな夏の暑い時期でも、つるむらさきはすくすくと育ちます。このため、最盛期にはたくさんのつるむらさきの収穫が見込まれます。

寒くなると枯れてしまいますが、種を取っておけば翌年も栽培、収穫が可能な野菜です。

また、つるむらさきは食用としてだけではなく、つるをよく伸ばすことから緑のカーテンとしても利用できます。

名前のとおり茎の部分が紫色の品種もあり、目も楽しませてくれます。

育てやすいといわれるつるむらさきですが、今回は育て方のポイントや増やし方、収穫方法、育てる際の注意点などについても詳しく紹介します。

『つるむらさき』とは

「つるむらさき」とは、夏に出回るツルムラサキ科ツルムラサキ属の野菜です。東南アジア原産の1年草で、つるを伸ばして生長します。

茎が紫色のためこの名前がつきましたが、現在ではつるが緑色のつるむらさきのほうが、紫色のつるむらさきより食感がよいとされ、食用として主流です。

茎が紫色のつるむらさきは、はじめは染料として日本に持ち込まれていましたが、現在では食用に限らず、観賞用として育てている方も多いです。

つるむらさきは、葉やつるだけではなく蕾や花、実などもすべて食べられます。

食感は独特のぬめりがあり、ビタミンBやC、Eなどのビタミン類だけではなく、葉酸や鉄、カルシウム、マグネシウム、リン、カロテンなども豊富に含む野菜です。

つるむらさきの育て方とポイント

東南アジア原産のつるむらさきは育てやすく、直まきでも苗からでも育てることが可能です。

一方で、つるむらさきを大きく育てるには「種まきや植えつけの時期」、「育てるのに適した場所」など、いくつかポイントがあります。

どのような肥料が必要かなどの土づくりから、暑い時期の水やりのしかた、追肥の必要性、支柱建て・剪定の方法など育て方を詳しく紹介します。

種まき

つるむらさきは苗を購入して育てることも可能ですが、種からでも育てられます。

つるむらさきの種は硬実種子と呼ばれ、皮はかたく、吸水しにくいです。

このため、種から育てる場合は、一晩給水させてから種まきをすると発芽がそろいやすくなります。

時期

つるむらさきの発芽温度は、25℃~30℃であり、生育温度も高いです。

このため、つるむらさきを育てるには、種まきの時期を4月下旬から5月頃で気温が暖かくなってきてから行います。

寒いうちにつるむらさきを植えても、よく発育しません。

植え方は、土に深さ1センチほどの穴を1つあけ、吸水させた種を3~4粒ほどまいてから、軽く土をかけて手で抑えます。

そのあと、水をたっぷりやります。種まきをしてから発芽するには、2週間ほどかかります。

ポイント

つるむらさきの芽が出て、双葉が開いたら間引きをする時期です。育ちのよいものを2本ほど残して、間引きをします。

そのあと、本葉が開いたらさらに間引きをして、より生育がよさそうなものを1本だけ残して育てます。本葉が4枚ほどになったら定植です。

植えつけ

つるむらさきの本葉が4~5枚になった苗や、購入した苗を植えつけます。この頃に、植えつけ場所の準備を始めます。

つるむらさきは、プランター栽培や地植え栽培のどちらでも可能です。

時期

つるむらさき本葉が4~5枚になった苗は、土に植えつけが可能です。生育温度も高いつるむらさきは、4月~6月ごろに植えつけをします。

ポイント

地植えの場合は、土に40センチほどの間隔をあけて植えつけます。

プランターの場合は野菜用の深型で、幅65センチに2株を目安に植えつけをします。

植えつけ方は、まず、土に育苗ポットと同じくらいの大きさの穴を掘ります。続いて、水をたっぷりと注ぎます。

そこにつるむらさきを植えつけますが、その際に根鉢と呼ばれる根と土がひと塊になった部分は崩さず、そのまま穴に入れてください。

土を寄せて根元を手で抑えてから、さらに水をたっぷりあげると植えつけの完了です。

育てる場所

東南アジアが原産のつるむらさきは、寒さや乾燥、霜に弱く、暖かい気候を好みます。このため、風通しと日当たりがよい場所に置いて育てましょう。

土作り

植えつけの2週間ほど前から土作りを始めます。まず、土に苦土石灰をよく混ぜ込んでおきましょう。

その1週間後に完熟堆肥、緩効性肥料を土に混ぜます。これが元肥として、つるむらさきの生長に使われます。

さらに、土はよく耕しておきます。しっかりと耕しておくことで、つるむらさきの根がよく張るようになるためです。

苦土石灰は効果が出るまでに約2週間くらいと時間がかかります。

一方、苦土石灰ではなく、有機石灰を使用する場合は、植えつけの1週間前に完熟たい肥と緩効性肥料を混ぜる際に一緒に使用が可能です。この場合も、よく混ぜ込むのがポイントです。

