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更新日:2020.07.14

気になる満開のバラ空間「Monster’s Garden」 冬から夏への変化、そして来春を楽しみに

気になる満開のバラ空間「Monster’s Garden」 冬から夏への変化、そして来春を楽しみに

関東の平地ではバラの季節もとうに過ぎましたが、今年は、花盛りのバラをなかなか見にいけませんでした。そんな中、気になっていたバラの園、埼玉県幸手市にある、プライベートなバラ空間「Monster’s Garden(モンスターズ ガーデン)」の花盛りをご紹介したいと思います。(タイトル写真・手前はローズドゥグランヴィル、奥はクリスティアーナ)

エメラルドアイル(左)、アミロマンティカ(右)

エメラルドアイル(左)、アミロマンティカ(右)

オーナーはプロのガーデナー川崎宏美さん。花好きの主婦だった川崎さんが、人に見てもらえるローズガーデンをつくりたいと一念発起して庭づくりをはじめたのが約3年前、その途中、バラ栽培はもちろん、造園の仕事を学んだり、最近注目の英国式石積(ドライストーンウォーリング)の資格を取ったり、さまざまなことに挑戦をしながら庭づくりをしてきました。今年の冬は、滋賀県のローザンベリー多和田のバラの庭の手入れをするなど、今やフリーのガーデナーとしても活躍しています。

ロココの花がら摘みをする川崎宏美さん

ロココの花がら摘みをする川崎宏美さん

ここ「Monster’s Garden」は、川崎さんの好きなバラを集め、自分の思うように仕立てて咲かせています。空間としては大きくありませんが、バラ園の中に一歩入ると、まさに彩られたバラに囲まれて、至福の時間を楽しめます。

トロピカルシャーベット

トロピカルシャーベット

ジュードジオブスキュア*

ジュードジオブスキュア*

シーザー

シーザー

レイニーブルー*

レイニーブルー*

ヴァンデグローブ

ヴァンデグローブ

サンセットグロウ

サンセットグロウ

最近、川崎さんが特に気に入っているのが、「ローズなかしま」の品種です。エターナルやフェリーチェなど魅力的な花が見られます。また、このガーデンで生まれた花もあります。バラの専門家にも評価をもらっているそうで、品種名を「リトルモンスター」と名づけて、世に出そうと考えているそうです。

エターナル(ローズなかしま)*

エターナル(ローズなかしま)*

ラルーチェ(ローズなかしま)*

ラルーチェ(ローズなかしま)*

フェリーチェ(ローズなかしま)*

フェリーチェ(ローズなかしま)*

クロエ(ローズなかしま)*

クロエ(ローズなかしま)*

リトルモンスター(オリジナル品種)*

リトルモンスター(オリジナル品種)*

ただ、今年はよい花がたくさん咲きましたが、新型コロナウイルスの影響で、外へ案内もできないまま、多くの人の目に触れる機会もなく、残念なシーズンになってしまいました。

トール

トール

群星

群星

ロイヤルサンセット(右手前)、サンセットグロウ(右奥)

ロイヤルサンセット(右手前)、サンセットグロウ(右奥)

冬から春、バラの変化を見る

また、今回は美しいバラ空間の様子だけではなく、冬の作業から発芽、開花、そして花後の姿を、途中、オーナーの川崎さんに状況を記録してもらいながら、追ってみました。ガーデンのバラがどう変化するのかもおもしろいですね。

●つるバラ・ロココ

▲誘引・剪定前のロココ

▲誘引・剪定前のロココ

▲2月半ば、剪定は、去年伸びた枝を2節残すくらいの芽の上、花が見る側に咲くよう外側に向いた芽の上で切り戻します。

▲2月半ば、剪定は、去年伸びた枝を2節残すくらいの芽の上、花が見る側に咲くよう外側に向いた芽の上で切り戻します。

▲誘引は、フェンスに枝をピタリと沿わせるのではなく、間を空けて結びます。それは、蒸らさない、薬剤が行き渡るためです。

▲誘引は、フェンスに枝をピタリと沿わせるのではなく、間を空けて結びます。それは、蒸らさない、薬剤が行き渡るためです。

▲剪定と誘引が終わったら株元に寒肥を施します。株元から30cmくらい離れたところに、いくつか穴を掘って、私の場合は有機肥料を施しています。マグァンプKなどの化成肥料でもいいでしょう。

