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アスプレニウムの育て方を解説!屋内外での育て方と品種もご紹介

アスプレニウムの育て方を解説!屋内外での育て方と品種もご紹介

見た目が個性的で丈夫な観葉植物を育てたい、と思っている方におすすめしたいのがアスプレニウムです。

アスプレニウムは艶やかな光沢のある葉を四方に広げる姿が特徴的な植物です。葉の形が非常にユニークで、観葉植物だけでなく生け花やフラワーアレンジメントなど、さまざまな楽しみ方ができます。また品種によって葉の形が異なるため、コレクションにも最適です。

本記事では、アスプレニウムの育て方をポイント別に紹介します。育てるうえで気をつけたい点や代表的な品種、育てる難易度についても解説していますので、これからアスプレニウムの栽培にチャレンジしたい、という方はぜひ最後まで読んで参考にしてください。

アスプレニウムとは?

アスプレニウムはチャセンシダ科チャセンシダ属のシダ植物で、熱帯から亜熱帯地域に生息しています。日本でも暖かい地域に自生していますが、近年その数が減少しており、絶滅危惧種に指定されています。

鮮やかな美しい緑色の葉が特徴で、大きさは5㎝程度の小さな品種から1.5mを超えるものまでさまざまです。葉の形も品種によって異なり、なかにはフリルレタスのような葉をしているものや昆布に似た形のものもあります。

ちなみにアスプレニウムは胞子で増えるため、花を咲かせることはありません。

日本では「オオタニワタリ」「シマオオタニワタリ」という品種が特に知られており、丈夫で長持ちする観葉植物として人気です。

主に鉢植えとして親しまれていますが、特徴的な葉をカットして花束や生け花、フラワーアレンジメントに使用されることも少なくありません。

また、台湾や日本の一部地域では、ヤエヤマオオタニワタリやシマオオタニワタリの新芽を天ぷらや炒め物にして食べることもあります。

アスプレニウムは鉢植え以外にもさまざまな飾り方が楽しめる植物です。たとえばリビングや寝室の壁に飾ると、壁面植物としてお部屋をおしゃれに演出してくれるでしょう。

また、アスプレニウムは水栽培も可能です。透明なガラスなど、容器にもこだわればグリーンインテリアとして活用できます。

アスプレニウムの花言葉は「雄々しい」「勇ましい」です。これは野生のアスプレニウムが断崖などの険しい場所に生えていることが由来になっています。

また、歩行困難な岩場などでアスプレニウムの姿を見かけると、ホッとして嬉しい気持ちになるため「真実の慰み」「あなたは私の喜び」という花言葉もあります。

他の観葉植物についても詳しく知りたい方はこちら

アスプレニウムの育て方

アスプレニウムは、初心者でも比較的育てやすい植物です。ここからは、アスプレニウムの育て方のポイントを詳しく紹介しましょう。

置き場所・日当たり

アスプレニウムは明るい日陰を好む植物です。直射日光に当てると葉焼けを起こすため注意しましょう。耐陰性のある植物ではありますが、ある程度の日差しがないと葉の艶が失われたり、葉が長く伸びて不格好になったりします。

アスプレニウムが持つ美しさを楽しむには、ある程度の日差しも必要です。

● 屋外

屋外で育てる場合は、1日を通して明るい日陰においてください。温度が下がりすぎると弱ってしまうため、暖かい環境においてあげましょう。

6月から9月の夏の間は、日差しを50%程度遮光できる「遮光ネット」を使うと安心です。

● 室内

風通しと日当りのよい場所で育てます。夏の強い日差しは避けなければいけませんが、日差しの弱い季節はガラス越しの光に当たっても問題ありません。

エアコンの風が直接あたると枯れてしまうため、注意してください。

水やり

アスプレニウムは湿った環境を好む植物ですが、水を与えすぎると根腐れを起こす可能性があります。春から秋にかけての成長期は、土の表面が乾いたタイミングで水やりをしてください。鉢底から水が流れるくらい、たっぷり与えましょう。

