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更新日:2020.08.21

【家庭菜園】 エダマメを栽培して、ふっくらとした実を味わおう|おすすめ品種や栽培のポイントは?

【家庭菜園】 エダマメを栽培して、ふっくらとした実を味わおう|おすすめ品種や栽培のポイントは?

エダマメはさまざまな料理で活躍する人気の食材です。現在は多くの品種がつくられており、家庭菜園でも手軽に育てられます。ぜひご自宅でエダマメを栽培し、美味しい実を味わいましょう。今回は、エダマメの基本的な育て方や管理方法、初心者におすすめの品種などをご紹介します。

エダマメの基本的な育て方
エダマメの基本的な管理方法

おつまみやサラダ、炒め物などで大活躍するエダマメ

エダマメはさまざまな料理に使われている人気の高い食材です。お酒のおつまみにするのはもちろん、サラダに和えたり炒め物に加えたりと、幅広い場面で活躍しています。旬の時期は6月~9月ですが、とくに真夏にたくさん流通するのが特徴です。

大豆とエダマメは同じもの?

エダマメと大豆は同じ植物です。若いうちに収穫した実が「エダマメ」、完熟してから収穫したものが「大豆」と呼ばれます。そのため、エダマメをある程度収穫し終えたらいくつかサヤを残しておき、秋ごろまで引き続き育てることで大豆の収穫も行えます。

エダマメの原産地は日本?

食卓の定番となっているエダマメですが、はっきりとした原産地は判明していません。中国原産との説が有力ですが、日本が原産地であるとする説もあります。少なくとも、奈良時代や平安時代ごろには日本で食用されていたと考えられています。

初心者はプランターがおすすめ! エダマメの育て方

初心者はプランターがおすすめ! エダマメの育て方

エダマメは育てやすい植物のひとつです。お庭がない家でも、プランターを利用して育てることもできます。ぜひ家庭菜園でエダマメを栽培してみましょう。こちらでは、エダマメの基本的な育て方をご紹介します。

土づくり

エダマメは、水はけと水もちの両方が良い土を好みます。プランター栽培の場合は、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているハイポネックス培養土 鉢・プランター用がおすすめです。地植えの場合は、植えつけの2週間前までに石灰を混ぜ、1週間前に堆肥を加えて耕しておきましょう。

種まき、育苗

エダマメの種はプランターや畑に直まきできますが、鳥に食べられないように管理する必要があります。また、種まき後に雨がたくさん降ると土のなかで腐ってしまうことがあります。初心者の場合は、管理しやすいように育苗ポットやセルトレーなどに種まきしたほうが良いかもしれません。

 

種まきの適期は4月~6月にかけてです。品種や育てる地域によって時期は前後します。種まきの際は、深く種を埋めすぎないように注意します。1cm~2cmほど土をかぶせたら、水をたっぷり与えましょう。発芽したら元気なものを残して間引きします。手で引き抜くのが難しい場合はハサミを使いましょう。

植えつけ

種まきから20日ほどたち、本葉が1枚~2枚ついたら植えつけが行えます。エダマメは寒さに弱いため、最低気温が10℃以下のうちは植えつけを避けましょう。プランター栽培の場合、鉢底ネットや鉢底石を敷いて水はけを良くします。地植えにする場合は、土を15cmほど盛って畝をつくることで排水性が高まります。

 

また、エダマメは日照不足になると実つきが悪くなってしまいます。日当たりの良い場所へ植えつけてあげましょう。

水やり

エダマメは過湿に嫌うため、水やりの量には気を使う必要があります。基本的に、プランター栽培の場合は土の表面が乾いたタイミングで水をたくさん与えます。地植えの場合は降雨に任せ、雨が降らない日が続いたら水をあげましょう。ただし、水不足になってしまうと、ふっくらとしたマメになりません。とくに開花以降は土を乾燥させすぎないように気をつけましょう。水やりの回数を増やし、その分、一度に与える水の量を少なくすると過湿も乾燥も防げます。

肥料

元肥として『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を与えたら、その後は2カ月に1回の頻度で『今日から野菜 野菜を育てる肥料』で追肥を行います。肥料をあげたら同時に土寄せをして、株が倒れないように整えてあげましょう。また、エダマメのようなマメ科の植物は、根にある「根粒菌」からチッソを吸収することが可能です。チッソがたくさん含まれた肥料を与えるのは避けましょう。

エダマメ収穫のタイミングや方法は?

