更新日:2020.07.17
【ポーチュラカの育て方】 夏の太陽の下で元気に咲く!ポーチュラカの育て方
ポーチュラカの花は気温の高い日本の夏でも元気に咲いてくれます。花の色も可愛らしく、元気が出そうなものばかりです。夏のガーデニングを楽しむなら、ぜひポーチュラカを育ててみましょう。今回は、ポーチュラカの育て方や挿し木での増やし方などをご紹介します。
日当たりを好む丈夫な花
ポーチュラカは赤やピンク、オレンジ、黄、白、紫などの花をたくさん咲かせます。草丈は10cm~20cmで、地面に広がるように大きく育っていきます。そのため、高さは必要ありませんが、広めの場所を用意して育てていくのがおすすめです。
ポーチュラカの花は初夏から秋にかけての暑い季節に咲きます。日差しに当たることで花開き、午後になると花を閉じていく一日花です。最近では、夕方まで長く咲き続ける品種も登場しています。多年草ですが寒さには弱く、日本では一年草として育てられることも多く見られます。とくに地植えにする場合は、冬越しは難しいと考えておきましょう。
ポーチュラカの種類
ポーチュラカにはいくつもの品種がありますが、一重咲きのものが有名です。花は小さめですが、品種によっては大輪の花を咲かせるものもあります。ほかにも、八重咲きの品種や斑入り葉の品種など、さまざまなものが登場しています。花びらの色は単色のものもあれば、絞りのような模様が入っているものも。鮮やかなカラーリングの品種が多いため、植えるとお庭がカラフルになりそうです。
原産地
原産地は南北アメリカを中心とした熱帯から温帯のエリアと考えられていますが、はっきりとした場所はわかっていません。
日本へは1980年代にドイツから渡ってきたといわれています。乾燥しやすい土地の植物のため、葉が肉厚で水分を貯めておきやすいのが特徴です。非常に生育旺盛で、乾燥した土や肥料の少ない土でも大きく育てられます。
名前の由来
ポーチュラカの名前の由来には、さまざまな説があります。カットすると白い液が出るため、ラテン語の「持ち運ぶ(porto)」と「乳(lac)」が由来となったとする説が有名です。
また、ポーチュラカは「ハナスベリヒユ」とも呼ばれています。茹でたときにぬめりが出て滑るからという説もあれば、見た目がつやつやとしていて滑りそうだから、という説もあります。正確な由来は、いずれもはっきりわかっていません。
花言葉
ポーチュラカには「いつも元気」という花言葉があります。植物がぐったりとしおれやすい夏の時期でも、元気に咲いてくれるポーチュラカにぴったりのことばです。ほかにも、「自然を愛する」や「無邪気」などの花言葉があります。ポーチュラカを育てるときは、可愛い花言葉も覚えておくと、いっそう愛着がわきそうです。
マツバボタンとの違い
ポーチュラカとよく似た植物に、マツバボタンがあります。どちらも同じスベリヒユ(ポーチュラカ)属の植物で、開花時期や性質などがそっくりです。ポーチュラカは、マツバボタンとスベリヒユの交配種と考えられていました。現在は別のルートで誕生したとの説が有力です。ポーチュラカとマツバボタンを見分ける際に注目したいのは、葉の形です。ポーチュラカの葉は肉厚で平べったい形をしています。マツバボタンの葉は、針のように細い形が特徴です。どちらの種類か迷ったら、まずは葉を見てみると良いでしょう。
ポーチュラカの基本的な育て方
ポーチュラカは暑さと乾燥に強く、管理しやすい植物です。カラフルなポーチュラカを育てて、ご自宅の花壇を華やかに飾りましょう。ここでは、ポーチュラカの基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
ポーチュラカは水はけが良く、肥料持ちの良い土を好みます。鉢植えにはハイポネックス培養土 鉢・プランター用がおすすめです。地植えの場合、水はけが悪ければ川砂などを混ぜておき、排水性を高めましょう。
植えつけ
ポーチュラカはポット苗を購入して植えつけすると手軽です。ホームセンターや園芸店などで、元気な苗を選んできましょう。
植えつけ適期は5月~8月にかけてです。気温が下がってくると生育が悪くなるため、暖かいうちに植えつけを済ませましょう。複数株を植える場合は、株間を20cmほどとります。ポーチュラカは匍匐性で、地面を這うように広がるためです。鉢植えの場合も、密植にならないよう株間を広めにとっておきましょう。地植えの場合は、ほかの植物に干渉しない場所を選んで植えるのがポイントです。
植えつけの際、苗は根鉢を崩さないよう、優しくポットから取り出します。植えつけて土をかぶせたら、たくさん水をあげましょう。
肥料