夏場は非常に乾燥しやすい季節です。水やりは毎日行ってください。反対に冬場は生長が緩やかになるため、水やりの頻度を減らします。

表土の乾燥具合を確認し、乾燥してから2~3日後のタイミングで水を与えてください。アスプレニウムは乾燥気味のほうがよく育ちます。

水やりは葉に水がかからないようにするのが一般的ですが、アスプレニウムに限っては葉に水がかかっても問題ありません。アスプレニウムはシダ植物に分類されるため、葉に水がかかったほうがしっかり育つでしょう。

特に株の中心部にある「成長点」を常に湿った状態にして水分を保っておくと、きれいな新芽が生えてきます。

葉水は1年を通して行いましょう。アスプレニウムの近くに霧吹きを置き、気がついたら葉水するくらい頻繁に行っても問題ありません。

温度と湿度管理

アスプレニウムは寒さに弱い植物です。耐寒温度は品種によって異なりますが、一般的には5℃程度です。

室内で育てる場合は、室温が10℃を下回らないよう注意しましょう。適切な温度は15〜25℃です。

用土

アスプレニウムは湿度の高い環境を好みます。鉢の底に排水用の砂利を敷いて、その上に保水性のある土を敷きましょう。

室内で栽培する際は、加湿器などを利用して部屋が乾燥しないように注意してください。こまめな葉水も効果的です。特に冬は乾燥しやすいので注意してください。

肥料

アスプレニウムは本来、それほど肥料を必要とする植物ではありません。ただし、春~秋の生長期には新芽を出して大きく生長するため、肥料を与えます。

2ヵ月に1度、固形の緩効性肥料『プロミック 観葉植物用』を与えてください。もしくは10日に1度、液体肥料『ハイポネックス原液』を2000倍に薄めたものを与えます。有機肥料ではなく化成肥料を与えると、コバエを予防できるでしょう。

生長が緩慢になる冬場に肥料を与えると肥料焼けを起こす恐れがあるため、気をつけましょう。

植えつけ・植えかえ

アスプレニウムの植えかえのタイミングの判断基準は以下の3つです。

  • 鉢から根がはみ出している
  • 鉢の大きさに対して大きく生長している
  • 購入してから2年以上経過している

上記のどれかに当てはまるようでしたら、植えかえを行いましょう。植えかえは生長期が始まる直前の4月もしくは生長期がスタートする5月がおすすめです。以下に植えかえの手順を紹介します。

  1. 鉢からアスプレニウムを取り出して、古い土をきれいに取り除く
  2. 絡まっている根があれば、優しくほぐす
  3. 適量の土を入れた新しい鉢にアスプレニウムを入れ、土を追加する
  4. 水を与えて植えつけ完了

植えかえ後のアスプレニウムは新しい環境に慣れていないため、弱りやすい状態になっています。直射日光が当たらない風通しと日当たりがよい場所に置き、葉や茎の状態をしっかり確認しましょう。

水やりの頻度はこれまでどおりで問題ありません。水を与えすぎると根腐れの原因になるため注意してください。

増やし方

アスプレニウムは花が咲かないため、「株分け」もしくは「胞子の繁殖培養」で増やします。しかし胞子の繁殖培養を一般家庭で行うのは難しいため、株分けでふやすとよいでしょう。株分けの方法は以下のとおりです。

  1. 鉢から取り出したアスプレニウムの根や土を優しく払い落とす
  2. 絡まった根を優しくほぐす
  3. 根がしっかり付いている株を同じ大きさになるように分ける。成長点が小さいものは2つ、大きなものは4つ程度で、あまり細かく分けないようにする
  4. 分けた株を鉢に植えつけ、軽く水やりをすれば完了