つるむらさきをプランターで育てる場合は、野菜用の培養土も使用可能です。

『今日から野菜 野菜を育てる土』は,天然素材と有機原料を使用した野菜の植えつけに適した培養土なのでおすすめです。

水やり

晴れの日が続いたりして土の表面が乾いたら、水をたっぷり与えましょう。

つるむらさきは夏期に生長するため、水切れを起こさないためにも多くの水分が必要です。

夏の暑い時期は、日中ではなく朝と夕方の1日2回水をやります。

プランターで育てている場合は、底から水が溢れるくらい、たっぷり水やりをする必要があります。

肥料

つるむらさきを育てるのに、多くの肥料は必要ありません。植えつけの1週間前に行う土づくりの際に緩効性肥料と完熟堆肥を元肥として与えます。

『今日から野菜 野菜を育てる肥料』は、野菜の生育に必要な成分と有機成分をバランスよく配合し、おいしい野菜 収穫できます。

一方で生育が悪かったり、葉の色が悪くなったりした場合は、月に1~2回程度液体肥料などを与えるとよいでしょう。

『今日から野菜 野菜を育てる液肥』は、いろいろな野菜の生育に必要な栄養素をバランス良く配合しています。

有機として動物性たんぱく質(アミノ酸)を配合し、より美味しくたくさんの野菜を育てます。

支柱立て・剪定

つるむらさきは、つるを伸ばして生長する植物です。支柱がなくても育てられますが、その場合はつるが伸びたらこまめに収穫する必要があります。

支柱を立てたり、ネットを立てたりして這わせて育てる場合は巻きつく力が弱いため、つるを支柱に巻きつかせたら紐で結ぶとよいでしょう。

つるむらさきの草丈が30センチほどに育ったら摘芯を行うことで脇芽が育ち、収穫量が増えます。

また、つるむらさきは生長するとつるの長さが2mほどにもなるため、支柱の高さも2mは必要です。

一方で葉が大きくならない、つるばかり伸びてしまう場合は、大きい葉のある節の部分でつるの切り戻しをします。

つるむらさきの挿し木での増やし方

つるむらさきは種から育てるだけではなく、挿し木でも増やすことが可能です。

つるむらさきを挿し木で増やすための方法は、まずつるを15センチくらいの長さに切り取ります。

下の方の葉を取り除き、水や挿し芽用の土に挿しておきます。土に挿してから、数日から14日ほどで発根します。

つるむらさき根が出たら、土に植えつけが可能です。

一方で、つるむらさきは寒さに弱いため、越冬はできません。来年も育てたい場合は種を取っておくか、暖かくなってから新しい苗を購入します。

つるむらさきの収穫

つるむらさきは生育が早いため、脇芽から育った葉やつるの部分を次から次へと収穫が可能です。

収穫のタイミングや方法について、詳しく解説します。

収穫のタイミング

生長の早いつるむらさきは、草丈が60センチほどになったときが収穫のタイミングです。

種まきをして50~70日あとからが収穫の目安ですが、30日経てば収穫は可能です。その後は、6月~10月ごろまで収穫できます。

一方、20センチ以上になってしまったつるむらさきの葉や太くなった茎は固くなるため、食味が落ちてしまいます。

このため、柔らかそうな部分を収穫したり、早めに収穫したりすることをおすすめします。

収穫の方法

つるむらさきのつるの部分を、下の葉を2~3枚残して先端から15センチのところで収穫します。

すると脇芽がまた伸びて、生長すると再度の収穫が可能です。葉の部分も10~15センチの大きさで収穫すると、おいしく食べられます。

つるむらさきを育てる際の注意点

病気になりにくいといわれているつるむらさきですが、それでも病気にかかってしまうことや、害虫がつく場合があります。

病気になってしまった場合や、アブラムシやヨトウムシなどの害虫がついてしまった場合について対処法を紹介します。

かかりやすい病気

つるむらさきはべと病にかかることがあります。べと病になると、葉が変色してします。

肥料不足によっても発症するため、追肥を行い、日当たりと風通しがよい場所になっているか確認します。

葉の裏をよく観察し、初期の段階で病気の葉を取り除きましょう。

つきやすい害虫

つるむらさきにつくことがある害虫はアブラムシ、ヨトウムシがあげられます。対処法について以下で紹介します。

アブラムシ

アブラムシは野菜の樹液を吸う害虫です。とくに新芽にくっつきやすいため、樹液を吸うことで植物を弱らせてしまいます。

つるむらさきにアブラムシがついてしまったら、数が少ないうちにテープなどで除去してください。

ヨトウムシ

ヨトウムシはヨトウガの幼虫です。主に夜に活動し、作物に被害をもたらすために夜盗虫と呼ばれています。

葉の裏に群生し、葉を食い荒らすために葉が白っぽく透けてしまいます。

葉をよく観察し、卵や群生している幼虫を見つけたらすぐに葉ごと処分します。

まとめ

つるむらさきは栄養価が高く、食感もよい蕾や花、つる、葉はすべて食べられる魅力的な野菜です。

和え物やおひたし、てんぷらや炒め物など幅広く使用されます。

また、ほかの葉物野菜の収穫が落ちる暑い夏に収穫の最盛期がくる野菜です。

つるむらさきは育てやすく、追肥といった手間もあまりかかりません。

暑い夏を乗り切るために、そして暑い時期の省エネにもつながるつるむらさきをぜひこの機会に育ててみませんか。

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