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タマスダレの育て方 | 球根の植え方・増やし方、植えつけの時期を紹介

タマスダレの育て方 | 球根の植え方・増やし方、植えつけの時期を紹介

タマスダレは、密集して生える姿が印象的な植物です。開花時期になると、可憐で白い花を咲かせます。そのようなタマスダレを育てたいと思った人もいるのではないでしょうか。

この記事では、タマスダレの育て方をわかりやすく解説します。球根の上方や増やし方、植えつけの時期などを詳しく紹介しているので、タマスダレを上手に育てたいと考えている方はぜひご覧ください。

最後まで読めば、タマスダレを元気に育てられるコツが掴めます。

タマスダレとは?

タマスダレは、ヒガンバナ科のタマスダレ属(ゼフィランサス属)に属するペルー原産の植物です。ユリやチューリップと同じように、球根を植えて芽を出します。

タマスダレは別名を「レインリリー」といい、乾燥した土に雨が降ると一気に花が咲くのが名前の由来です。和名であるタマスダレは、白くてきれいな白い花が宝石に似ていることから「タマ」、細長い葉が密集している姿を「スダレ」に例えたのが由来といわれています。

タマスダレの花が咲くのは、夏から秋です。繁殖力が強く、一度植えれば分球やこぼれ種から一気に増えていきます。丈夫で病気にもかかりにくく、日本の気候とも相性が抜群のため、いたるところで咲いている姿を見かけます。

真っ白な花びらと細長い葉が密集して咲いている姿はかわいらしいですが、タマスダレには毒があるため、食用の植物と間違えないようにしましょう。

また、子供が触って口の中に入れる可能性も高いので、タマスダレに似た植物を見かけた場合は注意する必要があります。

タマスダレの育て方

タマスダレは病気にかかりにくく、お手入れも簡単のため、比較的育てやすい植物です。鉢植えでも地植えでも育てられます。

ただし、苦手な気温、水やりや肥料の与え方のポイントがあるため栽培する前に把握しておきましょう。

球根の植え方・時期

タマスダレの球根は、3月中旬~4月下旬を目安に植えつけます。タマスダレをきれいに咲かせるポイントは、球根を密集させて植えることです。

まとめて植えれば、開花した際により美しく見えます。そのポイントを考慮しながら、6~7球程度をまとめた球根を3~5cm程度間をあけて土の上におき、約5cmの覆土をしましょう。

ただし、植物の中でもタマスダレはコンパクトなサイズのため、草丈が大きい植物と一緒に植えると見えなくなるかもしれません。また、繁殖力が強いため、狭い場所に植えるとスペース不足になる場合もあります。

そのようなトラブルを防ぐためも、見えやすい花壇の手前や人目につきやすい場所に植えるといった工夫が必要です。さらに広い場所に植えると、スペースが不足する心配はないでしょう。庭植えが難しいなら、鉢植えで育てるのがおすすめです。

鉢植えの場合、5号鉢に6~7球程度の球根を浅く植えてください。株が増えて、混み合ってきたら植えかえが必要です。球根を掘り起こして、株分けするように植えかえしましょう。

4~5年程度を目安に植えかえを行うと、タマスダレの寿命も長くなります。植えかえしないと、花が咲かなくなる可能性があるのでご注意ください。

栽培環境、栽培場所

タマスダレは、地植えも鉢植えもよく日光が当たる場所で育てます。丈夫な植物のため、少々日が当たらなくてもすぐ枯れませんが、日陰に長時間置き続けると、花が咲きにくくなります。

生長スピードも遅くなるので、長い時間日陰にならないようにしてください。

鉢植えなら場所を移動させ、地植えなら日当たりのよい場所に植えると安心です。屋内で育てる場合、日当たりのよい南向きの窓の近くに置くといった工夫をしましょう。

温度

熱帯植物のタマスダレは、寒さが苦手です。0℃以下になる真冬は、屋外だと葉が黄色く変色して枯れる可能性があります。

地植えの場合、下記でも解説しますがマルチングや保護カバーで株を保温しましょう。鉢植えの場合、気温が低くなる10月以降は屋外から屋内に移動させると、秋の終わりまで楽しめます。

一方、タマスダレは熱帯植物のため、耐熱性は優れています。真夏で41℃の暑さになっても耐えられる植物です。熱には強い植物ですが、強い日差しを当て続けると葉焼けが発生するため注意が必要です。

葉焼けを防ぐために日差しが強くなってきたら、日陰を作ったり、場所を移動させたりしてください。

長時間強い直射日光に当たると、生長スピードも悪くなる可能性があります。このようなポイントを意識して栽培すれば、タマスダレも生き生きと育っていくはずです。

水やり

タマスダレを元気に育てるために、水やりも大切なポイントです。地植えの場合、土がしっかり乾燥してから水やりしてください。ただし、放置しすぎると枯れる可能性があるため、水切れが長く続かないようにしましょう。

