【バラ栽培】6月のバラ栽培を楽しむために|必要なお手入れや管理のポイント
春の終わりから初夏にかけて咲くバラの花。6月は、バラの開花が一通り終わる時期となります。
この時期のバラには、どのようなお手入れが必要なのでしょうか。次の開花シーズンに備えて、どういった管理をすれば良いかを確かめておきましょう。
今回は、6月にしておきたいバラのお手入れや、植えつけ・植えかえの方法、摘み取ったばらの楽しみ方など、さまざまな情報をご紹介します。
-
バラ
学名 Rosa 科名 バラ科 原産地 アジア、ヨーロッパ、中近東、北アメリカ、アフリカの一部 分類 落葉(ツル性)低木 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月開花時期年3〜4回開花植えつけ・植えかえ大苗春苗大苗施肥
- 目次
-
- 動画でわかりやすく!植物の育て方を解説!!
- バラのシーズンにおける6月とは
- 6月のバラに必要なお手入れ1:花がら摘み・切り戻し
- 6月のバラに必要なお手入れ2:病害虫対策
- 【3月~4月のバラ栽培】病害虫対策のポイント
- 6月のバラのうどんこ病対策
- 6月のバラのアブラムシ対策
- 6月のバラに必要なお手入れ3:開花後のお礼肥(追肥)
- 6月のバラにお礼肥を与える重要性
- バラのお礼肥におすすめの肥料
- 6月のバラに必要なお手入れ4:シュートの処理
- 木立ち性バラのシュートの処理
- つるバラのシュートの処理
- 6月のバラに必要なお手入れ5:中耕・除草・増し土
- 6月のバラの植えつけ・鉢増し
- 新苗の植えつけ方法
- 一番花が終わった株の鉢増し方法
- 摘み取ったバラの楽しみ方
- 切り花として楽しむ
- ドライフラワーとして楽しむ
- ポプリとして楽しむ
- おわりに
- 🌹6月のバラの管理🌹ーバラの切り戻しー京阪園芸 小山内健さんのバラを楽しむための管理ポイント
- 01:ローズライフアドバイザー有島薫の~Fragrance Garden~ 憧れの庭
動画でわかりやすく!植物の育て方を解説!!
バラのシーズンにおける6月とは
四季咲き性のバラの主な開花時期は春の終わり~初夏、そして秋です。6月は、5月からの開花が一段落する時期となります。ただ、遅咲きのバラや二番花や三番花は咲いていることもあり、まだまだ開花を楽しめる時期ともいえます。
6月になって開花が落ち着いてきたら、次の開花へ向けたお手入れが必要になります。花がら摘みや追肥などのお世話をして秋や翌春の開花へ備えましょう。
また、6月には梅雨が始まる地域もあり、どんどん夏が近づいてくるシーズンでもあります。暑い夏を元気に迎えられるよう、夏に向けて準備しておくことも大切です。
高温多湿の環境になると病害虫被害が増えてくる傾向にあるため、予防・対策を行うことも求められます。季節に合った管理のポイントを押さえて、大切なばらを枯らさないように育てていきましょう。
6月のバラに必要なお手入れ1:花がら摘み・切り戻し
6月には、バラの花がら摘み(咲きがら切り)や切り戻しを済ませておきましょう。バラの花は枯れるまで待ってから切るのではなく、蕾が緩んだ程度のタイミングで摘み取ります。
花を長く残したままにしておくと株が消耗してしまうためです。たくさんの花を楽しみたいなら、なるべく8分咲き~9分咲きの間に摘み取りましょう。
花がら摘み・切り戻しの方法は、バラのタイプによって異なります。
ひとつの枝につき一輪咲くハイブリッドティーのタイプは、花のついた枝を切り落とします。枝の半分程度の位置を目安にカットしましょう。
深く切ってしまうと次の花が咲くまでに時間がかかるため注意が必要です。
ひとつの枝に複数の花がつく房に咲くフロリバンダの場合、一つひとつの花の状態をチェックして、咲き終わりそうなものから花首でカットしましょう。
房に咲いた花がすべて咲き終わったら切り戻しをします。枝の半分程度のところでカットしましょう。
花がらを切るときは、5枚葉以上の葉を残すことがポイントです。ひとつの枝に5枚葉が3~4個残るように切ると良いでしょう。
