【家庭菜園・ネギの育て方】 食卓に欠かせないネギの栽培方法や失敗しないコツをご紹介
特有の風味や辛みが特徴の「ネギ」は、鍋物や薬味、汁物など毎日の食卓に欠かせない野菜ですね。昔から風邪をひいたときに首にネギを巻くと良い!という言い伝えのあるネギは、栄養価が豊富で、身体を温める効果や疲労回復の効果があるとされています。
毎日の食卓に欠かせないネギは、家庭菜園でも育てやすい野菜としても知られていて、春と秋と1年に2回栽培のシーズンがあります。基本的な育て方をおさえれば、家庭菜園初心者でも立派なネギを育てることができますよ。
ここでは、ネギ栽培の特徴やネギの種類、ネギ栽培を始めるにあたり知っておきたい育て方の基本、ネギ栽培の一番のポイントでもある土寄せの方法などについて詳しくまとめています。
ネギ栽培の特徴
日本はもちろん、世界中で栽培されているネギは、たくさんの在来品種が存在する野菜です。カルシウムやミネラル、カロテン、ビタミンA、ビタミンCなど栄養素が多く含まれ、疲労回復効果の他、整調などに効果があるとされています。
ここではまず、ネギ栽培の特徴やポイントについて紹介します。
ネギの生育適温
ネギの生育適温は、20℃前後です。春まきと秋まき、1年に2回栽培シーズンがやってくるネギは、比較的暑さにも寒さにも強いことが特徴です。ただし、湿度を苦手とするので、ネギを栽培するときは「水はけのよい土地を用意する」、あるいは、植えつけ前に堆肥を施して出来るだけ「通気性のよい畑」にして育てます。
品種によっては、一定期間低温にあたると苗の時点で花芽ができ、春に植えつけをする頃にはトウ立ちして開花することがあります。春に種をまく春まきの場合は、寒さにあたる頃に収穫をするので心配はありませんが、秋に種をまく秋まきの場合はトウ立ちが起こりやすいです。トウ立ちをしてネギ坊主が伸びてきたときは、すぐに摘み取っておきましょう。
ネギの栽培場所
ネギは日当たりの良い場所や風通しのよい場所を好みます。暑さや寒さにも比較的強いので、日当たりの良い場所に置いて種をしっかり発芽させることがポイントです。出来れば年間を通して日当たりのよい場所で育てるのが理想ですが、少々日当たりが悪くても育てることができます。
ネギは通気のよい場所を好みます。通気性が悪くなると病害虫が発生しやすくなるので注意が必要です。
ネギ栽培のポイントは土寄せ!
ネギの白い部分を長く育てるために必要な作業が、「土寄せ」です。植えつけ後から収穫までに期間に、ネギの生長に合わせて4回に分けて土寄せをします。土の量をあまり多くし過ぎると酸素が足りずに生育が悪くなってしまうので、土寄せを行うときは量が多くなり過ぎないように注意しましょう。土寄せは白根の部分を長く伸ばす目的だけでなく、根元を固めるという意味でも効果的です。
同じ場所での栽培は1〜2年間隔をあける
ネギは連鎖障害が発生しにくい野菜とされていますが、できれば同じ場所での栽培は1年~2年くらいあけた方がより生育が良くなるのでおすすめです。
ネギの根にはコンパニオンプランツとしての利用に最適な拮抗菌と呼ばれる生物が共生しています。拮抗菌は土壌病害を押さえる効果がある他、セロリやブロッコリーなど相性の良い野菜と一緒に栽培すると害虫を遠ざけられるといった効果が期待できます。
ネギの種類について
ネギは世界中にたくさんの品種が存在する野菜ですが、大きく分けると「長ネギ」と「葉ネギ」に分類されます。
今回紹介するネギ栽培は、「長ネギ」を指します。
長ネギ
長ネギは、白ネギや根深ネギとも呼ばれるネギです。日本では主に東日本で栽培されています。長ネギは、主に葉鞘(ようしょう)と呼ばれる白い部分を食べます。ネギ特有の辛みや風味があり、古くから風邪の薬や、身体を温める効果のある野菜として重宝されてきました。
長ネギは葉鞘を長く伸ばすために植えつけ後は土寄せや追肥をして育てます。葉ネギに比べると種まきから収穫までの期間は長めです。
長ネギの品種では、下仁田ネギや深谷ネギなどが有名です。苗から育てる場合は品種が限られるので、色々な品種のネギを育ててみたい方には種から育てることをおすすめします。
