【サツキの育て方】 サツキを毎年咲かせたい!満開の花を楽しむための育て方
サツキは日本原産の植物です。名前の通り、5月ごろになるとたくさんの花を咲かせます。耐暑性・耐寒性ともにすぐれるサツキは、庭木を初めて育てる方にもおすすめです。丁寧にお手入れして、毎年の開花を楽しみましょう。今回は、サツキの基本的な育て方や管理方法をご紹介します。
古くから愛されてきたサツキの花
サツキは日本原産の植物です。関東地方よりも西側の本州のほか、鹿児島県の屋久島にも自生しています。昔からさまざまな品種がつくられており、盆栽としても人気を集めています。
ツツジとの違いは?
サツキはツツジ科ツツジ属の植物です。江戸時代にツツジの園芸品種が多数つくられた際、先に開花するものがツツジ、5月下旬ごろから咲き始めるものがサツキと呼ばれるようになったといわれています。
お互いに品種も豊富で葉の質感や花の咲き方、樹高なども多岐にわたります。明確に見分けるのは少々難しいかもしれません。ただ、一般的にサツキのほうが花が小ぶりといわれています。サツキとツツジを見分けたいときは、開花時期や花の大きさを見てみると良いでしょう。
サツキの花を植えて育ててみよう
サツキは初心者でも育てやすい庭木のひとつです。鉢でも地植えでも育てられるため、お好みに合わせて植えてみましょう。ここでは、サツキの基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
サツキは川辺のように湿った場所でも自生できる植物で、土が乾燥すると株が弱ってしまいます。ただ、排水性が悪すぎても根腐れしてしまうため、水もちと水はけの両方を兼ね備えた土を用意してあげましょう。ハイポネックス培養土 鉢・プランター用がおすすめです。
地植えの場合は、腐葉土や酸度未調整ピートモスなどを加えて耕します。水はけが悪い場合は鹿沼土などを混ぜておきましょう。
苗選び
サツキの苗を選ぶ際は、花の色や葉の形などを見て自分好みのものを探しましょう。開花時期に選ぶと花の様子がよくわかります。また、枝ぶりが良く、全体的にツヤツヤとして元気なものなら育てやすいはずです。虫がついていないか、病気がないかもチェックしましょう。
植えつけ
サツキの植えつけ適期は3月~6月、9月~10月です。ただし、開花している間は植えつけ作業を避けます。鉢植えの場合、植えつけ前に根鉢をほぐし、古い土を3分の1ほど落としてあげましょう。鉢に苗を移したら、少しずつ新しい土を入れていきます。サツキは土の表面に近い場所へ細い根を張り巡らせるため、深植えしないように気をつけましょう。
地植えの場合は、土を10cmほど盛ったところにサツキを植えつけます。根についた古い土は、2分の1程度落としてしまいましょう。地植えのときも深植えしないように注意します。植えつけ際には元肥としてマグァンプK大粒を混ぜ込みましょう。
植えつけが完了したら、水をたくさん与えましょう。根がしっかりと張るまでは水を切らさないよう、最低でも2週間はこまめに様子を確認し、水をあげます。
水やりの際に根の活着促進のため植物用活力液リキダスを1,000倍に希釈して与えると良いでしょう。
肥料
サツキの花が咲き終わったら、お礼肥としてネクスコートいろいろな植物用与えましょう。花後から7月上旬ごろまでに施肥します。9月~10月になったらサツキの株が充実するため、もう一度ネクスコートいろいろな植物用を与えましょう。
また、2月になったら寒肥を施します。寒肥として有機肥料バラ専用肥料を与えておくことで、土壌改良と次の開花時に花つきが良くなるでしょう。
水やり
前述の通り、サツキは乾燥に弱い性質を持ちます。とくに鉢植えは水切れを起こしやすいため、土が乾く前に水をあげましょう。地植えの場合は雨が降らないとき以外は水やりしなくてもかまいません。
夏の間は地温が上がります。昼間に水やりすると根腐れしやすくなるため、気温の低い朝や夕方に水をあげましょう。
日当たり
サツキは日当たりを好みます。ただし、真夏の直射日光は避けましょう。鉢植えの場合、夏以外は日なたで育て、気温が高くなってきたら半日陰へ移動させます。地植えの場合は真夏に半日陰になる場所へ植えつけてあげるのが大切です。
サツキを枯らさず、毎年花を咲かせるためには
サツキは、丁寧に管理していけば年々も花を咲かせてくれます。ご自宅のシンボルツリーや垣根としてサツキを育てていくためには、どういった管理を行えば良いのでしょうか。最後に、サツキの剪定や植え替え、冬越し方法などをご紹介します。
剪定
サツキの花を毎年たくさん咲かせるために欠かせない作業が剪定です。サツキは新しく伸びた枝に花芽をつけます。株自体が元気なら古い枝にも花を咲かせますが、できるだけ若い枝がたくさん育つように剪定するのがおすすめです。
剪定の時期は花後の5月~6月です。サツキの花芽は6月~7月に形成されるため、それまでに剪定を済ませなければいけません。花が咲き終わったら、できる限りすみやかに剪定しましょう。
混みあっているところの余分な枝や、極端に細い枝、ひょろひょろと徒長している枝は切り取ってかまいません。枯れている枝も切り落としましょう。ただし、太くがっしりとした枝を深く切り詰めてしまうと、サツキへの負担が大きくなってしまいます。枝の先端を少しずつカットする程度にとどめましょう。
植え替え
鉢植えのサツキは、2年~3年に1回の頻度で植え替えを行います。適期は植えつけと同じく開花時期を除いた3月~6月、9月~10月です。剪定と同時に植え替えを済ませても大丈夫です。
やり方は植えつけ時とほとんど変わりません。根鉢を崩して土を半分ほど落とし、新しい土の入った鉢へ植え替えましょう。植え替えの際にも元肥としてマグァンプK大粒を混ぜ込みます。
冬越し
サツキは-10℃程度でも耐えられる耐寒性の強さがあります。ただし、冬の寒風に当てすぎると株が弱ってしまうため注意しましょう。生育が停滞するため、水やりの頻度も夏より少なく抑えます。
また、冬の間に徒長した部分を剪定してもかまいません。花後のようにたくさん枝を切るのではなく、飛び出てしまった徒長枝のみをカットしましょう。
おわりに
サツキは庭木のなかでは育てやすく、管理しやすいのが魅力です。品種も大変豊富なため、お好みのものを探して育てる楽しみもあります。ぜひサツキを植えて、毎年の開花を楽しみに待ちましょう。