更新日:2018.02.14
高貴な美しさが魅力的。シャクヤクの育て方のポイントと注意点
美しさを表す表現として、「立てば芍薬(シャクヤク)、座れば牡丹(ボタン)」という言葉があります。
この言葉通り、シャクヤクは凛とした美しさがあり、気高さすら感じさせる草木です。
今回は、そんなシャクヤクの育て方のポイントや注意点などをご紹介します。
シャクヤクってどんな植物?
シャクヤクは、ボタン科の多年草。原産地は中国東北部からシベリアといわれています。
生長すると草丈は60~120cm程度になり、赤やピンク・白・オレンジ・黄色といった鮮やかな花を咲かせます。
日本におけるシャクヤクの歴史はとても古く、平安時代以降から観賞用として寵愛されてきた植物です。
多数の園芸種が育成されており、品種によって一重咲きや半八重咲き・手まり咲き・冠咲き・翁咲きといったタイプがあります。
なお、同属種のボタンと見た目はとても良く似ていますが、ボタンは冬でも茎や枝が残るのに対して、シャクヤクは地上部分が枯れて地中の根のみで冬越しをします。
シャクヤクの育て方のポイント
シャクヤクの種はあまり出回っていないため、苗から育てるのが一般的です。
暑さが一段落する9月~10月が苗植えの適期です。
以下の育て方のコツを参考にしてみてください。
・栽培環境について
シャクヤクは、日当たりがよく、風通しの良い場所を好みます。
葉にしっかりと日があたる場所で、西日を避けられるとより良いでしょう。
また、シャクヤクは生長につれて太い根を張り、葉もたくさん茂るので、深めの土壌(植木鉢で育てる場合は8号鉢以上を目安に、できるだけ深さのあるもの)を用意し、栽培スペースを十分に確保してください。
・植えつけ・植え替えについて
シャクヤクの植えつけ・植え替えの適期は9月から10月です。
シャクヤクを上手に育てるためには、用土づくりがとても重要です。
シャクヤクは、肥沃で水はけの良い用土を好みます。
地植えする場合は、深さ50cm・直径30~40cm程度の穴を掘り、完熟堆肥や腐葉土を混ぜて1~2週間ほど寝かせてから植えつけを行います。
鉢植えの場合には、元肥として緩行性肥料(マグァンプK)が配合されているハイポネックス培養土 鉢・プランター用がおすすめです。
いずれの場合も、根についているポット苗の用土を完全に取り除いてから植え付けるようにしましょう。
・水やりについて
鉢植えで育てるシャクヤクの水やりは、土の表面が乾いたらたっぷり行うのが基本です。
特に、植えつけ後の10月頃から根の生育が始まるので、この時期には水をたっぷり与えて水切れを起こさないように注意してください。
また、乾燥しやすい夏場も、朝晩にたっぷり水をあげてください。
なお、地植えの場合は、基本的には水やりの必要はありませんが、何日も雨が降らないときには地中に水が染み込むようたっぷりと水を与えます。
・花がら摘み
花が咲き終わったら、花茎の所で切りとり花がら摘みをしましょう。
咲いた花をそのままにしておくと結実し、実に養分がとられてしまいます。
・肥料について
肥料が不足すると花が咲きにくくなります。
植え付け時には用土に緩行性の元肥を混ぜ込み、その後、追肥を行ってください。
元肥としては、マグァンプK大粒がおすすめです。
その後、芽が出たときや花が咲き終わった後の追肥には、
「Plantia」花と野菜と果実の肥料を株元に撒いておきましょう。
・病害虫について
シャクヤクは、アブラムシの被害やうどんこ病などの病気にかかることがあります。
アブラムシの発生時には、『ハイポネックス原液 殺虫剤入り』を水で薄めて与えてください。
一回の作業で殺虫剤+肥料の2つの効果を発揮するのでとても便利です。
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘69:シャクヤクの育て方|きれいな花を咲かせるには?植えつけの方法や日々の管理、摘心や摘蕾などもご紹介