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塊根植物(コーデックス)の育て方|魅力や栽培のコツ、おすすめ品種15選

塊根植物(コーデックス)の育て方|魅力や栽培のコツ、おすすめ品種15選

塊根植物(コーデックス)は膨らんだ茎や根を持つことが特徴です。一度見たら忘れられないユニークな見た目が魅力で、さまざまな品種が人気を集めています。

お好みの株を見つけたら、ぜひ塊根植物の育成に挑戦してみましょう。今回は、塊根植物の特徴や魅力、基本的な育て方をお伝えします。

また、おすすめ品種をピックアップしてご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

塊根植物(コーデックス)とは|特徴や魅力

塊根植物とはどのような特徴を持つ植物なのでしょうか。まずは、塊根植物の基礎知識をご紹介します。

塊根植物(コーデックス)とは

茎や根が肥大しており、独特な形をしている植物は塊根植物(コーデックス)といわれます。植物分類学上の名称ではなく、外見の特徴から塊根植物という総称で呼ばれるようになりました。

個性的なフォルムが最大の魅力で、品種によってさまざまな姿を持ちます。個体差も大きいため、唯一無二の姿を楽しむことができるでしょう。

生育のスピードは比較的遅めで、適切に管理できれば数十年にわたって栽培できるものも見られます。一生ものの鉢植えとして育てていくことも可能です。

原産地は南アフリカやマダガスカル、南米、北米などです。肥大した部分に水分をたくさん蓄えておけるため、砂漠のように乾燥した土地でも自生できます。

自生地では非常に大きく育った株を見ることもできますが、日本のご家庭で鉢植えとして育てる場合、コンパクトなサイズで管理できるでしょう。

塊根植物(コーデックス)の生育型

塊根植物は生長する時期によって夏型や冬型などに分けられます。

タイプによって育てる際のポイントが変わるため、それぞれの特徴を把握しておくことが大切です。

夏型

春から生育が始まり、夏にもっとも活発になるタイプです。夏が終わり、秋が近づくにつれて生育が緩やかになり、冬には休眠します。春から秋の間は屋外で栽培可能ですが、冬の間は室内へ移動したほうが良いでしょう。

冬型

秋から生育が始まり、気温が下がって冬になると活発になるタイプです。春からは生育が緩やかになり、夏には休眠期に突入します。塊根植物にとって日本の冬は寒すぎるため、生育期にあたる冬場も日当たりの良い室内で管理しましょう。ただし、暖房の効いている場所は避けて鉢植えを置きます。

塊根植物(コーデックス)の株タイプ

園芸店などで流通している塊根植物は、「現地株(現地球)」や「実生株」などに分けることができます。それぞれの違いを知っておくと、どれを買うか迷ったときの判断材料になるでしょう。

現地株とは、自生地で育っていた株を日本へ持ち込んだものを指します。自然の環境で育っていた野生の株であり、人の手が入っていないワイルドな姿が魅力です。価格は比較的高めになります。

また、現地株は根が切られた状態で輸入されます。そのままの状態で販売されることもあれば、発根させてから販売されるケースもあります。自力で発根管理するのは少々難しいため、慣れないうちはすでに根が出た状態の株を購入しましょう。

一方、実生株とは種から育てて出荷された株を指します。人の手によって管理された環境で育っている点が大きな違いです。日本国内で栽培された株であれば気候にも順応しやすいため、初心者の方は実生株から始めてみることもおすすめです。

塊根植物(コーデックス)の育て方|基本的な栽培のポイント

塊根植物の栽培にチャレンジしたいものの、どのように管理したら良いかイメージがわかないという方も多いのではないでしょうか。塊根植物にはさまざまな品種があり、細かい育て方は異なります。

