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クラッスラの育て方を紹介!適切な栽培方法と気をつけるポイント

クラッスラの育て方を紹介!適切な栽培方法と気をつけるポイント

クラッスラはぷっくりとした葉をつける多肉植物です。種類が豊富でそれぞれ雰囲気や特徴などは大きく異なりバリエーションに富んでいます。

かわいく小さな花を咲かせたり赤く紅葉したりと1年を通して楽しめ、サイズや容姿もさまざまあるためインテリアや好みに合わせて選べます。

今回はクラッスラの特徴や育て方について解説します。有名な「金のなる木」や赤く色づく「火祭り」など、人気のクラッスラも合わせて紹介しています。

クラッスラとは?

クラッスラはベンケイソウ科クラッスラ属の多肉植物です。南アフリカ、東アフリカ、熱帯アフリカなどを中心に自生しています。

クラッスラッスラの種類は200種類近くと非常に多く、そのうち100種以上は南アフリカに自生しています。

クラッスラの特徴

クラッスラの草丈は3cm〜100cmほどで、種類によって異なります。耐暑性は普通、耐寒性はやや弱いものが多いですが、品種によっては耐寒性が強く地植えで育てられるものもあります。

【バリエーションが豊富】

クラッスラは同じ仲間でも、種類によって特徴や雰囲気は大きく異なります。小さな葉が群生するものや幾何学的な姿をしているもの、垂直に伸びるものなどバリエーションは豊富にあります。

日本でも昭和初期から普及し、いまでは人気の多肉植物の一つです。有名な品種では「金のなる木」もクラッスラです。

どれもユニークな草姿をしているため、お気に入りのものを見つけたりたくさんコレクションしたりと、多くの楽しみ方があります。

【クラッスラの開花】

種類によって異なりますが、4月〜12月ごろに開花します。クラッスラはひとつの茎に小さな花が密集して開花し、白やピンク色、そのほか赤やオレンジの色のものがあります。

開花する様子も、とてもかわいらしく楽しませてくれます。

【生育型】

クラッスラの生育型は「春秋型」「夏型」「冬型」の3タイプがあります。

  • 「春秋型」春と秋に生育
  • 「夏型」夏の生育が旺盛
  • 「冬型」秋から冬にかけて生育

生長と休眠の時期がそれぞれ異なるため、水やりや肥料などの与え方も若干違いがあります。詳しくはクラッスラの育て方にて解説します。

クラッスラの選び方

クラッスラの栽培は苗からスタートします。葉が広がっているものよりも詰まっているものを選びましょう。

また葉に虫がついていたり病気になったりしていないかも確認してください。

クラッスラの育て方

クラッスラに適した栽培場所や水やりの方法など、育て方について紹介します。

栽培場所

日当たり

クラッスラは基本的にどの品種も日光を好むため、年間を通してなるべく日当たりのよい場で管理します。

明るい日陰でも育ちますが、日照不足になると株が軟弱になりヒョロリとした姿になることもあります。日当たりのよい場所のほうが株は元気に育ってくれます。

品種によっては、真夏の日差しによって葉焼けを起こしてしまうものもあります。夏場は涼しい半日陰で管理すると安心です。

風通し

多湿の環境は苦手であるため、風通しのよい場所が適しています。また雨が当たるような場所は避けましょう。

蒸れないように鉢同士のスペースを空けておくのもポイントです。梅雨時期や夏場はとくに注意して風通しをよくしてあげましょう。

気温

クラッスラの生育適温は10〜30℃です。5℃くらいまでなら耐えられ、氷点下を下回っても屋外で育つものもありますが、基本的には霜や雪にあたらないように注意が必要です。

5℃を下回る日が続く場合は、室内に取り込んで明るい日が差し込む窓際で管理します。地植えにしている場合は、寒風除けの対策を施しておくと安心です。

赤く紅葉する品種のクラッスラは寒さに当たると紅葉し、寒さに当たらなければ紅葉しません。そのため紅葉するまでは屋外で管理するのがおすすめです。よく日に当てるときれいに色づいてくれます。

