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【デルフィニウムの育て方】|花を長く楽しむためのお世話のポイントや増やし方

【デルフィニウムの育て方】|花を長く楽しむためのお世話のポイントや増やし方

初夏の時期に、ふわふわとした青い花をたくさん咲かせるデルフィニウム。切り花やブーケの花材としても人気です。

今回は、デルフィニウムの特徴や主な系統、基本の育て方、増やし方などをご紹介します。ぜひお庭やベランダでデルフィニウムを育ててみましょう。

デルフィニウムの基礎知識

デルフィニウムはどのような魅力を持つ花なのでしょうか?まずは、デルフィニウムの特徴や名前の由来、系統などについて解説します。

デルフィニウムの花の特徴

デルフィニウムは5月~6月の初夏に開花するキンポウゲ科の多年草です。草丈は20cmから150cmで、青や紫、白、ピンクなどの美しい花を咲かせます。

花の後ろを見てみると、一部が突き出ていることがわかります。これは「距(きょ)」と呼ばれる部分で、花びらや咢(がく)が変化したものといわれています。

デルフィニウムは、とくに青色系の花をつける品種が有名で、結婚式のブーケとしても人気です。

青の色味も幅広く、澄み切った空のような水色の花を咲かせるものもあれば、鮮やかな濃い青色の花を咲かせるものもあります。

お庭の主役としても引き立て役としても活躍するでしょう。ローズガーデンなどで、ほかの花と合わせるのにも向いています。

また、デルフィニウムには毒があるため、誤って食べてしまわないように注意が必要です。小さなお子さまやペットのいるご家庭ではとくに管理に気をつけましょう。

デルフィニウムの名前の由来

デルフィニウムの学名である「Delphinium」は、ギリシャ語でイルカを意味する「Delphis」が元になっているといわれています。

デルフィニウムの蕾の形がイルカの形状に似ていることから、その名がついたと考えられています。

また、和名では「オオヒエンソウ(大飛燕草)」とも呼ばれることがあります。花がツバメの姿にも見えることから、この名前がついたようです。

デルフィニウムの主な系統

デルフィニウムはエラータム系やシネンセ系(シネンシス系)、ベラドンナ系などに分けることができます。それぞれ特徴が異なるため、お好みのものを探してみましょう。

エラータム系

エラータム系は長い花穂が天を突くように伸びる、ゴージャスな花の姿が特徴です。草丈は1m以上になるものもあります。

ご自宅に植えると、存在感のある姿で花壇を彩ってくれるでしょう。

シネンセ系(シネンシス系)

エラータム系とは異なる、繊細な花の姿が魅力的なシネンセ系。華奢な茎が枝分かれして伸び、ふわふわとした花がいくつも咲きます。ほかの花と合わせやすい点も魅力です。

ベラドンナ系

ベラドンナ系はエラータム系とシネンセ系両方の特徴を持つ存在です。

見た目や花の特徴、サイズなども両者の中間であるため、どの品種を育てるか迷ったらこの系統を選んでみても良いかもしれません。

動画でわかりやすく!!!植物の育て方を紹介する【PlantiaQ&A】

☘198:デルフィニウムの育て方|きれいな花を何度も楽しむ方法は?水やりや肥料などの管理方法もご紹介

デルフィニウムの育て方|栽培を始めるときのポイント

お気に入りの品種を見つけたら、ぜひご自宅で育ててみることがおすすめです。種や苗を入手して、栽培をスタートしましょう。

こちらでは、デルフィニウムの土づくりや種まき、植えつけなどの方法を解説します。

デルフィニウムの好む栽培環境

デルフィニウムは日当たりや風通し、水はけの良い場所を選んで植えつけます。なるべく高温多湿な状態にならない環境を整えましょう。

デルフィニウムは本来は多年草ですが、冷涼な気候を好むため、日本の夏は超えられないケースが多く見られます。そのため、日本では一年草として育てることが一般的です。

ただ、涼しい地域で直射日光を避け、明るい日陰で管理すれば夏越しできることがあります。

土づくり

デルフィニウムを育てる用土は、保水性と排水性、通気性を兼ね備えたものを準備します。鉢植えの場合は、草花用培養土を使用します。

『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』は、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合された鉢栽培、プランター栽培に最適な培養土です。

地植えする場合は、赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたものに堆肥を少量加えると良いでしょう。