ただ、多くの種類に共通する栽培のポイントがあるため、事前に把握しておくことがおすすめです。こちらでは、一般的な塊根植物に共通する育て方をご紹介します。

塊根植物(コーデックス)の好む栽培環境

日当たりについて

塊根をしっかりと太らせるためには日光にしっかりと当てることが大切です。開花する品種もありますが、花を楽しみたい場合も日光が欠かせません。

基本的に日当たりの良い場所に鉢を置き、たっぷりと日に当ててあげましょう。室内栽培の場合は植物用のLEDライトを導入することも選択肢のひとつです。

日当たりを好む品種が多い一方で、一部の品種は直射日光で幹の色などが変わってしまうことがあります。そういった品種を育てる場合は遮光しましょう。

雨について

屋外で栽培する場合、基本的には雨ざらしにして問題ありません。

ただし、梅雨の時期には注意が必要です。雨の影響で用土が湿った状態が続いてしまい、根腐れの原因になることがあります。雨が多い時期には軒下やベランダなどの雨の当たらない場所に置くか、雨除けをつくってあげましょう。

風通しについて

塊根植物は風通しの良い場所に置くことも大切です。湿気がこもりやすい場所は避けましょう。ただし、室外機の風などが当たり続けるような場所は乾燥しすぎてしまうため注意が必要です。

また、室内では多湿になりやすいため、蒸れないように対策することがおすすめです。サーキュレーターを使って空気を循環させ、風通しの良い状態を保ちましょう。

鉢植えの移動について

季節に応じて鉢植えを移動し、適切な環境を整えてあげることは大切です。

しかし、環境を急に変えてしまうと株が弱ってしまう可能性があります。1週間ほどかけて徐々に場所を移してあげると良いでしょう。

土づくり

塊根植物を育てる用土は、排水性の高さが重要です。市販されている多肉植物やサボテン用培養土を活用しましょう。肥料が含まれているものを使えば、追加で元肥を加える必要もありません。鉢底には軽石などを敷いて水はけを良くしましょう。

水やり

塊根植物は砂漠で自生できるほど乾燥に強い植物です。水を与えすぎないように気をつけて管理しましょう。土の中まで乾いた状態になっているか確認してから水をあげることがポイントです。鉢土に棒を差し入れて濡れているかチェックする、鉢を持ったときの重さで判断するなどの方法があります。

また、生育型を考慮し、季節に応じた水やりを行うことが大切です。夏型の場合、夏の間は用土が乾燥していたらたくさん水を与えます。秋から冬にかけて徐々に水やりを減らし、冬は完全に水やりを止めて断水しましょう。春になったら少しずつ水やりを再開して元の頻度へ戻します。

冬型の場合、冬は土が乾いたタイミングでたっぷりと水やりします。春になったら回数を減らし、休眠する夏には水を与えずにおきましょう。秋になったら水やりを徐々に増やしていきます。

肥料

塊根植物はゆっくりと生長する植物であり、それほど多くの肥料を必要としません。施肥の際は適量を心がけましょう。

植えつけ・植えかえの際には元肥として緩効性肥料を施します。

緩効性肥『マグァンプK中粒』は、根からでる酸や土壌中の微生物の働きによって、肥料成分が溶出するため、肥料効果が約1年間持続する肥料です。また根の肥料やけの心配が少ないので安心して土に混ぜ込むことができます。

追肥のタイミングは生育期間に合わせましょう。

夏型は生育期にあたる春から夏の終わり頃の間に追肥を行います。それ以外の季節は施肥をやめましょう。

冬型は秋から春の終わりにかけて追肥します。気温が上がってきたら肥料を与えず、秋になってから施肥を再開しましょう。

『微粉ハイポネックス』は植物の株を丈夫にするカリ成分を多く含みます。また、カルシウムの働きにより強健な植物に育てます。

病害虫対策

塊根植物の栽培で気をつけたい害虫が、ハダニやアブラムシなどです。ハダニは非常に小さな虫で、葉の裏などにいつの間にか発生していることがあります。放置していると葉が変色したり枯れたりするため、はやめに対策しましょう。

