芝生の目土の入れ方とおすすめの目土の種類をご紹介!適切な時期もチェックしよう!
子どもたちの遊び場として、家族憩いの場として活躍してくれる「芝生」。ただし、美しい芝生を保つには、ちょっとした手間が必要です。ここでは芝刈りや肥料やりと同様に、芝生のお手入れの中でも重要な役割を持つ「目土」についてご紹介します。「目土」と聞いても、ちょっと馴染みがないかもしれませんが、目土は芝生を青々と保つために欠かせないキーワードです。
目土とは?
「目土」は、「めつち」と呼び、芝生を管理する上で必要となる、水はけに優れたキメの細かい土のことです。以前は火山灰の地層から採取した「黒ぼく土」が一般的でしたが、近年は水はけの良い「川砂」が主流になっています。
目土の役割
砂や土などの「目土」で、芝生や目地を覆うのが「目土入れ」。種まきや芝張り、芝生のメンテナンスなど、目土はあらゆるシーンで活躍する優れものです。ここでは、芝生になくてはならない目土の役割についてご説明します。
■芝の生育には必要不可欠
目土の最大の役割が「芝の生育を促進すること」。種や苗にとって、目土は必須アイテム。芝生を新たに作ろうと考えている人は必見です!
・発芽を促す
芝生の種をまいた後、種を目土で覆うことで、種の乾燥をおさえ、適度な温度と水分を供給して発芽を促します。また、目土は種の飛散を防ぐ効果もあります。
・根の活着と成長促進
芝生の上に目土をかけて覆うことで、根の乾燥を防ぎ、根や茎を保護して、しっかりと根付かせます。また、芝生の苗の隙間にしっかりと詰め込むことで、苗と土の高さがそろい、芝生の根が伸ばしやすくなります。
■芝生のメンテナンスにも大活躍
このように芝生の生育に必要な目土は、同時に芝生のメンテナンスでも必要不可欠な存在です。芝生の管理にはさまざまなトラブルがつきもの。そんな時、目土が大活躍してくれます。
・デコボコを整える
最初は平らに植えても、台風や長雨で土が流れてしまうなどして、芝生がデコボコになってしまうことがあります。そんな時、目土が“補修剤”として活躍。ヘコんだ部分の芝生に目土を足して、地面を平らに整えます。また、剥げたり、薄くなったりした場合にも、該当箇所に目土を入れることで、芝生の成長を促し、隙間を埋めることができます。
・芝生のサッチの分解を促進する
「サッチ」とは、刈った草や冬枯れした葉、古い根などが堆積した層のこと。芝生の葉はほかの植物と比べて分解されにくいのが特徴で、このサッチが堆積すると、通気性や水はけを悪化させるなどトラブルを引き起こします。このサッチをレーキなどの道具で取り除いた後、目土で覆います。これにより目土が(取り残した?)サッチの分解を促進し、微生物の働きを高めてくれます。その際は、サッチ分解効果のある肥料などが含まれている目土がおすすめです。
・芝生のエアレーションや除草後の根の乾燥を防ぐ
「エアレーション」とは、穴あけ再生作業のこと。芝生は踏み固められたりして排水性や通気性が悪くなってしまいます。そこで、エアレーションで根切りをして、空いた穴に目土を入れることで、排水性や通気性が改善され、芝生の成長も促進されます。また、除草によって穴が空いた箇所にも目土を入れることで乾燥を防ぐことができます。
目土をする時期はいつ頃がよい?