葉ネギ(青ネギ、万能ネギ)
葉ネギは、青ネギや万能ネギとも呼ばれるネギです。主に西日本で発展してきたネギで、日本最古のネギの品種とされる京都発祥の九条ネギが有名です。白い葉鞘の部分が長く伸びるのが特徴の長ネギに対し、葉ネギは葉鞘よりも緑色の葉身が長く伸びるのが特徴です。
葉鞘ももちろん食べられますが、細かく刻んだ葉身は薬味として重宝され、ミネラルやビタミン、カロテンなどの栄養素が豊富に含まれています。
長ネギよりも種まきから収穫までの期間が短いのが特徴です。葉ネギに似た品種としてワケギやアサツキがありますが、これらは球根から育てるのに対し、葉ネギは種から育てます。
ネギの栽培時期
ネギの栽培時期は品種や地域により異なります。ここで紹介する栽培時期は目安程度にご覧ください
春まきの栽培期間
3月中旬頃~3月末頃までに種まきをします。3ヶ月ほど育苗し、7月初旬頃に植えつけをします。春まきの収穫時期は12月~2月末頃までです。ネギは寒さにあたることで甘みが増す性質があるので、収穫してまだ食べないときは土が付いたまま保存しておきましょう。
秋まきの栽培期間
9月中旬~9月末頃までに種まきをします。半年ほど育苗し、4月初旬頃に植えつけをします。秋まきの収穫時期は9月初旬~11月末頃までです。
ネギは種からでも苗からでも育てられますが、比較的種の発芽率が高いので、色々な品種を育ててみたい方には種からを育てることをおすすめします。
ネギ栽培用の土づくり
ネギの種を畑にまく前に、まずは育苗をするための苗床を用意します。苗床はネギの苗を植えつける畑とは別に用意してください。
苗床の作り方
ネギは土中深くに根を伸ばす野菜です。土の性質が生長に影響するので、種まきより2週間前までにネギが好む土を作ります。
苗床の畑に苦土石灰を施し、土深くまでしっかり耕します。ネギは酸性の土を嫌うので、pH6.0~6.5を目安に酸度を調整します。苦土石灰を混ぜ込み酸度を調整したら、種まきより1週間前までに堆肥と元肥を施し、もう1度土深くまでしっかり耕します。ネギは肥料焼けを起こしやすい野菜なので、元肥は少なめに入れて、土の表面が平らになるようにならしておきます。
栽培する量が多い場合は露地に苗床を作るのがおすすめですが、量が少なめの場合は育苗箱に野菜用の培養土を入れて育てるのが簡単でおすすめです。
ネギの種まき
苗床を用意できたら、早速ネギの種をまいていきましょう。種から育てる場合は、春まきなら3月中旬頃~3月末頃まで、秋まきなら9月中旬~9月末頃までを目安に種まきをします。品種や地域により種まきの適期は異なりますので、種を購入したら袋に記載されている栽培時期をよく確認してください。
ネギの種は1年~2年が寿命と言われています。種から育てる場合は古い種ではなく、新しい種を用意した方が良いでしょう。
【畑】ネギの種まきと育苗の手順
STEP1.まき溝を作る
STEP2.1㎝~2㎝間隔で条まきをする
STEP3.覆土して手で押さえる
STEP4.水やりをする
STEP5.藁や不織布をかける
STEP6.発芽したら藁や不織布を外す
STEP7.草丈が6cm程度で間引く
STEP8.種まき後1ヶ月ごとに追肥を施す
STEP9.草丈が10cm程度で1本立ちにする
STEP10.草丈が30cm程度で土寄せと追肥をする
畑に用意した苗床でネギの種を育苗する場合は、まず条間15㎝くらいのまき溝を作ります。まき溝を作ったら、1cm~2cm程度の感覚で条まきして、5mmほどの厚さになるように軽く覆土します。土をかけたら種が飛ばされないように手でしっかり押さえて、最後にたっぷりの水を与えます。ネギの種が発芽するまでは寒さや乾燥を防ぐために、藁や不織布をかけて、発芽したら藁や不織布を外します。
草丈が6cmくらいになった頃に間引きをします。間引くときは1.5cm~2cmくらいを目安に株間をとります。種まきをしてから1ヶ月ごとに追肥をします。追肥の量は1㎡当たり50gくらいです。
