【センリョウの育て方】鮮やかな実が冬のお庭に映える! センリョウ
赤い実と緑の葉のコントラストが鮮やかなセンリョウは、お正月の縁起物としても人気です。育てやすく管理が簡単なため、初心者の方にもおすすめできます。冬のお庭にぴったりのセンリョウを、ぜひご自宅で栽培してみましょう。今回は、センリョウの基本的な育て方やお手入れ方法などをご紹介します。
花よりも実が目立つセンリョウは、日本で愛されてきた植物
センリョウは縁起が良い植物として古くから親しまれてきました。お正月の時期になると、飾り用のセンリョウが売られているのをよく見かけます。原産地は東アジアの暖かい地域です。日本にも各地で自生するセンリョウの姿が見られます。日本の気候に合っているため、初心者でも育てやすい植物といえます。
動画でわかりやすく!植物の育て方を紹介!
花や実の特徴
センリョウは6月~9月に花びらのない花を咲かせます。花全体の色は淡く、さほど目立ちません。花後、10月~2月になると鮮やかな赤い実をつけます。濃い色の葉と相まってよく目立つため、センリョウを飾るときはたいてい実のついた枝が使われます。
また、センリョウは常緑低木で、樹高70cm~100cmまで育ちます。コンパクトに鉢植えで育てることもできるため、スペースの限られた場所でも栽培できるでしょう。
赤色以外の品種も!
赤色の実が印象的なセンリョウですが、実際にはほかの色の実をつける品種も存在します。例えば「キミノセンリョウ」です。キミノセンリョウは、山吹色の可愛い実をつけます。実の色が小判や金などを連想させるため、より金運を高めたい方にも人気です。
また、白い実がつく「シロミノセンリョウ」という品種もあります。こちらはあまり見かけることのない珍しい品種です。
ほかにも、センリョウにはさまざまな種類があります。「ムラサキセンリョウ」は、実は赤いものの、葉が紫色になる品種です。「黒葉千両(クロバセンリョウ)」や「烏葉千両(カラスバセンリョウ)」とも呼ばれます。個性的な植物を育てたい方には特におすすめです。お好きなセンリョウを選んで栽培してみましょう。
センリョウをご自宅で育てて鈴なりの実を楽しもう
センリョウは鉢植えでも地植えでも育てられます。ぜひご自宅で栽培し、鈴なりの赤い実を楽しみましょう。ここでは、センリョウの基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
センリョウは排水性と保水性のどちらも良い土を好みます。元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているハイポネックス培養土 鉢・プランター用がおすすめです。
地植えの場合は土に腐葉土を加えて耕しましょう。
植えつけ
センリョウは苗から育てる方法が手軽です。植えつけ適期は4月~5月と9月~10月です。鉢植えの場合は、苗より一回り大きめの鉢を用意して植えつけしましょう。センリョウは耐寒性が少々弱いため、寒い地域では鉢植えにして、冬は室内で管理するのがおすすめです。地植えの場合、根鉢の大きさの2倍程度の深さの穴を掘って植えつけをます。株が頼りなく、倒れてしまいそうなときは、支柱を立ててあげましょう。
水やり
植えつけ後、しばらくの間はたくさん水を与えましょう。その際に根の活着促進のため植物用活力液リキダスを1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。根付いた後は、それほど水やりする必要はありません。
鉢植えの場合は土の表面が乾いてから水を与えます。過湿に注意しつつ、水切れしない程度に水やりしましょう。また、梅雨の時期には、雨を当てすぎないように気をつけましょう。特に花にたくさん雨が当たってしまうと、実をつけなくなることがあります。
地植えの場合は雨除けをつくり、鉢植えの場合は雨の当たらない場所へ移動させるのがおすすめです。
日当たり
センリョウは半日陰に植えるのがおすすめです。直射日光がずっと当たる場所に植えると、葉焼けを起こすことがあります。ただし、まったく日の当たらない日陰だと、花が咲かず実もつかなくなるため気をつけましょう。
肥料
センリョウは肥料をたくさん与えなくても元気に育ちますが、実をたくさんつけたいときは適度に施肥しましょう。植えつけの際は元肥として緩効性肥料マグァンプK中粒 を土に混ぜ込みます。植えつけ後は1月~2月に寒肥をを少し与える程度でかまいません。
寒肥には堆肥と肥料成分がペレット状にひとつになった、土を豊かにする肥料がおすすめです。
また、株を大きく育てたい場合は、生育期にあたる5月~6月に追肥を与えましょう。鉢植えの場合は、さらに9月ごろに肥料を与えても問題ありません。
追肥にはバラまくだけで肥料効果が約2~3カ月間持続するプランティア花と野菜と果実の肥料がおすすめです。
丁寧にお手入れして長く育てよう
センリョウは、丁寧にお手入れすることで長く育てられます。挿し木や株分けなどで増やすことも可能です。ここでは、センリョウの管理方法や増やし方などをご紹介します。
増やし方
センリョウは挿し木や株分け、種の採取で増やせます。挿し木をする場合、3月~4月に枝を切って挿し穂をつくりましょう。挿し穂の切り口を30分程度水につけたら、清潔な土へ挿してあげます。3カ月程度で発根するため、根気よく管理していきましょう。
株分けの適期は4月~5月です。地下茎を掘り出して2つ~3つに切り分け、それぞれ新しい土へ植えつけましょう。
種から増やしたい場合は、採取してすぐにまく「とりまき」を行います。秋から冬の間に実をとって種を取り出したら、水洗いして果肉を取り除き、すぐに土へまきましょう。乾燥させると発芽しなくなるため注意が必要です。土が乾かないように気をつけて管理していけば、3カ月~4カ月で発芽するでしょう。
剪定
センリョウはほとんど剪定を必要としませんが、株が蒸れるのを防ぐため、込み入った部分の枝は適度に間引いてあげましょう。
また、3年以上たった枝は変色し、これ以上花や実をつけることがありません。3月になったら、古い枝を切り落とすようにしましょう。
センリョウは地下茎を横に伸ばし、そこから新しい枝を出していくのが特徴です。結実していない古い枝を見つけたら、地表に出ている部分をすべてカットしてしまいましょう。
植え替え
鉢植えのセンリョウは、2年に1回の頻度で植え替えを行いましょう。そのままにしておくと根詰まりを起こすことがあります。適期は4月~5月です。一回り大きな鉢へ移し、新しい土へ替えてあげましょう。また、株をコンパクトに育てたい場合は、地下茎を半分から3分の1程度になるまで切り落としてから、これまでと同じ大きさの鉢へ植え替えるのがおすすめです。
おわりに
センリョウは日本の気候で育てやすく、庭木をはじめて育てたい方にもおすすめです。色鮮やかで、和風のお庭にぴったりなのはもちろん、洋風のお庭に合わせても楽しめます。ぜひご自宅で栽培し、風情あるセンリョウの姿を鑑賞しましょう。
公開:2020年3月4日
更新:2023年月4日