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【果樹栽培】【パイナップルの育て方】|美味しい果実を収穫するための管理のコツ

【果樹栽培】【パイナップルの育て方】|美味しい果実を収穫するための管理のコツ

パイナップルは熱帯生まれの果実です。なんとなく「自宅で栽培するのは難しそう……」とイメージしている方も多いのではないでしょうか。

ただ、パイナップル栽培はそれほど手間をかけることなく始めることができます。お好きな方は、ぜひ家庭菜園に挑戦してみましょう。

今回は、パイナップルの特徴や基本の育て方、増やし方などをご紹介します。

パイナップルの基礎知識

甘味と酸味を兼ね備えたパイナップルは、人気の高い果物のひとつです。食物繊維やビタミンB1、ビタミンC、カリウム、マンガン、クエン酸など、多くの栄養素を含んでいます。

さらに、ブロメラインというたんぱく質分解酵素を含んでいることも特徴です。

パイナップルを食べたときに口の中が荒れてしまうことがあるのは、この成分が原因とされます。ブロメラインの特性を活かして料理に活用し、肉を柔らかく調理することもできます。

パイナップルはブラジル原産とされる果樹です。暖かい環境を好み、日本では主に沖縄で生産されています。スーパーマーケットなどで販売されているものは輸入品が多く、輸入先の9割以上がフィリピン産です。

2023年現在は台湾産パイナップルも人気で、徐々に輸入される量が増えてきました。

このように輸入品が多くを占めることもあり、パイナップルは南国の果物であるとイメージする方も多いのではないでしょうか。「沖縄のように温暖な土地でなければパイナップルの家庭菜園は不可能」と考える方もいるでしょう。

ただ、ポイントを押さえることで、幅広い地域で栽培することは可能です。パイナップルがお好きな方は、ぜひ家庭菜園にチャレンジしてみましょう。

パイナップルの育て方|基本の栽培方法や収穫のコツ

パイナップル栽培を始めるときは、どのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。基本的な栽培方法や収穫のポイントを押さえておきましょう。こちらでは、パイナップルの育て方について解説します。

パイナップルの好む栽培環境

パイナップルは耐寒性がやや弱く、暖かい場所で管理することがおすすめです。日本では沖縄で地植えのパイナップルが栽培されています。それ以外の地域では鉢植えにして、冬は室内や温室などで管理したほうが良いでしょう。

パイナップルを元気に育てるためには日光によく当てることも大切です。日当たりが悪いと、せっかくできた実も小さくなってしまうため気をつけましょう。

ただし、真夏の強い直射日光は葉焼けの原因になるため、夏場は半日陰程度の場所に移すか、寒冷紗や遮光ネットを使って少しだけ遮光することがおすすめです。

また、最初は小さい鉢で育てますが、収穫できる頃には株の高さが50cm~80cmになることもあります。葉も大きく広がるため、ある程度のスペースを確保しておきましょう。

土づくり

パイナップルは酸性の土を好みます。鹿沼土と腐葉土を7:3で混ぜたものなどを準備しましょう。

市販の果樹用の用土を使う場合は、鹿沼土を加えることがおすすめです。また、元肥として肥料期間が約2年間持続する緩効性肥料『マグァンプK大粒』 を土に混ぜ込みましょう。

植えつけ

パイナップルを育てる場合、苗を購入して植えつける方法か、市販の食用パイナップルのクラウンを挿す方法(クラウン挿し)などがあります。

クラウンとは、パイナップルの実の上についている、トゲトゲした緑色の部分です。冠芽(かんが)とも呼ばれます。

植えつけ適期は5月~7月です。苗から育てる場合、植えつけから1年半~2年程度で収穫できます。クラウン挿しの場合、苗から育てる場合と比べると、収穫までの期間が長くなる可能性があります。

