【ロウバイの育て方】基本の栽培方法や剪定のコツ、増やし方
冬のお庭を彩る花木のひとつであるロウバイ。花の時期が来ると、蝋細工のような香りの良い花をたくさん咲かせます。
見た目は繊細ですが、丈夫な性質のためお手入れの手間がかかりにくい植物でもあります。
ぜひご自宅に植えて育て、花の観賞を楽しみましょう。
今回は、ロウバイの特徴や基本的な育て方、剪定方法、増やし方などをご紹介します。
【ロウバイの育て方】特徴や魅力
ロウバイはどのような特徴を持つ植物なのでしょうか。まずは、ロウバイの基本的な特徴や魅力をご紹介します。
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ロウバイの基礎知識
ロウバイは透き通るような黄色い花を咲かせる花木です。中国原産で、日本には江戸時代の初期には伝わっていたといわれています。
落葉低木であり、地植えすると樹高は4mほどになることもあります。蝋細工のように繊細で美しい花は、冬の庭を上品に彩ってくれるでしょう。
開花時期は12月から2月にかけてです。秋には葉が黄色く色づき、冬にかけて枯れ落ちた後、花のシーズンを迎えます。
花の時期には甘い香りを楽しめるのも魅力です。花後の春にはみずみずしい葉をつけ、秋には実をみのらせます。可愛らしい実ですが、毒を持っているため食べないように注意しましょう。
ロウバイと梅の違い
ロウバイは漢字では「蝋梅」と書きます。花の形や開花時期も似ているため、ウメ(梅)の一種だと思っている方も多いのではないでしょうか。
ただ、ウメはバラ科の植物で、ロウバイはロウバイ科の植物です。
ウメは高木で5m以上に生長することがある点も異なります。見た目も異なる部分が多いため、機会があればぜひ見比べてみましょう。
【ロウバイの育て方】基本の栽培や管理方法
ロウバイはお世話の手間がかかりにくく、丈夫な花木です。初めて花木を育てる方にもおすすめできます。
ぜひご自宅に植えて栽培にチャレンジしてみましょう。こちらでは、ロウバイの基本的な育て方をご紹介します。
ロウバイの好む栽培環境
ロウバイは耐暑性・耐寒性ともに強く、幅広い環境で育てやすいことが魅力のひとつです。
ただし、花を咲かせるためには日光に当てることが大切です。半日陰程度の場所か日なたへ植えてあげましょう。とくに春から夏にかけての時期は、たっぷりと日に当てて育てます。
冬になると開花しますが、その間に強い寒風に当たると花が落ちてしまうこともあるため気をつけましょう。強い風を避けられる場所へ植えることがおすすめです。
また、ロウバイは移植を嫌います。できる限り植えかえずに済むよう、植えつけ場所をよく考えたうえで決めましょう。ただし、鉢植えの場合は根詰まりしないように2年に1回ほど植えかえます。
土づくり
基本的に土質は選びませんが、水はけの悪い環境は避けることがポイントです。
地植えする場合、腐葉土や堆肥などを加えて植えつけ予定地を耕しておきましょう。
鉢植えの場合は小粒の赤玉土と腐葉土を8:2程度で混ぜたものなどがおすすめです。
苗木選び
ロウバイは苗木を購入して植えつけることが一般的です。鉢植えのポット苗や根巻き苗などがあるため、お好きなものを選びましょう。
ちなみに根巻き苗とは、掘り上げた根鉢の部分を縄や布などで包んでいるものを指します。
苗木を買うときは、葉がしおれていないか、全体に病害虫の被害を受けた痕跡がないかを確かめます。ひょろひょろと間延びしているものはなるべく避け、がっしりとしたものを選びましょう。
植えつけ
ロウバイの植えつけ適期は落葉中の11月から3月にかけてです。ただし、寒さが厳しい地域の場合、1月~2月上旬あたりは植えつけを避けましょう。
植え穴は根鉢の2倍程度の大きさを掘ります。排水性の悪い場所の場合は、土を盛ったところに植えつけましょう。
株元の位置を周囲よりも高くすることで、水がたまるのを防ぎます。植えつけ直後は乾燥を避けるため、敷き藁などで株元を覆うこともおすすめです。
また、ロウバイは太い根をたくさん生やして浅い位置で張ります。鉢植えの場合、根鉢より二回り程度大きい鉢へ植えつけると良いでしょう。