水やり

クラッスラは湿気の多い環境は苦手なため、鉢の土の表面が乾いたら水やりします。また季節によって水やりの量や頻度を調節するのがポイントです。

春秋型・夏型・冬型それぞれ水やりのポイントを紹介します。

春秋型

生育期である春と秋は、土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりをします。夏場は生育がストップします。

水やりを控えめにして10日に1回ほどの頻度で、夕方以降の涼しくなった時間帯に水やりしてください。水を与えすぎると蒸れてしまい、根腐れを起こしやすくなります。

冬も生育がストップするため、土が十分に乾燥してから水やりします。頻度の目安は1ヵ月に1〜2回ほどです。

夏型

春から秋にかけては、土の表面が乾燥したらたっぷりと水やりします。
夏場は生育期なため水やりは行いますが、日中の水やりは避けて早朝か夕方以降にあげるようにしてください。

冬は休眠期に入るため、水やりは控えめにします。土が十分に乾燥してから水やりします。頻度の目安は、1ヵ月に1〜2回ほどです。

冬型

冬場は生育期に入ります。土が乾いたら水やりしますが、冬は土の乾くスピードがゆっくりになるため10日に1回くらいが目安の頻度です。天気のよい日の午前中に水やりしてください。

春と秋は、土の表面が乾燥したら、たっぷりと水やりします。
夏は休眠期に入るため断水します。春が終わるころから徐々に水やりを減らしましょう。

ただしクラッスラの株自体の水分が乾燥している状態の場合は、夕方以降に土に軽く水をまくか、葉水をして少し水分を与えてあげます。

用土

クラッスラは根が細いため、水はけがよく細かな粒の用土が適しています。自分で用土をつくる場合は、赤玉土小粒3:鹿沼土小粒2:軽石小粒2:腐葉土3を混ぜ合わせます。

市販の多肉植物用やサボテン用の土を利用しても問題ありませんが、乾燥しすぎる可能性もあります。環境や水やりの頻度に応じて、多少草花用の土を混ぜ合わせてなるなどして調節します。

肥料

クラッスラは肥料をあまり必要としませんが、植えかえのときに元肥として『マグァンプK中粒』を与てください。

早く生長させたい場合や品種によっては生育期に緩効性肥料『マグァンプK中粒』を少量か、液体肥料『ハイポネックス原液』を1000倍に薄めて追肥します。

春秋型・夏型・冬型それぞれ、肥料を与えるタイミングは以下のとおりです。

春秋型

3〜4月ごろ、植えかえのタイミングに土に元肥を混ぜておきます。追肥の時期は4〜5月と9月中旬〜10月ごろです。

夏型

4〜6月ごろ、植えかえするときに土に元肥を混ぜておきます。追肥は、5〜7月中旬と9月中旬ごろに与えます。

冬型

9月中旬〜11月ごろ、植えかえのときに土に元肥を混ぜておきます。追肥の時期は、11〜3月ごろです。

剪定

クラッスラは種類によっては生育旺盛なものもあるため、好きな位置で剪定を行います。また形が崩れたと感じたときや株が混み合ったときは、バランスをみて剪定します。

そのほか下のほうの葉が古くなってきたら、取り除きます。放置していると軟腐病の原因となります。

植えかえ

時期

植えかえの時期は、春秋型・夏型・冬型それぞれ最適期が異なります。春秋型は3〜4月ごろ、夏型は4〜6月ごろ、冬型は9月中旬〜11月ごろがおすすめです。

ペース

年に1回が目安です。そのほか生長して根が詰まっている状態であれば植えかえをします。

やり方

植えかえする数日前から断水して土を乾かします。土から抜いた株も数日間そのまま乾かしてから植えかえすると、根を痛めることなく植えかえできます。

根が生長して鉢中にたくさん張っている状態であれば、一回り大きな鉢に移します。大きくしたくない場合は、根をカットして量を整理することで同じサイズの鉢に植えかえできます。