ただ、食用パイナップルを買うついでにクラウンを入手できるため、手軽に始められることがメリットです。

クラウン挿しをする場合、なるべく虫食いや変色などの痕跡がなく、きれいな葉をつけたパイナップルを選びましょう。

果実がしっかりと熟していれば、手で引き抜くことで簡単にクラウンと分離させられます。このとき、ケガをしないように厚めの軍手を着用しましょう。

クラウンの底についている葉をはがしたら、日陰で3日ほど乾燥させます。底部がしっかりと乾いてから植えつけましょう。ぐらぐらする場合は支柱を立てます。

水やり

植えつけ後にはたっぷりと水を与えます。その後も、土が乾いていたら水をあげるようにしましょう。

水のあげすぎには注意が必要ですが、果樹がつきはじめたら水をたくさん必要とするようになります。水切れに注意しながら管理しましょう。

肥料

パイナップルは春から秋にかけて生育します。この時期になったら、追肥を施しましょう。しっかりと肥料を与えることで生長を促し、大きく育った果実の収穫へつなげることができます。

追肥にはバラまくだけで肥料効果が約2~3カ月間持続する『プランティア花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。

冬越し

パイナップルは10℃を下回らない環境で育てることがポイントです。暖かい時期は屋外で育てますが、冬が来る前に室内へ移動させましょう。日当たりの良い窓辺がおすすめですが、朝晩の気温低下の影響を受けないよう、夜になったら移動させます。

冬場は生育が停滞するため、水やりの頻度も控えめにします。水をあげすぎると根腐れしてしまうため気をつけましょう。つねに暖房がついていて暖かい状態を保てる場合は、通常どおりに水やりして問題ありません。

室内に取り込んでいる間は観葉植物として楽しめます。ただ、葉の先端がとがっているため、小さなお子様やペットのいるご家庭は気をつけましょう。安全のため、葉の先端をカットしておいても問題ありません。

植えかえ

パイナップルを植えてから収穫できるまでは2年~3年ほどかかる場合があります。その間、少しずつ大きくなっていくため、最初に植えつけた鉢では根づまりをおこしてしまうことも。

一回り大きな鉢を準備して植えかえてあげましょう。適期は植えつけと同じく5月~7月頃です。

収穫

パイナップル栽培を続けていくと、中心から花芽が伸び始め、先端に果実ができます。収穫適期は7月~9月ですが、実の状態をよく観察したうえで収穫を行いましょう。

果実が熟し、特有の甘い香りを放つようになったら食べ頃です。追熟させることはできないため、しっかり熟すまで待ってから収穫しましょう。収穫時は実を付け根からカットします。

収穫するまでの間は、しっかりと日の光を当てることが大切です。ただ、夏の直射日光が果実に当たると傷んでしまうこともあります。実の上から紙袋などをかぶせておくと良いでしょう。

パイナップルの育て方|主な増やし方や気をつけたいポイント

パイナップルはクラウン挿し(冠芽挿し)のほか、裔芽(えいが)挿しや吸芽(きゅうが)挿しなどの方法でも増やすことができます。最後に、こちらの増やし方についてご紹介します。

裔芽(えいが)挿し

裔芽(えいが)は、実のつけね部分から伸びてくる芽です。複数の裔芽がつく場合もあります。そのままにしておくと親株の生長を妨げてしまうため、摘み取っておきましょう。

取り外した裔芽を土に植えつけることで、また新しい株を育てることができます。クラウン挿しよりも早めに収穫できることもあるため、ぜひ試してみましょう。

吸芽(きゅうが)挿し

吸芽(きゅうが)は、幹の下のほうから新しく出てくる芽です。

摘み取って別の鉢へ植えつけることで、新しい株として育てることができます。裔芽挿しと同様に、クラウン挿しより早く収穫できることがあるため、吸芽を見つけたらかき取って植えつけてみましょう。

また、吸芽を摘み取らずにそのまま育てることも可能です。親株の収穫後は吸芽が育ち、そちらに実がつきます。

ただ、これを繰り返していると収穫できる実がどんどん小さくなってしまいます。数年に1回は吸芽を取り、新しい株として植えつけたほうが良いでしょう。

おわりに

南国の果物であるパイナップルは、工夫次第で幅広い地域で栽培できます。温度や水の管理には気を配り、冬は室内へ取り込むことがポイントです。

大きく育ってきたパイナップルは、裔芽挿しや吸芽挿しなどの方法で増やすこともできます。大切にじっくりと育てていき、甘いパイナップルの収穫を目指しましょう。

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