横浜・花と緑の彩り風景 港北オープンガーデン2021
2021年も各地のオープンガーデンが中止となっています。新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない状況では致し方ない面もありますが、横浜市港北区では、昨年中止となった「港北オープンガーデン」が、感染対策の徹底を図り、4月12日から5月23日まで開催されています。原則、敷地外からの観覧ですが、個人邸などの場合、オーナーが居られれば庭へ案内してくれる場合もあります。もちろん、大人数での観覧ではなく、マスクの着用などの感染対策済みが前提ですが。そんな、「港北オープンガーデン」の様子を、日吉から綱島へと見てきました。
地下ホームの日吉駅から改札を出ると、右側、慶應義塾大学の入り口を背景に、花盛りの花壇が目に飛び込んできます。ルピナスやオルラヤなど、初夏の花がすでに咲いて春の草花といっしょに華やかなデザインで楽しませてくれます。日吉地区にもたくさんの見どころがありますが、4月下旬以降に見ごろとなるところが多いので、今回は、普通部通りから綱島方面に抜けていきました。
途中、フラワーコンテナで玄関先を飾っているお宅を見て、さらに進むと車が通れない竹林の中を歩きます。そして、先に進むとグループホームの花壇に遭遇します。たくさんのプランターに花を咲かせて、エントランスをにぎやかに飾っています。こんなシンプルな花の楽しみ方でも、まちを美しく楽しくするのに大いに貢献しています。きっとプランターを育てている方々も楽しく作業をしていることでしょう。
さらに住宅地を抜けて綱島エリアに向かいます。このエリアには、港北オープンガーデンで以前からよく知られるお庭があります。真島さんのお宅と城田さんのお宅です。港北のオープンガーデン活動の先頭を担う真島さんのお庭は、毎年楽しませてもらっていますが、満開のモッコウバラと春の草花の競演がとにかく素敵です。今年は、どの花も開花が早いと、言っていましたが、確かにモッコウバラも満開ですし、大輪のクレマチスやラナンキュラスのラックスシリーズなど、みな満開でとても4月上旬とは思えないくらいの景色でした。
真島さんのお庭は、多くの方と同じような戸建ての敷地を利用しています。そういった意味でも、とても参考になるお庭です。草花がメインといいながらも、キエビネが咲いていたり、多肉のコレクションがあったりと、園芸上手の見本のようなお庭です。咲いている花の品種名を記したチラシも頂けるので、ぜひ、外さずに見ていただければと思います。オーナーの真島さんに会えれば、話も聞けますし、お庭の中も見学できるかもしれません。
城田さんのお宅も、シンボルツリーのシダレザクラで知られます。時期的なことで、私はシダレザクラの開花を見たことはありませんが、野草的な草花やセッコクなどのランもあって、和風テイストの庭が楽しめます。また、鶴見川に近いところに位置する吉岡さんのお宅も、ブルーベリーやハーブ類を利用したとてもシンプルで気持ちのよいお庭が、フェンス越しに見られます。
綱島駅へ向かうと、途中でヒメツルソバのサークルに出会いました。ここもオープンガーデンに載っているお宅でした。また、駅前へ続く通路では、銀行前にすてきなコンテナガーデンが並んでいました。
今回、見学したのはここまでですが、5月に入るとバラの咲くお庭が登場し見どころになります。大倉山エリアや新横浜エリアなども含めて、さらに、たくさんの会場がありますので楽しみがふえます。
特に緊急事態宣言中の東京は、外出の自粛が言われていますので、公開されている動画などで楽しむのもよいと思います。状況が状況ですから、以下のサイトへアクセスして詳細を知るとともに、「ご見学される方への6つのお願い」をよく読んで下さい。また、当初の予定が変わることもありますので、ご注意ください。
◎第9回港北オープンガーデン
https://www.city.yokohama.lg.jp/kohoku/shokai/bunkakanko/opengarden.html
主催 港北オープンガーデン運営委員会/港北区役所
協力 株式会社東北新社/公益財団法人神奈川県宅地建物取引業協会横浜支部/株式会社ハイポネックスジャパン
(取材・文、写真/出澤清明)
出澤清明
園芸雑誌の元編集長。植物自由人、園芸普及家。長年関わってきた園芸や花の業界、植物の世界を、より多くの人に知って楽しんでもらいたいと思い、さまざまなイベントや花のあるところを訪れて、WEBサイトやSNSで発信している。