更新日:2021.05.26
【果樹栽培】 レモンを家庭で育てよう! 栽培の基本やお手入れ方法、収穫のコツは?
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レモン
学名 Citrus limon 科名 ミカン科 原産地 インド東部のヒマラヤ 分類 常緑低木 耐寒性 やや弱 耐暑性 強 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月収穫期植えつけ・植えかえ施肥
- 目次
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- レモンの育て方!人気の果物を育てよう
- 知っておきたいレモンの魅力!
- レモンは花が咲くの?時期は?
- レモンの栽培に適した気候は?
- レモンの実の栄養と活用方法は?
- 家庭で育てるのにオススメのレモン品種3選
- リスボンレモン
- ジャンボレモン
- サイパンレモン
- レモンのお手入れ!水の与え方、土や肥料の選び方は?
- 水の与え方
- 土の選び方
- 肥料の選び方
- 苗の選び方
- 栽培場所の選び方
- 植えつけの方法
- 施肥の方法
- 摘蕾の方法
- レモンの植えかえ!時期と方法は?
- レモンの植えかえ時期
- レモンの植えかえ方法
- レモンの剪定や摘果!時期と方法は?
- レモンの剪定時期
- レモンの剪定方法
- レモンの摘果方法
- レモンの冬越しをしよう!
- レモンを育てるときに気をつけるべき病気や害虫は?
- アブラムシ
- アオムシ
- カミキリムシ
- 育てたレモンを増やすには?
- 接ぎ木とは
- レモンの接ぎ木
- レモンを収穫しよう!時期と方法は?
- 植えつけから収穫までの期間
- レモンの収穫時期
- レモンの収穫方法
- 育てて楽しく食べて美味しい、レモンを育てよう!
レモンの育て方!人気の果物を育てよう
見た目も可愛く、料理にしても美味しいレモン。自分で育てられたら素敵ですよね。果実としてポピュラーであるだけに、果樹園など栽培のプロが育てているイメージがあるかもしれません。しかし一般家庭の鉢植えでも十分育てることができます。
今回はレモンの基本的な育て方や、栽培にチャレンジするのにおすすめの品種3つをご紹介します。
知っておきたいレモンの魅力!
レモンは果樹園など地面で育てられているイメージが強い植物です。お庭のある家でしか育てられないのではないかと思っている方も多いかもしれません。
レモンは地植えだけでなく、鉢植えでも育てることができます。育成の管理しやすさから考えると鉢植えのほうが良いかもしれません。
とくにあまり暖かくない地域では、北風を避けて場所を移動することもできる鉢植えの方がおすすめです。大切に管理をすれば、鉢植えでたくさんの実を収穫することができます。
レモンは花が咲くの?時期は?
あまり知られていないかもしれませんが、レモンには白く可愛らしい花が咲きます。レモンは四季なり性といって春から秋にかけて花と実をつけるので、長い間花を楽しむことができますよ。
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レモンの栽培に適した気候は?
レモンは耐寒性が弱いのが特徴です。-3℃を下回ることで枯れることもあります。
とくに冬の霜や寒風には弱く、寒さ対策が欠かせません。庭に植える場合は、暖かい地域のほうが安心でしょう。冬の寒さが厳しい地域の場合は、鉢植えにして室内移動できるように管理するのがおすすめです。
また、レモンは強い風雨の影響で病害虫の被害を受けやすくなります。そのため、雨量が少ない地域での栽培に適しているとされています。
レモンの実の栄養と活用方法は?