苗の草丈が10cmくらいになった頃に2回目の間引きをして、株間が3cmくらいになるように1本立ちさせます。2回目の間引きをした後は、草丈が30cm程度になるまで育てて土寄せと追肥をします。春まきの場合は3ヶ月ほど、秋まきの場合は6ヶ月ほど、日当たりの良い場所で育苗します。
【育苗ポット】ネギの種まきと育苗の手順
育てるネギの量が少ない場合は、育苗ポットに種をまいて育苗します。
STEP1.まき穴を作る
STEP2.種を2粒~3粒まく
STEP3.軽く覆土して手で押さえる
STEP4.水やりをする
STEP5.藁や不織布をかける
STEP6.発芽したら藁や不織布を外す
STEP7.草丈が5cm~6cm程度で間引く
用意した土に指先や綿棒などを使って、深さ1cm程度のまき穴を作ります。プランターで育苗する場合は、15cm間隔になるようにまき穴を作ります。まき穴1箇所当たり、2粒~3粒の種をまいて、1cmくらいの厚さになるように軽く覆土して手で押さえます。種をまいたら水をたっぷり与えて、土が乾燥しないように藁や不織布をかけます。
ネギの種は約1週間で発芽しますが、発芽するまでは土はやや湿った状態で育てるのがポイントです。土の表面が乾いているようなら、霧吹きを使って湿るくらいの水やりをします。発芽して草丈が5cm~6cmになったら、丈夫な芽だけを残して間引きを行います。
ネギの植えつけ
苗床や育苗ポットで育てた苗を畑やプランターに植えつけする方法についてまとめています。
【畑】植えつけの手順
苗床で育苗した苗の草丈が40cm~50cm程度まで生長した頃を目安に、苗を植え替えます。時期としては、春まきの場合は7月初旬頃、秋まきの場合は4月初旬頃です。
STEP1.畑を耕して畝を立てる
STEP2.苗を掘り起こす
STEP4.植え溝を作る
STEP5.植え溝に元肥を施す
STEP6.植え溝に苗を1本ずつ立てかける
STEP7.根が隠れる程度に覆土する
STEP8.藁をかける
苗を植え替える前に畑を耕します。植えつけより3週間前に苗床を作った際と同じように苦土石灰を施し、酸度を調整します。畑の土に堆肥を施し、よく耕したら畝を立てます。幅60cm、高さ10cmの畝を立てます。育苗した苗は、伸びた根に傷をつけないように注意しながら掘り起こし、株を1本ずつ分けておきます。
植えつけ前に、植え溝を作ります。3条の場合は20cm間隔、5条の場合は10cm間隔で幅15cm~20cm、深さ25cm~30cmくらいを目安に植え溝を掘ります。植え溝ができたら、植えつけをする前に元肥を施します。
元肥を入れた植え溝に、ネギの苗を植え溝の片側に立てかけるように1本ずつ垂直にして置きます。ネギは密植させると生育が良くなるので、株間は5cmくらいにするのが理想です。
根が隠れる程度に土をかけて、根元を手で軽く押さえます。土をかけたら根元の部分に藁をかけます。藁をかけることで通気性が良くなり、病害虫を防止する効果があります。畑に植え替えをした場合や、植えつけ直後は水やりの必要はありません。
【プランター】植えつけ手順
ネギは土深くまで根を伸ばすので、幅は50cm以上、深さは15cm以上のプランターを用意します。
STEP1.プランターに培養土を入れる
STEP2.植え溝を掘る
STEP3.苗を1本ずつ立てかける
STEP4.土を寄せる
STEP5.新聞紙や藁をかける
プランターに鉢底ネットを入れ、半分程度の深さまで敷石を入れます。野菜用培養土を入れたら肥料をプランター全体に均等に施します。 おすすめは、天然素材と有機原料を使用した『今日から野菜 野菜を育てる土』です。
プランターの中心に植え溝を掘り、5cm間隔で苗を1本ずつ立てかけて置きます。苗の根元が隠れるくらいに土を寄せて、根元に新聞紙や藁をかけます。
ネギの水やり
種をまいた後はたっぷりの水やりをして、発芽をするまでは土が乾燥しない程度に水やりをして育苗します。ただし、発芽した後や、畑に植えつけた後は基本水やりの必要はありません。水はけの悪い土を嫌うネギは、水気が多すぎると生長に影響することがあるためです。
少々乾燥気味でもネギは育つので、地植えの場合は夏場などまとまった雨が長期間降らず、土が乾燥しているときにだけ朝や夕方に水やりをします。冬の水やりは不要です。