▲剪定と誘引が終わったら株元に寒肥を施します。株元から30cmくらい離れたところに、いくつか穴を掘って、私の場合は有機肥料を施しています。マグァンプKなどの化成肥料でもいいでしょう。

▲作業後は水をやります。

▲作業後は水をやります。

春先、芽だしの時期にアブラムシも発生します。

殺虫剤が混合された液体肥料『ハイポネックス原液殺虫剤入り』を一緒にやるとさらに株に元気が出ますしアブラムシ退治もできます。

▲3月下旬*

▲3月下旬*

▲4月下旬*

▲4月下旬*

▲5月中旬、花が咲いたロココ

▲5月中旬、花が咲いたロココ

▲6月下旬、花後のロココ

▲6月下旬、花後のロココ

●株立ちのバラ・ボレロ

▲2月中旬、株立ちの‘ボレロ’の状態。剪定と寒肥を行う。

▲2月中旬、株立ちの‘ボレロ’の状態。剪定と寒肥を行う。

▲剪定は、全体的に低くきり戻す感じで高さをそろえ、花が見る側に咲くよう外側に向いた芽の上で切り戻します。

▲剪定は、全体的に低くきり戻す感じで高さをそろえ、花が見る側に咲くよう外側に向いた芽の上で切り戻します。

▲剪定が終わったら、株元の落ち葉等を取り除いて寒肥を施します。株元から20~30cmくらい離れたところに、3ヶ所穴を掘って、私の場合は有機肥料を施しています。マグァンプKなどの化成肥料でもよいでしょう。

▲剪定が終わったら、株元の落ち葉等を取り除いて寒肥を施します。株元から20~30cmくらい離れたところに、3ヶ所穴を掘って、私の場合は有機肥料を施しています。マグァンプKなどの化成肥料でもよいでしょう。

▲作業後は水をやります。ロココと同様に殺菌剤が混合された液体肥料を一緒にやるとさらに株に元気が出ます。

▲作業後は水をやります。ロココと同様に殺菌剤が混合された液体肥料を一緒にやるとさらに株に元気が出ます。

▲3月下旬*

▲3月下旬*

▲4月下旬*

▲4月下旬*

▲5月中旬、開花*

▲5月中旬、開花*

▲開花後、6月に花がら摘み、中間剪定をした株*

▲開花後、6月に花がら摘み、中間剪定をした株*

いかがですか、バラを美しく咲かせるための作業や、その途中の変化です。バラ好きの方ならもちろんご存知のことだと思いますが、花を愛でるだけではなく、一年中バラとつきあっていくことが、大変でもあり、そして楽しい時間なのだと感じました。

パウルクレー*

パウルクレー*

マイスタージンガー*

マイスタージンガー*

手づくりの庭なので広い空間ではありませんが、多くのバラ園とはまた違った味わいのある空間です。秋の開花シーズンもオープン予定と聞いています。そしてやはり春の満開の時期に、ぜひ見に行ってはいかがでしょう。ただし、お一人でやっているので不在の場合もあり、訪問の際は必ず予約の上お越しくださいとのことです。

フロレンティーナ

フロレンティーナ

薔薇空間「Monster’s Garden(モンスターズ ガーデン)」 〒340-0162 埼玉県幸手市下川崎字西田116-1

barakuukan@gmail.com

ご来園にはご予約をお願いいたします。

 

取材・構成・文・撮影 出澤清明
園芸雑誌の元編集長。植物自由人、園芸普及家。長年関わってきた園芸や花の業界、植物の世界を、より多くの人に知って楽しんでもらいたいと思い、さまざまなイベントや花のあるところを訪れて、WEBサイトやSNSで発信している。

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