6月のバラに必要なお手入れ2:病害虫対策
6月は気温や湿気が高くなってくる時期です。病害虫被害が出やすくなるため、予防・対処をしっかりと行うことが重要となります。
こちらでは、バラに出やすい「うどんこ病」や「アブラムシ」などの対策についてご紹介します。
【3月~4月のバラ栽培】病害虫対策のポイント
6月のバラのうどんこ病対策
この時期のバラに頻繁に起こりやすい病害のひとつがうどんこ病です。病害にかかった部分は、白い粉をまぶしたような状態になります。
とくに葉や花首に起こりやすく、放っておくとどんどん弱ってしまいます。
元気のない葉はハダニや黒星病など、その他の病害虫の影響を受けやすくなる点にも注意が必要です。見つけ次第すぐに対処しましょう。
うどんこ病にかかった葉は薬剤も散布して、こまめに様子を確認しましょう。
また、うどんこ病をなるべく防げるよう、日当たりと風通しの良い環境をつくることも大切です。バラの周りが蒸れやすくなっていないか、日陰になっていないかをチェックしましょう。
バラの黒星病、うどんこ病の専用薬として、予防効果だけではなく治療効果も兼ね備え、発病後の散布でも防除が可能な『BrilliantGarden サルバトーレME』と『BrilliantGarden フローラガードAL』がおすすめです。
『BrilliantGarden フローラガードAL』は、希釈せずにそのまま使え、葉の裏にも散布しやすい逆さ噴霧のできるスプレーです。
6月のバラのアブラムシ対策
アブラムシはとても小さな虫で、とくに新芽に発生することが多くなります。大量発生するケースも多いため、見つけたら早めに駆除することが大切です。
アブラムシが発生したばらは見た目が悪くなるのはもちろん、被害を受けて株が弱ってしまうことがあります。
そのままにしておくとほかの病害の原因になるケースもあるため、すぐに対処することがおすすめです。
『BrilliantGarden(ブリリアントガーデン)ハイポネックス原液殺虫剤入り』は、アブラムシ退治と肥料やりが同時に行えます。
また予防・駆除ができる薬剤もあるため、バラへの被害を防ぐために活用しましょう。
植えつけ時や植えかえに時に『虫を予防するマグァンプD』を土に混ぜ込むと肥料やり+害虫の予防・退治が同時にできるのでおすすめです。
6月のバラに必要なお手入れ3:開花後のお礼肥(追肥)
6月の花がら摘みを終えたら「お礼肥」として肥料を与えることがおすすめです。
こちらでは、追肥を施す理由やおすすめの肥料をご紹介します。
6月のバラにお礼肥を与える重要性
お礼肥とは、開花や実の収穫などが終わった植物へ与える肥料のことです。このタイミングで追肥をすることで、消耗した株を回復し、次のシーズンへのエネルギーを蓄えることができます。
この時期は、バラの「シュート」がぐんぐん伸びる時期でもあります。
園芸においては、新しく伸びてきた若い枝を指してシュートと呼ぶことが一般的です。シュートを元気に育てるためにも、この時期に適切な施肥をすることがポイントといえます。
バラのお礼肥におすすめの肥料
バラの追肥におすすめの肥料は、チッソ・リンサン・カリの三要素がバランスよく配合されているものを選びましょう。
チッソは主に茎や葉を、リンサンは花や実を、カリは根の生育を助ける成分とされます。ど
れが欠けても植物の生育に影響が出てしまうため、各成分がバランスよく配合された市販の肥料を活用すると良いでしょう。
また、肥料は効果の出るタイミングによって緩効性の粒状肥料や固形肥料、又は速効性の液体肥料などの種類に分けられます。
緩効性肥料は効果が長く続くタイプで、元肥や追肥などさまざまな場面に適しています。
速効性の液体肥料は、与えてからすぐに効果が見られることが特徴です。持続性はありませんが早く肥料の効果が欲しいときにおすすめです。
株が消耗する時期に与えるお礼肥なら、速効性の液体肥料のほうが適しているケースもあります。バラの状態に応じて使い分けましょう。
