【ハーブ】【ディルの育て方】爽やかなハーブのディルを栽培するコツや増やし方
ディルはセリ科の一年草もしくは二年草です。
爽やかな香りの葉や、ピリッとした刺激のある種が特徴で、さまざまな料理で利用されています。
栽培しやすいハーブのひとつであるため、お好きな方はぜひご自宅で育ててみることがおすすめです。
今回は、ディルの特徴や基本的な育て方、収穫方法、増やし方などをご紹介します。
【ディルの育て方】特徴や魅力
ディルはセリ科の植物で、種はスパイスとして、葉はハーブとして使われています。香りは同じセリ科のキャラウェイにも似ていて、独特の爽やかさがあります。
種には清涼感や辛みがあり、少々刺激があることも特徴です。一株あれば、魚料理やピクルス、パン、スープ、サラダなど、幅広い料理の香りづけや臭み消しとして活躍するでしょう。
ディルの開花時期は5月~7月の初夏で、小さな黄色い花を咲かせます。初夏にぴったりの爽やかな姿で、切り花にして楽しむのもおすすめです。
ただし料理のために葉をたくさん摘み取りたい場合は、花を咲かせないほうが長く収穫できるでしょう。
ディルとフェンネルの違い
ディルは同じセリ科のフェンネルとよく似た姿をしています。同時に育てていると、見分けがつかなくなってしまうこともあるでしょう。
ディルは基本一年草のため、花が終わると枯れてしまいますが、フェンネルは多年草で長く育てることができます。ディルの草丈は60cm~1mですが、フェンネルのほうは2mに達することもあります。
香りや風味は異なり、フェンネルのほうは清々しさがありながら甘さを感じさせる香りが特徴です。お好みで使い分けると良いでしょう。
ただし、ディルとフェンネルを同時に育てる場合は、近くに植えないことがおすすめです。距離が近いと交雑してしまうことがあるため、なるべく離れた場所へ植えましょう。
【ディルの育て方】土づくりから植えつけまで
ディルの栽培をできるだけ長く楽しむためには、適した環境を用意してあげることがポイントです。
こちらでは、ディル栽培を始めるときに知っておきたい土づくりや種まき、植えつけなどについて解説します。
ディルの好む栽培環境
ディルは日光をしっかりと当てることで元気に育ちます。日当たりの良い場所で育てましょう。
多湿を避け、風通しの良い場所へ植えることも大切です。
ただ、耐暑性がそれほど強いわけではないため、真夏は半日陰へ移動させることがおすすめです。
土づくり
ディルは水はけが良く肥沃な土を好みます。プランターやコンテナ栽培の場合は、小粒の赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたものや、市販の培養土などがおすすめです。
『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』は、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されたプランター栽培に最適な培養土です。
地植えにする場合は植えつけ前に苦土石灰や堆肥、腐葉土などを混ぜて耕しておきましょう。ディルの根はよく伸びるため、生長を妨げないように土の深いところまでしっかりと耕すのがポイントです。
種まき
ディルの種まき適期は3月~5月、9月~10月頃です。発芽適温は15℃~20℃のため、高温・低温になる時期は避けて種まきしましょう。
鉢やプランターなどに直接まく場合は、深さ0.5cm程度の溝をつくってすじまきすることがおすすめです。発芽したら間引いていき、最終的に株間が20cmになるよう調整します。
種まきが終わったらたっぷりと水を与えます。ただし、ディルの種は小さいため、水の勢いが良すぎると流れてしまうことがあります。種がなくなってしまわないよう、霧吹きを使って水やりすることがおすすめです。
植えつけ
ディルは種からだと大量に育てられることがメリットですが、一度の料理でそれほど多くの量を使うわけではないため、収穫しても余ってしまうことがあります。家庭菜園の場合は苗を必要な分だけ購入して植えつけるほうが、無駄がないかもしれません。