水やり
ロウバイの植えつけ後、根がしっかり張るまでに2年~3年かかることもあります。その間はカラカラに乾いてしまわないよう注意が必要です。土の表面が乾いていたら水を与えましょう。
地植えの場合、根づいた後はほとんど水やりせず、雨水で問題なく育ちます。雨が降らない日が続いたときには水をあげましょう。
鉢植えの場合はこれまでと同じく、土の表面が乾いたら水を与えます。土がつねに湿っていると根腐れの原因になるため、乾いたのを確認してから水やりしましょう。
肥料
植えつけの際は元肥として肥料期間が約2年間持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』を土に混ぜ込みます。を施します。4月から5月にかけて追肥します。
花の咲いていない株には9月にも追肥を施しましょう。肥料は根を傷めないよう、幹から少し離れた場所へ施すことがポイントです。
追肥にはバラまくだけで肥料効果が約2~3カ月間持続する『プランティア花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。
12月頃には、土壌改良を目的に寒肥を与えます。『土を豊かにする肥料』は、堆肥と肥料成分がひとつになっているので寒肥におすすめです。
【ロウバイの育て方】剪定のポイント
ロウバイを長く楽しむためには、適切な時期に適した方法で剪定することが大切です。基本の時期や方法について押さえておきましょう。
こちらでは、ロウバイの剪定の目的や時期、方法などをご紹介します。
ロウバイを剪定する目的
ロウバイはその年に伸びた新しい枝に花芽をつけます。古い枝をそのままにしておくと花つきが悪くなることがあるため、剪定しておくことが大切です。
さらに、根元からは「ひこばえ」と呼ばれる芽が何本も伸びてくることがあります。放っておくと開花に必要なエネルギーを取られてしまうため、こちらも切っておくことがおすすめです。
ロウバイの剪定時期
ロウバイの主な剪定時期は、開花が落ち着き、新芽が出始める2月下旬~3月頃です。ひこばえもどんどん伸びてくるため、この時期に切っておくと良いでしょう。
初夏~夏、11月頃にも剪定できますが、花芽を切らないように十分に気をつけることが大切です。
ロウバイの剪定方法
ロウバイが生長し、成木になったら自然と樹形が整っていきます。基本的に強剪定せず、気になる箇所や古くなった箇所などを切る程度で問題ないでしょう。
剪定時、ひこばえは優先して切っていきます。2本~3本を残し、あとはかき取りましょう。徒長した枝や込み合っている部分の枝、内側に向かって伸びている枝などもカットしていきます。
【ロウバイの育て方】増やし方や注意点
ロウバイは挿し木や接ぎ木、種まきなどの方法で増やすことができます。ご家庭でも挑戦しやすいのは種まきです。
こちらでは、ロウバイを種まきで増やす方法をご紹介します。
準備するもの
ロウバイの種まきをする際、まずは小さな育苗ポットなどにまいて、元気に育ったものは鉢上げしていきます。育苗ポットや育苗トレーなどを準備しておきましょう。
種まき時の用土は、小粒の赤玉土や市販されている種まき用土がおすすめです。鉢上げする際に、小粒の赤玉土と腐葉土を8:2で混ぜたものなどに植えかえましょう。
種まきの方法
ロウバイの種は9月頃にできるため、摘み取ってそのまま「とりまき」しましょう。種の深さの3倍ほどの穴をあけ、種を入れて土をかぶせます。水をたっぷりとあげて完全に乾かさないように管理しましょう。
秋にまいた種は、順調にいくと春頃に発芽します。本葉が3枚~5枚つく頃になったら鉢へ植えかえましょう。
その後、ロウバイの花はすぐに咲くわけではありません。栽培環境や生育状況にもよりますが、発芽から5年程度で開花すると考えておきましょう。開花を楽しみにしながら気長に育てていくことが大切です。
おわりに
ご自宅にロウバイを植えていると、冬に咲く美しい花をたくさん観賞できます。栽培時には、湿った状態が続かないように水はけの良い状態で管理することがポイントです。
施肥や剪定なども行いながら優雅なロウバイを育て、季節の移ろいを感じましょう。