【家庭菜園】【ニラの育て方】|家庭菜園でニラをたくさん収穫しよう!栽培のコツや注意点は?
ニラは野菜のなかでは珍しく、何年も育てられる多年草です。一度植えつければ、お手入れを続けながら長く栽培することができます。
さまざまな料理に使える便利なニラを、家庭菜園で育ててみましょう。
今回は、ニラの特徴や基本の育て方、収穫や株分けの方法などをご紹介します。
ニラの特徴
ニラは中国が原産といわれる多年草です。独特の香りがあり、炒め物やスープなど、さまざまな料理で活用されています。
ビタミン類やカロテン、カルシウムなどの豊富な栄養が含まれていることも特徴です。
ニラは葉を食べることが多いですが、花茎も食べることができます。八百屋やスーパーの野菜売り場などでも、花茎のついた「花ニラ」が売られていることがあります。
花茎を収穫することを目的とした花ニラ専用品種もあるため、気になる方はチェックしてみましょう。
ちなみに、食用の花ニラとは別に、観賞に向いた花を咲かせる「花ニラ(ハナニラ、イフェイオン)」もありますが、こちらは食用のニラとは別物です。
同じ呼び名のため間違いやすいですが、観賞用のハナニラを食べると体調を崩すこともあるため気をつけましょう。
また、ニラの生育がもっともよくなるのは春から夏の時期ですが、1年を通して複数回の収穫が可能です。真夏と真冬を除いて、1年に5回~6回の収穫が目安となります。
ひとつ植えているだけでも多くのニラの収穫を楽しめるでしょう。
ニラの育て方|土づくりから植えつけまで
ニラは丈夫で育てやすい野菜のひとつです。お好きな方は、ぜひニラの家庭菜園にチャレンジしてみましょう。ここからは、ニラの基本的な育て方をご紹介します。
ニラの好む栽培環境
ニラの生育適温は20℃~25℃で、温暖な環境を好みます。日当たりと水はけの良さも大切です。
基本的には日なたで育てましょう。ただ、夏の強い日差しに当てすぎると葉が硬くなることもあるため注意が必要です。日よけをつくったり、プランターを移動させたりして対処しましょう。
一度植えつけた後は、4年~5年は植えっぱなしで栽培することができます。植えかえずに済むよう、植えつけ場所はよく考えておきましょう。
土づくり
地植えする場合は植えつけ2週間前までに苦土石灰や堆肥を混ぜて耕しておきます。植えつけ1週間前になったら元肥として緩効性肥料を加えておきましょう。
元肥には野菜の生育に必要な成分と有機成分をバランスよく配合した『今日から野菜 野菜の肥料』がおすすめです。
プランター栽培の場合は野菜用培養土を使うことがおすすめです。
『今日から野菜 野菜を育てる土』は,天然素材と有機原料を使用した野菜の植えつけに適した培養土です。
種まき
ニラの種まき適期は3月~4月、9月です。初心者の場合、春まきのほうが管理しやすいでしょう。
畑へ地植えしてたくさん育てる場合、まずは露地に苗床をつくって育苗し、ある程度育ったら畑へ植えかえる方法があります。プランター栽培の場合は直接種まきして問題ありません。
地植えでもプランター栽培でも、種まきの際は深さ1cm程度の溝を掘ってすじまきにすると良いでしょう。複数の溝をつくる場合は、溝同士の間を15cmほどとります。
種と種は重ならないように注意し、土を薄くかぶせます。終わったら水をたっぷりと与えましょう。
うまくいけば、種まきから2週間前後で発芽します。元気なものを残して順次間引いていきましょう。最終的に株間が1cm~2cmになるよう調整します。
植えつけ
種まきから80日~90日経ち、草丈が20cm程度になったら畑へ植えつけることができます。深さ5cm~10cmほどの植え穴を掘り、ニラを植えつけましょう。
ニラは一つひとつの株を離して植えるよりも、ひとつの植え穴に3株~4株まとめて植えることで生育が良くなるといわれています。
株同士の葉が干渉しない程度の距離を保ちながらまとめて植えつけましょう。植え穴同士の間隔は30cmほどとります。
