【エンジェルストランペットの育て方】|日々のお手入れ方法や増やし方
ラッパのような花が垂れ下がる姿が特徴のエンジェルストランペット。育てやすい庭木のひとつであり、はじめて樹木を栽培したい方にもおすすめできます。
今回は、エンジェルストランペットの特徴や基本的な育て方、お手入れのコツ、増やし方などについてご紹介します。
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エンジェルトランペット
学名 Brugmansia 科名 ナス科 別名 キダチチョウセンアサガオ 原産地 熱帯アメリカ など 分類 落葉低木 耐寒性 弱 耐暑性 強 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月開花時期植えつけ・植えかえ施肥
エンジェルストランペットの特徴
エンジェルストランペットは、名前の通りトランペットのような形状の花を咲かせる低木です。「キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔)」という和名があり、花の形は朝顔にも似ています。
香りのある品種を植えると、夜に甘い芳香が漂います。開花時期は5月から11月にかけてと長めです。原産地は熱帯アメリカで、温暖な環境を好みますが、比較的耐寒性があるのも特徴です。栽培する地域によっては、冬には地上部が枯れることがあります。
ただ、その際も根は生きており、春から再び芽吹いて開花することも多くなります。
また、エンジェルストランペットの大きな特徴といえるのが、株全体に毒を持っていることです。花や葉、枝、根など、あらゆる部分に毒があるため扱いには十分に気をつけましょう。
お手入れの際は直接触れないよう、手袋をつけておくことがおすすめです。誤食を防ぐため、すぐそばに野菜を植えるのも避けたほうが良いでしょう。お子さまやペットのいるご家庭も、栽培する場合は徹底して管理することが重要です。
上記のような取り扱いに気をつければ、エンジェルストランペットの豪華な花の姿を存分に楽しむことができるでしょう。
地植えにして大きく育てれば、一気に100輪もの花が咲くこともあります。白色やオレンジ色、ピンク色、黄色などの花の色があるため、ぜひお好きな品種を探して育てていきましょう。
エンジェルストランペットの育て方
エンジェルストランペットは管理の手間がかかりにくい花木のひとつです。お庭やベランダで栽培にチャレンジしてみましょう。こちらでは、エンジェルストランペットの基本的な育て方をお伝えします。
エンジェルストランペットの好む栽培環境
エンジェルストランペットは日陰でも育てることができます。ただし、花をたくさん咲かせるには、日当たりの良い場所へ植えつけることがポイントです。
風通しの良さも大切ですが、強風にさらされ続けると株が傷んでしまうことがあります。風が強く当たる場所は避けて植えたほうが良いでしょう。
また、エンジェルストランペットにとって、日本の夏の高温多湿は過酷な環境となります。夏場は木陰のように涼しい半日陰で管理することがおすすめです。
加えて、地域によっては、冬になったら暖かい部屋の中に取り込んで冬越しさせたほうが良い場合もあります。こういった点を考慮すると、鉢植えにしたほうが管理しやすいといえます。地植えの場合は日よけをつくるなどの方法で日差し対策をすると良いでしょう。
土づくり
エンジェルストランペットは肥沃な土を好みます。地植えにする場合、堆肥や元肥などを加えてしっかりと耕しておきましょう。
鉢植えにする場合は小粒の赤玉土と腐葉土、堆肥を6:2:2で混ぜたものなどがおすすめです。ただ、こういった用土を自分で配合するのは手間がかかります。市販されている園芸用の培養土を活用することで、より手軽に植えつけ作業を進められるでしょう。
植えつけ
エンジェルストランペットの植えつけ適期は4月から9月にかけてです。16℃を下回ると生育が停滞するため、寒さの残る時期は植えつけ作業を控えたほうが良いでしょう。
地植えの際は、根鉢の2倍~3倍ほどの植え穴を掘ります。根鉢を軽く崩してから穴へ入れ、土をかぶせましょう。鉢植えの場合は鉢底石を敷いた上に用土を入れ、苗木を植えつけます。地植えも鉢植えも、植えつけたら、根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。