エダマメ収穫のタイミングや方法は?

エダマメの花が咲き終わると実がなりはじめます。サヤが十分に膨らんだら、収穫を行いましょう。

エダマメの収穫適期

適度な柔らかさのエダマメを味わうためには、収穫のタイミングを見極めるのが大切です。適期を逃すと、実がどんどん硬くなってきてしまいます。基本的には、指でサヤを押さえたときに実が飛び出てくるようになれば収穫できます。サヤが黄色くなると熟しすぎであるため、緑色をしているうちに摘み取りましょう。

 

植えつけから収穫までの時期は、品種によって異なります。種まきから育てる場合は、種をまいてから2カ月~3カ月での収穫が目安です。苗から育てる場合は、花が咲いてから1カ月程度を収穫のタイミングとして考えておきましょう。

エダマメの収穫方法やコツ

エダマメを収穫するときは、よく切れるハサミでサヤを一つひとつカットしていきます。この方法は、少しずつ収穫したいときにおすすめです。

 

もうひとつ、株全体を一気に引き抜いて収穫する方法もあります。未成熟の部分があっても、実の8割ほどが十分に育っていたら引き抜いてかまいません。すべて熟すまで待っていたら、先に収穫適期を迎えた実の風味が落ちてしまいます。ハサミを使って、枝についたサヤをカットしていきましょう。

 

また、大豆を収穫したいときは、株全体が茶色くなるまで収穫せずにおきましょう。サヤを摘み取り、カラカラになるまで乾燥したら、中に入った大豆を取り出します。

収穫後の保存方法

枝から切り離したエダマメの鮮度はどんどん落ちていくため、はやめに食べてしまいましょう。収穫したばかりの新鮮なエダマメの味は格別です。美味しいうちに調理して味わってみてください。

 

たくさん収穫できて食べきれない場合は、冷凍保存しておくのもひとつの方法です。洗ってから水気をしっかりと切り、保存容器へ入れて冷凍庫へ保管しましょう。だいたい1カ月後までに食べきることがおすすめです。

 

また、解凍してからすぐに食べられるよう、塩ゆでしてから冷凍する方法もあります。この場合も、水気をよく切ってから冷凍することがポイントです。

初心者にぴったりのエダマメ品種とは?

初心者にぴったりのエダマメ品種とは?

家庭菜園初心者がエダマメ栽培を成功させるためには、品種選びにこだわることも大切です。ガーデニングビギナーでも育てやすく、栽培を楽しみやすい品種を探してみましょう。

初心者向きの品種の選び方

エダマメの品種は、収穫までの長さによって早生品種や中生品種、晩生品種などに大別されます。早生品種は植えつけから収穫までの期間が短く、晩生品種は比較的長くかかることが特徴です。栽培期間が長くなるほど管理の手間がかかり、その分難易度が上がると考えておきましょう。そのため、家庭菜園初心者であれば、早生品種を選ぶことがおすすめです。

 

加えて、種ではなく苗を買い、プランターや畑などに直接植えつけたほうが、育苗におけるリスクを減らせます。まずは苗を購入して栽培をスタートすると良いでしょう。ただし、苗はできるだけ大きく育ちすぎる前に植えつけすることがポイントです。大きく生長した苗を無理に植え替えようとすると、根が傷つき、枯れる原因になる可能性もあるためです。本葉がつきはじめた小さな苗を選びましょう。