『BrilliantGardenハイポネックス原液殺虫剤入り』は、アブラムシ退治と肥料やりが同時に行うことができます。
どのような肥料を選べば良いか迷ったら、専用肥料を検討することもおすすめです。
バラの専用肥料は、バラの生育を考えてつくられている点が大きな魅力となります。ぜひ活用して、大事なばらを元気に育てましょう。
地植えのバラのお礼肥え(追肥)には、粒状の緩効性肥料『BrilliantGarden バラのまくだけ肥料』がおすすめです。
『BrilliantGarden バラのまくだけ肥料』は、微量要素やアミノ酸を含み、花・葉色を色艶良く仕上げます。
鉢植えのバラのお礼肥え(追肥)には、固形の緩効性肥料『BrilliantGarden バラの置肥』がおすすめです。
『BrilliantGarden バラの置肥』はバラに必要な肥料成分と微量要素を配合し、花数の多い丈夫な株をつくり、美しい大きな花を咲かせます。
また梅雨(長雨による日照不足)や夏(酷暑を乗り切る)に備え、株を丈夫にすることが重要です。
植物の株を丈夫にするには、カリ成分、カルシウムの多い液体肥料『微粉ハイポネックス』を1週間に一度与えましょう。
6月のバラに必要なお手入れ4:シュートの処理
上記の通り、6月頃はばらのシュートがよく伸びる時期です。
ただ、そのままにしておくと伸び放題になり、バランスが悪くなってしまうこともあります。
株の生育にもかかわるため、適切なシュートの処理を行いましょう。
木立ち性バラのシュートの処理
バラの株元からは、ベーサルシュートと呼ばれる勢いの良い枝が出てきます。
木立ち性バラの場合は、この時期から何回かに分けてシュートの先端を摘み取る「シュートピンチ」を行うことがおすすめです。
シュートをそのまま伸ばしていると先端に蕾ができて花が咲きます。ただ、枝が十分に生長する前に花がついてしまうと栄養が取られてしまうため注意が必要です。
最終的に翌シーズンの開花が少なくなってしまうケースもあるため、早めに蕾を摘み取っておくことが求められます。
シュートピンチは蕾が指で摘み取れる程度の時期に行います。枝がかたくなってしまう前に作業しましょう。
枝がやわらかいうちは芽吹きも早いため、シュートピンチをしても再びぐんぐん伸びていきます。
その後も蕾ができているのを見つけたら、その都度摘み取っていきましょう。
シュートピンチの回数の目安は3回ほどです。9月以降は秋バラの開花に備えて作業をストップしましょう。
つるバラのシュートの処理
つるバラの場合、基本的にシュートピンチは行わずにそのまま育てます。
つるバラのシュートは、翌シーズンに花をつける枝となるためです。どんどん伸びてきますが、この時期は切らずにお手入れしていきましょう。
つるバラのシュートが伸びてきたら、支柱を立て麻紐などで束ねます。このとき、枝が上に向かってまっすぐ伸びるように束ねると良いでしょう。
6月のバラに必要なお手入れ5:中耕・除草・増し土
植物を栽培するとき、定期的にチェックしたいのが土の硬さです。土がガチガチに硬くなってしまうと水や空気が通りにくくなってしまいます。
バラ栽培でも同様に土が硬くなっていくことがあるため、6月には土の表面を軽くほぐす「中耕」を行いましょう。
中耕の際は、スコップや小さめの熊手などで株元の土をほぐしていきます。
スコップなどを深く突き立ててしまうと根が切れてしまうため注意が必要です。中耕のついでに雑草も抜き取っておきましょう。
また、植物を育てていると雨や風などの影響で株元の土が減り、根が露出したり倒れやすくなったりすることがあります。
土の状態に応じて、鉢植えの場合は増し土、地植えの場合は土寄せを済ませておきましょう。
増し土とは鉢やコンテナなどに土を追加で入れることです。土寄せは周囲の土を株元に寄せることを指します。
追肥や中耕、除草などと併せて済ませておくと良いでしょう。
6月のバラの植えつけ・鉢増し
バラの新苗は根を崩さずに植えつけをします。開花した苗を購入した場合も、花が終わる6月頃に根を崩さずに鉢増しをしてあげましょう。
こちらでは、6月のバラの植えつけ・植えかえ方法をご紹介します。
