つつくと眠る?可愛いおじぎ草の育て方
おじぎ草は、つつくと眠るように葉を閉じる性質が有名です。独特の動きはもちろん、可愛い花を咲かせることからも人気の高い植物です。ぜひご自宅でおじぎ草を育ててみましょう。今回は、おじぎ草の基本情報や育て方、増やし方などをご紹介します。
不思議な性質を持つおじぎ草の魅力
おじぎ草は、小さい毬のようなピンク色の花をつけます。開花時期は7月~10月です。茎の部分には小さなトゲが生えているため、触るときには気をつけましょう。
草丈は20cm~50cmまで伸びます。横にも大きく広がりやすいため、地植えする際はある程度のスペースを確保するのがおすすめです。鉢植えにする場合はひとつの鉢に一株を目安に植えつけしましょう。
おじぎ草の原産地
おじぎ草の原産地は南米です。温暖な気候を好み、日本では沖縄に自生しているものが見られます。現在は世界各地に帰化しており、さまざまな地域で観察できます。本来は多年草ですが、日本での冬越しは難しいため、一年草として育てられることがほとんどです。
ユニークなおじぎ草の性質
おじぎ草は、触れられたり振動を受けたり、熱を感じたりすることで葉を閉じる性質があります。刺激によって、細胞のなかにある水分が移動するためと考えられています。閉じた葉は、20分ほどかけて徐々に元へ戻ります。無理やり何度も開閉させると、おじぎ草が弱ってしまうことがあるため注意しましょう。長持ちさせるためには、静かに見守ってあげるのも大切です。
おじぎ草の名前の由来
おじぎ草は、葉を閉じた様子がおじぎをしているように見えることから名付けられました。ほかにも、おじぎ草には「眠り草」や「含羞草」などの別名があります。どちらもうつむいて葉を閉じるおじぎ草の姿に由来しているとされています。
管理が簡単なおじぎ草を育ててみよう
おじぎ草は育てやすい初心者向けの植物です。種からでも苗からでも栽培でき、夏の暑さに負けず可愛い花を咲かせてくれます。こちらでは、おじぎ草の基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
おじぎ草は水はけの良い土を好みます。小粒の赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたものや市販の園芸用土で元気に育てられます。おすすめは元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているハイポネックス培養土 鉢・プランター用です。地植えの場合、水はけを良くするために腐葉土などを混ぜておきましょう。
種まき
おじぎ草の種まき適期は5月~6月です。発芽適温が25℃~30℃のため、十分に暖かくなってから作業しましょう。鉢や花壇に直接まいても良いですが、育苗ポットで育ててから植えつけするほうが管理しやすいためおすすめです。育苗の手間を省きたい場合は、苗を購入して植えつけしましょう。種まきの前日には吸水処理を行います。おじぎ草の種は硬く、そのまままいても発芽しにくいためです。一晩ほど水につけておきましょう。育苗ポットを使う場合、1個のポットにつき3粒~4粒の種をまくのが目安です。発芽までは日陰に置き、水をたくさんあげましょう。うまくいけば、1週間ほどで発芽します。芽が出てしばらくしたら元気なものをひとつ残して間引きましょう。
植えつけ
本葉が2枚~3枚になったら植えつけが行えます。根を傷つけないように優しくポットから取り出して植えつけしましょう。根鉢は崩さないように注意します。おじぎ草は横に向かって広がる性質を持つため、複数株を植える際は、株間を25cmほどあけます。植え替えを嫌うため、一度植えつけしたら移動しなくて済むよう、場所をよく考慮しておきましょう。ほかにも気をつけたいのが、茎に生えているトゲです。おじぎ草のトゲは、小さな苗のころからついています。植えつけ作業のときは、手袋をしておきましょう。
水やり
おじぎ草はたくさん水をあげることで元気に育ちます。地植えの場合は降雨に任せてかまいませんが、土の表面が乾燥していたら水やりを行いましょう。鉢植えの場合も同様に、土が乾いたタイミングでたっぷりと水を与えます。葉や花に直接水がかかると弱ってしまうことがあるため、根本へ水を注ぎましょう。ただし、水の与えすぎによる根腐れには注意が必要です。夏は乾燥しやすいため1日に2回水やりが必要になることもありますが、それ以外の季節は水をあげすぎないよう気をつけましょう。また、夏場は蒸れやすくなるため、気温の低い朝や夕方に水を与えます。
日当たり
おじぎ草は日光を好む植物です。日当たりが十分でないと葉も閉じたままになってしまいます。日陰で育てると茎や葉ばかりが伸びて徒長するため、日当たりの良い場所に植えつけしましょう。真夏の直射日光にもある程度は耐えられます。ただし、強い日光を当て続けると葉が枯れてしまうことがあるため気をつけましょう。また、おじぎ草は暗くなると葉を閉じて栄養を蓄えます。しっかりとおじぎ草が眠れるように、街灯の当たる場所も避けて植えましょう。
肥料
おじぎ草は、多肥になると花つきが悪くなることがあります。元肥として緩効性肥料を混ぜたあとは、株に元気がないときに液体肥料を追肥しましょう。元肥には1年間肥料効果が持続するマグァンプK中粒をに混ぜ込みましょう。追肥には液体肥料ハイポネックス原液を500倍に希釈してあたえましょう。
おじぎ草を翌シーズンも咲かせるには
おじぎ草は冬になって気温が下がると枯れてしまいます。翌シーズン以降も花を咲かせたいときは、種を採取して再び育てていきましょう。最後に、おじぎ草の増やし方をご紹介します。
種の採取
おじぎ草はマメ科で、花が咲き終わると小さなさやをつくります。さやが茶色くなるまで待ってからもぎ取りましょう。さやにもトゲがついているため、手袋をしておくのがおすすめです。さやは日の当たらない風通しの良い場所で乾燥させます。十分に乾燥できたら種を取り出しましょう。
種の保管方法
おじぎ草の種まき適期になるまで、種を保管しておきます。紙袋などに入れて湿気を避け、通気性の良い冷暗所で管理するのが大切です。また、おじぎ草を地植えにしていると、こぼれ種で増えることがあります。翌年に植える場所を変えたい場合も、種を採取しておくと安心です。もしくは、花が終わったら種ができる前に刈り取っておきましょう。