プランターに苗を植えつけて育てる場合は、土が乾燥しすぎているときや葉がしおれているときにだけ水やりをします。
ネギの土寄せと肥料
ネギの葉鞘(白い部分)は、土寄せの作業を繰り返すことで長く伸びるのが特徴です。土寄せのやり方を押さえて、立派なネギを育てていきましょう。
【畑】土寄せと肥料
畑でネギを地植え栽培する場合は、植えつけから1か月後から4回に分けて土寄せをします。
STEP1.ネギの反対側の畝に追肥を施す
STEP2.厚さ6㎝~7㎝くらいで土寄せする
STEP3.2回目の土寄せと追肥をする
STEP4.3回目の土寄せと追肥をする
STEP5.4回目の土寄せをする
ネギの生長に合わせて4回に分けて土寄せをします。土の量をあまり多くし過ぎずないように注意してください。分けつ部に土がかかると生育が悪くなるので、分けつ部より5㎝ほど下まで土寄せをします。
追肥として、野菜の生育に必要な成分と有機成分をバランスよく配合し、おいしい野菜 収穫できる『今日から野菜 野菜の肥料』がおすすめです。。
1回目の土寄せは植えつけから1ヵ月~1ヵ月半頃を目安に行います。まずは、ネギの反対側の畝の端、「畝肩」(うねかた)と呼ばれる部分に追肥を施します。追肥を混ぜてから畝のくぼみに土を入れて、平らになるようにならします。2回目以降はネギの生長に合わせて、3週間前後を目安に土寄せと追肥をします。最後4回目の土寄せは収穫より1ヵ月前までに行います。その際、追肥は必要ありません。
【プランター】土寄せ(増し土)と肥料
プランターや鉢植えでネギを育てる場合は、畑のように土寄せができないので、代わりに増し土を生長に合わせて4回行います。
STEP1.1回目の増し土と追肥
STEP2.2回目の増し土と追肥
STEP3.3回目の増し土と追肥
STEP4.4回目の増し土
植えつけから約1ヵ月後に、1回目の増し土と追肥をします。1度の増し土で入れる土は、分けつ部より5㎝ほど下までを目安に量を調節してください。あまり入れ過ぎるとネギが腐ったり、生長が悪くなったりするので注意が必要です。
増し土と同時に肥料を施しますが、野菜用の培養土を使う場合は基本追肥の必要はありません。ただし、生長が遅れているようなときや、自作した配合土で育てている場合は液体肥料や化成肥料を与えます。
2回目以降はネギの生長に合わせて、1回目と同じように増し土や肥料を施します。4回目の増し土のときは、プランターに土がいっぱいになるので土寄せを行い、追肥は不要です。
ネギ坊主は摘み取る
一定期間、ネギの苗が低温に当たると「トウ立ち」することがあります。トウ立ちをする前に収穫するのが理想です。品種によっては春にトウ立ちが起こり、ネギ坊主ができることがあります。ネギ坊主ができるとネギの生長が止まってしまうので、収穫する前にトウ立ちが起こってしまったときは摘み取っておきましょう。
春まきの場合はトウ立ちが起こる前に収穫すれば良いですが、秋まきの場合はトウ立ちが起こりやすいので、できれば晩抽性品種と呼ばれるトウ立ちが起こりにくい品種を選ぶと良いでしょう。
ネギの収穫
収穫時期の目安は、春まきしたネギは12月~2月末頃、秋まきしたネギは9月初旬~11月末頃までです。ネギは寒さや霜に当てることでより甘みが増すと言われているので、必要なときに必要な分だけ収穫します。
ただし、春まきの場合は春に近づくにつれトウ立ちしてネギ坊主が増えていくので、トウ立ちする前に収穫を終えたほうがより美味しく頂けます。
ネギの収穫の仕方
STEP1.土寄せした側の土を崩す
STEP2.スコップやクワを差し込んで掘り起こす
STEP3.株元をつかみ丁寧に抜き取る
収穫時期をむかえたネギは、太いものから順に収穫します。無理に抜き取ると葉鞘部が切れてしまうので、丁寧に抜き取りましょう。ネギを抜き取る前に、土寄せや増し土をした側の土を崩して、スコップやクワを土深くまで差し込み、掘り起こします。ネギの株元をしっかりつかみ、葉鞘が折れないように注意しながらゆっくりと抜き取ります。
