アルストロメリアの育て方|球根や苗から栽培するコツや増やし方
アルストロメリアはエキゾチックな雰囲気を持つ多年草です。
初夏に色とりどりの花を咲かせてくれるため、花の季節には華やかな雰囲気を楽しむことができます。
ぜひご自宅のお庭やベランダで育ててみることがおすすめです。
今回は、アルストロメリアの特徴や基本的な育て方、増やし方などをご紹介します。
アルストロメリアの特徴
アルストロメリアは南アメリカ原産の多年草です。フラワーアレンジメントでも人気のある花のため、切り花として楽しんだことがあるという方も多いのではないでしょうか。
アルストロメリアは5月~7月にかけてカラフルな花を咲かせます。花の色は赤やピンク、オレンジ、黄、白、紫など多彩なバリエーションがあります。くっきりと鮮やかな色合いの花を咲かせる品種もあれば、淡い色やくすんだ色味の花を咲かせる品種もあるため、お好みのものを見つけられるでしょう。
花びらの一部にはスポットといわれる模様が入ることも大きな特徴です。独特な模様は、アルストロメリアの持つエキゾチックな雰囲気を引き立てます。ただし、品種によっては「スポットレス」と呼ばれる、模様がないタイプも見られます。お好みに応じて選びましょう。
また、アルストロメリアは一株に20輪以上の花をつける品種もあり、ひとつ植えるだけでも大変華やかな姿を楽しむことができます。基本的には一季咲きの品種がよく見られますが、四季咲き性のある品種もあります。
環境が合えば、春から秋にかけて長く咲くことが魅力です。花を長く楽しみたい場合は、四季咲き性から探してみることもおすすめです。
アルストロメリアの育て方|基本的な栽培方法
アルストロメリアを育てる際は、どのようなポイントに気をつけたら良いのでしょうか。
こちらでは、アルストロメリアの基本的な育て方をご紹介します。
アルストロメリアの好む栽培環境
アルストロメリアの花をきれいに咲かせるためには日光が欠かせません。日当たりの良い場所へ植えつけましょう。多湿の状態では根腐れしてしまうことがあるため、水はけの良さも重要です。
ただし、夏の直射日光に当たり続けると弱ってしまうことがあるため、日よけをつくるか日陰へ移動しましょう。
土づくり
アルストロメリアは土の深いところまで根を伸ばして生長します。地植えの場合、苦土石灰や堆肥、腐葉土などを混ぜ、40cm~50cmほどの深さまで耕しておくことが大切です。
『土を豊かにする肥料』は、堆肥と肥料成分がペレット状になっており、肥料効果と同時に土の中の微生物の働きをうながしますので、土づくりに最適です。
鉢植えの場合は小粒の赤玉土や鹿沼土、腐葉土を4:3:3で混ぜたものなどを使います。市販されている草花用培養土を使うと手軽です。肥料が含まれている培養土なら、追加で元肥を加える必要もありません。
『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』は、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているため元肥を混ぜる手間がなく鉢栽培、プランター栽培に最適な培養土です。
植えつけ
アルストロメリアは球根(塊茎)から育てることができます。植えつけ適期は春の3月~4月、秋の9月頃です。
秋植えの場合、寒さが厳しくなる前に芽や根をある程度伸ばすことが大切です。植えつけ時期が遅くなると十分に育たないまま寒さに当たり、枯れる原因になってしまうことがあります。時期を逃さないように植えつけましょう。
球根にはクラウンと呼ばれる部分があり、そこに芽がつきます。クラウンが上になるように向きを整えて植えつけましょう。クラウンがつながっている貯蔵根は折れやすいため慎重に作業することもポイントです。
鉢植え
鉢植えの場合、根をしっかりと伸ばせるように深さのある鉢を選びます。植えつけの際は元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込みます。土は2cm~3cmほどかぶせます。
地植え
