ジャカランダの育て方|栽培方法や剪定、冬越しのコツ
ジャカランダは熱帯生まれの花木です。美しい花や繊細な葉の姿を観賞することができ、観葉植物としても親しまれています。
ぜひご自宅に植えて、ジャカランダ栽培を楽しみましょう。
今回は、ジャカランダの基礎知識や基本の栽培方法、お手入れのポイント、増やし方などをご紹介します。
ジャカランダの育て方|特徴や魅力
ジャカランダの名前は聞いたことがあるものの、どのような植物か詳しく知らないという方も多いかもしれません。まずは、ジャカランダの基本的な情報をご紹介します。
ジャカランダの基礎知識
ジャカランダはノウゼンカズラ科の花木です。カエンボク(火焔木)やホウオウボク(鳳凰木)とともに「世界三大花木」に数えられることがあります。開花時期は5月~6月で、青紫色の美しい花をたくさん咲かせます。
花の形はベルに似ており、ひとつの木に鈴なりにつきます。品種によっては白い花を咲かせることもあります。
原産地は熱帯アメリカです。品種によりますが、原産地に自生しているものは樹高が15mになることもあるようです。
また、繊細な緑の葉をたくさん茂らせるジャカランダは、鉢植えの観葉植物として育てられることがあります。熱帯の風情を感じられる葉の観賞を楽しむことができるでしょう。
ジャカランダの開花について
基本的に、ジャカランダは大株に育てなければ、花を咲かせるのは難しいといわれています。暖かさを確保できる環境なら、地植えして大きく育てることで開花させられるでしょう。ただし、ジャカランダを確実に開花させる方法はよくわかっていないともいわれています。
また、矮性品種の場合、鉢植えの小さな状態でも花を咲かせられることがあります。株が小さいうちから花を観賞したい場合は、品種選びにもこだわってみましょう。
園芸店やホームセンター、ネットショップなどで開花株や花つきの鉢植えが売られていることもあるため、そういったものを購入してみることもひとつの方法です。
日本で見られるジャカランダの木
ジャカランダは暑さに強く寒さに弱い樹木です。地域によっては地植えで冬越しできないこともあります。ジャカランダを街路樹として植えている国もありますが、日本ではなかなか大木を見ることができません。
宮崎県や静岡県では、日本では珍しい、大きく育ったジャカランダの木を観賞することができます。宮崎県日南市にある「ジャカランダの森」では、約1,000本のジャカランダを見ることが可能です。ぜひ花の時期に訪れてみましょう。
ジャカランダの育て方|基本的な栽培のポイント
ジャカランダを栽培するためには、どのようなポイントに気をつけたら良いのでしょうか。こちらでは、ジャカランダの基本的な育て方をご紹介します。
ジャカランダの好む栽培環境
ジャカランダは日当たりの良い場所を好みます。ずっと日陰になるような場所では葉が落ちてしまうことがあるため気をつけましょう。
耐寒性が弱いため、冬の管理には気をつけましょう。とくに、冬に0℃を下回る地域の場合、春から秋は屋外で育て、冬には室内に取り込む方法がおすすめです。
地植えする場合は広めのスペースを確保しておきましょう。ジャカランダは樹高が高くなり、枝葉も大きく広がります。水はけの良さも重要です。
土づくり
ジャカランダを育てるときは、水はけが良い腐植質の用土を使用します。ご自分で配合する場合、小粒の赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたものなどがおすすめです。
鉢植えの場合は、草花用培養土を使用します。『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』は、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合された鉢栽培、プランター栽培に最適な培養土です。
植えつけ
一般的に、ジャカランダは苗木を植えて育てます。植えつけ適期は5月~9月です。暖かいうちに作業を済ませましょう。
鉢は根鉢よりも一回り~二回り大きいものを使います。深植えにならないように土をかぶせましょう。
植えつけ後は、根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。
水やり
ジャカランダは過湿を嫌います。地植えの場合、根づいた後は降雨に任せて問題ありません。
鉢植えの場合、土の表面が乾いてから水を与えるようにしましょう。生育が活発になる夏場は土が乾燥しやすくなるため、水不足にならないように注意が必要です。土が完全に乾いてしまわないように気をつけて管理しましょう。
秋から冬の間は気温が下がり、土も乾きにくくなります。春夏よりも水やりの頻度を控えめにしましょう。株元の土を軽く触ってみて、しっかり乾いているか確認できてから水をあげることがおすすめです。
肥料
ジャカランダは生育旺盛な植物です。とくに鉢植えの場合は肥料不足にならないように気をつけましょう。
植えつけの際、元肥として緩効性肥料『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みます。
生育期にあたる春から秋にかけての時期は、2~3カ月に1回程度の頻度で緩効性肥料『プランティア花と野菜と果実の肥料』を追肥するか、1週間~10日に1回の頻度で速効性の液体肥料『ハイポネックス原液』を500倍に希釈してあたえます。
寒い時期は生育が停滞するため施肥を控えましょう。
ジャカランダの育て方|お手入れのポイント
ジャカランダを長く楽しむためには、生育状況に合わせた管理を行うことが大切です。日頃の水やりに加えて、剪定や冬越し、植えかえなども行っていきましょう。
剪定
ジャカランダの樹形が乱れてきたら、整えるために剪定を行います。混雑した部分の枝を切ることで風通しも良くなるでしょう。剪定の適期は初夏から夏にかけてです。寒い時期の剪定は株が弱ってしまうこともあるため避けましょう。
冬越し
ジャカランダ栽培でもとくに重要といえるのが冬の防寒対策です。花芽の形成にはある程度の寒さに当てる必要があるといわれていますが、0℃を下回る場合は室内へ取り込みましょう。
室内に置いている間も、しっかりと日光に当てることがポイントです。気温が下がると落葉することがありますが、うまく冬越しできれば春に再び葉をつけてくれます。
植えかえ
鉢植えのジャカランダは、根詰まりを防ぐために植えかえましょう。小さな株の場合は1年に1回、大きな株の場合は2年に1回程度が目安です。植えかえと同じく、5月~9月の暖かい時期に作業しましょう。
ジャカランダの育て方|挿し木で増やす方法
ジャカランダは種をとってまくことも可能ですが、日本の環境では開花しないことも多いため、種の採取が難しいといわれています。
ご家庭でジャカランダを増やしたい場合、より手軽に挑戦できる挿し木で増やすことがおすすめです。
ここでは、ジャカランダを挿し木で増やす方法をご紹介します。
ジャカランダの挿し木の時期
ジャカランダの挿し木は、5月中旬~7月の間に行いましょう。今年になって伸びた若い枝を切って使います。伸び始めた枝がしっかりと固まるまで待ってから切りましょう。
ジャカランダの挿し木の方法
元気な枝を選んだら、先端から5節~6節あたりでカットして挿し穂として使います。下葉は3分の1ほど落としましょう。枝の先端付近の葉も半分ほどに切っておきます。
挿し木用土は肥料分の含まれていない清潔なものを使います。赤玉土や挿し木専用土などを活用しましょう。挿し穂が3分の1ほど埋まるように挿したら、直射日光の当たらない場所で管理します。発根するまで用土が乾かないように気をつけましょう。
順調にいけば、1カ月~2カ月で発根します。根がある程度伸びたら鉢上げして、少しずつ明るい日なたへ移動させましょう。
おわりに
ジャカランダは熱帯の雰囲気を感じられる植物です。うまくいけば、鉢植えの小さなサイズでも花を咲かせてくれることがあります。季節に応じたお手入れを行いながら、ジャカランダを長く育てていきましょう。