新苗の植えつけ方法
バラの新苗とは、前年秋~冬に接ぎ木した若い苗のことで、4月頃から出回り始めます。4月~6月の間は新苗植えつけのシーズンとなります。
新苗は3号~5号程度の小さな鉢で販売されていることがあります。購入時に入っていた鉢のままでは窮屈になってしまうため、1~2回り大きな鉢や花壇などへ植えてあげましょう。
小さな鉢のまま育てていると夏頃には根が回り、水切れを起こしやすくなるかもしれません。なるべく梅雨明けまでに植えつけ・植えかえを済ませることがポイントです。
植えつけの際は、バラに適した用土を準備します。園芸用培養土や、バラ専用の培養土などを使うと手軽です。
鉢から根を取り出す際は、傷つけないように慎重に扱いましょう。『BrilliantGarden バラの培養土』は排水性、通気性、保肥性にすぐれ、元肥として緩効性肥料を配合しています。
地植えする場合は直径と深さがともに40~50cmの穴を掘りましょう。穴底に元肥として『BrilliantGarden バラのまくだけ肥料』を土に混ぜ込んで新苗を植えつけます。
植えつけ後は、根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。
植えつけ直後は根がしっかりと張っておらず、株がぐらついてしまうことがあります。倒れてしまわないよう、支柱を立てて枝を結んでおくと良いでしょう。
一番花が終わった株の鉢増し方法
春に蕾や花のついたバラの苗を買った場合は、開花が終わるまで待ってから鉢増しをすることができます。
一番花を楽しんだ後に花がら摘み・切り戻しを済ませ、根を崩さずに一二回り大きな鉢に鉢増しを行います。
摘み取ったバラの楽しみ方
6月には、バラの花がら摘みを行います。まだ綺麗に咲いているうちに摘み取れば、切り花として生けることも可能です。
最後に、摘み取った花を楽しむ方法をご紹介します。
切り花として楽しむ
バラの花がらを切った後、そのまま捨ててしまうのがもったいないときは切り花として楽しむことがおすすめです。一輪飾るだけでもお部屋の雰囲気が変わり、気分も華やぐでしょう。
切り花を長持ちさせるため、生ける前に水切り・水揚げを行います。バケツやたらいなどの容器に水を張って、切り取った茎の切り口を浸しましょう。
そのまま水の中でもう一度、茎を数cmカットします。切り口を斜めにすると、水を吸い上げられる面が多くなります。花瓶の水に浸かってしまう下葉は取りましょう。
カットする際は切れ味の良いハサミを使うこともポイントです。切れ味が悪い刃物だと導管がつぶれてしまい、水を吸い上げにくくなってしまうことがあります。
切り花を長く楽しむために花瓶に切花鮮度保持剤『水あげ名人』を水で10倍にうすめて使用します。
『水あげ名人』は、植物の栄養分である糖類、水の汚れや臭いを抑える抗菌剤、水の吸い上げを助ける界面活性剤などの働きによって、切り花の鮮度を長く保ちます。
ドライフラワーとして楽しむ
バラの花を長く飾っておきたい場合は、ドライフラワーをつくることもひとつの方法です。
8分咲き程度のタイミングで花を摘み取り、乾燥させてドライフラワーにしてみましょう。
茎を縛って吊るすハンギング法なら1~2週間自然乾燥させるだけで手軽につくれます。
鮮やかな色を残したい場合は、密閉容器に花とシリカゲルを入れて乾燥させる方法もあります。
ポプリとして楽しむ
アロマが好きな方は、バラの花びらを使ってポプリをつくることもおすすめです。
作り方は簡単で、花びらをドライにした後にお好きなアロマオイルを1~2滴垂らすだけです。
透明な便や小皿などに入れて飾ると見た目も楽しめます。お好きな色の花びらを組み合わせて、おしゃれなポプリをつくりましょう。
おわりに
6月はバラの開花を楽しむほか、今後に備えたお手入れを行う時期となります。
この時期のお世話が秋以降の開花に影響を与えることもあるため、管理のコツを確かめておくことが大切です。
ばらの花を長く楽しんでいくために、病害虫対策やシュートの処理など、必要なお手入れを行いましょう。