彼岸の季節の花壇を彩る、リコリスの育て方
秋の彼岸の時期になると、鮮やかな花を咲かせるリコリス。日本では彼岸花の名前でも知られています。
今回はそんなリコリスの育て方のポイントや育て方の注意点をご紹介します。
リコリスの特長
リコリスは、日本や韓国・中国・東南アジアなどを原産とするヒガンバナ属の球根植物です。開花時期は7月下旬から10月上旬前後。花色は赤や白・黄色・オレンジ・ピンク・紫など。
日本ではヒガンバナの名でも知られ、かつてはあまり縁起な良くないということから敬遠されていましたが、近年では、その鮮やかな色彩からガーデニング植物として人気が高くなっています。
リコリスの最大の特徴は、その生育サイクルにあるといえるでしょう。春から夏にかけて生長した葉は、夏になるといったん全て枯れ、休眠期に入ります。その後、秋になると地面から花芽が上がり、開花時期を迎えます。
葉がない花だけの立ち姿はリコリスならではの魅力です。
リコリスの育て方のポイント・育て方の注意点
植えつけ時期
リコリスの植えつけは、7月上旬から8月下旬に行いましょう。
植えつけについて
基本的には丈夫な性質をしているリコリスですが、高温と多湿には強くありません。そのため、夏場は涼しい場所に移動させたり暑さ対策をしてあげたりする必要があります。その点を考慮すると、庭植えよりも鉢植えの方が管理しやすいといえるでしょう。
球根を植えつける際は、株同士の間隔を15cm程度に。リコリスは球根同士の間隔が近い方が見栄えがよくなり、また、花がつきやすい性質があります。
栽培場所について
リコリスは日光を好む植物で、日照不足だと花が咲かなくなったり開花しても花が小ぶりになったりします。しっかりと日が当たる場所で栽培するようにしましょう。ただし、夏場になるとリコリスは休眠期に入り地上部の葉が枯れますので、日の当らない日陰に移動させてください。その後、花芽が出てきたら、再度日当たりのよい場所に移します。
花が咲き終わってからも引き続き日当たりのいい場所で管理しましょう。リコリスの葉は冬場も生きていて、光合成をすることで球根に栄養を送っています。ですから、冬場も日光に当てる必要があるのです。なお、リコリスは寒さに強く、マイナス5度くらいまでは耐えることができます。ただし、土が凍ると枯れることがありますので、マイナス5度を下回る寒冷地の場合は、暖かい場所に移動させたほうがいいでしょう。
このほか、リコリスは加湿に弱いため、梅雨の時期や台風の時期などは多湿状態にならないように注意が必要です。雨が当らない場所に移動させ、できるだけ過湿にならないように管理しましょう。
水やりについて
リコリスは多湿を嫌い、多湿状態になると球根が腐ってしまう恐れがあります。水やりは土の表面が完全に乾いてからにしてください。また、受け皿に水が溜まっていると加湿の原因になりますので、水やり後は受け皿の水を捨てるようにしましょう。また、休眠期に入って葉がなくなる夏場は、水やりはストップしてください。
肥料について
花が終わった後、球根を太らせて翌年の花を咲やすくさせるために、水で薄めた液体肥料「ハイポネックス原液」を10日に1回を目安に与えましょう。ただし、土が乾かず加湿すぎると球根が腐ってしまうことがありますので、やりすぎには気をつけてください。