あまりに大きな鉢に植えかえると、土の中が多湿状態になってしまい根腐れを起こす原因となります。

夏越し

クラッスラの夏越しは、どの品種もなるべく風通しをよくすることがポイントです。真夏は葉焼けしてしまうため、直射日光は避けて半日陰で管理します。

夏型は高温に強いですが、多湿な環境は苦手です。水やりも土が乾燥してから3〜4日空けるなど、頻度を減らして乾燥気味に育てるのがポイントです。

冬越し

春秋型・夏型は休眠期に入ります。霜が降りる前に室内に移動させてください。冬型は生育期に入ります。

しかし春秋型・夏型より寒さが強いというわけではありません。同じく霜が降りるような寒さは避けて、室内に取り込みます。また耐寒性を高めるため、水やりを控えて乾燥気味にすることがポイントです。

クラッスラの増やし方

クラッスラの増やし方は、「挿し穂」「株分け」の方法があります。品種によって「葉ざし」や「種まき」で増やせるものもありますが、ここでは「挿し穂」「株分け」の方法を紹介します。

【挿し穂】

群生しないタイプのクラッスラは、挿し穂の方法で増やします。クラッスラが伸びすぎて剪定した場合など、切った枝を挿し穂として使って増やすことも可能です。

  1. 下のほうの葉を2〜3枚残して枝をカットします。
  2. 切り口を2〜3日ほど日陰で乾燥させます。
  3. 新しい用土に挿します。

【株分け】

  1. 群生するタイプのクラッスラは、株分けの方法で増やします。
  2. 株を2〜3等分にします。
  3. 古い葉や根を取り除きます。

クラッスラを育てる際に気をつけること

クラッスラは育てやすい植物ですが、以下の点は気をつけて管理しましょう。

害虫

クラッスラが被害に遭いやすい虫は、カイガラムシ・ハダニなどがあります。見つけたらすぐにピンセットなどで取り除きます。

防虫を兼ねて薬剤を散布してもよいでしょう。とくに芽の部分は柔らかく、被害に遭いやすいので注意が必要です。

病気

クラッスラがかかりやすい病気には、黒星病・軟腐病があります。

黒星病は葉に褐色の斑点ができ枯れてしまい、軟腐病は下葉に病斑が発生しだんだん腐敗してしまうため、病気にかかってしまった部分はすぐに取り除きます。

いずれも梅雨時期など高温多湿な環境で発生しやすいため、風通しをよくして多湿にならない環境を作ります。

葉焼け

クラッスラは、基本的に年間を通して日当たりのよい場所で管理します。しかし品種によっては、真夏の日差しによって葉焼けを起こしてしまうものもあります。

葉焼けとは、強い日差しによって、葉が茶色や黒色に変色することです。葉焼けを起こしてしまうと元には戻らないため、変色した部分をカットします。

真夏は半日陰に移動させるか、遮光してあげるとよいでしょう。

根腐れ

クラッスラをはじめ植物が枯れてしまったと感じる原因の多くは、根腐れです。根腐れは水やりが多すぎて多湿な状態になっていることで起こり、葉がしおれていたり黒く変色したりしていると根腐れの可能性があります。

とくに梅雨時期や多湿な環境によく見られるトラブルです。根腐れが起こった場合はすぐに水やりを止めて、枯れた部分を取り除きます。

1週間ほどしっかりと乾燥させてから、新しい土に植えかえすることで回復します。

全体的に枯れた部分が多い場合は、元気な部分を切り落として、挿し穂のようにして植えかえる方法が有効です。

根詰まり

クラッスラの鉢底から根が出ているなどの状態や、株の生長がとまった、葉が黄色くなってきたという症状が現れたら、根詰まりを起こしている可能性があります。

根詰まりが起こると鉢の中で根が水分や栄養を吸収できなくなり、クラッスラの生長が止まったり葉が黄色くなったりします。

根詰まりを起こしたら、早めに植えかえをします。 一回り大きな鉢に植えかえるか、大きくせずにコンパクトにしたい場合は根を整理することで、同じサイズの鉢に植えかえできます。