ポーチュラカは肥料を与えすぎるとうまく育たず、徒長してしまうことがあります。肥料は適正量を与えるよう心がけましょう。鉢植えの場合は、元肥としてマグァンプK中粒を施します。ハイポネックス培養土 鉢・プランター用を使う場合は、すでにマグァンプKが配合されているため、新しく用意する必要はありません。その後は、2~3か月の頻度でPlantia花と野菜と果実の肥料を追肥しましょう。とくに開花期間中は次々と花が咲くため、肥料を切らさないように注意します。地植えの場合は、元肥を混ぜ込み、飼育旺盛の場合は追肥をしなくてもかまいません。
水やり
ポーチュラカは厚みのある葉で水分を溜め込むことができます。乾燥に強い一方、過湿には弱いため、乾き気味に育てるのが大切です。鉢植えの場合、土の表面が乾いたのを確認したら水をあげましょう。地植えの場合は、降雨のない日が続かない限りは水やりしなくてかまいません。
日当たり
ポーチュラカは日光を好む植物のひとつです。ほかの植物では弱ってしまうような強い西日でも、ポーチュラカなら耐えられることがあります。また、光の差し込まない暗い場所では開花しないため、花をたくさん咲かせるためにも日当たりの良いところに植えることが大切です。日陰をつくる木や塀などから離れた場所へ植えつけてあげましょう。
日陰で育てたポーチュラカは、茎がひょろひょろと伸び、徒長してしまうことがあります。花つきも悪くなるため注意が必要です。
ポーチュラカを育てるときのポイント
ポーチュラカを栽培するときは、以下のポイントに気をつけてあげましょう。こちらでは、ポーチュラカを育てるときに注意したいポイントをご紹介します。
アブラムシ対策
ポーチュラカは病害虫被害を受けにくいものの、環境や条件によってはアブラムシが発生することがあります。アブラムシは大変小さく、いつの間にか大量に発生していることもあります。駆除する範囲が広い場合は、薬剤を噴霧すると手軽です。アブラムシを見つけたら、肥料とアブラムシ退治が同時にできるハイポネックス原液殺虫剤入りがおすすめです。
また、そもそもアブラムシが発生しないように予防しておくと管理の手間も軽減できるはずです。アブラムシは蒸れやすく暖かい場所を好みます。ポーチュラカの風通しが良くなるよう、植えつけ時には株間を十分にとり、必要に応じて剪定してあげましょう。
梅雨の過湿対策
ポーチュラカは乾燥に強い反面、過湿に弱い性質があります。梅雨の時期は、雨による根腐れに注意する必要があります。鉢植えの場合、雨の降る日は屋根のある場所へ移動させることがおすすめです。ハンギングバスケットに植えて、鉢を吊るして育てても良いでしょう。ポーチュラカの茎が伸びて垂れ下がり、カラフルなハンギングとして楽しめます。地植えの場合は、土の水はけにとくに注意します。植えつけ時から土を高く盛り、排水性を高めておくことがおすすめです。
ちなみに、天気が悪い日はポーチュラカの花は開きません。開花に必要な光が足りないためです。雨が上がり、日差しが復活するのを待ちましょう。
冬越し
ポーチュラカは多年草で、環境が合えば翌年も育てることができます。ただし、耐寒性が弱く、冬越しが難しいことが難点です。10℃を下回ると枯れてしまうことがあるため、基本的には室内の暖かい場所で冬越しさせましょう。室内管理が難しい場合は、割り切って一年草扱いにするのもひとつの方法です。
冬越しする際、ポーチュラカの鉢は暖かい窓辺に置いてあげましょう。夜になって窓のそばが冷え込んでしまう場合は、室内の暖かい場所へ移動させます。霜に当たるとすぐに枯れてしまうため、できる限り寒さから遠ざけてあげることが大切です。
植え替え
ポーチュラカは生育旺盛で、暖かい時期にはぐんぐん生長していきます。鉢植えの場合は、根が伸びすぎて根詰まりを起こしてしまうこともあります。根詰まりしているかどうかを見極めるためには、以下のポイントをチェックしてみましょう。
- 水やりの際、土に染み込むまで時間がかかる
- 鉢底穴から根が出ている
- 葉が黄色く枯れている
- 生育期に肥料を与えていても元気がない
上記のどれかにあてはまっている場合は、根詰まりしているかもしれません。一回り大きな鉢を用意して、植え替えてあげましょう。
花がら摘み、切り戻し
ーチュラカはひとつの株にたくさんの花を咲かせます。開花時期になると、次々と花が咲いて散っていきます。咲き終わった花がらはこまめに摘み取ってあげましょう。
また、開花するものが少なくなってきたら、思い切って切り戻しをしてみましょう。そのまま育てていけば、2週間ほどたつと再び花をつけはじめます。ポーチュラカは生育旺盛なため、形を整えるためにも剪定してあげるのがおすすめです。開花期間中に何度か切り戻しできることもあるため、ぜひ挑戦してみましょう。
ポーチュラカの増やし方は?