レモンの実には、ビタミンCやクエン酸、葉酸、ポリフェノール、リモネン、食物繊維、カリウムなど、さまざまな成分が含まれています。
疲労回復や健康増進など、幅広い効果が期待できます。ぜひレモンを日々の食事に取り入れてみましょう。
レモンをそのまま食べると酸味が強いため、香りづけに使ったり、煮物や漬物に加えたりするのがおすすめです。果汁を使ってスイーツをつくっても美味しいので、ぜひレシピを探してみてください。
家庭で育てるのにオススメのレモン品種3選
レモンには多数の品種があります。それぞれ味や向いた気候などが違いますので、お好みのものを選んでみてください。こちらでは、レモンを育ててみたい人にオススメの品種を3つご紹介します。
リスボンレモン
日本でもっとも目にするポピュラーなレモン。レモンといえばこの品種を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
リスボンレモンは、レモンの中でもっとも育てやすい品種といわれています。比較的寒さに強く、関東より西の地域であれば屋外でも冬越しが可能です。いつもスーパーで並んでいるあのレモンを自分で育てることができたときの感動は、ひとしおではないでしょうか。
ジャンボレモン
とても大きく重量のあるレモン。プロが育てた立派なものだと1玉で1000g近くにも成長し、ソフトボール程度の大きさになります。とはいえご家庭でそこまで育てるのは難しいので400gくらいを想定した方がいいでしょう。
酸味はややマイルド。屋外で育てるなら関東より西の地域がベターです。見た目はややゴツゴツしており、ちょっと個性的。ユニークな外見なので葉を楽しむ観葉植物として育てるのも良いでしょう。
サイパンレモン
サイパン島のすぐ近くにあるテニアン島という島から、小笠原諸島や八丈島に導入されたレモンの品種。
実は一般的なリスボンレモンより大きくなり、くるんと丸くなるのが特徴です。
収穫は緑から黄色に変わるタイミングで行いましょう。味わいはややマイルドといわれています。大きくて可愛いレモンを育てたいという方におすすめです。
レモンのお手入れ!水の与え方、土や肥料の選び方は?
レモンをご自宅で育てる前に、基本的な栽培方法を確かめておきましょう。水やりや土づくり、施肥のタイミングなど、レモン栽培の基本をご紹介します。
水の与え方
レモンは乾燥を嫌います。基本的には土が乾いたらたっぷりと水をあげましょう。水を与えず、株がしおれてしまうと翌年にダメージが残り、実つきが悪くなります。鉢植えの場合は、鉢底から水が流れ出てくる程度が目安です。とくに夏は土が乾きすぎになることもあるため注意しましょう。
地植えの場合は、降雨に任せて問題ありません。雨が降らずに乾燥した日が続いたときのみ水やりしましょう。目安は2週間です。
ただし、植えつけから1年~2年の間は、根がしっかりと張るまで水を切らさないよう配慮が必要です。年間を通して土の乾燥に気を配り、地植えであっても水やりしましょう。乾燥を防ぐために、藁やビニールなどでマルチングするのもおすすめです。
土の選び方
レモンを育てるときは、水持ちと水はけの良い土を好みます。自分で配合する場合は、小粒の赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜておきます。
また、レモンは一般的な培養土で育ちますが、園芸店などでは果樹用の培養土も販売されています。とくに園芸初心者の場合は、市販されているものを購入するのがおすすめです。
肥料の選び方
レモンはひとつの木にたくさんの実をつけます。肥料を定期的に与え、丸々としたレモンの収穫を目指しましょう。
レモンに与える肥料は、ゆっくりと長く効く緩効性の肥料がおすすめです。肥料効果が約1~2か月間持続する『錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用』を、ぜひ活用してください。
苗の選び方
花木や果樹の苗には、1年生苗や2年生苗などの種類があります。
挿し木や接ぎ木などをしてから、生産者が1年育てたものが1年生苗、2年育てたものが2年生苗です。基本的に年数が経った苗ほど高価になる一方、購入後のお手入れが楽になります。