新しい鉢に植えたアスプレニウムはポリ袋に入れて湿度を確保し、しっかり根付くまで管理しましょう。根が張って新芽が出るまでの期間は、およそ1ヵ月です。

夏越し・冬越し

強い日差しや猛暑で葉焼けする可能性があるため、夏場は風通しのよい涼しい半日陰に置きましょう。

どうしてもベランダなどの戸外に置かなくてはならない場合は、前述したとおり50%遮光の遮光ネットや遮光カーテンをかけるなどして直射日光が当たるのを防いでください。

もし直射日光が当たって葉先が枯れた場合は、清潔なハサミで枯れた部分を切り取ります。このとき斜めにカットすれば、不自然に見えません。

アスプレニウムは寒さに弱い植物です。屋外で育てている場合は肌寒さを感じる季節になったら室内へと移動させましょう。室温は10℃以上を保ってください。

日当たりが悪い場所で頻繁に水やりをすると根腐れの原因となるため、室内に入れたら水やりは控えましょう。その代わり、葉水をしっかり与えてください。

アスプレニウムを育てる際に気をつけることはある?

アスプレニウムを育てる際は、病気や害虫に気をつけなければいけません。ここからは特に気つけたい病気と害虫について、対処法と共に紹介します。

病気

アスプレニウムは「炭疽病(たんそびょう)」にかかることがあるため注意が必要です。炭疽病はカビが原因で発症する伝染病で、感染すると葉に灰色や茶色の斑点が現れ、進行すると葉に穴があきます。

炭疽病は夏場などの高温多湿の時期に発病しやすいのが特徴です。胞子が風に乗ったり雨にあたって散らばったりして感染します。感染力が非常に強いため、発病した葉はすぐに取り除き、炭疽病に効く殺菌剤を散布しましょう。

炭疽病を予防するコツは、風通しのよい場所で育てることです。また葉を選定する際は、必ず事前にハサミをアルコール除菌シートなどで殺菌しておきましょう。

葉が黒ずんで枯れてしまう「葉枯れ病」にも気をつけてください。葉枯れ病もカビが原因で発症します。感染したら葉が黒ずんで枯れてしまいます。発病したらただちに殺菌剤を散布してください。

葉枯れ病は風通しの悪い場所や乾燥している場所で栽培しているとかかりやすい病気です。湿度を維持し、風通しのよい場所で栽培しましょう。

適切な環境で育て、こまめな観察を行えば病気を未然に防いだり、早期発見につながったりします。

病気について詳しく知る

害虫

アスプレニウムは害虫に比較的弱い植物です。特に注意したいのが、以下の害虫です。

● ナメクジ

鉢の裏側や根のかたまり付近に潜み、新芽を食べてしまいます。ナメクジの食害にあってしまうと葉が変形するため、見つけたらすぐに駆除してください。

ナメクジには寄生虫が付いていることがあるため、取り除く際は割りばしなどを使い、素手で触らないようにします。ナメクジ専用の殺虫剤を散布してもよいでしょう。

『ナメトール』は、ナメクジが食害するすべての植物にご使用いただけます。また、有効成分は天然の土壌中にも存在する成分なので環境にやさしく、ペットなどに安心です。

● ハダニ

葉の裏面に付着し、吸汁します。ハダニの被害にあったアスプレニウムは、葉がシワシワになったり黄色に変色したりします。

ハダニは水に弱いため、水をかけて取り除きましょう。定期的な葉水をすれば予防になります。害虫駆除剤を使用してもよいでしょう。

● カイガラムシ

その名のとおり成虫になると体を硬い介殻(かいがら)でおおった姿になる害虫で、植物に付着して吸汁します。カイガラムシの被害にあったアスプレニウムは葉が変色したり弱ったりします。

