シロタエギクの育て方|花や葉の観賞を楽しむための栽培ポイント
シルバーリーフの代表格であるシロタエギクは、幅広いテイストに合わせられるのが魅力です。
丈夫な性質であり、お手入れの手間がかかりにくいのもメリットとなります。ぜひお好きな花と組み合わせて植えてみましょう。
今回は、シロタエギクの特徴や魅力、基本的な育て方、増やし方などをご紹介します。
シロタエギクの育て方|特徴や魅力
シロタエギクはキク科セネシオ属の多年草です。一般的にシロタエギクと呼ばれるのは「セネシオ・シネラリア」という種類の植物となります。
まずは、シロタエギクの基礎知識をチェックしていきましょう。
シロタエギクの基本的な特徴
シロタエギクは細かい毛の生えたシルバーリーフを持つのが最大の特徴で、年間を通して葉を観賞できます。
白銀の葉は合わせる色を選ばず、寄せ植えにも向いています。花壇やコンテナなどの引き立て役として植える方も多いようです。
また、シロタエギクの花は5月~7月頃の初夏に咲きます。黄色い素朴な花の観賞を楽しめるでしょう。
シロタエギクの名前の由来
「白妙(しろたえ)」とは、楮(こうぞ)などの繊維でつくられた白い布や、白い色のことを指します。見た目の通り、白い葉を持つ姿から「白妙菊(シロタエギク)」の名がついたと考えられています。
また、シロタエギクは英名の「ダスティーミラー(Dusty miller)」で呼ばれることも少なくありません。“dusty”には「ほこりっぽい」「灰色の」といった意味があり、“miller”には「粉屋」「製粉業者」のような意味があります。
シロタエギクの葉の粉をかぶったような姿から連想され、この名前になったと考えられます。
シロタエギクの寄せ植え
シロタエギクの白い葉は、雪のようなイメージを抱かせます。ふわふわの質感には温かみがあり、冬の寄せ植えやブーケの花材としても人気があります。
冬の花壇を演出したいときは、ポインセチアやシクラメン、ハボタンなどと一緒に植えると季節感を出せるでしょう。
耐寒性の強いパンジーやビオラなどと一緒に植えるのもおすすめです。シロタエギクを添えることで、花壇の雰囲気がより明るくなるでしょう。
シロタエギクの育て方|栽培のコツや注意点
シロタエギクは栽培しやすく、ガーデニング初心者にもおすすめの植物です。ぜひご自宅のお好きな場所へ植えてみましょう。
こちらでは、シロタエギクの基本的な育て方をご紹介します。
シロタエギクの好む栽培環境
シロタエギクは日当たりの良い場所を好みます。日陰で育てると葉の色がきれいに白くならず、緑色になる可能性があるため注意が必要です。
加えて、日当たりが悪いと徒長してひょろひょろに育つことがあります。
また、湿気が多い場所も苦手とするため、風通しや水はけの良いところを選びます。とくに梅雨から夏の高温多湿の時期には蒸れやすくなるため気をつけましょう。
鉢植えの場合は、気温が上がってきたら涼しい半日陰へ移動させるのもおすすめです。
土づくり
シロタエギクの用土は水はけが良いものを準備します。地植えの場合は堆肥や腐葉土を混ぜてふかふかに耕しておきましょう。
鉢植えの場合、自分で配合するなら小粒の赤玉土と腐葉土を6:4で混ぜたものがおすすめです。『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』といった市販されている培養土でも問題ありません。
元肥にマグァンプKが配合されているため、そのまま植えつけに使えます。
種まき
シロタエギクは種からでも育てやすい植物です。セルトレーやポットなどに用土を入れ、種をばらまきましょう。土は薄くかぶせる程度にとどめます。
種はとても小さいため、水やりで流れてしまわないように気をつけましょう。
順調にいけば10日程度で発芽します。水切れしないように管理し、本葉が2枚~3枚つくまでに間引いて一本立ちにしましょう。本葉が4枚~5枚になったら植えつけ可能です。