水やり
エンジェルストランペットが根づいた後は、株が充実して葉がたくさん茂ります。水切れしないように気をつけて管理しましょう。
地植えのエンジェルストランペットの場合、基本的に降雨に任せて問題ありません。雨が降らずに乾燥した日が続いたら水やりしましょう。ただし、夏場は土が乾きやすくなるため、毎日のように水やりが必要になるケースもあります。
鉢植えの場合は用土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えます。夏は朝夕2回の水やりが必要になることもあるため、こまめに土の状態をチェックしてあげましょう。反対に、冬になったら水を与える頻度を少なくして、乾かし気味に管理します。
肥料
エンジェルストランペットは多くの花を咲かせるため、肥料をしっかりと与えることが大切です。とくに春から秋の生育期には、肥料切れに気をつけましょう。
植えつけ、植え替えの際は、元肥として肥料期間が約2年間持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みます。
春~秋には追肥を行います。追肥にはバラまくだけで肥料効果が約2~3カ月間持続する粒状肥料『プランティア花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。
もしくは、1週間~10日に1回の頻度で速効性の液体肥料『ハイポネックス原液』をあたえます。
エンジェルストランペットの管理方法
エンジェルストランペットは育てやすい植物ですが、アブラムシなどの病害虫対策や剪定などのお手入れも必要です。こちらでは、エンジェルストランペットの管理についてご紹介します。
アブラムシ対策
エンジェルストランペットの新芽や蕾に、アブラムシが発生することがあります。アブラムシはごく小さな虫で、植物を吸汁し弱らせてしまいます。病気を媒介する原因にもなるため、見つけたらすぐに駆除しましょう。予防効果のある薬剤を使って対策することもおすすめです。
植え替え
鉢植えのエンジェルストランペットは、ずっとそのまま育てていくと根詰まりしてしまうことがあります。1年~2年に1回の頻度で植え替えてあげましょう。
小さな苗から育て始めた場合は、ある程度の大きさになるまで鉢増ししていくことがおすすめです。鉢は最終的に10号鉢程度のサイズになるのが目安です。
剪定・切り戻し
エンジェルストランペットをコンパクトに育てたい場合は、切り戻して高さを調整しましょう。気温が下がる11月頃、株元を50cm~1mくらい残して大胆に切り詰めます。気温が高くなってきたら再び芽吹き、枝を伸ばしていきます。
冬越し
霜の降りない地域であれば、屋外で冬越しさせることができます。その場合、全体を寒冷紗で覆ったり、株元をビニールなどでマルチングしたりして、防寒対策すると安心です。
寒冷地の場合は室内へ移して冬越しすることがおすすめです。切り戻しを済ませてから鉢を移動させましょう。この時期は生育が停滞するため、水は控えめに与えます。春になり、暖かくなってきたら少しずつ日に当て、水やりの量を増やしていきましょう。
エンジェルストランペットの増やし方
エンジェルストランペットは挿し木で増やすことができます。4月~8月頃、枝を10cm~30cmほどの長さで切って挿し穂をつくり、挿し木用土に挿してみましょう。
このとき、挿し穂の上部には葉を残し、下のほうについている葉は落としておきます。葉が大きすぎる場合は半分程度にカットしておきましょう。
用土に挿す前に30分から1時間ほど水につけて吸水させることもおすすめです。挿し木用土は肥料の含まれていない清潔な土を使いましょう。
挿し木をした後は、土を乾かさないようにしながら日陰で管理します。順調にいけば9月頃には発根しているはずです。鉢上げして、通常のエンジェルストランペットと同じように育てていきましょう。
おわりに
エンジェルストランペットは一株に多くの花を咲かせます。栽培するときは水や肥料をしっかりと与え、寒さ対策なども行うことがポイントです。毒があるため誤食などには十分に気をつけて、たくさんの花の観賞を楽しみましょう。