おすすめ品種1:湯あがり娘

湯あがり娘は、茶豆のような風味を持つ品種です。茶豆とは、薄皮やサヤの産毛などが茶色いエダマメのこと。甘みが強いうえ、香りも豊かなものが多く見られます。湯あがり娘も、しっかりとした甘みが特徴です。ゆでたときの香りはトウモロコシに例えられます。中早生で、はやければ種まきから60日、遅くとも90日で収穫できます。

おすすめ品種2:おつな姫

おつな姫は、薄皮が緑色をした青豆です。一般的な青豆はさわやかな風味が特徴ですが、おつな姫の香りや味わいは茶豆に似てコクがあり、甘みが強めです。サヤに白毛がつき、ゆでたときの仕上がりが大変あざやか。味も見た目も良いため、人気の高い品種です。ひとつの株にたくさんの粒がつくため、収穫量も期待できます。早生品種で、80日前後で収穫できるのもメリットです。

おすすめ品種3:莢音(さやね)

莢音(さやね)は、大きなサヤをつけるものの、株自体は小さくまとまるため、プランターでも育てやすい品種です。極早生のため、植えつけから間を置かずに収穫できます。甘みが強く、ぷりぷりとした食感を楽しめます。

おすすめ品種4:サッポロミドリ

青豆の品種として、昔から親しまれてきたもののひとつがサッポロミドリです。早生品種で、これぞエダマメといった色鮮やかな緑色の実をつけます。スタンダードなエダマメを収穫したいならおすすめの品種です。

おすすめ品種5:あじみのり

あじみのりは、小ぶりな白毛のサヤをたくさんつける早生品種です。サヤの中にできる実は大粒のため、食べ応えも抜群。強い甘みと芳香があり、味わい深いことが特徴です。

エダマメのお手入れ方法

エダマメのお手入れ方法

ふっくらと膨らんだ美味しいエダマメを収穫するには、いくつか気をつけたいポイントがあります。摘心やアブラムシ対策などを行い、無事に収穫できるようお手入れしていきましょう。こちらでは、エダマメの管理方法についてご紹介します。

摘心

エダマメの収穫数を増やすためには、脇芽を伸ばして枝の数を増やすのが大切です。本葉が4枚~5枚になるまで育ったら、茎の頂端についた葉を切って摘心しましょう。摘心することで実つきが良くなるほか、草丈が抑えられるため、倒れにくくなる効果もあります。

支柱立て

エダマメが大きく育つと、風雨の影響で倒れやすくなります。草丈が30cm程度になったら、支柱を立ててあげましょう。支柱は一株につき一本用意し、ひもで結びます。四隅に支柱を立て、ひもやネットを張るのもおすすめです。防虫ネットを張ると虫よけにもなります。収穫前にエダマメが倒れてしまわないよう、しっかりと管理してあげましょう。

土寄せ

土寄せとは、植物を植えている土を寄せて、株元に集めることです。植えつけ時にしっかりと土を固めても、自然と崩れてきてしまうため、定期的に土寄せをすることが大切です。根が丸見えになるまで放置しないよう気をつけましょう。

 

土寄せは、追肥と同時に行うと効率的です。ほかにも、風雨が強くなると予想されるときには、土寄せをしてエダマメが倒れるのを防ぐと良いでしょう。

エダマメ栽培で気をつけたい病害虫の対策

エダマメ栽培で気をつけたい病害虫の対策

虫や鳥にとっても魅力的な存在であるエダマメ。無事に収穫するために、病害虫対策をしっかりと行いましょう。

アブラムシ対策

エダマメを栽培する季節は、アブラムシが発生しやすい時期と重なります。アブラムシがついているのを見つけたらすぐに取り除き、被害を最小限にとどめましょう。また、専用の薬剤を使ってアブラムシを防除するのもおすすめです。

カメムシ対策

エダマメに発生しやすい虫のひとつがカメムシです。カメムシの被害を受けた実は大きくならず、味も落ちてしまいます。もちろん、独特のにおいによって不快な思いをする可能性もあります。カメムシを発生させないために、防虫ネットを張っておくか、薬剤を散布することがおすすめです。

 