植えつけ
苗を購入した場合はすぐにお好きな鉢や花壇などへ植えつけてあげましょう。真夏や真冬を除けば、基本的にいつでも植えつけが行えます。
複数株を植える際は株間を20cmほどあけます。地植えの場合は根鉢よりも一回りほど大きな穴を掘って植えつけましょう。鉢植えの場合は鉢底石を敷いてから用土を入れ、苗を植えます。
作業が完了したらたっぷりと水をあげましょう。
水やり
シロタエギクは過湿にならないよう、乾かし気味に管理するのがポイントです。土がずっと湿ったままになるのは避けましょう。
鉢植えの場合は土が乾いたのを確認してから水をあげることが大切です。
地植えはほとんど水やりする必要はありません。晴れた日が続いたときや真夏など、土が極端に乾きそうなときは水をあげましょう。
肥料
植えつけ時に元肥として緩効性肥料の『マグァンプK中粒』を加えておきます。寄せ植えしている場合は、一緒に植えている植物に応じた施肥を行って問題ありません。
シロタエギク単体で植えている場合、生育期にはバラまくだけで、肥料効果が約2~3カ月間持続する『プランティア花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。
病害虫対策
シロタエギクは春~秋にかけてアブラムシが発生することがあります。アブラムシはとても小さな虫ですが、いつの間にか増えて手がつけられなくなることもあるため注意が必要です。
柔らかい葉や茎に付着して汁を吸い、病気を媒介するケースも見られるので、はやめに駆除しましょう。防除可能な薬剤を使って対処することもおすすめの方法です。
また、アブラムシはチッソ肥料を過剰に与えることでも増えやすいといわれています。肥料は必要な成分がバランスよく含まれたものを選び、適量を心がけて施しましょう。
加えて、蒸れやすい環境を好むため、風通しや日当たりの良さを保つことも重要です。
植えかえ
シロタエギクは根を旺盛に伸ばします。鉢植えの場合は根詰まりしてしまうことがあるので、定期的に植えかえてあげましょう。とくに、根詰まりのサインが見えたらすぐに植えかえるのがおすすめです。
根詰まりすると株の元気がなくなり、鉢の底から根が出てきたり、下葉が落ちたりすることがあります。水が土に染み込みにくくなったときにも根詰まりを疑いましょう。
切り戻し
シロタエギクの株が大きく育ち、草姿が乱れてきたら切り戻しを行うと良いでしょう。草丈の3分の1~半分程度までを目安に、お好きな位置でカットします。
夏が来る前に切り戻しておくと蒸れにくい状態になるため、夏越ししやすくなるでしょう。
また、シロタエギクの花が咲いたら、はやめに花茎ごとカットするのがおすすめです。放置していると種をつくり始め、株が弱ってしまう原因になります。
シロタエギクの育て方|増やして楽しむ方法
シロタエギクは挿し芽(挿し木)で増やすことができます。育てる数を増やしたい場合はぜひ挑戦してみましょう。
挿し木の適期は5月~6月、9月~10月頃です。茎の先端から10cm程度の位置でカットして挿し穂をつくりましょう。切り口は斜めにして、30分ほど水につけます。
吸水が終わったら清潔な挿し木用土へ挿しましょう。挿し木用土は肥料が入っていないものを使用します。
用土を湿らせた状態を保ち、直射日光の当たらない場所で管理を続けます。順調にいけば、1カ月半程度で育苗ポットなどへ植えかえられるでしょう。その後は親株と同じように水や肥料を与えながら育てていきます。
おわりに
シロタエギクはカラーリーフとしても人気で、一年を通して観賞できる植物です。耐寒性が強く、冬の花壇で活躍してくれるのも魅力です。
蒸れないように注意すれば初心者でも育てやすいほか、寄せ植えにもおすすめできます。
ぜひご自宅に植えて、白銀の葉や素朴な花を楽しみましょう。