東京花散歩 ローズガーデン2021
今年はオープンガーデンも中止のところも多く、なかなかローズガーデンを見に行く機会もありません。そんな中、感染防止に備えながらオープンした東京近郊のローズガーデンをご紹介します。2022年、今から来年が楽しみなローズガーデンです。
オープンガーデン遠藤邸
埼玉県春日部市藤塚にある遠藤さんのガーデンです。今年も地元の新聞などで紹介されて、近隣の人がたくさん訪れていました(公開終了)。ガーデンには、約200種250本のバラがあるそうです。奥様の遠藤美香さんにお話を聞きました。
「元々はマツやマキなどの大きな木や、約20本ものツツジがあった日本庭園でした。8年前にバラの庭につくり変えることにして、園路の施工など一部を除いて、植栽もアーチなどの構造物も主人と二人でつくってきました。公開を始めてから数年ですが、たくさんの人に見ていただけるようになって、今はこの季節が本当に楽しいですね」と言います。
よく見ると、園路のあちらこちらに小物がたくさん設えてあります。アーチやポールなど立体的な植栽も数多くあります。そして「オープン期間は、近所のお年寄りとかが朝早くゆっくりと散歩がてら楽しめるようにと、朝6時から開放しています」。なんかとてもやさしいもてなしで、遠藤さんのお人柄が感じられました。ただ秋は開放せずに、株を消耗させないためにも積極的に花を咲かせずに手入れをして、冬の剪定や誘引とともに春のオープンガーデンに備えているといいます。来年のシーズンも楽しみです。
四季の香りローズガーデン
東京都練馬区光が丘にある「四季の香りガーデン」です。今年、以前からのバラ園とハーブ園を「色彩のローズガーデン」として整備しなおしました。ただ、コロナ禍の影響で5月12日にようやく「香りのローズガーデン」とともに開園しました。
高層住宅に囲まれた中にあるバラ園として、住民の憩いの場になっているようです。2016年に開園した「香りのローズガーデン」はすっかりバラも生育して、ダマスク、ティー、フルーティー、ブルー、スパイシー、ミルラの6種の香りごとに分けられたエリアには、たくさんの種類のバラが咲いていました。
新しいエリアは、花色別に構成されていますが、まだまだ植栽されたばかりで、2、3年後が楽しみな状態です。くらしの中の身近な空間にローズガーデンがある光が丘、今後、東京のバラの名所の一つになっていくことと思います。
Moster‘s Garden(モンスターズ・ガーデン)
最後は、埼玉県幸手市下川崎にある、 “Monster’s Garden”です。ドライストーン・ウオーリング(英国式石積み)の資格を持つガーデナー川崎宏美さんのガーデンは、新たに石積みでの演出が施されて、昨年より一段と見栄えがよくなっていました。ちょうど花も盛りのとき、川崎さん自慢の花たちが、たくさんたくさん咲いていました。特におススメは、川崎さんいち押し、岐阜のローズ中島さんの品種が見られることです。
川崎さん、おススメのローズ中島の品種は、‘ラルーチェ’‘エターナル’‘フェリーチェ’などです。
毎年進化する“Monster’s Garden”に注目です。
いかがでしたか、今年見ることのできたローズガーデンで、あまり知られていないところを3か所ご紹介しました。来年はどこのローズガーデンも見られるような状況になっているとよいと思います。これからも、秋のバラ、来年のバラに出会うために感染に気を付けてお過ごしください。
(取材・文、写真/出澤清明)
出澤清明
園芸雑誌の元編集長。植物自由人、園芸普及家。長年関わってきた園芸や花の業界、植物の世界を、より多くの人に知って楽しんでもらいたいと思い、さまざまなイベントや花のあるところを訪れて、WEBサイトやSNSで発信している。
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