また、ニラの成長点は株元の分岐しているところにあります。土をすべて戻すと成長点が埋まってしまうことがあるため、浅めに覆土しておきましょう。
ニラの育て方|収穫までの管理方法
ニラは栽培期間が長い野菜です。日々の水やりや定期的に追肥を行いしっかりとお手入れしていきましょう。こちらでは、ニラの収穫までのお世話の方法を解説します。
水やり
ニラは水切れすると硬くなり、食感が悪くなってしまうことがあります。土の表面が乾いたら水をたっぷりとあげるようにしましょう。
ただし、過湿に弱いためつねに土が湿った状態にするのは避けます。
夏は乾燥しやすいため、1日2回の水やりが必要になることがあります。朝と夕方の涼しい時間帯に水をあげましょう。反対に、冬は土が乾燥しにくくなるため頻度を減らします。
追肥
美味しいニラを収穫するためには、肥料を適切に与えることが大切です。肥料が不足すると生長が遅くなり、葉が硬くなってしまうこともあります。
植えつけの際は元肥を施しておき、植えつけ1カ月後から追肥を始めましょう。
『今日から野菜 野菜の肥料』は、元肥・追肥に使用することができ、ゆっくり長く効き続けるので肥料不足を起こさず、野菜が元気おいしく育ちます。
収穫が始まったら、速効性の液体肥料『ハイポネックス原液』を1週間~10日に1回の頻度であたえることでより丈夫な株に生長します。
さらに、冬はニラの地上部が枯れてしまうことがあります。枯れたタイミングでお礼肥(追肥)を施しておきましょう。
『土を豊かにする肥料』は、堆肥と肥料成分がペレット状になっており、肥料効果と同時に土の中の微生物の働きをうながします。
水も与えながら管理していくと、翌年には再び芽を出すはずです。
土寄せ
ニラの生育に合わせ、段階を踏んで土寄せをしていきます。草丈が高くなると成長点の位置も高くなるため、それに合わせて土を足していきましょう。
最初の土寄せは植えつけから約3週間後、2回目は約6週間後、3回目は約9週間後です。
ニラの育て方|収穫方法や株分けのコツ
ニラが大きく育ち、草丈20cm~30cm程度になったら収穫のタイミングです。最後に、ニラの収穫方法や株分けのコツなどをご紹介します。
ニラ収穫の注意点
ニラを植えつけた最初の年は株が十分に育っていないため、多くの葉を収穫するのは難しいかもしれません。
農家の場合、安定して多くの量を収穫するために1年目は株を充実させることを優先し、2年目以降に本格的な収穫を始めます。家庭菜園であれば最初の年から収穫しても良いでしょう。
収穫方法
ニラを収穫するときは、根元を3cm~4cm残してハサミで刈り取ります。刈り取った後は忘れずに追肥を行いましょう。
水を与えながらお世話を続けていけば、1カ月ほどで再び収穫できるようになります。
上記のように、ニラの栽培中は何度も収穫が行えます。夏になると花茎が出て「とう立ち」するため、蕾を摘み取っておきましょう。
そのままにしておくと株が弱ってしまいます。このとき取り除いた花茎は花ニラとして食べることができるため、ぜひ味わってみましょう。
また、あえて花をそのまま咲かせて種を採り、採取してまくこともできます。
株分け
ニラを長く栽培していると「分げつ(分けつ)」して茎が増えていきます。
そのままにしておくと株が込み合って窮屈になり、生育が衰えたり、葉が細くなったりすることもあります。3年目~4年目を目安に株分けをすることがおすすめです。
株分けの適期は2月~3月です。冬の休眠が明けて新芽が動き出す直前を狙うと良いでしょう。
株分けの際、枯れ葉が残っていたら刈り取っておきます。
ニラを掘り上げる際は細い根が切れてしまうこともありますが、少しであれば問題ありません。土を落とし、手で割って3株~5株に分けましょう。
分けた株は再び植えつけます。順調にいけば、株分けから2カ月ほどで収穫が行えるでしょう。
おわりに
ニラは何年も育てることができる野菜で、しばらく植えっぱなしにできる丈夫さも魅力です。
育てやすいため、家庭菜園が初めての方にもおすすめできます。ニラがお好きな方はぜひご自宅に植えて、長く育てていきましょう。