『土を豊かにする肥料』は、堆肥と肥料成分がペレット状になっており、肥料効果と同時に土の中の微生物の働きをうながすのでおすすめです。

種まき

デルフィニウムの発芽適温は15℃~20℃です。温暖地や暖地では秋まき、寒冷地や寒地では春まきが適しています。

デルフィニウムの種は発芽のときに光を必要としないため、しっかりと種が隠れるように覆土しましょう。

種まき後はたっぷりと水をあげ、発芽するまでは水切れしないように管理します。発芽後は日に当てて育てましょう。

植えつけ

デルフィニウムの種をまいて発芽したら、苗が小さなうちに植えつけます。

デルフィニウムは直根性で、苗が大きくなってからの移植を嫌うためです。本葉が2枚~3枚のタイミングで鉢や花壇へ植えつけましょう。

植えつけの際は元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込みます。植えつけ2週間後から追肥を行います。

追肥にはバラまくだけで肥料効果が約2~3カ月間持続する『プランティア花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。

また、春や秋に苗を購入した場合はすぐに植えつけを行います。

地植えする場合は水はけを良くするため、10cmほど土を盛ったところへ植えると良いでしょう。株間は20cm~30cmほどとります。

デルフィニウムの育て方|日々のお世話や増やし方

デルフィニウムを長く観賞を楽しむため、水やりや追肥など適切な管理のコツを確かめておきましょう。

こちらでは、デルフィニウムの基本の育て方や増やし方などを解説します。

水やり

デルフィニウムは多湿が苦手です。水やりの頻度が多すぎると、土が湿った状態が続いてしまいます。土の表面が乾いたのを確認してから水を与えるように心がけましょう。

地植えした場合は基本的に雨が降るのに任せ、水やりする必要はありません。日照りが続いたら水をあげましょう。

肥料

デルフィニウムの花を美しく咲かせるためには、肥料を適切に施すことも大切です。植えつけの際は元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込みます。

3月頃にはデルフィニウムの葉が展開し始めます。この時期に追肥を行いましょう。

追肥として、バラまくだけで肥料効果が約2~3カ月間持続する『プランティア花と野菜と果実の肥料』がおすすめです。

支柱立て

デルフィニウムは草丈が高くなる品種もよく見られます。風雨の影響で倒れてしまわないよう、支柱を立ててあげると良いでしょう。

とくにエラータム系のように、大きく育つタイプは支柱を準備しておくことがおすすめです。

うどんこ病対策

デルフィニウムは病害虫被害が少ないといわれていますが、栽培しているとうどんこ病が発生することがあります。

うどんこ病はカビの一種である糸状菌が原因といわれる病害です。患部は粉をまぶしたように白くなり、放っておくと白い部分が広がっていきます。

そのままでは枯れる原因になるため、見つけたらすみやかに切除しましょう。

また、密植で風通しが悪くなることなどでも、うどんこ病が発生しやすくなるといわれています。

風通しの良さを保てるよう、植えつけ時にはしっかりと株間を設けましょう。

花がら摘み

デルフィニウムにはたくさんの花がつきます。長く観賞を楽しみたい場合は、咲き終えたものをひとつずつ摘み取っておきましょう。

放置していると種をつくり始め、次の花をつけるエネルギーが奪われてしまいます。

切り戻し

一番花が咲き終わる頃に切り戻しを行うことで、二番花の開花も楽しめることがあります。脇芽を残して株元からカットしておきましょう。

2カ月ほど後に二番花を観賞することができます。環境によっては、再び花が終わる頃に切り戻しを行うことで、三番花や四番花を咲かせることもできるでしょう。

夏越し

気候などの条件が合えばデルフィニウムを夏越しさせることも可能です。なるべく耐暑性の強い品種を選ぶことでも、成功率を上げられるでしょう。

夏越ししたい場合は、夏場の強い日光を避けられる風通しの良い場所へ鉢を移動させます。初夏になり、気温が上昇してきたら徐々に場所を移しましょう。

鉢土の温度が日光の影響で上がりにくくなるよう、二重鉢にすることもひとつの方法です。水は与えすぎないように注意し、やや乾き気味に管理しましょう。

種の採取

デルフィニウムは夏越しが難しいため、翌年も楽しみたい場合は種を採って増やすこともおすすめです。

花が咲き終わったら種ができるため、枯れるまで待ってから採取しておきましょう。

種を風通しの良い場所で乾燥させた後、紙袋などに入れて冷暗所で保存します。種まき適期が来たら清潔な種まき用培土に播種します。

おわりに

美しい花をたくさん咲かせるデルフィニウムは、初夏の庭を涼しげに演出してくれる存在です。

バラなどの花とも相性が良く、ナチュラルな印象のガーデンにもよく似合います。お好きな方はぜひご自宅に植えて、花の観賞を楽しみましょう。

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