タマスダレは、3月~5月にかけて生長スピードが速くなります。この時期は乾燥しやすい季節でもあるため、定期的に水を与えることが必要です。

また、気温が高くなる夏も乾燥しやすいので、地面がひび割れするほど乾燥していたら水を与えます。鉢植えの場合、10日程度を目安に水やりが必要です。

植えつけした直後の水やりは控えめに行い、そのあとは鉢の底から水が流れるほどたっぷり与えましょう。

タマスダレの開花期である夏の始めから10月上旬ごろは、10日に1回を目安に地面が乾いたらたっぷり水を与えます。しっかり水やりすれば、長期間きれいな花を楽しめます。

用土

タマスダレは、水はけがよく保水性がある用土を使用します。乾燥が苦手のため、保水力がある土であれば、水切れしても簡単には枯れないでしょう。

ただし、水はけが悪く、湿気が溜まりやすい土だと根腐れする恐れがあります。地植えでタマスダレを育てる場合、土に腐葉土を混ぜ込むと保水性がキープできます。

腐葉土を混ぜないと乾燥しやすくなるため、タマスダレがうまく生長できない可能性が高いです。庭の花壇でタマスダレを育てるなら、保水性がある腐葉土を混ぜ込んだ用土を使うのがおすすめです。

鉢植えの場合、ホームセンターや園芸店などで購入できる『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』がタマスダレの用土に適しています。自分で配合するなら、赤玉土6:腐葉土3:軽石1を目安に作りましょう。

肥料

タマスダレの肥料は、地植えと鉢植えとも同じ要領で行います。まず、タマスダレを植えつける際、緩効性化成肥料『マグァンプK中粒』をまいてから、球根を置きましょう。

その後、葉が10cm以上生長した段階で1つの球根あたり大きめの固形化成肥料『プロミック いろいろな植物用』を置き肥します。

2ヵ月後、同じように置き肥して、花が咲いたら月1回程度『ハイポネックス原液』を追肥してください。追肥は、カリが多く含まれている化成肥料が適しています。

肥料のパッケージの裏に書かれている成分を確認してから購入すると、失敗しないはずです。液体肥料でも問題ありませんが、適切に希釈しないと、葉の変色や生育不良の原因になるので注意しましょう。

追肥すれば、タマスダレも健康に生長して葉も若々しくなります。

肥料について詳しく知る

剪定・切り戻し方法

タマスダレの花が全体的に咲き終わり、しおれてきたら剪定が必要です。丈夫な古い株や咲き終わった花を除去すれば、栄養がほかの株へ供給され、またきれいな花が咲きます。剪定ばさみを使用して、しおれた株をカットしましょう。

タマスダレは、夏~秋ごろに開花し、3日程度咲き続けたら枯れていきます。咲き終わった花は、花茎と元の株が合流する近くまでカットしてください。

タマスダレの長い茎を根元近くからカットすることで、これから咲く花のスペースができます。スペースがあれば、新しい花も生長しやすくなり、さらに多くの花が咲きやすくなるでしょう。

なお、剪定に使用するはさみは、漂白剤と水を1:9で混ぜ合わせた水に30分程度浸して消毒してください。

剪定はさみについた細菌により、タマスダレが病気にかかる可能性があります。使う前に消毒すれば、タマスダレが病気になるリスクが削減できます。

冬越し

タマスダレは冬になると葉が枯れるため、防寒対策が必要です。地植えの場合、マルチングや盛り土を行いましょう。マルチングとは黒いビニールやわら、枯れ草で植物の根元を覆い保温する方法です。マルチングによって土の乾燥が防止でき、水分量をキープできます。

さらに、気温が急激に低下することで受けるタマスダレのダメージも抑制可能です。準備に手間がかかるので面倒な作業ですが、タマスダレを無事に冬越しさせるために大切な工程です。マルチングが面倒なら盛り土でも構わないので、防寒対策を行ってください。

一方、鉢植えの場合、室内にタマスダレを移動させましょう。室内に鉢植えを置くスペースがない場合、軒下に置くだけでも効果が期待できます。

増やし方

タマスダレの増やし方は、増えた球根を小分けにして植えかえる方法がおすすめです。この方法を分球といい、比較的簡単に増やせます。

分球の適期は、タマスダレが生育期に入る春です。分球により受けたダメージも、生育期なら回復しやすいでしょう。

分球の流れは、下記を参考にしてください。

分球の流れ

  1. 分球するタマスダレの株を抜く
  2. 土を落とし、根をほぐす
  3. はさみなどを使用して球根を小分けにする
  4. 鉢や庭に植えてたっぷり水を与える

上記の流れに沿って、分球に挑戦してみてください。分球以外の増やし方としておすすめなのは、こぼれ種という方法です。

タマスダレは、植えっぱなしでも繁殖力が強いのはこぼれ種が原因です。種が取れたら、地面に植えてみてください。タマスダレが、簡単に増やせるはずです。

手入れ

タマスダレは丈夫な植物のため、お手入れも簡単です。乾燥したらしっかり水を与えれば、生長していきます。剪定も頻繁にする必要はありませんが、伸びすぎた葉はカットして形をきれいに整えましょう。

温暖な地方だと、タマスダレは落葉しません。春になれば、鮮やかな緑の新しい葉が生えてきます。新しい葉が生えてくるスペースを確保するため、前もって古い葉や傷んだ葉は除去しておくと安心です。

葉が混み合ってくると、日光が全体に届かなくなり、花も咲かなくなる恐れがあります。

さらに花を多く咲かせるためには、種ができる前に花穂を除去することも大切です。

種ができると、タマスダレは繁殖に力をいれるので、咲く花は少なくなります。種ができる前に花穂を除去すれば、長期間花が咲きます。

タマスダレを育てる際に気をつけることはある?