ハダニは乾燥した状態を好み、水を苦手とします。室内に移している時期などは雨が当たらないため、ハダニが付いてしまうこともあるでしょう。見つけたら霧吹きを使って洗い流します。予防を兼ねてたまに葉水を与えることもおすすめです。

アブラムシもとても小さな虫で、柔らかい新芽や蕾などに発生するケースが多く見られます。吸汁して植物を弱らせてしまううえ、放っておくと大量に増えてしまうのも難点です。見つけ次第、すみやかに駆除しましょう。

植えつけ・植えかえ

塊根植物は1年~2年に1回程度を目安に植えかえることがおすすめです。ずっと植えっぱなしにしていると根が伸びすぎてしまい、鉢が窮屈になってしまうことがあります。根詰まりすると水はけが悪くなり、生育にも影響が出るため気をつけましょう。

植えかえの際は用土を新しいものに交換します。古くなった用土は排水性が悪くなっており、そのまま使い続けると根腐れの原因にもなるためです。

鉢から根鉢を掘り上げたら古くなった土を落として根の状態を確認しましょう。腐敗している根があればカットして取り除いておきます。健康な根は傷つけないよう、丁寧に扱いましょう。

植えつけ後は、根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。

おすすめの塊根植物(コーデックス)15選

ここからは、塊根植物(コーデックス)のおすすめ品種や、それぞれの特徴をご紹介します。お気に入りの品種を見つけたら、ぜひ栽培にチャレンジしてみましょう。

パキポディウム・グラキリウス(象牙宮)

パキポディウム・グラキリウス(グラキリス)は塊根植物を代表する品種のひとつです。膨らんだ基部から枝が伸び、細長い葉を茂らせます。枝を覆うように細いトゲが生えていることも特徴です。ゾウの肌にも似た質感で、「象牙宮」と呼ばれることもあります。

夏型の品種で、うまく育てられたら4月~5月頃に黄色い花を咲かせてくれることもあります。花茎は長く伸びるため、開花時期には通常と違ったユニークな姿を楽しめるでしょう。

パキポディウム・ラメレイ

パキポディウム・ラメレイは、ヤシの木にも似た見た目をしているパキポディウムです。原産地はマダガスカルで、自生しているものは樹高6mほどに生長することもあります。

株には鋭いトゲが生えており、頂点からは細長い葉がたくさん展開します。開花時期は春頃です。寒さに弱い品種のため、冬の管理には気をつけましょう。

パキポディウム・デンシカウレ(恵比寿大黒)

パキポディウム・デンシカウレは「恵比寿大黒」の和名で親しまれている品種です。饅頭のような丸い幹からトゲと葉が生えた、個性的な姿が魅力です。比較的丈夫で生長がはやく、初心者にもおすすめの育てやすい品種といえます。順調に育てることができれば、長い花茎を持つ黄色い花が開花します。開花時期は春頃です。

アデニウム・オベスム

アデニウム・オベスムは定番の品種で、「砂漠のバラ」という美しい別名でも知られています。春から初夏の時期に、赤やピンク、白などのきれいな花を咲かせてくれます。塊根植物の花を楽しみたい方におすすめです。基部がぷっくりと膨らむ姿も特徴ですが、挿し木株の場合は根が肥大しにくい点に留意しましょう。

アデニウム・アラビカム

アデニウム・アラビカムも、園芸店などでよく見られる塊根植物のひとつです。幹が大きく広がるように肥大し、伸びた枝の先端に葉がつきます。葉がくるりと巻くタイプもあるため、お好みで選んでみましょう。花の色はピンク色で、春から夏の間に開花します。

ディオスコレア・エレファンティペス(亀甲竜)