ネギの保存方法
収穫後のネギは土を落とし、水で洗い流してすぐに食べられます。すぐに食べないときは土をつけたまま新聞紙に包んで冷暗所で保存しておきましょう。
土を入れたプランターや植木鉢などに収穫したネギを埋めて保存することもできます。土に埋めて保存するときは、ネギ全体がしっかり土に埋まるように土をかぶせるのがポイントです。
ネギによくある害虫や対策
ネギに発生しやすい害虫や対策についてまとめています。
・アザミウマ
ネギの葉に寄生するアザミウマの成虫や幼虫は、気温が高く、乾燥しやすい夏に多く発生する害虫です。アザミウマは葉を食害し、被害が進むと葉に白っぽい小斑点ができ、奇形葉になって生長に影響します。最悪の場合、株全体に被害が生じてしまうので、見つけときはその場で摘み取ります。雑草が生い茂る場所に発生しやすいので、土寄せや追肥を行うのと同時に小まめに除草をしましょう。
・アブラムシ
繁殖が旺盛なアブラムシは、ネギの新芽や葉の裏側に群生して棲みつく害虫です。ネギの汁を吸って生育を阻害するだけなく、ウイルス病であるモザイク病を媒介することもあります。アブラムシの排泄物が原因で、「すす病」が繁殖したり、分泌物が原因で「アリを大量に誘引」したりすることもあります。
アブラムシをそのまま放置するとネギが枯れてしまうので、見つけたときは増える前に取り除きます。繁殖力が旺盛なので、薬剤を使って防除する、薬剤を使いたくない場合は除草を徹底して風通しと日当たりの良い場所で育てましょう。
・ヨトウムシ
ネギの株元に潜んでいるヨトウムシは、夜間に葉を食害します。昼間は株元に潜んでいるので、食害された形跡を見つけたときはその部分の周りを探して、見つけたらその場で取り除き駆除します。ヨトウムシは葉の裏に卵を産み付け、ふ化した後は群棲して食害します。ふ化した幼虫は成長するにつれ見つけにくくなるので、幼虫が若いうちに防除して食害を未然に防ぐことが大切です。
ネギによくある病気や対策
ネギがかかりやすい病気や対策についてまとめています。
・べと病
夏の終わり頃や多湿で20度前後の気温が低くなった頃、密植などが原因で発生しやすい病気がべと病です。葉に黄白色のぼやけた病斑ができるのがべと病の特徴で、胞子が飛び散ると伝染して被害が広がることがあります。べと病の病斑を見つけたときは、その部分を丁寧に取り除き、畑の外で処分してください。また、べと病が発生したことの土は、土深くまですき込むように耕します。べと病予防には、水はけをよくすること、密植を避けることが効果的です。
・さび病
5月~6月頃や10月頃に発生しやすいさび病は、糸状菌が伝染源となり起こります。胞子が飛散して伝染するので、さび病が発生しているときは石灰をまいて菌の広がりを防ぎます。さび病にかかったネギは、鉄さびのようなオレンジ色の病斑ができます。ネギの株が弱っているときや、水はけの悪いときに発生しやすい病気なので注意しましょう。
・萎凋病
部分的に黄化してしおれたようになり、病斑が進むと生育不良となって株が枯れます。糸状菌と呼ばれるカビの一種である萎凋病は、土壌から伝染して感染します。防除策は、清潔な土壌にネギを植えること、前作で萎凋病が発生した土は使用しないことです。すでに萎凋病を発病している場合は、その株を抜き取り、畑の外で焼却して処分します。
ネギ栽培の特徴や基本的な栽培方法について紹介してきましたが、いかがでしたか?
種まきから収穫までは少し時間がかかりますが、春まきと秋まきを組み合わせれば長期にわたり新鮮なネギをご家庭でいつでも好きなときに楽しめるようになります。
耐寒性や耐暑性に優れているネギはあらゆる地域で育てられますし、トウ立ちがしにくい品種などもたくさんあるので、家庭菜園が初めての方でも立派なネギを育てることができます。
畑はもちろん、プランターや鉢を使ってベランダ栽培もできるので、ネギ好きの方はもちろん、出来るだけ育てやすい野菜をお探しの方はぜひネギ栽培に挑戦してみてくださいね。
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