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富田英明のすてきな寄せ植えづくりpart8 野花風の寄せ植えづくり

富田英明のすてきな寄せ植えづくりpart8 野花風の寄せ植えづくり

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今回のテーマは、「野花風のやさしさにあふれる寄せ植えを」です。今までは、大きい花や色鮮やかな草花を主に用いる寄せ植えづくりを解説してきましたが、この時期になると野の花をよく目にするようになります。野に咲くようなイメージで、ふわっとして、やさしさにあふれる寄せ植えをつくってみましょう。

ポイントは、全体のフォルムをきれいにし、ずっと前からそこに植わっていましたというようなイメージに仕上げます。



寄せ植えづくり

今回使う植物は、ライスフラワー、オルラヤ、ミヤコワスレ、ミヤマオダマキ、ブラキカム、タイムです。容器は、底に穴の空いた鉄製のおしゃれなバケツ、鉢底石、鉢底網、培養土、元肥を用意します。

 

 

(植物の解説)

ライスフラワー
キク科オゾタムヌス属、オーストラリア北東部原産の常緑低木。開花期間が3月下旬~6月上旬と長く、ドライフラワーでも人気がある植物です。

 

オルレア(オルラヤ、ホワイトレース)
セリ科オルレア属、ヨーロッパ原産の一年草。3~6月 に開花。庭では毎年こぼれ種でも咲いてくれる花です。

 

ミヤコワスレ
キク科ミヤマヨメナ属、宿根草 東アジア原産の宿根草。5〜6月に開花します。よく知られている花ですが。寄せ植えにすると和風なイメージですが、合わせ方によっては、洋風のイメージでも上手く合います。

 

ミヤマオダマキ
キンポウゲ科オダマキ属、日本原産の多年草。4〜5月に開花。西洋オダマキと違って、根元にまとまって花を咲かせる特徴があります。背丈が低めなので、寄せ植えの花材として最適です。

 

ブラキカム・ジャンボミスティーピンク
キク科ブラキカム属、多年草 オーストラリア原産の多年草です。 3〜11 月まで開花します。この品種は、ブラキカムの中でも花首が長く、やさしいピンク色が特徴的でおすすめです。

 

ゴールデンレモンタイム
シソ科イブキジャコウソウ属、常緑低木。開花期4〜6月に開花。寄せ植えのリーフとして使いやすい種類です。リーフとして使うので、少し丈が伸びている方がいいでしょう。

 

寄せ植えづくり

培養土を入れていきます。花苗を置いたときに下葉が器の縁に触れるくらいまで鉢底石を入れて、その上に培養土を入れていきます。

寄せ植えづくり

培養土を入れたら元肥を適量施します。適量は肥料の解説をよく読んでください。

寄せ植えづくり

最初の花苗、ライスフラワーを植えます。苗を上から見て横幅が広い方を横向きに配置します。さらに丈が高い枝を内側に向けて植えていきます。

寄せ植えづくり

私の経験では、ライスフラワーは、根鉢をくずすと枯れる可能性があるので、縁を少し落とす程度で植えつけます。

寄せ植えづくり

オルレアの苗をライスフラワーの隣に植えます。

寄せ植えづくり

オルレアの花が、ライスフラワーの中に入るように向けていきます。こうすることで、以前から植わっていました感が出せます。

寄せ植えづくり

ライスフラワーの前に、ミヤコワスレを植えつけます。丈の高い枝を中心(内側に)向けて植えていきます。

寄せ植えづくり

ミヤコワスレを植えるとライスフラワーやオルラアの花や葉が押されたり、一緒に中に入り込んだりして、場所が変わってしまいます。赤い丸で囲ったライスフラワーの花を外側に掻き出すように広げ、同時にミヤコワスレの花を中心くるようにします。

寄せ植えづくり

いかがですか、このように新しく苗を植えたら、その前に植えた苗の花や葉を外に掻き出す(赤い丸印)ようにすると、新しく入れた花が中に入り込みます。そしてまるで以前から植わっていました感が出せます。