ディオスコレア・エレファンティペスは、「亀甲竜」という和名が有名な品種です。塊根部分がカメの甲羅のようにひび割れ、ゴツゴツとした形になることが最大の特徴です。

生育期に入るとつるを伸ばすことも特徴のひとつで、ワイヤー支柱などに誘引して好きな形に仕立てることができます。亀甲竜の栽培では、つるをきれいに誘引するのも楽しみのひとつになるでしょう。

オペルクリカリア・パキプス

オペルクリカリア・パキプスは、どっしりとした樹木のような姿に育つ塊根植物です。ゴツゴツとした太い幹から、いくつもの枝が伸びていきます。葉は小さく丸い形で、枝にたくさん茂ります。

センナ・メリディオナリス

センナ・メリディオナリスは羽状の葉を持つマメ科の塊根植物です。幹や枝はボコボコと隆起します。大きな特徴となるのが葉の動きです。ネムノキのように暗い場所では葉が閉じ、明るい場所で開きます。

トリコディアデマ・ブルボスム

トリコディアデマ・ブルボスムは盆栽のような形に育てられる塊根植物です。ボコボコとした塊根をいくつもつくり、そこから細い茎が伸びて多肉質の葉をつけます。和風のデザインの鉢と合わせても面白いでしょう。

チレコドン・レティキュラーツス(万物想)

チレコドン・レティキュラーツスは「万物想」とも呼ばれる冬型の品種です。ゴツゴツとした株に細長い肉厚の葉がつきます。夏には葉を落とし、秋になると新しい葉を出します。開花後は茎がトゲのようになって株に残り続けることが大きな特徴です。長く育てていけば、たくさんの茎が残る独特な姿を楽しめるようになるでしょう。

オトンナ・ユーフォルビオイデス

オトンナ・ユーフォルビオイデスはキク科の塊根植物です。生長すると表皮がはがれ落ち、質感も変化していきます。銀色がかった葉の色も特徴です。冬型品種で、秋から春の間に花を咲かせることがあります。咲き終わった後は花柄が残り、トゲのように株を覆います。

アデニア・グラウカ

アデニア・グラウカは緑色の幹を持つ夏型品種です。トゲは生えず、根元が膨らんでとっくりのような形に育っていきます。雄株と雌株があり、受粉させることができれば結実することもあります。

ただし、花が咲くまでは雄株と雌株を見分けることは難しいでしょう。塊根植物のなかでも丈夫で育てやすく、初心者向きの品種となります。

ユーフォルビア・ソテツキリン

ユーフォルビア・ソテツキリン(蘇鉄麒麟)は「パイナップルコーン」の別名を持つ品種です。幹の全体が隆起しており、まさにパイナップルのような見た目をしています。

ある程度大きく育つと、幹の途中や根元から子株を生やすこともあります。そのままの形を楽しんでも良いですが、子株を取り分けて挿し木することも可能です。

モンソニア・クラシカウリス(サルコカウロン・クラシカウレ)

モンソニア・クラシカウリスは冬型の塊根植物です。生長すると幹が枝分かれし、うねるように伸びていきます。幹には葉とトゲが生え、野性味あふれる見た目を楽しむことができます。開花時期は、生育期が終わりに差し掛かる春先です。白色やクリーム色のやさしげな印象の花を咲かせます。

フォッケア・エデュリス(火星人)

フォッケア・エデュリスは「火星人」の別名でも知られる夏型の塊根植物です。映画やアニメに登場する宇宙人をイメージさせるような、不思議な形状をしています。常緑性の品種ではあるものの、寒さの影響で落葉することも珍しくありません。丈夫なため、初心者におすすめできる品種のひとつです。

おわりに

塊根植物は一つひとつの形が異なり、多彩な姿を楽しむことができます。長く育てることも可能であり、栽培を続けるうちに愛着のある一株になっていくでしょう。

大切な塊根植物をできるだけ長く栽培するためには、温度管理をしっかりと行い、水や肥料を適切に与えることがポイントです。今回ご紹介した栽培のコツやおすすめ品種も参考にしながら、塊根植物の栽培を始めてみましょう。

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