レモンの育てやすさを重視するなら、大苗とよばれる3年生以上の苗を買うのがおすすめです。その年に収穫が可能です。できれば実際に見て、幹ががっしりとしたものを選びましょう。
また、すぐに収穫したいときは実のついた苗を購入します。収穫し終えたら、鉢や庭へ植えつけましょう。
栽培場所の選び方
鉢植えも地植えも、日当たりと水はけの良い場所を選んで植えつけましょう。強い風が当たる場所は避けたほうが無難です。
植えつけの方法
レモンの植えつけ適期は春です。3月~4月に植えつけを済ませましょう。
レモンを地植えして複数の株を育てる場合、苗どうしの間は十分にあけておきましょう。レモンは大きく広がるため、6m以上の間隔が欲しいところです。
苗木を植えるときは、深植えにならないよう注意します。接ぎ木部分が土から出るように調整しましょう。
施肥の方法
緩効性肥料を用意したら、元肥として植えつけ時に施し、その後は、果実が大きくなり始める6月と9月頃に追肥します。
収穫が始まった後の11月頃にも追肥し、肥料切れを防ぎましょう。肥料を与える際は、錠剤が直接レモンに触れないように注意してください。
鉢植えの場合は、鉢に沿って土の上に置き、庭植えの場合は、土の中に埋め込んでください。
摘蕾の方法
レモンはひとつの木にたくさんの花を咲かせ、実をつけます。大きな実を育てるためには、十分な光合成が必要です。そのため、ひとつの実につき葉が何十枚も必要といわれています。葉の数に対して花が多すぎる場合は、蕾を間引いてしまいましょう。
また、夏以降に咲いた花にできた実は、冬を乗り越えられず、大きく育たないことがあります。春に咲いた花からできた実の収穫をメインに考えておくと良いでしょう。
レモンの植えかえ!時期と方法は?
鉢植えでレモンを育てる場合は、定期的な植えかえが必要です。根詰まりを防ぐために、暖かい時期を選んで植えかえましょう。
レモンの植えかえ時期
レモンの木が大きくなったら植えかえてあげましょう。目安は1年〜2年です。季節は植えつけ同様に3月〜4月が適しています。
レモンの植えかえ方法
植えかえ方法も基本は植えつけ時と同じです。今までよりもひと回り大きな鉢を用意し、水はけが良くなるように、ネットと鉢底石を敷いておきます。土は使い回さず、新しいものを用意しておきましょう。
掘り上げるときは、根を傷つけないように気をつけます。ゆっくりと引き抜いてあげましょう。少し根をほぐすと、新しい根が出やすくなります。
植えかえた後は活着促進のため『植物用活力液リキダス』を水に1000倍に薄めてたっぷりと株元に与えましょう。
レモンの剪定や摘果!時期と方法は?
レモンのお手入れで必要とされるのが剪定や摘果です。枝を切り詰めすぎず、樹形を整えてあげましょう。
レモンの剪定時期
レモンの剪定は春の3月頃が適期です。混み合った枝を切り落として、株全体をすっきりさせましょう。
レモンの剪定方法
春の剪定の目的は枝をすっきりさせて日光をすべての葉っぱに届けることです。混み合っている部分の小さな枝を取り除くように枝元から切っていきましょう。交差している枝や下方向に伸びている枝を切り取ります。
このとき、春に伸びてきた枝をカットしないように気をつけます。新しい枝を残しておくと、翌年の春に花をつけ、実がなっていくはずです。
前年に伸びて実をつけ終えた枝は刈り取ってかまいません。
また、徒長して邪魔になった枝や枯れ枝、葉のない枝などもカットします。光合成のために、元気な葉はできるだけ残しましょう。また、枝を長く切りすぎないように注意することも大切です。
レモンの摘果方法
レモンの実が多くなりすぎている場合は、小さなうちに摘果しましょう。果実をつけすぎると、レモンの実が小さくなるばかりか、翌年の収穫量がかなり減る可能性があるためです。
適期は7月~8月です。木の下のほうについている小さな実から順に摘み取りましょう。1つの果実に対し、25枚の葉が目安です。
レモンの冬越しをしよう!
寒さに弱いレモンの栽培では、冬の管理が重要となります。冬に-3℃を下回るエリアでは、とくに防寒対策をしっかりと行いましょう。
地植えの場合は、木全体を不織布で覆ってあげることがおすすめです。鉢植えの場合も、屋外や軒先などで管理するなら覆いをかぶせます。
室内へ取り込んでおくのも良いですが、日当たりや風通しが悪いとレモンが弱ってしまうかもしれません。
レモンを育てるときに気をつけるべき病気や害虫は?