防虫ネットを張る場合は、カメムシが発生する前の、小さな苗のうちに作業を済ませましょう。ネットは支柱を使ってしっかりと固定し、隙間からの侵入を防止します。土の面積よりも大きめのネットを使うことで、隙間ができにくくなります。防虫ネット越しに水やりや施肥をすることも可能なため、できるだけ外さずに管理していきましょう。

鳥害対策

エダマメの種や苗は、鳥に食べられてしまいやすいため、育苗期間から気をつけておく必要があります。とくに、広々とした菜園で育てる場合は、鳥害を受けやすいため注意が必要です。種まきをしたら、すぐに不織布などをかけて、鳥害対策をしましょう。水やりしやすい園芸用の不織布や寒冷紗などを活用すると便利です。本葉がつくまでは布をかけたままでかまいません。不織布を外した後は、防虫ネットへ切り替えましょう。

エダマメ栽培を成功させるために気をつけたいポイント

エダマメ栽培を成功させるために気をつけたいポイント

エダマメは育てやすい野菜ですが、何らかのトラブルによってうまく生長しないこともあります。最後に、エダマメ栽培におけるよくあるトラブルや、対処方法についてご紹介します。

連作障害に関するトラブル

エダマメやマメ科の植物を育てた土にもう一度エダマメを植えると、連作障害を起こし、うまく生育しないことがあります。連作障害とは、同じ科の野菜を連続で植えることで起きる障害のことです。エダマメはマメ科のなかでは連作障害が起きにくいとされているものの、連続して同じ土を使うのは避けたほうが無難です。同じ場所へ植えつけするときは、3年~4年は間隔をあけましょう。

水やりの量や頻度に関するトラブル

エダマメのサヤが膨らまない、思ったよりも実がつかないといったトラブルは、水やりの量や頻度に問題があるのかもしれません。基本的に、エダマメの実をふっくらとさせるには、たくさんの水やりが必要です。とくに花がつき、実がなるまでは乾燥させないように気をつけましょう。

 

また、エダマメは一株にたくさんの花をつけ、そこからサヤをつくります。花の多くは落ちてしまいますが、残る花の数が多ければ、その分、大量の実が収穫できます。エダマメが次々と開花できるように、水をたくさんあげることが大切です。

 

もちろん、水やりをしすぎて過湿になるのも、株にとっては良くありません。過湿を防ぐコツは、土の状態を確認しながら1回の水やりの量を控えめにして、回数を増やすことです。そうすることで水の量が調整しやすくなります。

発芽率に関するトラブル

エダマメを種まきして育てる場合、気になるのが発芽率です。種から芽が出るかどうかは、気温や日光など、さまざまな条件に左右されます。少しでも発芽しやすくするためには、ひとつの穴に複数の種をまくことがおすすめです。育苗ポットを使うのであれば、ひとつのポットにつき2粒~3粒を目安に種まきしてみましょう。

肥料の量や頻度に関するトラブル

エダマメはマメ科の植物に含まれます。マメ科の植物は、根に根粒菌が共生していることが特徴です。根粒菌の影響によりチッソが固定され、土の栄養を吸収しやすくなるメリットがあります。

 

一方で、チッソ分が過多になりやすいため、適した肥料をあげなければうまく育てられない可能性があります。エダマメの生育が悪いときは、適切な肥料を与えられているか見直してみましょう。また、与える量や回数が多くないかも同時にチェックします。

 

おわりに

エダマメは、家庭菜園初心者でも育てやすい野菜のひとつです。水やりや施肥など、適切な管理ができれば、一度にたくさんのエダマメを収穫することもできます。とくに早生品種を選べば、比較的簡単に収穫までたどり着けます。病害虫被害を防ぐため、薬剤や防虫ネットなどを活用することも大切です。うまく育たないときは、ご紹介したポイントをチェックしてみてください。ぜひ、夏にぴったりのエダマメをご自宅で育てて、新鮮な豆の風味を味わってみましょう。

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公開: 2020年8月21日

更新:2021年6月30日

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