クラッスラの種類

今回紹介するクラッスラは、どれも園芸店などで気軽に入手できるものばかりです。地植えでも育てられる強い品種のものもあるため、初心者でも安心して育てられます。

金のなる木

金のなる木(Crassula ovata)は夏型の品種です。古くから栽培されており、「花月(カゲツ)」の名でも流通しています。

低木のように育ち丸い肉厚の葉をたくさんつけ、白やピンク色の小さな花をたくさん咲かせます。とても丈夫で初心者でも育てやすい品種です。

火祭り

火祭り(C.capitella)は春秋型の品種です。ぷっくりとした楕円状の葉が広がり、火祭りという名前のとおり秋から冬にかけて葉が真っ赤に紅葉します。

英名では「red flames (赤い炎)」と呼ばれています。耐寒性・耐暑性のどちらも備えているため地植えでも楽しめ、大きめの鉢に植えるとしっかりと生育します。また秋から冬にかけては、白い花も咲かせてくれます。

気温が低くなってきたら、日当たりをよくして水と肥料を控えめにするときれいに色づきます。

ゴーラム

ゴーラム(Crassula ovata Gollum)は、春秋型です。筒のような葉が特徴で、つやつやしています。見た目のユニークさが印象的で、「宇宙の木」とも呼ばれます。葉の先端部分は、寒くなると紅葉します。

ゴーラムは日当たりが悪いと間延びするため、置き場所には注意が必要です。寒さには弱いため11月〜3月ごろは、室内に取り込んで管理すると安心です。

リトルミッシー

リトルミッシー(Crassula pellucida ssp. marginalis Variegata)は春秋型です。ライトグリーンに白い斑が入った小さな葉が群生し、柔らかい印象を与えます。寒くなってくるとライトグリーンからピンク色に紅葉します。

雨にかかっても元気に生長し氷点下でも生き延びるため、地植えにしてグランドカバーなどとしても楽しまれています。しかし寒風が当たるとダメージを受けやすいため、真冬はなるべく室内に取り込むほうが安心できます。

星の王子

星の王子(Crassula conjuncta)は、ぷっくりとした葉を交互に積み重ねるように、垂直方向に生長するのが特徴です。秋ごろには、葉の縁が赤く色づく魅力的なクラッスラです。

加湿に弱いため、水やりは控えて乾燥気味に育てるのがポイントです。蒸れてしまうと下のほうの葉から枯れてしまうので、風通しにも注意しましょう。

「星の王子」の斑入り品種である「南十字星」もおすすめです。同じく秋ごろに葉の縁が紅葉し、春には小さな花をたくさん咲かせてくれます。

このようにクラッスラは、葉の形から星をイメージさせる名前が付けられた品種がたくさんあります。

紅稚児(べにちご)

紅稚児(Crassula radicans)は枝分かれした先端にたくさんの肉厚の葉をつけます。

冬には葉が赤く色づき、春には花径が垂直に長く伸びて先端に白くて小さな花を咲かせます。開花した様子はかわいらしく存在感もあります。紅稚児は耐寒性が強いため、地植えでも育てられます。

まとめ

クラッスラは肉厚の葉が特徴の多肉植物です。種類が豊富にあり、それぞれの姿は大きく異なるうえにどれもユニークな姿をしています。秋になると葉が赤く色づくものが多く、開花も楽しませてくれます。

クラッスラは1年を通して鑑賞度が高く、窓辺や庭で楽しみや元気を与えてくれる存在になるはずです。

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