さて、このように目土は芝生の生育にとても重要な役割を果たしますが、一年を通して目土入れが行えるわけではありません。目土をするには、それに適した時期があります。
基本的に芝生の育成期に行います
目土をするタイミングは、3月下旬の桜が咲き始める頃から6月まで。それから秋が適しています。夏の暑い時期に目土入れをすると、地温が上がりすぎて芝が弱ってしまいます。反対に冬は日照時間が短いため、目土を入れて葉が埋もれてしまうと光合成ができなくて枯れてしまうこともあります。
暖地型と寒地型で若干変わる
芝には高麗芝や野芝といった冬になると茶色くなる「暖地型」と冬でも青々としているバミューダグラスなどの「寒地型」に分けられます。暖地型は夏、寒地型は冬がそれぞれ成長する時期。基本的には、その時期の少し前を目安に目土を入れることで、成長を促すことができますので、暖地型は3〜6月ごろ、寒地型は9〜10月ごろが良いでしょう。
手入れの目土はシーズン通して可
基本的に、芝生の補修や成長を促す目的での目土入れは春や秋が適していますが、除草によって穴が空いてしまったり、サッチングやエアレーションといったお手入れの後に目土をする場合は、とくに時期は選びません。
目土の種類
ホームセンターや園芸店で売っている目土にはいくつか種類があります。それぞれ、特徴が異なりますので内容をチェックして選びましょう。
「砂状」の目土の特徴
「砂状」の目土には、川底などから採取した「川砂」、山で採取した「山砂」などがあります。きめ細かくサラサラしているので芝に馴染みやすく、排水性に優れています。ただし、砂だけでは保水性・保肥性が弱いため、土壌改良剤などを混ぜて販売されています。「目砂」とも呼ばれ、昨今では目土の主流になっています。
「黒目土」の目土の特徴
「黒ぼく土」は、火山灰の地層から採取した上層土のことで、畑などでもよく使われます。枯れた植物などの栄養分が含まれており、芝生の生育には適しています。半面、雑草の種子が混じっていたり、長期的に使用すると水はけが悪くなったりするなどのデメリットもあります。
目土をするときの注意点
目土は、芝生全体の水はけをよくしてくれたり、芝生の生長をサポートしてくれたりします。ただ、注意してほしい点があります。
1つは「量」。あまり多く与えて芝の葉が隠れてしまうと、枯れてしまう場合もあります。目土は芝の葉が見える3〜5mmが適量です。
もう1つは「高さ」です。目土は芝生に土を増やしていくため、どうしても地面が高くなってしまいます。「気付かないうちに芝生全体が盛り上がってしまった」なんてことにならないよう、目土のやりすぎには注意しましょう。
肥料も忘れずに
目土には肥料が含まれているものもありますが、目土だけでは栄養が足りません。目土での作業と同時に、芝生の生育に適した専用肥料を必ず与えましょう。
芝生の肥料でおすすめなのが、『ハイポネックス 芝生の肥料』です。有機肥料も配合されているため、土地の改良効果にも優れています。また、もう少し早く効果を出したいなら、液体肥料がおすすめ。色鮮やかで丈夫な芝生に育てるハイポネックス「専用液肥−芝生−」、幅広い用途に使える万能肥料「ハイポネックス原液」も素早い効果を発揮します。
・芝生の肥料におすすめ:『ハイポネックス 芝生の肥料』
・色鮮やかで丈夫な芝生に育てる液肥:「専用液肥−芝生−」
・幅広い用途に使える万能肥料:「ハイポネックス原液」
目土をするときに便利な道具
目土をするための専用の道具はいろいろあります。まずは、「ふるい」。均一に目土をまくことができます。同様に、「散布機」も自動で種や肥料を綺麗にまいてくれるので手間いらず。また、「レーキ」は土を平らにするほか、芝生の種をまく時、地面に筋をつけるのに便利です。同じような形の「熊手」もサッチを取り除いたり、雑草を抜いたりする場合に使います。このほか、土地を整地したり、目土をならしたりする「トンボ」、穴を空ける「ローンスパイク」など、さまざまな種類の道具が市販されています。
こんな時はどうする? Q&A
芝生の生長、メンテナンスに大活躍してくれる目土。でも、実際使おうとすると専門的な内容だけに、いろいろな疑問がわいてくることでしょう。そこで、よくあるQ&Aをまとめてみました。
目土と床土の違いとは?
「床土」とは、苗を育てる土壌。つまり芝を育てるための元となる土のことです。反対に目土は、芝を張った後にまいたり、苗や種を覆ったりする土のこと。ちなみに床土は通気性、排水性に優れたものを選ぶことが重要です。
目土の量の目安は?
目土は多ければ多いほど良いというものではありません。目土が多すぎて葉が見えなくなると光合成ができなくなり、最悪の場合は枯れてしまいます。目土は厚さ3〜5mmが理想的だといわれています。ただし、へこみが大きい場合は、大量の目土を入れないと平らにはなりません。この場合、一度に入れるのではなく、何度かに分けて長期的に平らにしていく必要があります。
目土なしでも芝生の管理はできる?
これまでご紹介したように、目土は種や苗の保温・保水効果があるだけでなく、サッチの分解促進、芝生の補修や保護や成長に大切な役割を果たします。このため、目土なしでは美しい芝生を保てません。
また、目土として、身近な土を代用するケースもあるようですが、雑草の種が混入していたり、粒が大きかったり、あるいは土の性質によって段々水はけが悪くなったりする場合もあります。美しい芝生にしたいのであれば、芝生用の目土をおすすめします。
まとめ
種や苗の生育、そして管理など、芝生のあらゆる場面で活躍する「目土」。その活用方を覚えるまでは、ちょっと大変かもしれません。でも、いわば目土は芝生の“救世主”。憧れの芝生ライフを満喫するために、それぞれのシーンでの「目土」の使い方、ぜひマスターしてくださいね。