ただし、ディルは移植を嫌うため、植えつけの際には根を傷つけないように注意が必要です。
ディルの植えつけ適期は4月~6月、10月~11月です。春に植えつける場合は気温が高くなる前に、秋に植えつける場合は寒くなる前に作業を済ませましょう。
苗を購入する場合は、葉の色があせておらず、病害虫の痕跡がないものを選ぶことがコツです。
【ディルの育て方】日々のお手入れのコツや収穫方法
ディルの種まき・植えつけが済んだら、水やりや施肥などの必要なお手入れを行いましょう。こちらでは、ディルの日々のお手入れ方法や収穫のコツなどをご紹介します。
水やり
ディルは過湿を嫌います。つねに土がしめったような状態にならないよう気をつけて管理しましょう。プランター栽培の場合は土の表面が乾いてからたっぷりと水やりします。
地植えの場合は降雨に任せます。極端に乾燥した状態にならないよう、晴れた日が続いた場合は水をあげましょう。とくに、真夏は土が乾きやすいため注意が必要です。
肥料
植えつけの際は元肥として緩効性肥料『今日から野菜 野菜の肥料』を施します。『』
『今日から野菜 野菜の肥料』は、元肥・追肥に使用することができ、ゆっくり長く効き続けるので肥料不足を起こさず、野菜、ハーブが元気においしく育ちます。
生育期間中は月に1回程度の頻度で緩効性肥料を追肥しましょう。ただし、真夏の時期だけは施肥をストップして様子を見ます。
支柱立て
ディルの草丈は1mほどになることもあります。大きくなってくると風で倒れてしまうことがあるため、支柱を立てて予防しましょう。また、支柱を立てておくことで収穫や剪定などのお手入れ時も作業しやすくなります。
病害虫対策
ディルの病害虫被害は少ないものの、キアゲハが卵を産みつけに来るケースがあります。孵化すると幼虫に葉を食べられてしまうため気をつけましょう。
室内栽培であれば問題ありませんが、屋外で育てる際は防虫ネットを張っておくこともおすすめです。プランター用の防虫ネットも販売されているため、お好きなものを選んで活用しましょう。
剪定・摘心
ディルの生育に合わせ、摘心を行うことで収穫量を増やせます。草丈が20cm程度に達した頃に摘心して、脇芽を増やしましょう。
また、ディルの開花後は葉がかたくなり、食感が悪くなってしまいます。葉を長く収穫したい場合は、花を咲かせないことも大切です。花芽がついたら摘み取りましょう。
花の観賞も楽しみたい場合や、種をとって料理の香りづけなどに使いたい場合は、葉の収穫用とは別で複数株を育てることもおすすめです。
収穫方法
ディルの草丈が20cm~30cmになったら随時収穫を行えます。
下葉から少しずつ収穫していくことがポイントです。
葉が柔らかいうちに摘み取って料理に使いましょう。ただし、一度の収穫でたくさんの葉を取りすぎると生育に影響が出てしまうことがあるため注意が必要です。収穫量は株全体の3分の1程度にとどめましょう。
また、種を収穫して料理に使いたい場合は、未熟な状態のものを採ることがポイントです。花茎の根元から刈り取り、種を取り出して収穫しましょう。
【ディルの育て方】主な増やし方
翌年以降もディルの収穫を楽しみたい場合は、種を採って増やしましょう。
ディルはこぼれ種でも簡単に増える植物です。枯れた後もそのままにしておくと、自然と種がこぼれて増えていくことがあります。植える場所を変えたい場合は、こぼれる前に種を採取しておきましょう。
種を採る場合は花茎ごと刈り取って乾燥させ、追熟させてから種を取り出します。種は冷暗所へ保存しておき、種まき適期が来たらまいて育てましょう。
おわりに
ディルは丈夫で育てやすいハーブのひとつで、一株あるとさまざまな料理に活用できます。
葉を少しずつ収穫して味わうことができるほか、黄色い花が咲き終わった後は種を採って楽しむこともできます。
地植えでもプランター栽培でも育てられるため、お好きな方はぜひ家庭菜園にチャレンジしてみましょう。