レモンの木を守るためには、病害虫への対策が欠かせません。とくに、以下の害虫に気をつけましょう。
アブラムシ
一般的にもよく知られた害虫です。アブラムシが増えるとその排泄物からウイルス性の病気を誘発することもあるので、早めに薬剤などで対処しましょう。
アオムシ
アゲハ蝶の幼虫です。春になるとレモンの木に現れるのはもはや風物詩ですね。柔らかい新芽から葉っぱを食べてしまうので、見つけたら捕殺しましょう。
カミキリムシ
ある程度育ったレモンの木に卵を産み付け、幼虫は内部で木を食べてしまいます。木が枯れてしまうこともあるので早めに駆除しましょう。木の幹に穴が空いていたらその穴に針金を差し込んで捕殺します。
育てたレモンを増やすには?
自宅で育てたレモンは、接ぎ木という方法で増やすことができます。栽培に慣れてきたら、接ぎ木にチャレンジしてみるのもおすすめです。
接ぎ木とは
植物を増やす方法のひとつが接ぎ木です。台木となる木に、増やしたい木の枝(穂木)をくっつけて、ひとつの木にします。樹皮の内側にある形成層どうしを接合することで、枝が一体化する仕組みです。
レモンの接ぎ木
レモンを接ぎ木で増やす場合、台木にはカラタチのような柑橘類が使われます。台木となるものを準備しておきましょう。
台木が太い場合は、レモンの芽を樹皮ごと切り、台木に接着させる「芽つぎ」を行えます。台木と穂木の太さが同じくらいの場合は、枝どうしを切ってつなぎあわせる「切り接ぎ」ができます。
どの方法でも、形成層をしっかりと密着させるのがポイントです。接ぎ木用のテープを巻いて固定しましょう。乾燥させないように管理していけば、そのうち新しい芽が出てくるはずです。
レモンを収穫しよう!時期と方法は?
レモン栽培の醍醐味が果実の収穫です。最後に、レモンの収穫時期や方法についてご紹介します。
植えつけから収穫までの期間
レモンの収穫までの期間は、苗によって異なります。実のついた苗を買えば、その年のうちに収穫可能です。
幼い苗を購入して植えつけたら、収穫まで3年以上かかることも珍しくありません。栽培環境によっては何年かかっても実がならないこともあります。
その場合は、適した方法でレモンを管理できているか調べてみましょう。
レモンの収穫時期
レモンは春から夏にかけて実をつけますが、おすすめの時期は春に花をつけて、その実を秋に収穫するパターンです。
栽培する地域によるものの、10月頃が目安となります。実の色が緑から黄色へと変わる途中が収穫のベストタイミングです。木になったまま放置すると、どんどん果実の皮が厚くなっていきます。
また、緑色のうちに収穫した実はグリーンレモンと呼ばれます。香りが良く、酸味を強めに感じるのが特徴です。果実のいくつかは早めに収穫して、グリーンレモンを味わってみてはいかがでしょうか。
レモンの収穫方法
レモンの木は、品種によってトゲが生えていることがあります。けがをしないよう、手袋を用意しておきましょう。
収穫の際は、剪定ばさみやナイフなどを使って軸を切り取ります。手でもぎ取った場合、果実が傷ついてしまうこともあるため、刃物を使うのがおすすめです。
収穫した果実は、常温で10日程度は期間保存できます。ドライにしてインテリアにする、ハーバリウムの素材にするなど、料理以外にも活用してみましょう。
育てて楽しく食べて美味しい、レモンを育てよう!
レモンは料理のアクセントや調味料としても人気が高く、スーパーで購入する機会も多い果実です。
たくさんの葉を揺らしながら黄色い実が鈴なりになる木の姿を見ると、地中海の雰囲気も感じられます。おしゃれなお庭のシンボルツリーとしてもおすすめです。
果樹の中では比較的育てやすいため、ぜひレモン栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
公開: 2018年10月16日
更新:2021年5月26日
更新:2023年10月30日
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