カイガラムシは殺虫剤が効かないこともあるため、見つけたら歯ブラシなどでこすり落としましょう。風通しの悪い場所を好むため、風通しのよい場所で栽培してください。

● アブラムシ

葉の表面および芽の先端に付着して吸汁する害虫です。アブラムシは群棲するため、被害にあうと葉が変形し生育に悪影響をおよぼします。

また、ウイルス病を媒介するやっかいな害虫です。アブラムシには害虫駆除剤のほか定期的に湿らせた布で葉をきれいにぬぐう「葉拭き」が効果的です。

害虫が付着したからといってすぐにアスプレニウムが枯れてしまうわけではありません。慌てずに適切に対処しましょう。

栽培環境を清潔に保って害虫を予防すれば、アスプレニウムを長く健康的に育てられます。

害虫について詳しく知る

アスプレニウムの品種紹介

アスプレニウムの品種はおよそ700種類あります。ここからは数あるなかで代表的なものを紹介します。

● アスプレニウム・レズリー

明るいグリーンでフリルレスのように葉の先端が分かれ縮れているのが特徴です。アスプレニウムのなかでも比較的丈夫で育てやすいため、人気の高い品種です。

● アスプレニウム・コブラ

肉厚で光沢のある葉が大きく波打っている姿が特徴的な品種で、葉の長さは40〜60センチ程度になります。日本に自生している「タニワタリ」の園芸用品種です。

● アスプレニウム・クリーシー

葉の先端に多数の切込みが入った個性的な姿で人気があります。ほかの品種より耐寒性が高く、5℃程度の気温まで耐えられます。ライトグリーンの明るい葉が印象的です。

● アスプレニウム・エメラルドウェーブ

「ウェーブ」という名のとおり、葉が美しく波うっています。ほかの品種よりも濃いグリーンをしているのが特徴です。苔玉として吊るしても楽しめます。

● アスプレニウム・アビス

深い緑色の葉が特徴的な、シマワタリの園芸品種です。成長すると葉は放射状に広がります。比較的育てやすい品種です。

● アスプレニウム・アンティーカム・オオサカ

やや細身の葉が規則正しく波打つ姿が美しい品種です。シダ植物らしからぬ姿が個性的で人気があります。

● アスプレニウム・アンティクム

通称「オオタニワタリ」と呼ばれる、日本にも自生している品種です。肉厚な葉が特徴で、中央から新芽が展開します。

● アスプレニウム・ニダス

通称「シマオオタニワタリ」と呼ばれる品種です。

塊状になっている根茎から四方に葉を伸ばす姿がまるで鳥の巣のように見えるため、英語で「バードネストファーン」とも呼ばれています。

アスプレニウムは品種によってさまざまな形をしています。好みに合った品種を探して育てるのも楽しいでしょう。

アスプレニウムを育てる難易度

アスプレニウムを育てる難度はそれほど高くなく、普通レベルです。観葉植物を育てた経験のある人なら問題なく育てられるでしょう。

初心者でも育てやすいですが、季節によって水やりの頻度や置き場所を変えるなどの配慮が必要になるため、少し面倒に感じる人もいるかもしれません。

害虫や病気に弱い植物ではありますが、風通しと乾燥に気をつけ、適切な対処をすればそれほど怖がる必要はないでしょう。剪定は基本的に必要ないため、忙しくてこまめなお世話ができない、という人にもおすすめです。

また、アスプレニウムは鉢植えだけでなく苔玉や水栽培、板付けも可能です。最初は鉢植え栽培を楽しみ、慣れてきたらお部屋の雰囲気に合わせてさまざまな栽培方法にチャレンジしてみるのも楽しいでしょう。

まとめ

日陰や乾燥に強いアスプレニウムは、室内で育てるのに適した観葉植物です。鉢植え以外にもさまざまな育て方ができるため、グリーンインテリアとしても楽しめます。

育て方のポイントを押さえれば、初心者でも上手に栽培できるでしょう。大きく育ったら、株分けにチャレンジするのもおすすめです。

品種もたくさんあるので、ぜひ自分好みのアスプレニウムを見つけて、お部屋を美しく彩ってください。

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