市販されているポーチュラカの多くは、
種をつくりにくい品種です。品種によっては種を採取してまくこともできますが、ポーチュラカを増やす際は挿し木することが主流となっています。品種に応じた方法でポーチュラカを増やしてみましょう。最後に、ポーチュラカの挿し木や種の採取の方法についてご紹介します。
挿し木の適期・用意するもの
挿し木の適期は5月~10月です。気温が安定して20℃以上ある時期に行いましょう。用意するのは清潔でよく切れる刃物、水、挿し木用の土などです。容器は好きなものでかまいません。挿し木用の土は、肥料が入っていない清潔なものが適しています。赤玉土やバーミキュライトなどを使っても良いですが、市販の専用土を使ってもかまいません。
挿し木の手順
挿し穂にするのは元気の良い茎です。先端から5 cm~10cmをカットして土に挿し、水をたくさんあげましょう。明るい日陰で管理すれば、だいたい2週間で発根します。根が出るまでは土の水を切らさないよう、こまめに様子を見るよう心がけましょう。
また、ポーチュラカは丈夫なため、水に挿しておくだけでも発根することがあります。切り花にしたポーチュラカも、気がついたら発根していることがあるかもしれません。根が出ているのを見つけたら、土へ植えつけてみましょう。挿し木苗が大きくなってきたら、元気のないものは間引いていきます。本葉がついてきたら鉢や花壇などへ植えつけましょう。
冬の管理
秋に挿し木苗をつくって次の初夏に咲かせたい場合は、冬場の管理に気をつけましょう。ポーチュラカは寒さに弱いため、室内の暖かい場所へ置いておきます。日当たりの良い窓辺に置くのがおすすめですが、外に近い場所は夜になると気温が下がってしまいます。夕方になって気温が下がる前に部屋の中を移動させましょう。
種の採取の適期、用意するもの
ポーチュラカの種は、花後につくられます。種をとるときは花がら摘みをストップして放置してみましょう。カップのような形の鞘ができ、中で種が熟していきます。種を採取する際は、保存用の紙袋と乾燥剤を用意しておきましょう。
種の採取の手順
ポーチュラカの種はとても小さいため、こぼれる前にとってしまうことがおすすめです。袋をかぶせてこぼれるのを待ち、回収してもかまいません。採取した種は乾燥材と一緒に容器へ入れておきましょう。その後、種まき適期が来るまで風通しの良い場所で保管しておきます。種まきの適期は5月ごろです。気温が低いと発芽しないため、暖かい時期を選びましょう。
ただし、ポーチュラカの種を採取してまいても、親株と同じ花が咲くとは限りません。発芽しないことがあるほか、発芽して大きくなっても花をつけないこともあります。確実に咲かせたい場合は、挿し木で増やすことがおすすめです。
おわりに
ポーチュラカは初心者にもおすすめの、育てやすい花です。初夏からでも苗を植えつけて栽培でき、何度も花を楽しめます。生育旺盛で、お手入れの手間がかかりにくいのもメリットです。これからお花を育てたい方は、ぜひポーチュラカの栽培に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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