タマスダレは、繁殖力が強く比較的育てやすいのが魅力です。ただし、タマスダレの毒や害虫、増えすぎた際の対処法など、事前に理解を深めておくことが大切です。

下記では、タマスダレを育てる際に気をつける点について解説します。あらかじめ、タマスダレの育て方の注意点を把握すれば、栽培中のトラブルも防げるでしょう。

毒性成分が含まれている

ヒガンバナ科のタマスダレには、アルカロイドやリコリンという毒性成分が植物全体に含まれています。

姿形が似ているニラやノビルといった食用の植物と勘違いして食べると、けいれんや嘔吐といった症状が現れるため注意しなくてはなりません。

誤って食べないためにも、姿が似ている植物と一緒に植えるのは避けてください。またタマスダレは、植えっぱなしにしてもこぼれ種でどんどん増えていきます。

道端に野生化したタマスダレを子どもやペットが触って口に入れる可能性もあるため、似た植物を見かけたら触らないようにしましょう。

害虫には強い

毒を持つタマスダレは、害虫に強いのが特徴です。しかし、まれにタマスダレの美しい葉にハマオモトヨトウというイモムシ型の害虫がつくケースがあります。ヒガンバナ科の植物が好きなハマオモトヨトウは、タマスダレの葉を食べて穴をあけてしまいます。

さらに、葉に穴をあけるばかりではなく、下に食べ進んで球根まで到達するケースも少なくありません。球根も食べられるとタマスダレ全体は枯れてしまうため、発見したら早めに駆除してください。

ピンセットでつまんで処分したり、殺虫剤を散布したりすれば駆除できます。

ハマオモトヨトウに食べられた茎は、中が空洞になり簡単に折れます。また、葉の裏には糞や卵が大量にあるため、発見も難しくありません。

はじめは6~7月にかけて発生し、ここでしっかり駆除しておかないと、9~10月にさらに多く発生します。

ハマオモトヨトウからの被害を最小限に抑えるためにも、定期的にタマスダレを観察しましょう。また、害虫の発生を抑えるには、タマスダレの周りを清潔にすることも大切です。雑草や落ち葉は、こまめに掃除して取り除いておきましょう。

害虫の対策について詳しく知る

増えすぎたら?

タマスダレが増えすぎたら、分球するのがおすすめです。株が混み合ってくると、生長スピードも遅くなり、花も咲きにくくなるためです。

地植えの場合は、分球が4~5年に1回、鉢植えなら2~3年に1回で十分です。分球した球根は、乾燥させて早めに違う場所に植えてください。

また、タマスダレが増えすぎないようにするには、こぼれ種を防ぐのも有効な方法です。花が咲き終わったら、種ができる前に花柄をカットしましょう。

花茎にネットを被せれば、種がこぼれても新しい芽が生えてくる心配もありません。

タマスダレを育てる難易度

タマスダレは、ある程度の耐寒性が備わっている丈夫な植物です。植物を育てるのに慣れていない人でも、日当たりがよい場所に置けば、簡単に育てられます。長時間でなければ、半日陰でも問題ありません。

お手入れも容易で、こぼれ種による繁殖力も強いため、こまめに管理しなくても増えていきます。さらに、全草に毒性成分が含まれており、病害虫の被害もほかの植物にくらべて少ないでしょう。

病害虫はタマスダレが枯れる原因のひとつになるため、その被害がほとんどないのは大きな魅力です。

ただし、タマスダレは過湿が苦手です。水やりをしすぎると、根腐れする可能性があるため、土が乾いたのを確認してからたっぷり水を与えましょう。土の状況を見ながら、適切に水を与えれば、タマスダレの寿命も長くなります。

まとめ

タマスダレは、日本の気候とも相性がよい丈夫な植物です。一度植えれば、こぼれ種でどんどん増えていくため、初心者にもおすすめです。日当たりのよい場所に置いて育てれば、地植えでも鉢植えでもうまく生長していくでしょう。

ただし、タマスダレは寒さには弱いため、真冬になる前にマルチングや室内へ移動するなどして、防寒対策が必要です。病害虫にも強い植物ですが、まれにハマオモトヨトウというイモムシが葉を食べるケースがあります。

周りに雑草や落ち葉などが溜まって湿気が溜まると、害虫がつきやすくなるので注意しましょう。適切な環境で育てていけば、白くて可憐な花が咲き、見る人の心を癒してくれます。ぜひこの機会に、タマスダレを育ててみてください。

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