寄せ植えづくり

ミヤマオダマキを植えます。植える位置は、ライスフラワーとオルラアの後ろ側です。花は赤丸の位置になるようにします。そうするには株を斜めに倒します。

 

寄せ植えづくり

植えました。オダマキの花が見えるようにするために斜めに倒しています。ここでわかるのが、寄せ植えは根鉢の位置=花の位置でなくてよいということです。そうするとことで寄せ植えに動きが出てきます。

寄せ植えづくり

ブラキカムを植える位置です。丈の長い枝(丸印)を内側へ向けます。イメージとして●印の所へ花がいくようにしていきます。

寄せ植えづくり

ブラキカムを植える前に、真ん中に培養土を足していきます。そして、ブラキカムを植える場所にも培養土を足しておきます。

寄せ植えづくり

ブラキカムを植えました。ミヤコワスレの花や葉の位置(青い丸印)が変わってしまいました。

寄せ植えづくり

先と同様に、中に入り込んだ花や葉を掻き出すと、青い丸印の位置まで広がります。あるいは黄色い丸印の葉が外に出てきました。このように掻き出すことによって苗の境目が曖昧になりさらに植わっていました感が出ます。

寄せ植えづくり

花や葉の掻き出し方は、人差し指を寄せ植えの中に入れ、上に持ち上げながら葉を外に出します。

 

寄せ植えづくり

最後にタイムを植えます。ここでは、葉色が明るいゴールデンタイムを選んでいます。できればいくつかに分けて使いましょう。

 

寄せ植えづくり

今回は5 株に分けられました。

 

寄せ植えづくり

それでは、植えていきます。植える場所は青い丸印の位置の、苗と苗の間にあるスペースです。②と③は後ろ側に植えます。そして黄色い丸印のあたりにタイムの葉が来るように、枝の長い方を内側へ向けて植えていきましょう。こうすることで、より一体感が出て、自然に植わっています感じが出せます。

 

寄せ植えづくり

1株目は左側へ。

 

寄せ植えづくり

2株目、画像ではわかりづらいですが、後ろ側に植えています。

 

寄せ植えづくり

3株目、右後ろに植えています。植えたらミヤコワスレの葉を外に掻き出します。そうすることによって、タイムを後から入れました感がなくなります。周りにリーフを入れる時の注意点は、いかにも周りに囲うように植えました感が出てしまわないようにすることです。

 

寄せ植えづくり

4株目、右手前に植えます。

 

寄せ植えづくり

最後5株目は左手前へ植えます。

寄せ植えづくり

培養土を足していきます。このとき注意したいのは、せっかくきれいにフォルムを出せても、培養土を足すときに株に触りすぎるとフォルムがくずれますので、手のひらではなく、指でそっと花や茎を持ち上げて足していくことがポイントです。

 

寄せ植えづくり

培養土を足すと、ときに視界に土が見えてしまう場合があります。そのままにせずに、土が見えない位置に葉や茎を引っ張り、調整して出来上がりです。

 

完成後の管理のポイント

寄せ植えづくり

出来上がったら、容器の容量の2倍ほどの水を、植物の位置などがずれないよう、ていねいに静かに与えてください。その後は、培養土の表面が完全に乾いてから、またたっぷり(容器の容量の2倍くらい)水を与えます。水やりとともに、リキダスなどの植物活力液を与えると、さらに元気がよくなります。

 

いかがでしたか。植える苗の向きと高さを意識するだけで、フォルムがきれいに整います。さらに、リーフ類で細かな空間を埋めることでさらにきれいなフォルムに仕上がります。

 

花合わせ色合わせは最初から上手くできないことも多く、寄せ植えの初心者ですと、多くの方が悩むポイントです。まずは、寄せ植えづくりに慣れるまでは、フォルムをきれいに仕上げることに専念してみてください。それだけで、きれいな寄せ植えに仕上がります。

 

 

🌼富田英明さんの簡単‼︎寄せ植え講座
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