【ストックの育て方】 ストックを育てて、ロマンチックな花の姿を鑑賞しよう
空に向かってまっすぐに茎を伸ばし、ふわふわとした花をたくさん咲かせるストック。優し気でロマンチックな花の姿が魅力です。ストックは種からでも育てやすく、ガーデニング初心者にもおすすめできます。寒い時期から栽培していき、春にぴったりのストックをご自宅で咲かせましょう。今回は、ストックの基本的な育て方や管理方法などをご紹介します。
愛らしく香りの良いストックは切り花やガーデニングで人気
ストックは、主に3月~5月に咲くアブラナ科の花です。品種や栽培する土地の気候により、夏や冬に咲くこともあります。香りが良く、切り花として室内で飾るのはもちろん、春のガーデニングにも人気が高い花です。
花の特徴
ストックは、すらりと伸びた茎に、ふわふわとした小さな花をたくさんつけているのが特徴です。花の大きさは2cm~3cmのものが多く見られます。花びらの形は品種によって異なりますが、華やかな見た目からか、八重咲の品種が人気のようです。
原産地
ストックの原産地は南ヨーロッパ一帯です。そのほか、北アフリカや西アジアなどにも自生しています。古代ギリシャのころから薬草として利用されていた歴史があるといわれています。日本へは、江戸時代に伝わってきたというのが定説です。
名前の由来
現在、日本でストックとして育てられているものの多くは「マッティオラ・インカナ種」です。「マッティオラ」という名前はイタリアの植物学者マッティオリ氏に由来します。「インカナ」には「灰白色」という意味がありますが、これはストックの茎や葉に細かい毛が生え、灰白色に見えることからつけられています。また、ストックは和名で「アラセイトウ」ともいいます。ストックが日本へ渡ってきたとき、葉の感触が毛織物に似ていることから、ポルトガルの毛織物の一種である「ラシャ布」にたとえられ、「葉ラセイタ」と呼ばれていました。これが転じて「アラセイトウ」という名前がついたそうです。
日当たりの良い場所で過湿を避けて育てよう
ストックは本来多年草ですが、日本の気候では夏越しできず、一年草として扱われています。原産地である南ヨーロッパのように、日当たりが良く風通しの良い場所で育てましょう。ここでは、ストックの基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
ストックは水はけの良い土を好みます。元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているハイポネックス培養土 鉢・プランター用がおすすめです。地植えの場合、腐葉土を土へ混ぜて耕しておきましょう。また、元肥としてマグァンプK中粒を加えておきます。
種まき
ストックは種からでも気軽に育てられます。発芽するのは15℃~20℃の環境のため、8月下旬~10月に種まきするのがおすすめです。寒い土地の場合は冬越しが難しいため、3月~4月にまいてかまいません。種は大変小さいため、ひとつの育苗ポットに3粒~4粒ずつまきましょう。土をうっすらとかぶせたら、水をたくさん与えます。種が流れないよう、霧吹きを行うか、ポットの底から吸水させるのがおすすめです。また、ストックの八重咲き品種を種まきしても、何割かは一重咲きの品種が芽生えてくることがあります。これはストックの性質によるもので、こちらで防ぐことはできません。種まきの際は、この点も考慮しておきましょう。
育苗
種まき後は、風通しの良い日陰に置いて発芽するまで管理しましょう。また、発芽するまでは水切れしないように注意します。発芽したら、日当たりの良い場所へ移して栽培しましょう。10日くらいたったら、元気のないものを間引いていきます。苗が大きくなったら鉢や花壇へ植えつけしましょう。
植えつけ
植えつけの適期は9月~11月にかけてです。鉢植えの場合、鉢底石を敷いて排水性を高めましょう。地植えの場合、複数の株を植える際は20cm以上は間隔をあけます。育苗ポットから取り出したら根鉢を崩さず、そっと植えつけしましょう。ストックは直根性で、根が傷つくとしっかり根付かなくなることがあるためです。
水やり、肥料
ストックは過湿に弱いため、水やりは土が乾いたタイミングで行いましょう。地植えであれば、何日も降雨がなく乾燥したときに水を与えます。また、ストックはさほど肥料を施さなくても十分に育ちます。花に元気がないときは、様子を見ながら液体肥料ハイポネックス原液を与えましょう。頻度は1カ月に2回程度が目安です。
ストックの花をできるだけ長く咲かせるために
ストックは一年草で、花が散ると株ごと枯れていきます。できるだけ長く花を咲かせるため、丁寧にお手入れしましょう。ここでは、ストックの管理方法や増やし方などをご紹介します。
支柱
ストックの草丈は、矮性種なら20cm前後、高性種だと80cm程度まで生長します。ひとつの株に花がたくさんつくため、生長途中で茎が折れてしまうことがあります。ですので、ストックが倒れないように管理してあげましょう。
切り戻し
ストックは開花時期になると次々に花を咲かせていきます。咲き終わった花は花茎ごと摘み取り、次の開花へ向けてのエネルギーを残しましょう。また、切り戻しを行うと花を長く楽しめることがあります。株全体の花が一度咲き終わったら、根本から切り戻しをしてみましょう。
冬越し
暖地の場合、特に対策しなくても十分に冬越しは可能です。霜が降りる地域であれば、霜よけをしてあげましょう。鉢植えの場合は軒下や室内などへ移動させて霜がつくのを防ぎます。地植えであれば防寒用ネットをかけるか、地面をマルチングして霜よけしましょう。
種の採取
ストックは種を採取することで増やし、来シーズンも栽培することができます。ただし、八重咲きの品種は基本的に種をつくることがありません。育てている品種によっては種の採取ができないため注意しましょう。種を採取できた場合は、再び種まきの適期になるまで保管して種まきを行います。種まきの時期が遅いと株があまり大きくならないまま花がつくため、丈夫に育てたい場合はできるだけはやめに種まきしましょう。
おわりに
ストックは育てやすいため、園芸初心者にもおすすめできる花です。春にカラフルな花を楽しむためには、晩夏から秋にかけて種まきし、寒い冬を乗り越えられるように管理していくのがポイントです。寒い時期からストックを育てて、春の開花を楽しみに待ちましょう。
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