地植えの場合は水はけを良くするために10cmほど土を盛って高畝にすることがおすすめです。土は3cm~4cmほどかぶせます。秋植えの場合は冬の凍結を避けるため、7cm~8cmほど土をかぶせておきましょう。
複数株を植えつける場合は株間を20cm~30cmほどとります。植えつけの際は元肥として『土を豊かにする肥料』を土に混ぜこみます。
水やり
アルストロメリアは多湿を嫌いますが、芽が伸びて開花する春~初夏にかけては水切れしないように管理する必要があります。土の表面が乾燥していたらたっぷりと水をあげましょう。
開花後は水やりの頻度を減らしていきます。葉が枯れて休眠期に入ったら水やりはストップしましょう。
肥料
植えつけの際は元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込みます。
春の芽出しの時期から開花するまでの間に追肥を行いましょう。基本的には1週間~10日に1回の頻度で速効性液体肥料『ハイポネックス原液』をあたえます。
四季咲き性品種の場合は10月~11月頃にも同じように追肥することがおすすめです。
アブラムシ対策
アルストロメリアは病害虫被害を受けにくいものの、生育期にアブラムシが発生することがあります。アブラムシがついているのを見つけたら、すぐに駆除することが重要です。そのままにしておくと大量に増えてしまうことがあるため気をつけましょう。
また、アブラムシ対策のために防除可能な薬剤を使うこともおすすめです。
『虫を予防するマグァンプD』は肥料やり+害虫の予防・退治が同時にできるのでおすすめです。
花がら摘み
アルストロメリアの花が咲き終わったら、花がら摘みを行います。放置していると株が消耗してしまうほか、病気の原因になることもあるため、こまめに処理しましょう。
花がら摘みをする際は、咲き終わった花の花茎を優しく引っ張ると簡単に引き抜くことができます。
夏越し・冬越し
アルストロメリアは日本の高温多湿の夏を苦手とします。梅雨が明けてからの時期は直射日光が当たらないように管理してあげましょう。敷き藁や腐葉土などを使ってマルチングすることで、地温が上がりすぎないようにすることもおすすめです。
また、南アメリカ原産のアルストロメリアは、やや耐寒性が弱いことも特徴です。冬場は霜や凍結に注意しましょう。地植えの場合はマルチングで土を保温し、凍結を予防します。鉢植えの場合は軒下などの凍結を避けやすい場所へ移動しましょう。
アルストロメリアの育て方|増やし方や注意点
アルストロメリアは株分けなどで増やすことができます。最後に、アルストロメリアの増やし方や、作業の注意点などを解説します。
株分けの時期
アルストロメリアを増やしたいときは、球根を掘り上げて株分けすることが基本です。品種によっては種を採取してまくことでも増やせますが、種まきから開花までに2年~3年はかかります。
アルストロメリアの株分けは3月もしくは9月頃に行います。鉢植えであれば1年~2年に1回、地植えの場合は2年~3年に1回は掘り上げて、大きく育っていれば株分けを行ったほうが良いでしょう。
株分けで準備するもの
アルストロメリアの株分けでは刃物を使って球根を分けることがおすすめです。株分けで使う刃物は事前に消毒しておきましょう。雑菌が入ると病気の原因にもなるため注意が必要です。
また、アルストロメリアの球根を触ると皮膚がかぶれてしまうことがあります。手袋を着用して作業すると安心です。
株分けの方法
株分けの際は、根を折ってしまわないように優しく掘り上げます。芽のついている位置を確認してから、複数株に切り分けましょう。このとき、分けた株それぞれに芽が残るように注意します。
分け終えたらひとつずつ植えつけます。芽のついているほうが上になるように気をつけて植えましょう。その後はたっぷりと水を与え、同じように育てていきます。順調にいけば春に再び芽を出し、花を咲かせてくれるでしょう。
おわりに
アルストロメリアは適切に管理すれば何年も育てていくことができる植物です。
日当たりや水はけの良い環境に植え、季節に応じたお手入れを続ければ、長く楽しむことができます。
お好きな方はぜひご自宅に植えて育て、鮮やかに咲く花の姿を観賞しましょう。